(4)男女のからだとセックス








 


「男のからだ」は「女のからだ」の分家、人間のからだの本家は女性なのだ。男女の違いは外性器を見ても歴然としているが陰茎(ペニス)だって陰核(クリトリス)から派生したものなのだ。
小陰唇は男の尿道海綿体になり、大陰唇は男の陰嚢になり、膣は前立腺小室などに分化したのだ。今後の研究でクリトリスオーガズムは男の射精より快感のレベルが低いことが証明されるだろ。そして女の本当のオーガズムは膣および子宮に隠されている事実が判明するに違いない。膣オーガズムはクリトリスオーガズムの5割増しの快感、子宮腹膜のオーガズムは何と!200%となのだ。しかし、これを知るには男が性の達人にならなければならない、おそらく500人に1人の確率だ

どんな男女でも初体験の段階では、パートナーである異性の身体、特にセックスに関わりそうな身体パーツがどうなっているのか知っておきたいものです。そして、そのパーツごとの役割のようなものも知りたいわけです。最近では、ネット情報のおかげで、熱心に調べれば、相当のところまで知ることが出来るようになりました。しかし、ニッチや例外な情報も多くなり、日常的というか、汎用的身体情報の輪郭がぼやけてきている傾向もみられます。
ここでは、脳、ホルモン、神経など、男女の身体と密接に関係している部分は省略して(「男女の性欲とセックス」を参照してください)、身体のパーツとそのセックスにおける役割を解説しようと思います。
しかし、男女ともに、身体パーツとセックスの関係は個人差が多く見られ、全ての人々に当てはまらないのが難点です。特に女性の場合、この傾向が顕著ですので、この個人差を十分承知して、参考にしてください。

@性分化と性徴
胎児期に、染色体やホルモンの影響で、男女の性が分化されます。Y染色体をもった男子だけが変化し、女子は基本形のままです。つまり、男子は人間の原形である女性から分化した性だということです。だからといって、男子の方が進化した動物などという発想には、発生進化学上何の根拠もありません。逆に原形ではない為、生命力に乏しく、貧弱だとも言われています。
次に、出産誕生と同時に見られる、見た目の男女の違いです。男子にはペニスがあり、女子にはペニスがなく、股間に亀裂が見られます。ペニスの原形であるクリトリス組織が存在していますが、見た目では簡単に分かりません。この見た目の違いを第一次性徴といいます。勿論、身体の中に男子は精巣があり、女子には卵巣があります。
この見た目での男女差には大きな落とし穴があります。半陰陽の問題です⇒参考サイト@ A B
次に見た目が変わるのは「思春期」と呼ばれる時期です。現在では7歳頃から15歳くらいまでに起きる、身体的変化です。この時期を第二次性徴といいます。
男子は陰毛や体毛がチョボチョボと生え出し、顔にはヒゲが生えてきます。ボーイソプラノで有頂天だった少年は、声変わりで主役を降ろされる憂き目に遭います。喉仏ははっきり出る場合と、あまり出ない場合があります。
ペニスや睾丸も大きくなり、マスターベーションをすると、精液が出て、あっ!と驚く時期です。いわゆる精通です。念のため言っておきますが、この年齢でも小さいなりに生意気にもペニスは勃起します。細いエンピツのようなペニスが青筋立てて硬直するのです。この現象に母親は右往左往することが多いようです。くれぐれも射精を手伝ったりしないで下さい、子供が邪まな欲望をおぼえる転換期になってしまいます。
この射精の快感が、男子は一生つき合う単調な、男のオーガズムといわれるものです。小学5,6年生の視線が妙に悪くなるのは、この快感を知ってしまった所為だともいわれています。この時期の男子の興味、好奇心は女子の股間にあるであろう「何か」に擦りつけるか、入れるのではないかと、無性に性的想像を働かせる時期でもありますが、不思議と同級生の女子に、その興味はあまり向かず、相当年上の女性に向かいます。おそらく、25歳くらい年上までを、その対象として性的想像を膨らましているようです。
女子は何と言っても乳房のふくらみでしょう。はじめの内は、誰もが同じように乳首周辺の乳輪がぷっくりと脹らんできます。そこから先はその周辺に脂肪がついていきますが、脂肪の沈着は個人差が大きく、千差万別の乳房の形体をみせます。乳首も同様に個人差で変化していきます。
次に生理が始まります。これは男子の精通と意味合いは異なりますが、大人への出発点として、女子には大きな出来事となります。妊娠が出来る体になったサインです。勿論男子同様に性毛が生えてきます。身体に丸みも出てきて、お尻や太ももが特に目立つようになり、いわゆる女性らしい身体に変わって行きます。
それでは第二次性徴をとげた男女の身体とセックスとのかかわりを、部分ごとに説明することにします。男女の身体の差は骨格や筋肉などの性差もありますが、最も特長的でセックスに関わる違いは、性器と乳房に見られます。図解は現時点では省略します。最後に掲載する推薦サイトを参考にしてください。

A全体に見る男女のからだ
男女の外観の違いは、最近では怪しくなってきています。本来、男の身体はごつごつしていて、女の身体は曲線が多いと考えられていました。しかし、社会的背景の変化で、筋力の逞しい女性も出現していますし、ぽっちゃりとした身体の男性も増えています。
ということで、見た目の区別は大きな意味を失ってきています。性差の身体差では骨格、筋肉の違いなどで差が出てきますが、全体的には鍛え方で、その差は縮まってしまうようです。
衣服を着ることで一層判別が難しくなった部分もありますが、あらゆる進化においても生き残っているのはオッパイとお尻なのかもしれません。しかし、これも裏切られる可能性が高くなってきているようです。
たしかに、ジェンダーフリー論者が唱える衣服・髪形・色彩・化粧・言葉などの社会的男女差撤廃となると、相当厄介な世の中が出現するかもしれません。彼らの論理が一部証明されたことになります。となると、やはり裸になってもらうしか方法は無くなるかもしれません。そこで股間を見つめ、男女の区別をすることになるのでしょうか?まさかとは思いますが、それでは、股間を中心に男女の差を考えてみましょう。

B男性のからだ
男性の外性器(外から見える部分)は股間にぶら下がっている、ペニスと陰嚢(いんのう)です。性的部分としては会陰、性毛です。肛門も性器と考えている指向の人々もいますが、性器とは言いません。内性器は睾丸、精嚢、前立腺などです。

陰嚢(いんのう)、股間にぶら下がっている、2個の睾丸(精巣)と副睾丸(精巣上体)が入っている袋状のもので、フグリ、お稲荷などとも呼びます。陰嚢が皺くちゃなのは、睾丸の精子製造と温度が重要な関係にあり、その温度調節機能のためのもので、寒ければ縮み、暑ければ伸びるようになっています。性感は不明瞭ですが、フェラチオの延長で、口に静かに含むこともあるようです。

睾丸(精巣)は陰嚢(袋)のなかに2個あり、精子と男性ホルモンを生成しています。必ず、左右どちらかが上下の関係にあり、歩行時に邪魔にならない工夫が施されています。

副睾丸(精巣上体)は睾丸の上部に位置していて、精巣で作られた精子を一次的に貯え、成熟後精管に送り込む役目をしています。この副睾丸は神経細胞が多く見られ、睾丸(キンタマ)を打ちつけた時の、猛烈な痛みを感じる部分といわれています。

精管は副睾丸から精嚢にまで伸びている管で、精子を前立腺に運んでいます。後に精嚢と結合して、尿道・射精管と合流しています。

精嚢は精液の素になるドロドロの粘液を作り、前立腺内で分泌液や精子と混じり合い、いわゆる精液になります。

前立腺は膀胱の下部に位置し、尿道と精管の結合部を囲むようにあり、精嚢からの粘液と前立腺の分泌液と精子が混ざり合って、精液となり、射精されます。栗の実のような形で男性のみの生殖器ですが、尿道を包み込む形になっていて、その肥大などが起きると、尿道を圧迫するなど、悪さをします(前立腺肥大)。おまけですが、この器官を肛門から腸壁沿いに探り、指で圧迫刺激するのが前立腺マッサージというものです。電気ショックを受けたような快感の中、射精するようですが、内臓器官への異常な接触と刺激ですから、肥大や炎症を起しやすく、排尿困難や勃起不全のリスクがあります、それでもOKのかたはどうぞです。

ペニス(おちんちん、陰茎、男根など)
陰嚢上部から突き出ている器官、棒状をしていて、男性の最大のセックスシンボルです。勿論、役割は女性のヴァギナに挿入、射精する器官です。陰茎(肉棒の茎にあたる)の尖端は丸く膨らんでいて亀頭と呼ばれます。亀頭部には尿道口が口を開き、尿と精液の出口となっています。肉状に見られるペニスには尿道が通っていて、尿と精液の通路となります。組織のほとんどが海綿体状の組織で出来ており、性的興奮によって、充血、硬直(勃起)します。

勃起のメカニズム
陰茎の海綿体動静脈には、動静脈の吻合部分に水門のような物があり、自律神経の作用で開閉して、勃起時には動脈からの血流が増加、水門を狭めることで、静脈への流出を少なくし、海綿体の充血を強める。射精後は再び水門が開かれ、充血した海綿体から、静脈への血流再会される。通常時は、海綿体への血流がそもそも少なく、かつ水門は開いているので、僅かな血流があるだけで、小さいままです。尚、亀頭は海綿組織がなく、毛細血管が主ですから、勃起のメカニズム時に顕著に大きくなることはありません。射精の少し前になると、静脈のうっ血が起き、ひとまわり大きく張りがでます。

ペニスの大きさは日本人の場合、長さは平常時で恥骨のつけ根から亀頭の先までが7センチ前後。勃起時は約2倍程度で、14センチ前後が平均です。太さは勃起時ですが、円周で13センチ前後が平均といわれています。白人や黒人のペニスの方が2割程度大きいようです。しかし、東洋人の場合、女性の膣の大きさも小さいので、問題はありません。逆に最近では男性の体格や肥満の傾向から、育ちすぎたペニスが女性を苦しめる原因にさえなっています。日本女性の膣の奥行きが7,8センチ(伸びた場合別です)ですので、勃起時に8センチくらいあれば、ほぼ苦も無く性交で充実感を味わえます。性読本では女性の膣の感覚は入口から三分の一にあるので、3センチあれば充分女性を満足させられると記されていますが、少し慰めの入った情報でしょう。勿論、二人の愛情次第では、問題はありませんが、女性に膣の充実感を味わってもらうことは、物理的に不可能です。ボルチオにおける内臓的オーガズム到達にも、支障がありますが、生殖上の問題はありません。ペニスの成長は身体の成長と少し異なり、30歳近くまで成長しますが、これは成長というよりは、鍛えられて筋力が付くものと考えられます。尚、ペニスが勃起時に約3倍になるというのは、体積のことです。

ペニスの硬さと角度は15歳頃から20歳くらいまでが頂点です。その後は、ピークを持続させますが、35歳前後から少しずつ硬直度を失ったり、勃起するとお腹につくようなことは、なくなって来ます。また、硬直度は膣への挿入を容易にし、手を添えなくても膣口を探す能力をそなえています。角度も挿入を楽にする為のものですが、勃起時に平行程度に保たれれば問題なしです。角度が下方であっても、少し不便な程度です。問題は若い頃から勃起強度が不足しているのは、器質的要因が考えられますので、泌尿器科の診断を受けましょう。更年期などに見られる、強度不足はテクニックで補えます。逆に名チンに変身することも可能です。この辺はテクニック編で・・・

亀頭は陰茎の尖端にある丸い亀の頭に似た部分で尿道口(射精時には精液の出口)が尖端に開く。日本人では一般にこの亀頭部の方が陰茎よりも太いのが特長で、陰茎との境界部分には段差が見られる。ここを俗に「カリ首」と呼び、段差がある。この段差である縁の部分に亀頭部の性感が集中しており、陰茎との段差があるほど、膣内での刺激力があるといわれているが、微妙な差であまり大きな意味はない。男の性感の80%近くが集中しています。マスターベーションでは主にこの部分を刺激して射精します。マスターベーションなどで、この部分の刺激に対する訓練が少ないと、早漏の原因にもなります。その他の役割は充分に解明されていませんが、まず陰茎ほど勃起時に硬直しないことで、女性の膣を傷つけることを緩和しています。亀頭は主に毛細血管によって、勃起時に多少の張りが増加、射精時にもう1段膨らみますが、陰茎のように固くなることはありません。次に考えられるのが、男性自身の快感を得やすくするためと考えられます。ピストン運動で膣壁内の様々な凸凹や膣口での刺激を多く受入れるためです。その次が、動物としての名残で、先に射精したオスの精液を膣内から掃きだす、排出作用があるのでは?といわれています。

亀頭部の包皮は子供の頃は亀頭を完全に被っています。思春期を境に亀頭が成長して、徐々に露出、包皮は陰茎部に後退します。実は、この包皮のメカニズムはいい加減で、自然に亀頭が露出せず、手で剥いて亀頭を露出させる(仮性包茎)場合もあります。現実には思春期に好奇心で包皮を剥いて、亀頭を出す遊びをする男子が多く、そのことを経験した子供は仮性包茎にもなっていないようです。小学校高学年のおちんちん遊びには意味があるということでしょう。問題なのは手でも剥けない頑固な包皮です。この場合、常に亀頭部が包皮の中にあるため、非常に不潔になり、炎症や様々な問題を惹き起します。勃起時に痛みを感じたり、性交が旨く出来なかったりしますので、手術で亀頭が出るようにします。仮性包茎の場合でも、包皮と亀頭の縁部分には様々な汚れが付着しやすい状態です。炎症やペニスの臭いの原因も、だいたいはここからの汚れによるものです、嫌われること間違いなし、注意しましょう。

男の乳首は蛇足のような存在です。中には感じるという男性もいるようですが、うらやましい話です。一般には快感はありません。人間の原形が女性であったことの名残でしょう。刺激によって隆起はするようですが、ただ隆起するだけと考えるのが妥当です。

C女性のからだ
これが実は難物です。男の場合の外的形状は意外と単純です。陰茎が長いか太いか、亀頭が大きいか小さいか程度の違いです。陰嚢の皺の量や大きさで悩む男はいないでしょう。おそらく色が黒くてもそれほど気にはしません。
それに対して、女性の外性器は複雑ですし、左右対称でもなく、個人差も多く、図解の説明でも多くの誤解を生じ、心ならずも、女性を苦しめる結果になることがあるようです。女性の外性器の形状、色、大きさなどについては、個性だという考え方を推奨するのが無難だと思っています。

外性器

乳房と乳首
乳房は性器ではありませんが、女性の性的身体パーツとして見逃せません。第二次性徴をとげた乳房は大きく変化していきます。民族や個人差で大きさや形状はまちまちです。このことは、比較的日常洋服を着ていても判別できますから、誰でも知っています。最近は出来のいいブラジャーのお陰で分かりにくくもなっています。
子供の時は乳首と乳輪は男性と同じように誰にでもあり、乳首、乳輪以外は平坦です。思春期以降は少しずつ隆起が増し、大きさも増してきます。乳首は乳頭と呼ばれ、乳を分泌する乳腺と結びつき、15〜20個ある乳頭の穴から乳を出し、哺乳を行います。勿論、妊娠して出産した後のことです。乳首は時に、無乳頭や陥没乳頭という形状があって、授乳に差し障りが出ることがあります。
乳輪は乳首の周囲を囲む輪状の色素沈着部です。この部位には、乳輪腺(モントゴメリー腺)、汗腺、脂腺といったものが通っています。役割は必ずしも明確ではありませんが、これらの腺からの分泌物が乳首に油分を与え滑らかにしているとも云われています。
乳腺組織の間を埋めるように、第二次性徴以降、皮下脂肪が乳首の周りについてきて、徐々に乳房になっていきます。おそらくこの脂肪は乳腺を保護する役目があるようですが、はっきりはしていません。この皮下脂肪のつき具合が、乳房の大きさになって現れ、女性を一喜一憂させてるわけです。ちなみに乳腺組織と脂肪の比率は1:9となっていますが、乳房の大小で多少その比率は変わるようです。
妊娠により、乳首、乳輪はそれまでよりも大きくなり、色素沈着を強くし、色が平常時よりも、一層色濃くなります。乳房も大きさを増し、貧乳だった女性もこのときは、立派な乳房が出現します。
性感体としては性器に比べて感度は低いようです。感覚受容体であるパチニ小体などが分布していますが、個人差が大きく、クリトリス並に感じる場合もあれば、ほとんど感じない女性もいます。
最後になりましたが、哺乳のためには乳腺と乳首(乳頭)があれば事足りるにもかかわらず、哺乳動物の中で人間のメスにだけ何故に乳房が出来上がったのか、不思議です。
人類進化学の立場からの推論によると、人間が二足歩行に進化したことに原因があるようです。二足歩行によって、今まで発情のシグナルになっていた性器が見えなくなってしまった。また、手を自由に使うことで、子供を両手で抱いて哺乳する方が便利になってきた。この二つの利便性の進化が人類のメスに、男の目線に近く、手が自由に使える身体上部に、哺乳器官と発情シグナル用の乳房を与えたと推論しています。現在の女性の乳房には発情シグナルと思える顕著な現象は起こりませんが、月経前の乳房の張りやパチニ小体や性筋の存在が、その名残なのかもしれません。発情期を失った人間の乳房は進化の過程で、その発情シグナル機能を失ったが、セックスシンボルという機能として、生き残ったと考えることができるようです。

恥骨
陰毛の生えている部分で性器の上部にある少し盛り上がったように見える骨で、水着になった女性の股間を見たとき、真っ先に目に入る、ふくらみ部です。子供の時は独立した骨ですが、成長にともない腸骨・坐骨と一緒になって骨盤を形成します。。左右の骨盤が腹側の中心部で結合組織によってつながった部分です。この結合部は恥骨結合と呼ばれ、女性では出産時には結合を緩めて、出産を容易にします。思春期に最も成長し、更年期以降は後退、高齢者では窪むこともあります。役目は当然内部の生殖器などの保護です。法医学などでも男女鑑定で骨盤が重要なように、男女の骨盤形状の違いは歴然としていて、出産以外にも女性のからだの柔軟性などの特長を示します。
もっとも重要ではないかと思われるのが、性感です。この恥骨に沿って盛り上がり、恥毛の生えている部分を「恥丘」と呼びます。恥骨が盛上がっている場合と、脂肪ののりがいい場合に目立った恥丘になります。「モリマン」などという俗称もありますが、昔は「陰阜」と呼ばれたところです。どうもこの恥骨および恥丘はクリトリス組織と近接していることもあって、体位などの工夫では性器以上の性感を感じるようです。ある研究者によると、骨盤の一部である恥骨への圧迫刺激が内臓生殖器全体に、地鳴りのような性感を与えるのではないかと考えているようです。
しかし、女性の恥骨結合は柔軟性があり、出産以外でも自由度があります。そのため、逆に左右のバランスを崩すなどして、腹部血流の障害が出て、不感症などになるとも云われていますので、無理な状態での激しい恥骨の圧迫や刺激は注意が必要なようです。

陰毛(性毛)
恥骨に皮下脂肪が沈着して出来た恥丘部分に生えている、縮れの強い毛のことです。その機能は性器の存在を知らせるとか、性器を保護するとか、性交時の肌の摩擦を軽減するとか、男女の恥骨の衝突を和らげるとか、アポクリン腺から出るフェロモンを付着させるためとか諸説紛々だが、どれも正しいような違うようなとうところです。ちなみに、陰毛は頭髪などと違い、男性ホルモンに支配されているため、女性では35歳以降陰毛は脱毛しやすくなります。百貨店バーゲン会場には夥しい陰毛が落ちているのはその所為でしょうか。パイパンは男性には殆ど見られず、女性の専売特許なのだそうですが、日本女性は1000人に1人の割でいるようです。

大陰唇
恥丘下部から始まり、性器全体を保護するように出来ている、皺襞状の通常の皮膚系の一対の脂肪組織で大きさの平均は長さ7,8センチ、幅2,3センチで、性器と他の肉体部との境界線です。大陰唇の「唇」の言葉に惑わされますが、日本人の場合脂肪の沈着が少なく平坦に見え、足を閉じているとあまりよく分かりません。足を広げた状態で見ると、性器を取巻く陰毛の生えている色素沈着がある部分が、この大陰唇ということです。もっと知りたい人は、女性に立ったまま後ろ向きになってもらい、僅かに腰を曲げてもらうと、大陰唇の存在が観察しやすくなります。役割は今ひとつはっきりしませんが、女児胎児期によく発達して性器を被うことから、膣口や尿道口を保護しているのではないかと考えることができます。通常皮膚の延長であることから、小陰唇が常に閉じている状態を保つための土手なのかもしれません。その証拠ではありませんが、大陰唇が薄い東洋系女性の小陰唇は開き気味です。また、性交時のペニスのピストン運動などによる骨盤同士の衝突を和らげているという説もあります。しかし、日本人女性の大陰唇を見る限り、性交時のクッション説には疑問が残ります。白人女性などではたしかに多くの脂肪沈着が多く見られ、クッション説も多少肯けるます。東洋系女性の多くは、小陰唇が大陰唇から出ていることが多く見られますが、小陰唇が大きいのではなく、大陰唇が小さいからです。白人女性では大陰唇が小陰唇を被っている形状が多く見られ、一見すると少女のようなクレバスだけが目に入る場合があります。しかし、小陰唇と性器全体を囲い過ぎることで、恥垢が溜まりやすいとも云えます。
尚、毛の生えた唇があるわけがないと思い込み、女性性器で一番目につく小陰唇を大陰唇と勘違い、大陰唇を内腿の付根の皺くらいに思っている人がいるようです。クンニリングスで男性が喰らいつくのも、どうも小陰唇が先のようです。しかし、陰毛同様のアポクリン腺が存在していて、性的臭い(好いと言う人、悪いと言う人がいます)を発しています。昔はめちゃめちゃ効果があったようですが、進化の過程で概ね退化しているようです。一部退化せず頑張っている女性やその「臭い」を「匂い」として嗜好する男性もいます。

小陰唇
大陰唇の内側にあり、一対のうす茶色の花弁のように見える襞部分です。長さは全体で5.5センチ前後、高さは2センチ前後、一片の厚味は0.5センチ前後です。色は日本人のほとんどが色素沈着を示し、成人女性では薄茶色から濃いこげ茶色までありますが、性経験とは関係ありません。独立脂腺が発達していますが、毛や汗腺はありません。皮下組織には静脈叢がよく発達していて、深部には前庭球がみられます。。そのためクリトリス同様、性的刺激で充血・膨張します。一対は必ずしも左右対称とは限りません。大陰唇同様、膣口や尿道口を保護していますし、上部のクリトリス包皮と結びついていますが、陰核包皮とは組織上異なるものです。
股間を開くと、真っ先に目に入る花びらで、「小さな唇」としては大きな一対の襞組織です。女性にとってその見た目は気になります。形状・色・大きさ、その姿は可憐だとも云えますし、醜いとも云えます。それを見る人の、心の持ちようひとつで判断は大きく分かれます。男性はその姿がどのような形状でも、概ね色っぽい姿と捉えますが、女性自身が自分の持ち物に不満を持つことがあるようです。この女性心理を利用した整形手術も多いようです。彼らの多くは、僅かな小陰唇の形状の乱れも、肥大だととか表現しますが、概ねウソです。白人女性の65%が大陰唇から小陰唇ははみ出ていますし、日本女性では80%はみ出ています。商売用の情報に惑わされない知識を習得してください。しかし、何故最も目につく小陰唇をこれほどまでに、千差万別な形状を創り上げたのか、神様に聞いてみたいものですが、それほど十人十色の形状であり、大きさを見せます。縁取りだけのものがあれば、茄子とそっくりさんもあります。ある意味で男は、知的な美人のグロテスクな小陰唇に、性欲が激しく突き動かされる、妙な動物だということでしょうか。大きさに関しては、触ったとか、擦られたとかの経験により、若干大きくなることはあります。意図的に引っぱり続けると10センチくらいまで伸びてしまうようです、ご注意ください。おまけの情報としては、小陰唇はペニスの挿入時に、その陰茎に巻きつくような刺激を与える機能もあるとか、オシッコが散らないための方向器だとかいう説もあるようです。

膣前庭
通常では左右の小陰唇によって閉じられ保護されている部分で、小陰唇を手で開くと見られる、三角形の粘膜が中心の性器領域です。。そこには、クリトリス・外尿道口・スキーン腺・膣口・バルトリン腺が含まれています。陰唇系に比べ、ほとんどがピンク色の粘膜状で、スキーン腺・バルトリン腺・膣液によって常に濡れています。大変傷つきやすく、雑菌による炎症も多く見られます。クリトリスを含めて、この部分は非常に性的に感じやすい部分といえますが、繊細な尿道口や分泌腺がありますので、愛撫にはデリケートな神経が求められます。出来ることなら、指による接触は避け、舌先での愛撫が適切な部分です。

クリトリス組織
一般にクリトリスと呼んでいるのは、クリトリス包皮に包まれた(仮性包茎状態)陰核亀頭部(陰核体の先端)のことです。膣前庭の最上部に現れているのは、クリトリス全体の一部に過ぎません。クリトリスという陰核体組織は陰核海綿体で出来ていて、クリトリス包皮に包まれた亀頭部を中心に左右に、陰核海綿体の陰核脚が伸び、体内下方に伸びています。陰核脚は最終的に恥骨に付着しています。全体では3、4センチ近い長さがあり、Gスポットやスキーン腺との関係もあるのではないかと云われる所以です。女性の外性器で最も性感が強い組織と考えられ、組織全体が性感が強いとされていますが、摩擦系より圧迫系刺激に快感を誘発します。発生学的には男性のペニスの原形です。性的刺激により組織全体は1.5倍程度のなると考えられます。女性器切除が問題になっていますが、その目的が女性に快感を与えないようする男の浅はかな陰謀であったことは、よく知られています。この社会的問題を別にしますと、クリトリス組織全体を切除された女性でも、性交で快感を覚えるというデーターは、意図的に隠されているようです。つまり、マスターズ博士の報告を悪用?女性の性感はクリトリス唯一説のフェミニズム論者に利用された疑いもあります。しかし、女性の重要な性感体であることが否定されるものではありません。また、ホルモンの影響下にありますので、男性ホルモンが強く作用すると、先天的、後天的に陰核肥大を起します。

クリトリス亀頭(陰核)
陰核体の先端部で、陰核包皮(サヤなどとも呼ばれますが、小陰唇上部と相対する形で下に向かって陰核を包む)包皮から体外に露出している部分はだいたい3から5ミリ程度です。ペニスの亀頭部と似ていますがカリ部などはありません。亀頭部の包皮からの露出は3分の1程度で、仮性包茎状態にあります。ペニスの亀頭が摩擦による刺激に快感を感じるのに対し、圧迫刺激によく反応、ペニス同様に勃起します。電気刺激実験でも弱電による性的反応が顕著で、電圧が強いと痛みを伴う場合が多く見られたことからも、優しく刺激する、或いは全体的に圧迫するような刺激が好まれるようです。包茎のペニスが感じやすいレベルより上です。なぜなら、ペニス同等の神経終末が小さな部分に集中しているのですから、その比ではありません。役割は単純に云えば、快感を感じるためのものということになりますが、快感以外の機能もあるはずですが、現時点ではそれ以上解明されていません。おまけですが、大きいクリトリス亀頭の女性は外に出ている露出部も多く、強い刺激を求める場合があります。俗称:実・さね

陰核包皮
クリトリス亀頭部を被っている恥丘下部から下がる畝・ウネ状の包皮で、一見小陰唇の上部と重なっているため、見分けがつきにくのですが、上部から覆い被さるように陰核亀頭(クリトリス亀頭)を包み込んでいます。小陰唇とは全く別の組織です。おそらく、剥き出しでは強すぎる刺激を和らげ、乾燥などからも守っていると考えられますが、はっきりはしていません。長さは長い女性では小陰唇と同等近いこともありますが、日本女性では1,2センチが多いようです。俗称:莢・さや

尿道口
膣前庭の中ほど上部に位置する、尿の排出口です。左右に傍尿道腺(スキーン腺)があり、入口の乾燥を防いでいます。腎臓・膀胱・尿道・尿道口と男女の排尿のメカニズムは同じですが、尿道の長さと角度で大きな違いがあります。女性の尿道は短く直線的なため、雑菌や大腸菌が入りやすく、簡単に膀胱炎などを起します。性感の存在は明らかではありませんが、位置している膣前庭が性感に敏感ですから、感じやすい部分と考えることは可能です。蛇足ですが、男性の尿道オナニーに比べ小数ですが、女性にも愛好者がいるようですが、直線的で短い尿道への異物挿入は極めて危険な遊びといえます。俗にいう「潮吹き」の正体も、尿道からの「オシッコ」説が有力です。傍尿道腺(スキーン腺)からの噴出は物理的に無理があります。

膣口
膣前庭の最下部にあり、身体の内部にある膣の入口。柔軟で強靭な粘膜組織で、通常は経血や子宮や膣内分泌液の出口であり、ペニスの挿入口となる。勿論、出産時には産道の最終出口となる、大変自在な出入口です。膣壁の虚弱な筋肉に対して、筋繊維が束になった強靭な筋肉組織をもっており、俗に云う「8の字筋」が周囲を取巻き、伸縮の妙技を見せてくれます。日本女性の50%膣口は開脚した時、小陰唇が若干開き、膣口を一部見せることがありますが、見えたからといって、膣口が緩いわけではありません。俗に云う「上つき、下つき」もこの膣口の場所について騒いでいるわけですが、何処を基準に判断寸評しているのか、いい加減です。かの有名な笠井先生の正確な測定によると、白人、日本人ともに「中つき」が多いそうです。おそらく、お尻の肉厚が厚ければ、自然膣口は上つきに感じるでしょうが、そういう意味なのでしょうか。また、白人やラテン系の女性は正面を向いた状態でも、性器が見えることで、勘違いしているのかもしれません。単に陰裂が長く、陰核包皮も長いということだけなのですが。ただし、正常位でセックスをする場合、たしかに膣口が上向きの方が挿入しやすいですし、クリトリスを自然に恥骨で刺激出来るメリットはあると思われます。しかし、我々は人間です、工夫をしてこそ価値があると考えることにしようではありませんか。また、性未経験者の場合、膣口と同時に処女膜が観察できますが後述を参考にしてください。

処女膜
処女膜は膣口の僅か奥に位置しています。膣壁に沿って肉色の粘膜のひだです。重層扁平上皮で唇の内側の粘膜より少し弱い組織です。見た目は、膣口を守るように、ぷっくりと膨れた粘膜の丸い土手のようです。中央には、小指が通過できる程度の孔が空いていて、奥の膣壁と繋がっています。処女膜という土手の障害はありますが、膣本体とは連絡通路がありますから、経血や分泌液は支障なく、膣外に排出されます。この孔の形状も様々で、レンコンの穴のような膜もあります。この膜は子供の時には大変強靭ですが、成熟するに従い、膣の成長と合わせて、少ずつ厚味が薄くなり、初体験を楽にさせるようです。異物の挿入でもない限り、自転車や運動程度で簡単に破れることは、あまり無いようです。ただし、25歳女性のデータによると、初めての交接で痛みを強く感じる女性は30%前後で、出血も量的には僅かなようです。大量の出血が見られた場合は、ほとんどが無謀な挿入による、膣壁の損傷のようです。処女膜は始めての交接ですべてが消失することは稀で、相当長い間、一部分を欠きながら存在します。出産後はほとんど姿を消すそうです。
この処女膜の存在理由は諸説紛々で、正解は未だ無いようです。取り敢えず、有力説だけ紹介しておきましょう。
@精液を逆流させないためA子供の膣内をあらゆる意味で守るためB若年のセックスによる弊害を少なくするためなどですが、本当は何なの為なのでしょうか。

会陰・えいん
外性器(前の陰)と肛門(後の陰)との間にある平坦な筋肉組織を指します。俗称「蟻の門渡り」とも呼ばれ、つなぎ目が見られます。性感があり、パチニ小体の存在も知られているので、「8の字筋」の奥には性感が隠されているようです。肛門が感じることがあるのも、この会陰の性感細胞が影響しているのかもしれません。強めの圧迫や細かい振動に反応するようです。出産が近づくと柔らかくなり、出産を容易にしようとします。しかし、準備が不十分な場合は、不規則な形で裂けることがあるため、切開することも多いようです。

肛門
外性器ではないのですが、何かと性的存在と考える向きもあるので、あえて説明しておきます。外性器とは会陰を介して隣り合わせに位置する、消化管の終末で、便を排泄します。通常は括約筋で閉じられており、排便時に開きますが、便と空気の区別が出来る優れた機能をもっています。「8の字筋」は上部が膣口の周囲にあり、下部が肛門の周囲にあります。そのため、膣口収縮の訓練には、肛門をキュッと締めるエクササイズが効果的などといわれています。効果の程はわかりませんが、たしかに中年以降はどちらも緩みがちなのは事実です。男性の勃起力と肛門の締りが関係している感じもするので、無料ですから試す価値はあるでしょう。また、肛門挙筋と浅会陰横筋及び。「8の字筋」は隣接しており、何らかの関係性はありそうな感じです。これらの筋の束の下には神経細胞がありますので、性感の開発余力は否定できません。SM嗜好や男色において肛門は重要な役目をしているようですが、女性の肛門がどの程度の性的存在かは不明です。筆者の知る限り、とんでもなく痛いだけだそうですが、表面的な刺激には、羞恥心も手伝った快感があるようです。中には、生理中の膣代替物として、肛門セックスをしている男女もいるようです。女性に限らず、肛門表面は丈夫ですが、その奥の直腸は極めて傷つきやすく、痔にもなりやすくなりますし、細菌に侵されやすい部分であり、エイズに限らず感染をひき起こしやすい部分です。

スキーン腺(傍尿道腺)
膣前庭の尿道口の左右にある、一対の分泌腺。常時分泌液で膣前庭を濡らして、尿道口が半乾燥で癒着など起さないようにしています。バルトリン腺液は性的刺激で分泌されますが、スキーン腺液は常に分泌されています。分泌時には粘液なのですが、時間の経過でさらっとした液体に変わり、尿道口を中心に膣前庭全体を湿らせています。
最近はGスポットとの刺激で、このスキーン腺から水が噴出す「潮吹き」があるのではという話が巷で賑わっていますが、科学的証明は不十分で何とも言えません。常識的考えると、「潮吹き」の正体は自律神経が悪さをして、尿が噴出すと考えるのが妥当でしょう。ただ「潮吹き」状況での噴出した尿の成分が、排尿による尿と幾分違うということではないのでしょうか。人間の尿の成分は常に一定なものではありませんから、ほぼ海水に近い尿が膀胱に溜まっていることもあって、現実に無味無臭に近い尿が排出されることもあります。或いは、尿素が空気に触れても、匂いの元であるアンモニアの発生が起きない物質がスキーン腺の作用で分泌されることはあり得るでしょうね、想像です。

バルトリン腺
膣口下部の左右に一対ある分泌腺。皮下には小豆大の腺が集まり、透明の粘液を分泌し、ペニスの挿入を容易にする効果をもつています。一昔前には、セックスにおける愛液は、すべてこの分泌腺から出ていると考えられましたが、マスターズ博士によって、愛液のほとんどが膣壁からの滲み出ているという現象を発見報告されたことで、性的存在としては軽視されるようになってきました。細菌に感染しやすく、炎症やのう胞が出来やすい分泌腺です。

内性器

膣・膣壁
膣口から、子宮膣部にいたる粘膜組織の発達した筒状の臓器で、尿道と直腸の間に位置しています。男性のペニスを受け入れる臓器であると同時に、子宮を外の環境から守る役目や分娩時には産道にもなります。長さは成人で7〜10センチ、直径は2〜3センチです。筒状といっても、平常時は膣分泌液で潤った状態で密着し、チューブを潰したような状態を考えてください。ペニスの挿入や産道以外に、経血やおりものの排出経路にもなっています。内部の膣壁は伸縮性が強く、沢山の横襞が洗濯板のようにペニスを刺激します。男性がセックスを考える或いはしている時、最も関心のある女性器の中核はこのヴァギナです。
性的に興奮すると、分泌腺のない膣壁から粘液の強い液体が、汗のように滲み出てきます。(血管からの濾出液で膣壁の細胞の間・隙間から出てくる。あたかも水を含んだスポンジのようなものらしい)
膣はクリトリスや膣口に比べて鈍感だと馬鹿にされていますが、後述のGスポットの存在で、鈍感説は多少怪しくなってきています。膣の最深部・子宮の入口にもボルチオ性感が存在するという有力な説もあります。性反応は別項目で解説しますが、オーガズム期になると、膣の奥3分の2は精液プールを作り、拡大します。入口からの3分の1は逆に膣壁が隆起、入口を狭めます。出産による膣の拡大は、徐々に元に戻るという、産婦人科医の言葉通り復元する確率は、残念ながら少ないようです。オーガズム隆起が長く起きているように、男が努力するしかありませが、無理でしょう。また、日本女性の伸縮性は白人女性に比べて低い為、マニュアル男が手を変え品を変え、ペニスを挿入したまま体位を変えることは、実は無理があるのです。7割近くの女性が何らかの痛みを感じます、ご注意ください。

Gスポット
膣口から3,4センチ入った上部に位置している膣壁の隆起領域のことです。この部分を刺激すると、大量の愛液が出るという報告がマスターズ博士によってなされました。その後日米の研究者により、確認されているので本当にあるようです。
最新情報では、「Gスポットを刺激することで分泌される乳白色の液体は、男性の精液と同じ成分である。前立腺を刺激すれば、男性は自分の意志とは無関係に勃起し射精する。女性には前立腺がないので、Gスポットは女性の前立腺に相当するのではないか?」という報告があり、いわゆる「潮吹き」情報の氾濫に拍車をかけているようです。
ある情報によると、Gスポットの正体は膣前壁にあるスキーン腺の延長ではないかとも考えられています。膣口から数センチの所にコイン程度のコリコリした部分がGスポットで、便器に座った状態で、その辺を調べると見つかりやすいのだそうです。ただし、70%以上の女性が見つけられず、感じない性感スポットだとも云えますので、執着は禁物でしょう。

子宮(子宮口、子宮膣部、子宮頸管、子宮腔、子宮内膜、子宮底部)
ここでは妊娠などに関わる情報は後出「妊娠関連の項目」に譲り、位置や形状などを中心に解説します。卵巣も同様な解説内容です。
子宮は膣の奥にあります。膣の最深部に子宮の入口(子宮口)が待受けています。チョット硬めの肉の盛り上がりで、指を膣の奥まで挿入すると、指先に触るコリッとした部分で鼻の先くらいの固さで、通常は閉じていますが排卵が始まると数ミリ程度開きます。ここが子宮口で、妊娠・出産が近づくと柔らかくなり、柔軟性が出て出産に備えます。入口を入ると、幾分狭い円柱状の管があり(子宮膣部)、膣壁の組織が延長されています。
次にその管が少し広くなった部分があります。ここが子宮
頸管です。この部分からが、いわゆる子宮の本体です。子宮頸管は子宮の下部3分の1で、主に円柱状をしており、平常は閉じていますが排卵時には5ミリ程度開きます。子宮頸管の内面は粘液を産生する一層の円柱上皮によっておおわれていて、月経周期に応じて、粘液の性質や量を調整し、精子の侵入を歓迎したり、阻んだりと不可思議なメカニズムを展開しています。子宮頸管は原則的に排卵の時しか、精子を通さないようになっています。
子宮の上部3分の2は膨大した子宮体部です。こここそが、生命誕生のメインテーブルです。受精卵の終着駅であり、その内膜(子宮内膜)に付着します。
ここで受精卵は胎児に成長して行く、胎児の保育器そのものです。ですから、極めて伸縮性に富んでいる筋性器官で鶏卵程度の大きさの子宮は30センチ近くまで膨れ上がる(体積では500倍)。それが妊婦のお腹の中身となります。
子宮体部の内腔は子宮腔と呼ばれ、子宮内膜におおわれています。性成熟期の女性の子宮内膜は月経周期に従って、著明な変化を起こします。月経後の内膜は薄く、エストロゲンの作用によって厚くなり(増殖期)、排卵後は黄体ホルモンの作用をうけて分泌期となります。。普通は妊娠しない約28日月経周期では、この子宮内膜の一部は剥脱して月経血となります。このように増殖、分泌、剥脱、経血そして再生を繰り返し行っているのです。この子宮の一番奥の平坦部が子宮底部で、授精した卵子を運ぶ卵管が伸びてきています。
排卵期のセックスで射精された精子群は、上記のルートを経て、この卵管の奥へと進むことになります。では卵巣へ

・卵巣(卵巣、卵管、卵管膨大部)
卵巣は卵子を排卵する機能と卵巣ホルモンを分泌する機能をもっています。子宮の左右に一対あり、扁平楕円形をしています。ほとんどが皮質で出来ていて、原始卵胞を無数に持っていますが、女子として生まれた時点では200万個くらいになっています。その後も、この卵の死滅は続き、初潮時には2〜30万個に減少しています。しかし、女性が一生に排卵する卵の数は精々500個ですので、充分な数です。男性の精子は原則無限に生産されます。
このようにして準備が整った卵巣では卵がスタートラインに立ち、初潮を契機に排卵を始めます。原則的には一個の卵が卵巣から排出されます。この卵子を受止めるのが卵管です。左右の卵巣に対応して、卵管も左右一対あります。大変ユニークな形をしていて、開き気味の百合の花に似ています。一般的にはラッパに似ていると云うらしいのですが、筆者には百合の花に見えます。花の部分のような5本の指状の卵管采(排卵された卵子を見事キャッチする)が卵子を吸込み、卵管の花の付根の膨らみ部分(卵管膨大部)に収め、精子が来るのを取り敢えず待ってみるのです。この卵管膨大部で卵子と精子が出会い、受精が成立し、子宮に向けて受精卵の輸送が始まり、子宮に無事たどり着けば、妊娠の成立です。この辺は別途詳細に
卵管の長さは10センチ程度で、付根は子宮底部開口しています。組織的には粘膜、筋層などですが、粘膜細胞には無数の線毛があり、なびくような運動で、受精卵を輸送するようです。卵巣付近よりも、子宮に近いほうが筋層も発達しており、輸送の役目をしているようです。

ボルチオ性感
女性の性感の王様がクリトリスとするなら、ボルチオの性感は神仏の領域だと力説する遊び人も多いようです。妻一筋の堅物オジサン達にも、ボルチオ・オーガズムを信じている傾向が強いのです。。この問題は、オーガズムはクリトリスか膣かという論争を一層複雑なものにしています。
ボルチオという性感は子宮口及び子宮膣部の部分を指しているますが、解剖学上この部分に感覚神経・細胞の類は存在しません。産婦人科の診療でも、ここの部分は相当手荒い扱いを受けても無反応なのです。にもかかわらず、この部分でのオーガズムを疑わない人々はセックスの経験豊富な人々に目立つています。科学的には否定的なオーガズムが女性にあるということは、多方面からの情報でも確認されているので、確かにあるのでしょう。男性側の独り善がりの情報だと、勘違いだと切り捨てられますが、多くの女性からも、「クリトリスで感じるオーガズムは自己制御の範囲ですが、時々制御不能な強烈なオーガズムに襲われることがある」という証言は傾聴に値します。また「そのオーガズムはお腹の中から湧き起こり、性器という部分とは全く異なった快感で、本当に息が止まってしまう恐ささえ感じる」などと表現しています。科学的証明は現時点で出来ないようですが、膣の奥、子宮を含めた腹部にもオーガズムを感じることがあるのは事実でしょう。そして、そのオーガズムこそが、究極のオーガズムで、クリトリスでのオーガズムは初心者オーガズムなのかもしれません。ボルチオという言葉の意味する腹膜をも揺さぶるようなオーガズムなのかもしれません。
筆者の現時点での、ボルチオ・オーガズムの解釈は以下の通りです。
通称ボルチオ性感体と呼ばれるような部分が膣奥や子宮膣部に存在はしていません。ただ、深い女性のオーガズムはその周辺にオーガズム・トリガーが存在しているような錯覚を覚えるほど、具体的で強烈なオーガズムが感じられるということです。女性が息が止まりそうになったり、野獣のような腹の底からの叫び声を挙げ無我夢中になるオーガズムを示すのは、ペニスが膣に挿入されているセックス中に起きる現象であることを重視しなければなりません。
もう少し詳しく観察すると、ペニスのピストン運動時には起きないことも観察できます。基本的体位としては、正常位か女性上位で現象は起きます。この体位における男女の性器の結合状態を図にすると分かりますが、ペニスの尖端は確かに子宮口に達し、子宮等の内性器を抉るように突き上げています。男性のペニスの付根、恥骨、陰毛はそのすべてが、女性の外性器(大陰唇、小陰唇、会陰、尿道、クリトリス組織全体、恥骨、陰毛)に対して圧迫的刺激を与えています。男女の性器への分泌液も最大量を分泌して、強度な摩擦も許容できる状態になっています。当然双方の性器は最大の充血状態ですから、それぞれの神経終末も性感受容体も最高潮に達しています。正常位では、皮膚感覚の前面が総動員されていますし、女性上位では女性が自ら角度を調整する自由が与えられます。
このような性交が男女で行われている時、広い意味で理解と信頼で結びついている男女の脳では、脳内物質が製造分泌されているでしょうし、大脳ではオーガズムの記憶がフィードバックされ、再びあのオーガズムの感覚を思い出します。このような性交時の状態と二人の精神的状況が重複、相互に作用する時、男が畏怖さえ憶える女性の内臓が揺さぶられるようなオーガズムが訪れると考えられます。このオーガズムには、たしかにペニスによる子宮部への圧迫やスラスト運動が必要ですが、恥骨によるクリトリス組織への強めの圧迫も求められます。つまり女性のけだものとも称される最高のオーガズムはクリトリス・オーガズムと内臓的オーガズムが同時に起きる場合に見られる現象だといえます。当然膣・Gスポットの快感も加わるでしょうが、二つの存在に比べ影は薄いものと思われます。ただし、このようなオーガズムを女性に与えようとするには、男性側の協力は必要ですが、最も重要な条件は女性がそれを望む心理的環境の整備です。
問題は上述の条件さえ揃えば、女性が「のたうちまわる」オーガズムを見られるかというと、そうもいかないのです。外性器も内性器もエクササイズされて強靭になっている必要があります。また、肌の馴染みや性器が双方馴染む必要があります。回数的には、年200回以上、2〜3年継続する必要があると言えます。計算上同一人と継続的に6〜700回のセックスをする必要があるということです。つまり、気の毒ですが若い世代には環境的にも時間的に無理なものです。
最も現実的に、このオーガズムが得られる環境に位置しているのは、夫婦ということになります。愛人関係でも、深い関係で安定している場合は成立するでしょう。せいぜい、若い男性がこの恩恵に浴する可能性は、このオーガズムを知っていて、大脳に記憶をすり込んでいる女性と出会った時でしょう。それは若い男性にとって僥倖と云えるでしょうが、経験不足な男は女性恐怖症にならないとも限りませんし、十分な時間前に射精などして”だから若い男は駄目なのよ”などと悪口を叩かれるかもしれませんので、とても推奨できません。詳しくは上級テクニックにて

おまけ(女性の潮吹き)
セックスや愛撫の最中に大量の液体を勢いよく放出するという「潮吹き」が若い男性の興味を惹いているようですが、そんなものは滅多に見ることは出来ません。多くの男は一生目にすることはありません。見たという情報のほとんどが「嘘」でしょう。普通のセックスではあり得ない現象です。潮を吹かせられると豪語する人物もいるようですが、彼らに女性への尿道口への刺激と膣内の指の運動をを禁じると、何も出来ないのが正体です。つまり、潮の正体は尿です。早い話がオシッコを漏らしただけです。Gスポット(女性のスキーン腺の延長と考えられる)や尿道口をくすぐられて、つい失禁したと考えるのが妥当です。研究者によると、吹出した液体が尿とは違うと主張していますが、尿も腎臓や膀胱で排出すべき老廃物がほとんど無い場合もあり、その時は排出される尿の成分は水が主な成分になります。もしかすると、そこにスキーン腺からの成分が紛れる可能性はあるでしょう。

以上が男女の身体の性的パーツ解説です。図解がないから分からないだろうにと、お怒りの方々のために、以下に参考サイトをリンクしておきます。いずれ当サイトもでも洒落た性器解剖図を検討中です。美化し過ぎた図解が誤解の原因ですから、その辺を考えたイラストを検討しています。(何時のことか分かりません)しかし、人間の身体は形状その他で、個人差が大きく参考レベルにしておくべきでしょう。ペニスが細く短い、太いけど短い、亀頭より陰茎が太いなど、男性においても個人差です。勿論器質的問題(病気として問題がある)を除きますが、パートナーとの相対的問題でもあり、正解はありません。また、女性においては、小陰唇の形状がもっとも気になる部分です。この部分が、性器をさらした時、一番初めに目に止まる存在だからでしょう。この形状や大きさ程個人差の激しいものはありません。色、大きさ、厚味、長さ、左右対称度など、「えっ!」というものもあります。代表的性器が図解されていますので、絶対に気にしない冷静さが必要です。

by 饗庭龍彦

Page Top 1         10 11 12 13 14 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28