(2003.01〜11)

セックス・生殖・性犯罪ニュース






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オーガズム発生装置、臨床試験参加者募集 11.28 26日付の英科学誌「ニューサイエンティスト」(電子版)は、オーガズムを体感できない女性にオーガズムを感じさせるという装置の開発者が、臨床試験に参加してくれる女性を探していると伝えた。同誌によると、装置「オーガスマトロン」開発者で米ノースカロライナ州在住のスチュワート・メロイ医師は、「試してみたい女性が一気に押しかけてくるかと期待していたが、実際はなかなか協力してくれる人が見つからない」と話している。同誌によると、メロイ医師は10月に地元女性が1人、臨床試験に参加。4年の間オーガズムを感じたことのなかったこの女性は、装置を9日間使い、夫と7回セックスしたところ、毎回オーガズムを感じたという。すでに別の女性の臨床試験参加が決まっているが、メロイ医師はさらに参加してくれる女性8人を探している。装置の費用は埋め込み手術の費用を含めて、1万3000ドル(約140万円)になる見込み。「オーガスマトロン」は2年前に開発が報道された。女性の背骨にペースメーカーのような装置を埋め込み、遠隔操作でつけたり消したりする。疼痛(とうつう)専門のメロイ医師が、痛みを抑えるペインリリーフ手術で女性患者の脊椎に電極を埋め込み、微電流を流したところ、女性が大声をあげて快感を表明。これがきっかけで、装置の開発を思い立ったという(CNN)
中学男子、避妊知識たった45% 中学生は避妊や中絶に対する理解が不足している実態が、京都大学大学院医学研究科の木原雅子助教授らの大規模なアンケート調査でわかり、神戸市で開催中の日本エイズ学会で27日発表された。調査は、西日本の約20万人規模の市に住む中学生約7100人が対象。「避妊について知っているか」との質問に、「知っている」と答えたのは、男子が約45%、女子も約70%にとどまった。「中絶」についての問いではさらに少なくなり、「知っている」のは男子が約40%、女子は約65%だった。一方で、性行為とはどういう行為かについて、男女とも80%以上が知っていると回答。性の知識の情報源は、男女とも「同性の友達」(男子約70%、女子約50%)が最多で、男子は次いで保健体育教師、漫画、女子はテレビ、漫画だった。国内では年々、10―20代のHIV(エイズウイルス)やクラミジアなどの性感染症が増加しているが、背景には「様々な性情報がはんらんし、中学生の性に対する理解が偏っている」(木原助教授)という問題がある。木原助教授は「性について考える時間を中学時代から与えていく必要がある」と指摘している。(読売新聞)
佐渡島連れ去り監禁事件は「渋谷女子4人監禁」にヒント 新潟県村上市で9月に起きた女子中学生連れ去り事件で、未成年者略取・逮捕監禁傷害などの罪に問われている同県金井町泉甲、無職近藤順被告(26)の初公判が25日、新潟地裁(榊五十雄裁判長)で開かれた。近藤被告は罪状認否で「拉致したという事実は間違いありません」と頭を下げたが、「ナイフを突きつけて脅してはいない」「彼女とは一緒にいると約束していた」と述べ、起訴事実の一部を否認した。冒頭陳述などによると、近藤被告は昨年10月に村上市を訪れた際、路上で被害者の中学3年の女子生徒(15)を見かけ好意を持った。その後、今年7月に東京都渋谷区のマンションに女子児童4人が男に監禁された事件をヒントに「少女と一緒に暮らそう」と考え、9月2日、下校中だったこの女子生徒を後ろから軽乗用車ではねてひざなどに軽傷を負わせ、気絶したところを車に押し込んだ。車内でナイフを突き付け、「騒ぐと殺すぞ」と脅迫。手首をロープなどで縛り、後部座席に乗せたまま連れ回した。その後、新潟発両津行きのカーフェリーで新潟県佐渡島に渡り、13日午後8時ごろまで金井町の自宅に監禁した。一方、弁護側は、犯行時、近藤被告は心神耗弱状態だったと主張した。検察側はナイフを所持していた銃刀法違反と、フェリーの職員をだまし、女子生徒分の乗船料金を支払わなかった詐欺の罪で、近藤容疑者を追起訴。併合罪の適用によって、起訴された中で最も重い罪である逮捕監禁傷害罪の最高刑(懲役10年)の1・5倍にあたる懲役15年が求刑の上限となった(読売新聞)
腫瘍の大きな乳がん発生 通常よりも大きな腫瘍が見つかり乳ガンと診断された女性の割合が、1990年代にわずかとはいえ上昇を示していたという驚くべき事実が、最近行なわれた分析で明らかになった。大きな腫瘍は死につながる確率が高い。上昇の原因はまだわかっていないが、肥満とホルモン補充療法の両方が腫瘍の大きな乳ガンを増加させた疑いがあると、複数の専門家が推測している。腫瘍の大きな乳ガンの割合は、マンモグラフィー(乳房X線検査)の普及によって小さな腫瘍の発見率が劇的に向上した時期にも上昇しつづけていた。米国ガン学会が行なった今回の分析によると、通常より大きな腫瘍の発生率は、白人女性の場合に限っていえば、1992年から2000年の間に毎年2%強の割合で上昇していたという(WIRED抜粋)
性転換とオリンピック出場資格 国際オリンピック委員会(IOC)のリュングクビスト医事委員長は23日、性別適合(性転換)手術を受けた選手が五輪に出場するには、手術後2年を経過することなどを定めた、新規則案の具体的な内容を明らかにした。専門家の意見を基にまとめた規則案は、十分なホルモン治療の後に性別適合手術を受け、術後2年を経過することを求める。男女どちらの性に変わった選手にも、この規定を適用するという。新規則案は現在、IOCの法務、選手両委員会が検討している。最終的に理事会が承認すれば、新しい性での五輪参加に道が開かれる(朝日新聞)
強盗強姦事件の15歳少年に初の刑事罰判決 刑事罰を「14、15歳」にも科せるようにした少年法改正(01年4月施行)以降、初めて15歳が逆送・起訴された福島県郡山市の強盗婦女暴行事件で、福島地裁郡山支部は20日、この無職少年(現在16歳)に強盗婦女暴行、監禁など五つの罪で懲役3年6月〜6年(求刑・懲役4〜8年)の不定期刑を言い渡した。14、15歳で逆送されて刑事罰が言い渡された初の例となる。宍戸充裁判長は「悪質で責任は極めて重い。刑事責任をまっとうする中で罪の意識を育てて更生、社会復帰を図るべきだ。被害感情や社会の処罰感情に照らすと、保護処分は社会的に許容されない」と刑事罰選択の理由を述べた。共謀の無職少年(17)=逆送・起訴時16歳=には懲役4〜7年(同4〜8年)が言い渡された。「刑罰ではなく保護処分がふさわしい」と2少年を家裁へ送り返すよう求めていた弁護側は控訴する方針。起訴された事実関係に争いはなく、刑事罰と保護処分のどちらがふさわしいかが争点だった。判決は「事前に役割分担を決めるなど計画的で悪質。成人被告が主導したとはいえ、2少年も積極的に婦女暴行などに関与した」と指摘、結果の重大さや悪質性を重視した。「更生可能性があり、少年院で処遇すべきだ」と主張する弁護側は、地裁が保護処分相当と判断した場合の家裁移送を定めた少年法55条に基づき、家裁へ送り返すよう求めていた。判決によると、2少年は中島順司被告(35)=懲役11年の判決を受け上告中=と共謀して昨年9月、郡山市の20代女性のアパートに宅配業者を装って押し入った。粘着テープで手を縛って現金約2500円やキャッシュカードを奪い、約21時間監禁して性的暴行を加えた。奪ったカードで約16万円を引き出し、新幹線乗車券(26万円余)も買った(毎日新聞)
埼京線集団痴漢、便乗痴漢に実刑 電車内で、居合わせた見ず知らずの男たちと、一人の女性の体に触る集団痴漢行為に加わった男に今月6日、懲役1年(求刑・懲役1年6月)の実刑が言い渡された。男は初犯で執行猶予付きの判決もあり得たが、東京地裁(岡田健彦裁判官)は「他人の痴漢行為に、加わるという悪質な犯行」と指摘した。捜査関係者は「まるでアダルトビデオに出てくるような話で、『軽率だった』では許されない。性犯罪への警鐘になるだろう」と評価している。強制わいせつ罪に問われたのは、さいたま市の広告デザイナー、K被告(34)。起訴状などによると、今年7月15日、JR埼京線板橋―十条駅間を走行する電車内で、同一グループとみられる男3〜4人が、女子学生(当時17歳)を囲み、体を執ように触っていた。K被告も近づいて下半身を1分以上触り続けた。警戒していた鉄道警察隊員に他の男らとともに取り押さえられたが、女子学生の証言から痴漢行為がはっきりしたK被告だけが逮捕された。K被告は「ほかの男性が触っていたので、その場(の雰囲気)につられて、一緒になって触ってしまった」と、動機を供述している。関係者によると、「体を触る」などの痴漢行為で初犯の場合は、執行猶予付きの判決が出されるケースが少なくない。ところが、笠井被告は集団の痴漢行為に加わったうえ、強制わいせつ行為に及んでいたため「より悪質」と判断され、実刑判決が出されたという。K被告は罪を認め反省しているが「実刑は厳しすぎる」としており、11日に控訴した(毎日抜粋)
亡夫の冷凍保存精子で妊娠、認知を棄却 11.12 西日本に住む40代の女性が、夫の死後、凍結保存していた精子を使って体外受精を受け男児を出産したとして、男児を夫の子として認知するよう求めていた訴訟の判決が12日、松山地裁であった。上原裕之裁判長は「夫は死後、体外受精が行われることに同意していたとは認められない」と述べ、女性の請求を棄却した。父親の死後に妊娠して生まれた子について、法的な親子関係の有無が争われた司法判断は初めて。訴えによると、女性は、夫が病死してから約1年たった00年夏、医療機関で生前に採取し、凍結保存していた夫の精子を使って体外受精をし、翌年5月に男児を出産したという。女性は夫の嫡出子(婚姻中の夫婦の間に生まれた子)として役所に出生届を提出したが、夫の死後300日以上たって生まれた子は嫡出子に当たらないとして、不受理になったという。家裁に不服申し立てをしたが却下され、最高裁まで争ったが、不受理が確定した。女性は昨年6月、男児を原告として同地裁に提訴。民法は、親の死亡から3年以内であれば、子は認知(死後認知)の訴えを起こすことができると定めている。今回の場合、女性は原告である男児の法定代理人で、訴えの相手方は夫になるが、夫が死亡しているため、松山地検が被告になる。裁判で、同地検は「死後認知は夫の生存中に妻が妊娠していることが前提」と反論。さらに「夫は、死後は精子を破棄するという取り決めを書面で医師と交わしており、同意があったとは言えない」と主張した。これに対し、女性側は「夫は生前、自分の子供が生まれることを希望しており、同意があったことは明らか。男児は家族から望まれて生まれた」と争っていた。女性側は、男児が夫の死後に体外受精で生まれた証拠として、男児の出生証明書や夫の両親の陳述書などを同地裁に提出した(朝日新聞)
米国での代理出産国籍問題で新解釈 関西在住の日本人夫妻が、米国人女性に代理出産を依頼して昨秋、米国で生まれた子どもについて、法務省は、この子に日本国籍を認めることを決めた。胎児の間に日本人の父親が認知していたとみなすことができるとの新解釈を編み出し、判断した。外国人の母と日本人男性との間の婚外子は、そのままでは母の国籍になる。日本国籍を得るには、子が母親の胎内にいる間に父が認知し、自治体に届け出る必要がある。同省は今回、日本人の夫の精子と米国人女性の卵子の受精卵を用いるとした代理出産契約があることから、これを「胎児認知」の根拠にした。この新解釈により、代理出産については胎児認知の余地が生まれ、代理出産の子どもの国籍取得がしやすくなる。この夫妻は当初、子どもを実子とする出生届を提出したが、代理出産の経緯を知った法務省が7日、「母から生まれていない」ことを根拠に不受理としていた。しかし、このままだと日本にいながら米国人として暮らさなければならないことから、子どもの立場を考慮して急きょ、胎児認知による国籍を認めた。今回の代理出産契約は、米国カリフォルニア州の裁判所が出産前に認めており、法務省は、父子関係については、この判決の効力を認めた。ただ、子どもを戸籍に記載するには、米国人女性を母とする出生届を判決文とともに出す必要がある。この場合、子は、父の非嫡出子となるが、夫妻で養子縁組をすれば、嫡出子と同様の権利をもてるため、法務省はこうした手だてについて、夫妻と話し合いを進める(朝日新聞)
ナノテク応用、生体サンプル癌診断装置? 現在シリコンチップの不良品の検知に使われているナノテクノロジーの手法が、将来全く別の分野で役立つことになるかもしれない。これまでのどんな手法よりも早期に、そして正確にガンを診断する技術に応用される可能性があるのだ。
米インテル社の工学、化学、物理学、ナノテクノロジーといった専門分野に携わるおよそ10人の研究者チームが、ナノテクノロジーを使った研究開発に取り組んでいる。研究チームは、人間の生体サンプルの分子ひとつひとつを調べて、分子単位で疾病を検知できる装置の開発を計画している。もし計画が成功すれば、これまであったどんな機器よりも正確無比なガン診断装置が実現することになる。ガンの最も初期の段階――治療が最も容易な段階――で、ガンの診断が可能になる(WIRED)
思春期スタート遺伝子発見 11.07 このほど人間の思春期の始まりを決める遺伝子が発見された。これによって新たな不妊治療法の開発が加速するかもしれない。大量のホルモン分泌の引き金となり、ティーンエージャーを反抗的にし、にきび顔にし、性的成熟をもたらすとされているのがGPR54遺伝子だ。この遺伝子が突然変異すると人間やマウスが成熟できなくなることが、今回発表された論文に示された1。「こんなに素晴らしい発見ができるなんて思ってもみなかった。」こう語るのは、今回の研究でGPR54の機能解析に携わったマサチューセッツ総合病院(米国ボストン)のStephanie Seminaraだ。この遺伝子の活性を変える薬剤があれば、人間の生殖能力を抑制したり、助長したりできる、と彼女は言う。また思春期が早発したり、遅発する患者の治療にも役立つかもしれない(Nature)
米国史上最多の女性殺人事件 1980―90年代、米ワシントン州シアトル周辺で多数の売春婦らが殺害された事件で、殺人罪に問われた塗装工ゲーリー・リッジウェイ被告(54)の公判が5日、シアトルの地裁で開かれ、同被告は48人の女性の殺害を認めた。米メディアによると、殺人48件の有罪認定は米犯罪史上最多となる。一昨年11月に逮捕された同被告は当初、犯行を否認していたが、起訴事実を認めることで死刑を免れる「司法取引」が検察との間で成立。これを受け、仮釈放なしの終身刑が48回分言い渡される。法廷記録によると、同被告は82年から98年にかけ、いきずりの売春婦や家出の女性を自宅や車に誘い込んで絞殺。死体を川などに捨てていた。動機については「売春婦を憎んでおり、セックスのために金を払いたくなかった」などと供述している。ロイター通信によると、地元捜査当局は、同被告が殺害した女性は100人以上に上ると見ている。オレゴン州などで女性の死体が見つかった事件も関連を調べており、捜査陣は同被告の死刑に向け立件に執念を燃やしている(読売新聞)
スーフリの余罪、11人で輪姦 早大生らが主宰するイベントサークル「スーパーフリー」(解散)のメンバーによる集団婦女暴行事件で、警視庁捜査1課などは5日までに、別の女子大生(18)に酒を飲ませ集団で乱暴したとして、準強姦(ごうかん)容疑で元サークル代表の元早大生和田真一郎容疑者(29)=準強姦罪で公判中=ら4人を再逮捕、法政大3年吉野豪洋容疑者(20)ら7人を逮捕した。新たに逮捕されたのは、吉野容疑者のほか元産能大生小泉創一郎(20)、フリーター関本雄貴(23)両容疑者らと慶応大生ら少年2人(いずれも当時19歳)。調べによると、和田容疑者らは4月27日午後、港区六本木でパーティーを開催。近くのビルにある居酒屋で2次会を開き、参加した女子大生に罰ゲームと称してアルコール度数の高い酒を飲ませて泥酔させた。その上で、和田容疑者らは午後8時20分ごろから同10時半ごろの間、女子大生を介抱するふりをして友人から引き離し、下の階のエレベーターホールに連れ出し、11人で乱暴した疑い。 (時事通信)
10代女性、B型肝炎ウィルス急増 11.05 B型肝炎ウイルス(HBV)に新たに感染したことを示す血液が、10代の女性の献血から最も高い割合で検出されるなど、HBVの新規感染者が若年層に集中していることが2日までに、日赤の調査で分かった。大部分が性行為による感染とみられ、専門家から「無防備な性行為が増えていることを示しており、エイズの爆発的拡大の前兆」との指摘も出ている。若者中心の感染拡大が判明したのは、献血血液の安全性を高めるため、日赤が1999年から導入した核酸増幅検査(NAT)の結果。同検査は、ウイルス感染直後の血液を見つけ出すことができる。日赤は、2000年4月から02年3月にNAT陽性となった献血者の年代を調べた。すると、女性で最も多かったのは10代で、人口10万人当たり3・89人だった。(共同通信)
カンジタ症多発、藤沢が再発売 藤沢薬品工業は、膣(ちつ)カンジダ症などに効果のある一般用医薬品「トリコマイシンK」を再発売した。2002年1月に販売を中止したが、消費者からの要望が多いため再発売した。 トリコマイシンKは抗生物質の「トリコマイシン」と「クロラムフェニコール」を配合した薬剤で、1日1錠を膣に挿入して使用する。膣カンジダ症のほか、トリコモナス膣炎、こしけなどに効果がある。10錠入り2100円(日経産業新聞)
グルタミン酸で精子熟成 調味料や昆布などに含まれるうまみ成分として知られる「グルタミン酸」は、人の体内では神経伝達物質として脳内の神経細胞にしか存在しないと考えられていたが、岡山大大学院自然科学研究科の森山芳則教授らのグループは、膵臓(すいぞう)のランゲルハンス島や小腸のL細胞、精巣の精原細胞などにも存在することを突き止めた。グルタミン酸が血糖調節や、精子の成熟などに重要な働きをしていることを明らかにした研究結果は、15〜17日に横浜市で開かれた第76回日本生化学会大会で報告された。グルタミン酸は、脳内で記憶や思考などにかかわる神経伝達物質としての働きが知られている。森山教授らは脳内以外での存在を確認するため、グルタミン酸をため込む機能をつかさどるたんぱく質「小胞型グルタミン酸トランスポーター(VGLUT)」の抗体を作り、体内のさまざまな部位の細胞を使い抗体に反応するか実験した。その結果、ランゲルハンス島などの細胞と反応。神経以外の末梢(まっしょう)組織にもグルタミン酸による情報伝達系が存在し、細胞間の情報伝達という重要な役割を果たしていることがわかった。森山教授は「グルタミン酸の働きを解明することで、糖尿病や不妊症、統合失調症などの改善や治療法に結びつく可能性がある」と期待している。(毎日新聞)
男性肥満と不妊症 肥満の男性の場合、精子の数が少なく、その活動力も低いため、不妊患者になる可能性が高いと、英ザ・タイムズが17日報道した。米アトランタの医学研究所RBA(Reproduction Biology Association)が、52人の男性を対象に研究した結果だ。ウィリアム・ルドブシュ博士が率いる研究チームは、肥満度(BMI:Body Mass Index)と一回の射精で排出される精子の数を比較した。 「肥満度」は体重(単位キロ)を身長(単位メートル)の2乗で割った数値。 数値が25を超えれば「肥満」、30を超えれば「過肥満」とした。 「正常」(数値25未満)の場合、精子の数は平均1860万個である一方、「肥満」は360万個、「過肥満」は70万個と少ない。「肥満」の精子は活動力も落ちる。「肥満」が精子の質と量に大きな影響を及ぼす理由には▽股間の肥満がこう丸の温度を高めて、精子の生産を妨害する▽肥満が精子精算に関連したホルモンの生産パターンを変化させる−−という2つの推定が提起された(中央日報)
女性性欲促進・男性ホルモンを太ももに 男性ホルモンのテストステロンを含有しているクリームを、女性の大腿部に塗ると、女性の性欲が促進されるとの研究結果が出た。豪AAP通信が14日報じたところによると、豪州メルボルンにあるジン・ヘイリ財団のスザン・デーヴィス博士は、米医学専門紙「閉経」の最新号にこうした研究報告を発表した。デーヴィス博士は、テストステロンの分泌量が少なく性欲が低下された閉経前の女性34人に、テストステロンクリームを1日10ミリグラムずつ12週間にわたって大腿部に塗らせ、その次の12週間は、にせ物のクリームを塗らせた結果、本物のクリームを塗ったときだけ、性欲と全般的な気分が高揚されることが分かったと、発表した。デーヴィス博士は、しかし、テストステロンクリームの効果は、女性の性欲を新しく作り出すものではなく、低下された性欲を治療するくらいのものと指摘した(中央日報)
WHOがエイズにコンドームは無効という法王庁に反論
世界保健機関(WHO)は13日、ローマ法王庁(バチカン)の指導者たちが、コンドームはエイズ拡大阻止に役立たないとして使用しないよう世界のカトリック教徒たちに呼び掛けていることに強く反論した。WHOスポークスウーマンのファデラ・シャイブ氏は、科学的見地から言って、男性用コンドームがエイズを予防する効果がないと主張する者は間違っていると断言した。(写真はジュネーブのWHO本部)英BBCテレビは12日、一部のローマ・カトリックの指導者が、世界中のエイズ患者に対し、エイズウイルスはコンドームの微小な穴をすり抜けることが可能なので使用しないようにとの危険な勧告を行っているとスッパ抜いた調査報道番組を流していた。WHOは教会側の言い分に反論したもので、シャイブ氏は、WHOの研究でコンドームがエイズウイルスを90%阻止できることが証明されていると強調し、残りの10%は不適切な使用法によるものだと述べている。ローマ法王庁は従来、性道徳の乱れにつながるとして、人工的な避妊に強く反対する立場を取っている。〔AFP=時事〕
男性避妊に新たな道  10.08 オーストラリア・シドニーのANZAC研究所がこのほど、世界初の男性用注射式避妊薬の臨床試験を終え、実用化に向けて大きな一歩を踏み出したと明らかにした。ANZAC研究所は、男性に3カ月おきに人工黄体ホルモンの一種プロゲスティンを皮下注射することで、精子生産を抑制する避妊法を編み出した。黄体ホルモン(女性ホルモン)は男性の性衝動を減退させる効果もあるため、性欲維持のために4カ月ごとに男性ホルモンのテストステロンも合わせて皮下挿入した。この避妊法の臨床試験は5年間かけて行われ、参加した男性55人のパートナーは注射継続中は誰も妊娠しなかった。男性に副作用もなかった。参加者は避妊用の注射を12カ月間継続した後、生殖能力回復のため注射を停止した。治験に参加したシドニー在住の夫婦の場合、夫が避妊用注射をやめた7カ月後に妻が妊娠したという。これまで男性側に可能な避妊法というと、精管結紮(けっさつ)切除術(いわゆるパイプカット手術)しかなく、一度行ってしまえば、生殖能力の回復は不可能だった(CNN/REUTERS
子宮内膜培養成功、がん・不妊治療に貢献 金大附属病院産婦人科(井上正樹教授)の京哲(きょうさとる)講師らの研究グループが、子宮内膜の細胞の培養に世界で初めて成功し、このほど特許出願した。内膜細胞の” 寿命遺伝子”を組み換えて不死化し、正常な細胞と同じ性質を保ちながら実験できるようになった。子宮がんや不妊症の原因を探る基礎研究の発展に欠かせない貴重な試料となる。 これまでは人の内膜細胞を取り出して培養しても一、二週間で増殖を停止するため実験で使うことは困難だった。一方、がん化した内膜細胞は条件さえそろえば際限なく増殖を続けるが、もはや正常な細胞の性質は受け継いでいない。そこで京講師はがん細胞が持つ不死化の性質だけを内膜細胞に与えるアイデアを思い立った。細胞の寿命を伸ばすために、がん細胞が持つ「不死化遺伝子」に組み換えた。さらに、細胞の分裂を止める「Rbタンパク」の働きを抑えるウイルス遺伝子を導入した。組み換えた後の内膜細胞はネズミに移植してもがんにならず、染色体などの異常もなかった。正常細胞のように女性ホルモンに反応するなどの性質は残っており、体内と同じ状況を保って実験できることを確認した。京講師によると、培養した内膜細胞を実験に使うことで、がんが発生する仕組みを解き明かしたり、不妊症の原因をつかんだりすることに役立つという。医薬品の子宮に対する効果を実験で確かめることも可能になった(北国新聞)
東京都、ブルセラショップの出店規制か 小学生の少女が渋谷で誘拐され監禁された事件などを受けて設置された東京都の有識者会議(座長=前田雅英・東京都立大教授)は3日、「子どもを犯罪に巻き込まないための方策」をまとめた。いわゆる「ブルセラショップ」について、かかわった少女たちの生活を狂わせている可能性を指摘し、今後、出店規制を検討することを提言した。提言は、少女らが「ブルセラショップ」に下着などを売ることによって金を手にし、盛り場で深夜まで遊ぶ悪循環の中で犯罪に巻き込まれる危険性がある、と指摘。街づくりの観点から、出店規制を検討することを示した。また、風俗店などで働くことを勧誘する街頭の「スカウト」「キャッチ」の規制、子どもの深夜外出の防止などについても検討を促した。渋谷や新宿、池袋といった歓楽街には全国から少年や少女が集まってきている現状を踏まえ、都と警視庁は今後、条例制定も視野に検討を進める考えだ(朝日新聞)
日本企業の慰安旅行大脱線、中国珠海で300人集団買春? マカオに隣接する中国広東省珠海市の高級ホテル、国際会議センターホテルが28日までに、「日本人団体客による買春行為」にかかわった疑いで、当局から営業停止を命じられた。中国や香港の各紙が報じた。中国外務省の孔泉(コン・チュアン)報道局長は28日、この問題について調査中としながらも「外国人が中国に来たら、中国の法律を守らなければならない」と不快感を表明した。最初に報じたのは、26日付の中国紙中国青年報。16日深夜にホテルに到着した中国人の宿泊客が「約300人の日本人男性団体客が若い中国人女性を連れ、エレベーターの中で女性の体に公然と触れるなどしていた。ホールには日本企業の創立記念日の行事案内の看板があった」などと話した目撃談を報じた。この中国人が団体客の1人に中国人通訳を通じて聞いたところ、「女遊びに来た」と答えた、としている。翌日の中国、香港各紙は同じ中国人の話をもとに、「300人の日本人団体客が500人の中国女性を集め、ホテルの大会議場で接待させたあと、女性を部屋に連れ帰り、買春した」と断定的に報じた(朝日新聞)
当該建設会社は集団買春を否定、一部の者が実行かと不安を口に。中国当局はその後、中国の売春組織首謀者と売春婦50人を拘束、解明に乗り出した。
ES細胞を精子に分化 09.21 日本の科学者チームが、胚性幹細胞(ES細胞)を精子に分化させるのに成功したと発表した。ES細胞は動物の身体を形成する元となる細胞で、発生初期の胚で形成され、その後胎児の成長につれてさまざまな器官や組織に分化していく。研究者たちはこれまでES細胞を、さまざまな種類の細胞に分化させてきた。 卵細胞への分化も行なわれている。だが、今回の研究を行なった科学者チームによると、精子の分化に成功したのはこれが初めてだという。三菱化学生命科学研究所の野瀬俊明主任研究員がリーダーとなって進められた今回の研究の結果は、『米国科学アカデミー紀要』(PNAS)オンライン版に今週掲載される。野瀬主任研究員が率いる研究グループはまず、ES細胞と、『BMP4』というタンパク質を作り出す細胞とを混合して培養した。このタンパク質は、胚の発達中に、精子の元となる始原生殖細胞の形成を促進する働きをする。通常の胚の中では始原生殖細胞の形成に3日かかるが、実験環境では1日のうちに形成が始まったものもあった。この始原細胞を生きたマウスの精巣環境で育てたところ、精子になったという。ジョンズ・ホプキンズ大学教授で、米国科学アカデミーの幹細胞に関する委員会の責任者を務めた経験のあるバート・ボーゲルスタイン博士は今回の研究を「新技術を使って実験環境で多様な細胞を作り出す方法を示す素晴らしい実例となる斬新な研究だ。こうした細胞は、将来は生物医学分野へ応用され、有効に用いられる可能性もある」と評価している(WIRED)
精液に卵巣がん殺傷能力? 男性の精液の中に女性の卵巣がん細胞を殺す成分が入っていることが、国内の研究グループによって明らかになった。これを受け、女性の性生活が少なくなるほど、卵巣がんにかかる確率が高くなり、活発な性生活をするほど卵巣がんにかかる確立が低くなる理由が、精液のためだという解釈が説得力を得るようになった。 カトリック大学・江南聖母病院の産婦人科、ペ・ソクニョン教授と朴レオク研究員は、精液から精子を取り除き、精液の中に入っている亜鉛を主な成分としてたんぱく質と糖類を複合した物質を濃縮し、卵巣がん細胞を殺す実験で、優れた効果を得たと14日明らかにした。 ペ教授側は「シザー(Cizar)」と名付けたこの物質(ミネラル)を象皮性卵巣がん細胞と正常の卵巣象皮細胞にそれぞれ入れ、48時間にわたって実験した結果、卵巣がん細胞は81%が死んだ反面、正常な細胞は37%だけが死んだと発表した。(朝鮮日報) 
子宮ガン検診20代から 性の低年齢化に伴い、ウイルス感染から引き起こされる子宮頸(けい)がん発症者の若年化が懸念されていることから、厚生労働省は14日までに、全国の市町村が30歳以上の女性に実施している子宮がん検診の対象年齢を20代に引き下げる検討を始めた。近く専門家の検討会を設置、年度内に対象年齢を見直し、2004年度から新指針の実施を目指す。 がん集団検診は1982年度からスタート、現在は胃、肺、大腸など5種類のがんを対象に実施しているが、国の指針ではいずれも30歳以上か40歳以上が対象。全国一律に「20代のがん検診」が実現すれば初のケースとなる(産経新聞)
新潟中3行方不明少女、佐渡で発見 新潟県村上市で同市立村上東中学3年の冨樫知里さん(15)=同市下相川=が連れ去られ、同県金井町(佐渡島)で発見された事件で、新潟県警は14日未明、未成年者略取誘拐容疑で無職、近藤順容疑者(26)=同県金井町泉=を逮捕した。容疑について「間違いない」と認めているという。県警は同日早朝、捜査本部が置かれた村上署に身柄を移送するとともに、同容疑者のアパートを家宅捜索した。県警捜査1課などの調べでは、近藤容疑者は今月2日夕、村上市の路上で下校途中の冨樫さんを背後から車ではねて気を失わせ、車に押し込んで連れ去った疑い。県内を車で連れ回した後、冨樫さんを車に乗せたまま新潟西港からカーフェリーで佐渡島に渡り、4日に自宅のアパートへ連れて行ったという朝日抜粋)
南ア・妊婦の1/4がHIVに感染 南アフリカの保健省は9日、2002年に実施した妊娠女性のHIV感染の調査結果を公表、感染率は4人に1人以上に当たる26・5%で、01年の24・8%から1・7ポイント上昇した。99年にわずかに低下したのを除けば、90年以来、増加が続いている。また、保健省は今回の結果から、同国のHIV感染者数を535万人と推定、01年の474万人から1割以上の増加となった。調査対象は、02年10月に公的医療機関を妊娠で初回受診した女性約1万7000人。年代別で最も感染率が高かったのは20代後半の34・5%で、30代前半の29・5%が続いた。20歳未満以外のすべての年代層で、01年より上昇した。(共同通信)
乳がん視触診のみの検診廃止 見落としが続いている乳がん検診のあり方について、厚生労働省は、視触診のみの検診を廃止して乳房X線撮影(マンモグラフィー)を全面的に導入するなど大幅に見直す方針を固めた。近く専門家を集めた検討会を立ち上げ、今年中に結論を出して全国に通知する。現在、半数近い市町村で、乳房を触ってしこりの有無を調べる視触診のみの検診が行われているが、このままでは見落としが頻発しかねないと、見直しに踏み切った。厚労省が00年度にまとめたがん検診の有効性評価では、視触診だけの検診は「死亡率を減らす効果がない」とされた。だが、視触診だけの検診を受けた人は01年度に283万人に上るのに対し、「効果がある」とされるX線撮影と視触診の併用検診を受けた人は45万人にとどまっている。産婦人科や整形外科など専門外の医師が視触診検診に携わることが多く、今夏、相次ぐ見落とし例が問題になった。厚労省は、05年度からの老人保健第5次計画を前倒しして、検診を見直す必要があると判断した(朝日新聞)
サウナ、温泉で精子が死滅? 仕事疲れをサウナで癒すお父さんにはショック?! 日本と同様に出生率の低下で急速な高齢化が心配されるシンガポールで「サウナ通いが子種に深刻な影響を与える」という大マジメな発表が話題を呼んでいる。これは19日、産婦人科医や不妊治療の専門家らが発表したもので、専門家のひとりは「妊娠年齢が高くなっており、子供の発育に関する知識を高める必要がある」と指摘。「定期的に温泉やサウナに行くことで精子を殺してしまう」と主張し、バランスの取れた食事や適切な体重の維持、適量の運動、配偶者と十分な時間を過ごすことを提案した。医師らは「若い人々にメッセージとして訴えたいのは、受精の計画を早い段階で作り、人生設計の中で考慮しなければならないということだ」と子作りの心得まで伝授。精子を大切にしながら、せっせと行為に励みなさい−と叱咤している(ZAKZAK)
セックス中毒 11日付のUSAトゥデイによると、ミネソタ大学医学部の性行動研究室長を務める心理学者のイーライ・コールマン氏が、このほど開かれた米心理学会の例会で「セックス中毒のため失敗する例があり、事件に発展することもある。ある意味で飲酒運転と同様であるにもかかわらず『セックス中毒』は流行語のように軽々しく使われすぎている」と指摘し、真剣に受け止めるよう警告した。コールマン氏の研究によると、大人の3〜5%にセックス中毒の症状が見られる。子供を性愛の対象にしたり変質的な行為を好むのではなく、異性愛、同性愛にかかわらず、強い性的衝動が繰り返し起こるために性行為が強制的になる状態をセックス中毒という。そんな患者には「プロザック(PROZAC)」をはじめとするSSRI系抗うつ剤が処方される。脳に「幸福感」を与えながら性的欲求や絶頂感を抑える働きがあるため、セックス中毒に効くと考えられている。セックス中毒の主な4症状は以下の通り。1)常にセックスの相手を探し求める。相手は自分の不安を和らげ、自尊心を満足させる「道具」に過ぎない、2)セックス関連の書籍収集に多額をつぎ込み、秘蔵する、3)インターネットを多用し、ネット上で見つけた相手との関係が生活に支障をきたす、4)相手に常にセックスを要求し、あらゆる手段で強制する。(USFL)
生殖細胞の「情報元」発見 09.04 親から子へ遺伝情報を引き継ぐ精子や卵子の生殖細胞を作り出す遺伝子を、相賀裕美子・国立遺伝学研究所教授や小林悟・岡崎国立共同研究機構教授らが発見した。この遺伝子はハエからヒトまで多くの生物の生殖細胞に存在しており、不妊の診断や治療に役立つ可能性がある。29日発行の米科学誌「サイエンス」に掲載された。(毎日新聞)
10代に広がるHPV 子宮がんを起こすとされるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が、10代の女性に広がっていることが29日までに、名古屋市立大の鈴森薫教授(生殖・発生医学)らの調査で分かった。これまでに50人中20人から悪性度の高いHPVが検出され、さらに症例数を増やして調査中。同教授は「感染率が高く、心配される結果」と話している。HPVは主に性交渉で感染する。同教授らは、性交渉の低年齢化とともに若年者に子宮がんが増えるとみて、早期発見、診断の必要性から実態を調べることにした。調査は、性感染症検査のため開業医などに来院した10代女性らが対象。HPV感染の有無のほか、ウイルスの遺伝子を調べ、子宮がんとの関連性が高い悪性タイプかを確かめている。(共同通信)
遺伝子検査指針、「知らないでいる権利」など 日本人類遺伝学会、日本産科婦人科学会など10学会は28日、遺伝病の可能性を見つける検査を診療の現場で実施する場合の指針を初めて決めた。検査を受ける人の「知る権利」「知らないでいる権利」の尊重と、遺伝カウンセリングの実施を条件にした。 指針は、遺伝医学にかかわる学会で01年から検討してきた。 実施については▽検査の利益と不利益、有効性の限界などを十分に説明する▽検査試料を了解なしに検査以外の目的に使わない▽精度や有効性が定まっていない検査については、実施していること自体を宣伝しない▽成人後に発病する治療法のない遺伝病について、子どもの時期の検査は避けるべきだ――とした。 結果は、本人に無断で血縁者に知らせることを禁じた。望まない限り、本人にも知らせてはならないとし、意思確認を兼ねて遺伝カウンセリングを続けることを求めた(毎日新聞)
女性用コンドーム、使いまわしは5回まで 使用済みコンドームを,もう1回使う……という話はあまり聞かないが,女性用コンドームはそうでもないようだ。通常の男性用コンドームと比べて値段が高いだけでなく,丈夫そうでもあるために,女性用コンドームの場合は,使用済みを何度も使うことが珍しくない。このために,再使用の場合の安全性が大いに問題となっていた。2002年6月に発表されたWHOのモThe Safety and Feasibility of Female Condom Reuse: Report for WHO Consultationでは、いつも新品のコンドームを使用することが最も望ましいが、経済的理由などでそれが困難な場合,女性用コンドームは、20倍希釈の漂白剤に1分浸しておくという処理によって、HIVその他のウイルスを殺菌することができ、少なくとも5回は再使用できる強度があることを示す研究結果が紹介されている(sexual science)
B型肝炎、治療後もウイルス残存 08.19 急性B型肝炎が治った後も、ウイルスが血中に残るケースがあることが、国立病院大阪医療センターの結城暢一・消化器科医長らのグループの調査で分かった。本人の健康に影響を与える可能性はほとんどないレベルだが、献血での検査をすり抜けて2次感染させる可能性があり、輸血の際の安全管理体制などに影響を与えそうだという。グループは、発症から約2〜9年過ぎて、肝機能が回復し、治ったとみられる急性B型肝炎の元患者14人を検査した。その結果、3人の血液から、1ミリリットル当たり770個、同1300個、同2万4000個のウイルスがそれぞれ見つかった。また、肝臓の組織の採取に同意した9人全員の肝臓組織からもウイルスを検出した。(毎日新聞)
性教育に新教材 「女性に自分の体についてしっかり理解してほしい」。そんな思いを抱く産婦人科医と布絵本作りのボランティアが共同で、性教育のための教材を作った。温かみがあり、卵子などを手で動かして学べるので「分かりやすい」と好評。新たな注文も舞い込んでいる。教材は布製の壁掛け式。子宮内は面テープが張ってあり、卵子やクラミジア菌などの部品が張り付く仕掛けになっている。胎児や精子の部品、受精の瞬間の卵子など細かい部品もある。発案したのは、小倉南区の労災病院産婦人科長、齋藤竜太医師(38)。クラミジアなど不妊症につながる性病にかかったり、中絶手術を受ける若年女性が増加している。また、卵巣が二つあることを知らない中年女性や、中絶手術後、何事もなかったように快活に振る舞う若いカップルを見てきた。学校の性教育教材はビデオが主流だ。臨床の現場では模型を使って説明もする。しかし齋藤医師は「図で示したり、性病が増えているというデータを見せるだけでは伝わらない」と指摘する。(毎日新聞)
性同一性障害の戸籍変更理由 法務省は18日、心と体の性の不一致に苦しむ性同一性障害者が戸籍上の性別を変更する際、戸籍に残る変更理由には、性同一性障害者であることが直接はわからない表記にする方針を固めた。対象者のプライバシーに配慮したもので、性同一性障害者性別特例法の法律番号である「平成15年法律第111号」を変更理由として記載する予定だ。法務省は、先の通常国会で成立した特例法が来年7月に施行されるのに合わせて、戸籍法施行規則を改正する。現行の施行規則では、養子で戸籍が変更される場合ならば、「養子とする縁組」というように、明確な変更理由が記載される。このため、性同一性障害者の団体などから表記への配慮を求める声が強かった。特例法に基づく性別変更者は、現在の家族の戸籍から除籍され、新戸籍が編成される。新戸籍では、性別が変更され、その理由として法律番号が記される予定だ。(読売新聞)
人工授精治療で間違って別人の精液注入 08.12 愛知県小牧市の小牧市民病院(末永裕之院長、544床)で昨年11月、不妊治療の一種で、夫の精液を妻の子宮に送り込む配偶者間人工授精(AIH)を行った際、過って夫以外の精液を女性に注入していたことが9日、分かった。女性は妊娠しなかったが、結果が分かるまで精神的な苦痛を受けたという。小牧市は医療ミスを認め、末永院長が女性側に謝罪した。病院側は「患者の氏名を確認しなかった初歩的なミス」としている。病院の説明によると被害にあったのは愛知県内の30代の女性。昨年11月下旬、外来で不妊治療に訪れた。ほぼ同じ時間に、別の患者の治療も予定されていた。別の患者を先に診察室に呼び入れたはずだったが、実際には被害にあった女性が入室し、診察台に乗った。医師、看護師とも氏名を聞かないまま、女性に精液を送り込んだという。注入を終えた後、女性は待合室で座っていたが、再び自分の名前が呼ばれたため不審に思い、すでに治療が終わったことを告げた。医師らがあわてて確認すると、この女性に注入するはずの夫の精液が残っており、取り違えが分かった。すぐに、女性の子宮内を洗浄するなどしたため、妊娠はしなかった。診察台はカーテンで仕切られ、医師や看護師から女性の顔は見えないようになっていた。治療中、医師が女性に話しかけることも、ほとんどしなかったため、声でも取り違えが分からなかった。(朝日新聞)
船舶塗料でヒラメのメスがオスに 船舶の塗料などに使われる有機スズ化合物「トリブチルスズ」(TBT)に、メスのヒラメをオス化する環境ホルモン作用のあることが、九州大学大学院の大嶋雄治助教授(水産生物環境学)らの研究でわかった。TBTは微量でメスの巻き貝をオス化するが、脊椎(せきつい)動物で同様の働きが確認されたのは初めて。大嶋助教授らは、ホルモンの操作でメスしか発生しないようにしたヒラメの稚魚を使い、エサ1グラム中にそれぞれ0.1マイクログラム、1マイクログラムのTBTを混ぜて飼育。その結果、0.1マイクログラムの群では26%、1マイクログラムの群では31%で、卵巣の代わりに精巣が形成されていた。また、筋肉1グラムから、それぞれの群で、平均0.018マイクログラムと同0.159マイクログラムのTBTが検出された。また、同助教授らが01年から02年にかけ、西日本の小規模な港湾20カ所の海底の泥を分析したところ、19地点でTBTが検出された。濃度は最大で泥1グラム中20マイクログラムに達した。TBTは60年代半ばから船底や漁網にフジツボなどが付着するのを防ぐのに使われたが、80年代から欧米で規制が進み、日本も90年代初頭までに造船業界は使用を中止。しかし、多くの国で現在も大型船を中心に使用されている。極めて微量で巻き貝をオス化するとされ、日本海や瀬戸内海で90年代にバイ貝などの漁獲が激減した原因とみられている(朝日新聞)
不妊治療「借り腹」40%が容認だが禁止 不妊治療法の一つで、夫婦の受精卵を第三者の女性に妊娠・出産してもらう「借り腹」について、一般市民の4割以上が容認していることが、厚労省の調査で分かった。代理出産については厚生科学審議会の部会が禁止の方向を打ち出し、生殖補助医療関連法でも禁止される予定だが、意外に容認派が多いことが判明した。(毎日新聞)
ホルモン療法と乳がん発生率 8日付の英各紙によると、更年期障害などの治療で女性ホルモンを投与する「ホルモン補充療法」により、乳がんを発症する危険が2倍に増えることが、英国のがん研究所による患者100万人を対象にした大規模調査で分かった。結果は英医学誌ランセット最新号に掲載された。ホルモン補充療法は世界で1000万人以上が受けており、ランセットは長期投与を受けている患者はできるだけ早くやめるべきだとの論説を掲載。英医療当局は7日、医師が長期投与の危険を患者に説明するよう勧告した。調査結果によると、同療法で一般的なホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」の両方を投与された患者は、投与を受けない人に比べて乳がんの発症率が2倍だった。子宮摘出患者に対するエストロゲン単独投与では、発症が30%増だった。米国立衛生研究所(NIH)は昨年7月、同療法で乳がんや脳卒中の発症が増えると発表しているが、より大規模な今回の調査により乳がんに関する危険が一層明確になったという。(毎日新聞)
ストーカー殺人少年の親に賠償金命令 愛知県西尾市で1999年に県立高校2年永谷英恵さん(当時16歳)が刺殺された事件で、英恵さんの父母が、加害者の当時17歳の少年だった男(21)(殺人罪などで服役中)とその両親に対し、慰謝料など1億円の支払いを求めた損害賠償請求訴訟の控訴審判決が6日、名古屋高裁であった。熊田士朗裁判長は両親の監督責任を全面的に認めた1審・名古屋地裁岡崎支部判決を支持、男と両親側の控訴を棄却し、約8900万円の支払いを命じた(読売新聞)


人間の寿命の限界 07.26 サンフランシスコ発――想像してみてほしい。あと100年以上生きるとしたらどうだろう。一部の専門家が19日(米国時間)、人間はいつか科学の進歩により、自然な寿命の限界と現在考えられている年齢より、数十年は長生きできるようになると発言した。未来に関する本を2冊執筆している、ニュージャージー州モントクレア州立大学のマイケル・ゼイ教授(経営学)は次のように述べている。「われわれは不死のすぐ近くまで来ていると思う。2075年までにはそれが現実になるだろう――もっと早く実現することも大いにあり得る」ゼイ教授は、サンフランシスコで開催された『世界未来学会』の年次会議に顔を出した際に、この意見を述べた。この学会は、社会のさまざまな面からみて、未来がどのようになるかを考察している。会議で講演を行なった、ニュージャージー州立医科大学(ニューアーク)のドナルド・ルリア教授は、細胞や遺伝子の操作、そしてナノテクノロジーの進歩によって、人間は将来、これまで寿命の限界とされてきた年齢より長く生きるだろうと述べている。「10年前にSFだったことが、今はもうSFではない」「昨今の劇的で急激な技術発展のおかげで、人間は120歳から180歳まで生きられるようになるだろう。一部の専門家は限界などなく、200歳、300歳、あるいは500歳まで生きられると主張している」とルリア教授は語った。会議に参加していない老化専門の多数の科学者たちは、このような主張に懐疑的だ。人間の体は120年以上も持つように作られてはいないと彼らは述べる。生活スタイルが健康的になり、病気が減ったとしても、脳などの器官の機能停止が、結局人間に死の運命をもたらすとといのが、大方の科学者の意見だ。(WIRED)
乾燥精子はいかが? 精液を空気で乾燥させ、1カ月たった後でも、水を加えて戻してやれば卵子を受精させられることが新しい研究で分かった。このシンプルな精子保存技術を使えば、体外受精を待っている男性は、精子のDNAを傷めることなく、家庭の冷蔵庫で精液を貯蔵できるかもしれない。現在、体外受精を行う医院では、液体窒素の中に精子を凍結保存している。これについては、精子を取り違える危険性や、B型肝炎やC型肝炎などのウイルスがバイアルからバイアルへ混入する危険性があると批判する人もいる。この技術の開発者で、サウジアラビアのジッダにあるドクター・エルファン・アンド・バゲド病院に所属するDaniel Imoedemheは、「この新しい方法なら、患者が自分で精子を取り扱うことができるので、患者は安心できるはずだ」と話す。1 年以内にキットにして多くの医師が使えるようにできるかもしれないと彼は言う。Imoedemheはまず、白血球を取り除くためにサンプルを洗浄した。白血球は精子を損傷する恐れがあるからだ。それから、ガラス製の顕微鏡のスライドの上に精子を落とし、清浄な空気の制御された流れの中で数時間乾かした。その後、ふつうの冷蔵庫の中で最大1 カ月間貯蔵した。Imoedemheは、サンプルの精子を生き返らせるため、単なる食塩水の中で30分間漂わせた。「この方法で、すべての精子をよい状態に回復させることができる」と彼は話す。これまで行われていた凍結精子の解凍の場合は、数時間かかるし、精子の50 %しか回復しない。最後に、生き返らせた精子を24個の人間の卵子に注入したところ、うち20個が分裂を始めた。6月29日から7月2日までスペイン・マドリードで開かれた欧州ヒト生殖・発生学会の年会で、Imoedemhe はこのように報告した。(NATURE)
不妊手術の失敗で医師に養育費の支払い判決 オーストラリア東岸の都市ブリスベーン郊外に住む主婦が「不妊手術を受けたのに妊娠したのは医師の責任」として、生まれてきた男児の養育費を求めて提訴。豪連邦最高裁は手術を担当した医師らに対し、男児が18歳になるまでの養育費10万5300豪ドル(約842万円)の支払いを命じたが、この判決が波紋を広げている。アンダーソン副首相は「子供を電化製品と同じように損害賠償の対象として扱うことに嫌悪を感じる」と判決を批判。ハワード首相も「そういう結論が出る法体系なら、変えなければならない」と述べ、新聞各紙も「子供の値段はいくら?」などの見出しで連日批判的に報じている。 (時事通信)
前立腺ガンの治療に放射線カプセル 患者が急増している前立腺がんについて、文部科学省はこのほど、治療のため体内に埋め込むごく小さな放射線源を放射線障害防止法の規制対象から外すことを告示した。医療機関は告示を受けて、この治療を行うことができるようになる。同省によると、この治療に適応する患者は年間数千人に達する。放射線源は、放射性のヨウ素を封入した太さ0・8ミリ、長さ4・5ミリのチタン製カプセル。病巣周辺に40―100本を埋め込み、がん細胞を死滅させる。これまでの体外からの放射線照射に比べ、病巣に集中して照射できるため、副作用が少ない。カプセルはそのまま体内に残るが、患者に痛みや違和感が出ることはない。厚生労働省はすでに昨年末にこの線源を医療用具として承認していた。特に早期の前立腺がんに効果が高く、米国では、患者の10年後の生存率は70%と外科手術に匹敵する治療成績だった。欧米で普及し、米国では年間数万件実施されている。前立腺は男性の膀胱(ぼうこう)の下にあるクルミ大の器官。最近20年間で前立腺がんの患者数は7倍になり、年間1万4000人以上が発病する(読売新聞)
稲城市小6女児監禁事件
東京都稲城市の小学6年の女子児童(11〜12歳)4人が手錠をかけて監禁され、4日ぶりに保護された事件で、室内で死亡していた男は7月上旬、知人の女子高校生を通じて一部の児童と知り合い、都内の高級ホテルのレストランで小遣いを渡していたことが分かった。警視庁捜査1課などは、男は小遣いを渡すことで児童らを安心させ、あらかじめ他人名義で借りていた監禁場所の短期滞在型マンションに連れ込んだ計画的な事件とみている。4人は手錠による擦り傷や脱水症状があり港区内の病院で治療を受けたが入院の必要はなく、その後、渋谷署で両親らと再会し自宅に戻った。死亡した男は横浜市港北区篠原東1、職業不詳、吉里弘太郎容疑者(29)で、都内で女子高生にわいせつ行為をしたとして、児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で警視庁が16日に逮捕状を取り行方を追っていた。4人を監禁した後、自殺を図ったとみており、誘拐と逮捕監禁容疑で被疑者死亡で送検する方針。4人は室内でアイマスクと手錠をされていた。1人は手錠の片方を20リットルの水の入ったポリタンクにつながれ、逃げられないようになっていたほか、足に手錠をされていた子もいた。洋間2部屋に1人ずつ、脱衣所で2人が監禁されていた。吉里容疑者は少なくとも1人の児童に菓子類とジュースを買い出しに行かせているが、自分がマンションから出た形跡はなく、同課は連れ込む前から手錠などを用意していたとみている。吉里容疑者はリビングダイニングでビニールをテント状に張った中で死亡していた。死後十数時間経過しているとみられる。テント内は目張りされ、燃え残った練炭が置かれていた。同課は一酸化炭素中毒死とみて、18日に司法解剖して調べる。遺書はみつかっていない。同課は7月上旬に吉里容疑者と知り合った児童らが、ほかの児童を誘い計4人で13日に会う約束をしたとみている。同日午後1時ごろ、4人はJR渋谷駅前のモヤイ像前から2人ずつ2台のタクシーに分乗しマンションに連れて来られた。この際、1台のタクシーに同乗した別の若い男性名義で11日にマンションを借り、賃貸料は吉里容疑者が払っていた。同課は男性から事情を聴いたが、監禁事件への関与は薄いとみている。(毎日新聞)
長崎幼児誘拐殺人事件の犯人は中学1年生 07.10 長崎市の幼稚園児、種元駿ちゃん(4)が連れ去られて殺害された事件で、長崎県警の捜査本部は9日、同市内の中学1年の少年(12)が事件にかかわった疑いがあるとして補導、午後4時、児童相談所に通告した。分析していた防犯カメラのビデオ映像などから少年が浮かび、同日午前から事情を聴いていた。刑法は14歳未満は刑事責任を問わないと定めている。県警によると、少年は1日午後7時20分ごろ、長崎市三芳町の家電量販店で駿ちゃんを誘拐し、同9時15分ごろ、約4キロ南の同市万才町にある7階建て立体駐車場の屋上(高さ約20メートル)から駿ちゃんを突き落とした疑い。少年は突き落としたことを認めているという。誘拐現場から殺害現場までは路面電車を使って移動したという。少年は事情聴取に対し「後悔している。駿ちゃんのお父さん、お母さんごめんなさい」という趣旨の話をしているという。14歳未満の少年が事件を起こした場合、警察は事情を聴いた後、事件への関与が認められれば「触法少年」として児童相談所に通告。児童相談所は家庭裁判所の審判に付することが適当と判断した場合、家裁に送致する。家裁は少年の心理状態などを調査したうえで、審判を行い、自立支援施設への入所などを判断する。(朝日新聞)
若い女性の子宮けいがん、10年で4倍
若い女性の子宮けいがん患者が、最近10年で4倍に増えていることが、国立病院呉医療センター(広島県呉市)の藤井恒夫産婦人科医長らの調べで分かった。急増の原因は不明だが、性感染症の増加が一因とみられている。日本産婦人科医会がん対策委員会は、全国的な傾向とみて、子宮がん検診の対象を若年層へ拡大する検討を始めた。藤井医長らは、同センターと広島大病院で1982年以降に子宮けいがんの治療を受けた患者計2071人の年齢を調べた。29歳以下の女性が占める割合は、91年以前は2%だったが、92―96年には6%、97―2001年には8%まで急増していた。6割はごく初期のがんだったという。また、過去30年間に同県内で検診を受けた29歳以下の女性約6129人について調べたところ、検診で初期の子宮けいがんが見つかるケースも増加傾向にあった。子宮けいがんは、子宮の入り口付近にできるがんのこと。一部の子宮けいがんの発症には、性行為などで感染する「ヒトパピローマウイルス」がかかわっていると言われている。ほとんどの自治体は、30歳以上の女性を対象に子宮けいがんの検診を実施しており、20代を対象にした検診を実施している自治体は非常に少ない。藤井医長は「高齢出産が増え、妊娠して初めてがんが判明するケースも少なくない。若いうちから積極的に検診を受けてほしい」と訴えている(読売新聞)
英国遺跡ストーンヘッジは性器崇拝 カナダの研究グループは、なぞに包まれていた英国南部の古代遺跡ストーンヘンジは女性の生殖器を意味したものとの論文を発表した。論文は英医学誌「ロイヤル・ソサエティー・オブ・メディシン」7月号に掲載されたもので、「ストーンヘンジ、医学的見地から」と題されている。論文を執筆したブリティッシュ・コロンビア大学医学部産婦人科の元教授アンソニー・パークス氏は「ストーンヘンジの制作者たちにとって、人生最大の出来事は誕生と死だった」と述べた。同氏は、ストーンヘンジが墓所であることを示す根拠はなく、「誕生を暗示する根拠もほとんどみられないが、あまりに巨大過ぎて、見過ごされている」と指摘した。同氏によると、ストーンヘンジ全体の構造を上空から見ると、女性の生殖器の形に解釈できるという。(ロイター)
人間は右脳から発達? 赤ちゃんの泣き顔を分析すると、表情は、顔の右半分より、左半分に強く出ることが、京都大学霊長類研究所と科学技術振興事業団の研究で分かった。人間は誕生直後の段階で「右脳」特有の働きを発揮していることを裏付ける実験で、ほかの霊長類でも同じ現象が見られるのか――研究者はチンパンジーなどでの検証にも取りかかっている。人間の運動神経のネットワークは、左右の脳と、左右の半身が交差しており、右半身の動きは左脳、左半身は右脳が支配している。論理思考は主に左脳が担い、右脳は主に「感情」を制御するとされる。こうした脳の働きの左右差は、特に人間で明りょうに見られるが、いつから左右差ができるのかは不明だった。研究グループの中村徳子・科学技術振興事業団研究員らは、生後1か月以内の乳児12人分の泣き顔を撮影。その写真を中心線から左右に分割し、中心線の両面にそれぞれ左側だけ、あるいは右側だけを展開した合成写真を作った。これを、子育て経験がある大人10人に見せ、表情が強いと感じた方を選んでもらった。その結果、乳児4人分の写真では、大人全員が「左顔の合成写真」を選択。ほかの乳児5人分の写真も、半数以上の大人が「左合成写真」を選んだ。サンプル数は少ないが、このデータを統計的に評価した結果、赤ちゃんの「左顔」に、より強く表情が出ていることが裏付けられた。また、残り3人の赤ちゃんについては、左右の評価に差は出なかった。同グループの中村克樹・元京大霊長研助教授は「人間は生まれたとき、すでに左右差があり、右脳特有の働きも備わっていることが分かった。高度に発達した人間の脳の謎を解くかぎになる」と説明している。また研究グループでは、赤ちゃんの笑い顔でも、同様に合成写真を作り、左右の顔の表情の分析をしたが、笑い顔では左右の差は確認できなかった。これについて、中村元助教授は「新生児の微笑は顔の筋肉のけいれん現象と考えられ、泣き顔のような感情の表出とは違うため、差が出なかったようだ」と話している。(読売新聞)
ヒトとチンパンジーの遺伝子15%も違ってた 理化学研究所・ゲノム科学総合研究センターを中心とする日本、韓国、中国、台湾、ドイツの国際研究チームは1日、ヒト以外の霊長類では初めて、チンパンジーの22番染色体の塩基配列を高精度に解読、ヒトとの比較では遺伝子の約15%に違いがあることが判明したと発表した。同センターのこれまでの研究で、ヒトに最も近い動物であるチンパンジーとヒトとでは、全塩基配列の違いはわずか1.23%しかないとされていたが、実際にタンパク質を作る遺伝子レベルではもっと大きな違いがあることが確認された。発表した理研の榊佳之プロジェクトディレクターは「これまで考えられてきた以上に大きな違いだ。ほかの染色体でも同程度、違いがあるのではないか」と話している。(共同通信)
大脳皮質での刺激反応の個人差
同じ刺激でも大きな苦痛を訴える人と、涼しい顔をしている人がいるのはなぜか。「心頭滅却すれば――」の言葉もあるが、どうも意志だけの問題ではないらしい。米ウェイク・フォレスト大学の研究チームではこのほど、刺激に対する脳の反応をMRI(磁気共鳴画像化装置)で調べ、痛みの個人差を客観的にとらえることに成功した。同大学のロバート・コグヒル氏らは、被験者17人の脚の皮膚に熱刺激を与え、本人の感じ方と脳内の活動の様子を比べた。被験者は、苦痛の程度を1から10までの数字で報告。ほとんど痛みがなく「1」と答えた人から、「9」に近いと訴えた人まで、まさに十人十色の結果が出た。これと対応するように、MRIの画像にも違いがみられた。チームによると、大脳皮質の中で痛みの情報を受け取る領域や、痛みに伴う不快感に関わっている領域が、大きな苦痛を訴えた人ほど活発に反応していることが分かった。痛みの信号は脊椎(せきつい)から「視床」という部分を通って大脳皮質へ入るが、視床の反応にはほとんど個人差がみられなかったという。伝わってくる信号は同じでも、大脳皮質でどう処理されるかが人によって違うのではないかと、コグヒル氏らは説明する。研究の成果はこのほど、米科学アカデミー紀要の電子版に発表された。コグヒル氏は「これまで、痛みに個人差があることを客観的に証明した例はなかった」と、研究の意義を強調する。病院などでは患者の苦痛の程度がはっきりせず、医師が治療法の判断に迷う場面も多いが、「まず患者の声に耳を傾け、それに従うことだ」と、コグヒル氏は語る。痛みの個人差については、米ミシガン大学のチームが今年2月、遺伝子の組み合わせによって脳内物質の分泌量に差が出るためとする研究結果を発表している。(AP/CNN) *性欲や性的快感をも司る大脳皮質研究、派生的発見にも期待したい
性同一性障害法案、今国会成立 03.06.27 参院法務委員会は26日の理事懇談会で、性同一性障害者の戸籍上の性別変更を可能にする特例法案を、全会一致による委員長提案で提出することで合意した。7月2日にも開かれる本会議で可決、衆院に送付され、今国会で成立する見通しだ。同法案は、男女のいずれの性に属するかの自己認識が肉体的性別と一致しない性同一性障害者について、家庭裁判所の認定によって戸籍上の性別変更を可能にする。また、裁判所に審判請求できるのは(1)20歳以上で結婚しておらず、子供がいない(2)生殖腺の除去などで生殖能力が不能状態にある−などの条件を満たした人に限るとしている。 (時事通信)
弥生人のDNA、韓国人と同じ? 弥生人の脳が見つかった弥生時代の集落跡、鳥取県・青谷上寺地遺跡で出土した弥生時代の人骨のうち四点のミトコンドリアDNAの塩基配列が判明、佐賀県で出土した弥生人骨や現代の韓国人らと同じグループに属していたことが分かり、鳥取県教育委員会が23日、中間報告を発表した。分析は鳥取大医学部の井上貴央教授(形態解析学)らが担当。人骨片29点を分析し、うち7点からDNA抽出に成功。さらに、うち4点でミトコンドリアDNAの塩基配列を決定できた。この塩基配列を比較したところ、佐賀県千代田町の詫田西分遺跡(弥生時代中期)から出土した人骨のほか、現代の韓国人や本州の日本人と同じグループに入ることが分かったという。ミトコンドリアDNAは母系を伝えるが、4点はいずれも母系が異なり、青谷上寺地遺跡には少なくとも四つの母系が存在したことも分かった。また、弥生人の脳組織も分析。DNAは含まれていたが、詳しく分析するためのDNA増幅や、塩基配列の決定には至らなかったという。(日経新聞)
Y染色体に多くの遺伝子、不妊治療に光明? 人間が男になることを決めるY染色体上には、これまで考えられていたより多くの遺伝子が存在し、中にはY染色体固有のものも少なくないことを米マサチューセッツ工科大などのグループが突き止め、19日付の英科学誌ネイチャーに発表した。男性不妊の遺伝的研究に役立ちそうだ。また、性決定にかかわるもう1つのX染色体の遺伝子と、今回の結果を比較すれば、性の分化や生物進化の研究にも貢献するという。人間には、XとYという2つの性別決定にかかわる染色体(性染色体)があり、XXの組み合わせだと女性、XYだと男性になる。グループは、Y染色体中の性別決定に重要な部分の約2300万の塩基配列を詳しく解析。Y染色体中には、これまで考えられてきたよりも多い87個の意味のある遺伝子があることを突き止めた。Y染色体特有の遺伝子、精子形成など生殖に重要な作用を持っているとみられる。(共同通信)
パーティー主宰の早大生ら5人、参加女性を強姦 警視庁麻布署は19日、パーティーで知り合った女子大生に暴行したとして、東京都豊島区高田3、早稲田大2年、和田真一郎容疑者(28)ら大学生5人を婦女暴行容疑で逮捕したと発表した。和田容疑者らは「合意のうえだった」と容疑を否認しているという。ほかに逮捕されたのは、横浜市緑区寺山町、早稲田大4年、小林潤一郎(21)▽新宿区中落合1、早稲田大3年、沼崎敏行(21)▽神奈川県茅ケ崎市今宿、日本大3年、藤村翔(21)▽横浜市泉区西が岡2、学習院大1年、小林大輔(20)の4容疑者。調べでは、和田容疑者らは5月18日午後8時半ごろ、東京都港区六本木5の13階建て雑居ビル11階の屋内階段で、都内の私大に通う女子大生(20)を暴行した疑い。5人と女子大生は、同日午後3時から六本木で約300人の学生が参加して開かれたダンスパーティーで知り合った。終了後、参加した男女約20人で会場近くの同ビル12階の居酒屋に移動して飲食したが、酒に酔った女子大生を介抱するふりをして店外に連れ出し、暴行したという。(毎日新聞)
男子割礼でHIV感染率半減 アメリカ国際開発機構 (USAID)の最新研究によると、コンドームなしのセックスでHIVに感染する比率が,割礼を受けている男性は50%も低いことが判明した。この研究は,ロンドン大学衛生・熱帯医学研究科によって発表された28 の先行研究を総合的にレビューしたもの。それによると、ペニス包皮の内側皮膚の粘膜(mucosal)には、HIVが侵入しやすい細胞が多いが、それ以外のペニスの皮膚は、普通の皮膚とあまり変わらずHIVも侵入しにくい。研究者は「もしアフリカで、男性の幼児期の割礼が徹底すれば、全人口におけるHIV感染率が20%ほど減少する国もあるだろう」と述べている。割礼をしたペニスは衛生的でコンドームも使いやすく、その他のSTD感染を低減する効用も知られている。ただし割礼の推進運動が先行すると、割礼を受けている男性が自分は安全だと思ってリスク行動を増やす恐れもある。割礼をしていてもHIV感染の危険性があり、節制やセイファー・セックスの重要性は変わらない。もちろん、同じ「割礼」であっても、女性性器への割礼はHIV感染の危険性を高めるなど,強く反対されているのは、周知の通りである。(メデイカルトリビューン)
SEX後の罹ったかな?エイズ治療 カリフォルニア州はまもなく、大きな州としては初めて、合意の上のセックスによりヒト免疫不全ウイルス(HIV)にさらされたと考える人に対して、「事後に」感染を予防するための薬物療法を処方するガイドラインを医師に提供するかもしれない。一部の医師は長年にわたって、性的暴力の被害者や仕事中HIVにさらされた医療従事者に、28日間の投薬を行なう治療法を推奨してきた。ウイルスが体内に根を下ろす前に根絶するのが目的だが、一般にはほとんど知られていない治療法だ。カリフォルニア州下院は今月、同意の上のセックスにおける『暴露後予防』(PEP)についてのガイドライン作成を保健当局に命じるかどうかを議論している。賛成派は、健康に関するガイドラインの範囲を拡げてPEPの情報を盛り込めば、米国内でこの療法がもっと知られるようになるかもしれないと述べている(WIRED)
HIVの起源はサルを食べたチンパンジー? ヒト免疫不全ウイルス(HIV)がどのようにして自然界から出現し、人類史上でも最大級の破壊的な感染症を生み出したのかという謎を解明する、新しい手掛かりが突きとめられた。1999年に、HIVのヒトへの感染ルートが、アフリカ中西部のチンパンジーだったことを突き止めたのと同じ研究チームが今回、チンパンジーがそもそもどのようにHIVに感染したかの経緯を解明した。研究結果は『サイエンス』誌の6月13日号に掲載。研究によると、チンパンジーがHIVに感染したのは好物のエサ、すなわちサルを食べたためだという。HIVの原型、『サル免疫不全ウイルス』(SIV)は、シロエリマンガベイと、 オオハナジログエノンという2種のサルのウイルスが混ざり合ったものが、チンパンジーに感染したと思われる。「チンパンジーを殺してその 肉を食べるという、ヒトが最初に感染したと想定されるルートと似ている」と研究チームのメンバーで、イギリスの ノッティンガム大学遺伝学研究所に所属するポール・M・シャープ教授は述べている。チンパンジーは遺伝子がヒトと98%同じだが、SIVに感染してもエイズは発病しない。研究チームによると、この事実は、HIVワクチンを開発するうえでとくに重要な手掛かりになるという。チンパンジーが発病しない理由を解明できれば、ヒトにも同じようにエイズを発病しない抵抗力を植え付けられるだろう。チンパンジーは、上記の2種のサルからウイルスに感染して、最終的に混種ウイルスが形成された可能性が高いと研究チームは述べている。おそらく数万年前の出来事だったため、チンパンジーは、エイズのような病気を発症させない抵抗力を発達させる機会があったと思われる。(WIRED)
パッチ式避妊薬 FDAは20日(米国時間)、避妊パッチ「オーソ・エブラ」を承認した。ピル(経口避妊薬)に使われているのと同じホルモンを、皮膚に貼り付けたパッチから放出し、避妊効果を持たせる。安全性と効果はピルと同等と確認されている。ピルは毎日服用する必要があるが、このパッチは1週間に1度忘れずに貼り付けるだけでいい。避妊の専門家によると、米国社会では避妊薬効果の持続期間の延長を求める声が強く、このパッチは待ち望まれていた、これまで最も使いやすい方法と言える。『米国家族計画連盟』の医薬担当副会長を務めるバネッサ・カリンズ博士は次のように述べている。「肌にぺたっと貼るだけでいい。これで女性が妊娠をこれまでよりうまくコントロールできるようになる。しかも他の長期用避妊方法のような、体に害をもたらす影響が少ない」ただし、このパッチはすべての女性に効き目があるとは限らないとFDAは警告している。FDAの医薬審査を担当するディーナ・ヒクソン博士は、体重が90キロ以上の女性の場合、薬の投与量が避妊に必要な量に達しない場合があると述べている。(WIRED)
人類最古の16万年前の頭骨化石 03.06.12 現代人を含む「ホモ・サピエンス」種では最古の、約16万年前のほぼ完全な頭骨化石がエチオピアで見つかった。従来を約6万年さかのぼる。一時は欧州人のルーツと目されたネアンデルタール人など旧人と同時代、既にアフリカにホモ・サピエンスが登場していたことから、ホモ・サピエンスは約20万年前のアフリカで生まれ世界に広まったとする「アフリカ単一起源説」が極めて有力になった。米カリフォルニア大バークリー校のティム・ホワイト教授、東京大学総合研究博物館の諏訪元・助教授らの国際チームが、12日発行の英科学誌ネイチャーで発表する。発掘地は、アディスアベバの北東約230キロのヘルト村周辺。男2人と子ども1人の頭骨などが出土した。放射年代測定で年代の特定された地層との比較から、16万〜15万4千年前とわかった。頭骨の一つは容積が1450CCで現代人より少し大きめ。目の上の盛り上がりが大きいなど原始的特徴も残す。現代人の頭骨の形態と比べ、同じホモ・サピエンスの亜種と判定。ホモ・サピエンス・イダルツ(現地語で「長老」)と名付けた。アフリカ単一起源説は、遺伝子分析などから有力だったものの、直接に裏付ける化石は未発見で、中東や南アフリカで約10万年前までさかのぼれるだけだった。【朝日新聞)
ヒトの体毛退化研究
進化の過程でヒトの体毛が薄くなったのは、毛の間に生息する寄生虫を防ぎやすくするためだったとの説を英国の研究者2人が発表した。体毛が薄くなった結果、性的魅力を強調することにもなったとしている。体毛退化に関する新説を発表したのは、英レディング大学のマーク・ぺーゲル教授とオクスフォード大学のウォルター・ボドマー教授。人間の体毛が薄くなった理由は、暖かくなった気候に順応するためだとの説が広く知られている。2人によると、寄生虫が寄り付きにくい体毛の薄さでも、ヒトは火を起こしたり体を覆ったりすることで周りの環境に対応出来ると指摘。体毛の薄い方が、すみかや体を覆うものを頻繁に取り替えることなどになり、寄生虫の害は少なくなったと主張している。また、この新説によれば男女の体毛の違いについても説明出来ると主張。ぺーゲル教授は、「体毛が薄いことが寄生虫の少なさを示す『宣伝』として、オスがメスを選ぶ際の基準になり、体毛がより薄い個体が選択されるようになった。頭や顔の毛に関しては、つがい相手を選ぶ際に重要だったものとして説明できる」と述べている。また、この新説で十分な説明が出来ないのが陰毛だが、陰毛はつがい相手を探す際にフェロモンを増やす、いくつかの証拠があるとも述べている(CNN)
出生率1.32人に
1人の女性が生涯に産む子供の平均数(合計特殊出生率)が02年は1.32となり、戦後最低だった01年の1.33を更新したことが、厚生労働省が5日発表した人口動態統計でわかった。生まれた子供の数も1万6796人減の115万3866人で2年連続減少し、1899年の統計開始以来最低となった。今後、出産期にあたる20〜30代の女性人口が減ることもあり、少子化傾向に歯止めがかかりそうにない。出生率は、国の社会保障・人口問題研究所が02年に公表した将来推計人口の予測値をわずかながら2年連続で下回った。厚労省は「誤差の範囲なので、すぐに年金の制度設計などに影響することはない」としている。出生数から死亡数を差し引いた自然増加数は17万1495人で過去最低となった。出生数を母親の年代別にみると、25〜29歳が前年より2万4196人減ったのが目立つ。初産の平均年齢も28.3歳と0.1歳上昇した。70年代初頭に生まれた第2次ベビーブーマー世代の母親が「産み時」世代からはずれていくことに加え、その後の世代は人口そのものが減るため、厚労省は「出生数は今後大幅に低下する」と予想している。離婚数は、3927組増の28万9838組。人口千人当たりの離婚率も2.30と前年を0.03ポイント上回り、数、率ともに過去最高を更新した。【朝日新聞)
着衣の上からV撮影でもセクハラ 東京都内の環境調査会社の元社員の女性(30)が、上司の部長(49)から無断でビデオ撮影されるなどのセクハラを受けたとして約470万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁の浅井憲裁判官は9日、女性の主張をほぼ認め、約350万円の支払いを同社と部長に命じた。判決によると、部長は01年春から、会社内の自分の席から、ビデオカメラで女性の尻や胸などをこっそりズーム撮影していた。同年8月に発覚後、女性は心身ともに体調を崩し、約半年間の休職のあと退職した。部長側は「洋服を着用している姿を撮影しており女性の被害は小さい」と主張したが、判決は「性的興味と無関係だとは到底言えない。女性の心情を全く理解しようとしない主張だ」と退けた(朝日新聞)


ダイオキシン環境ホルモンの仕組解明 03.05.30 内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)のダイオキシン類が、細胞内で女性ホルモンの働きを乱す仕組みを、東京大学分子細胞生物学研究所の加藤茂明教授らのグループが解明した。女性ホルモンがないとその代役を務め、ある時は作用を阻害していた。29日付の英科学誌ネイチャーに発表する。女性ホルモンが細胞内に入ると、ペアを組む物質「受容体」と結合し、特殊なたんぱく質を作る。この結果、女性は、体つきが女性らしくなったり、女性生殖器が発達するが、男性で欠乏すると精子を作れなくなる。加藤教授らは、乳がん細胞や子宮の細胞に、女性ホルモンがない状態でダイオキシン類を加えて培養したところ、女性ホルモンが作るたんぱく質ができていることを確認。詳しく調べると、ダイオキシン類は、独自の受容体と結合し、女性ホルモンと同じ働きをしていた。一方、女性ホルモンがある環境では、同じ結合体がたんぱく質の生成を邪魔することも突き止めた。【読売新聞)
京大、ヒトES細胞作りに成功 パーキンソン病や筋ジストロフィーなどの治療に役立つと期待されるヒトの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)作りに国内で初めて、京都大再生医科学研究所の中辻憲夫所長らが成功し、27日発表した。この細胞は、神経や皮膚などあらゆる組織の細胞に育つ能力を秘める。失われた組織や臓器を修復する再生医療の切り札とされ、各国の研究機関が応用を目指している。国産化の成功で研究が広がりそうだ。ES細胞は受精卵を数日間、成長させてから細胞の一部を取り出して培養して作る。それを神経になる細胞に育てられれば、半身まひなどの治療に使えるし、骨を作る細胞ができれば骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の治療に応用できる。さらには心筋梗塞(こうそく)、糖尿病、やけどなど、その応用は幅広い【朝日新聞)
精子形成の蛋白質特定 精子を作るのに必要なタンパク質を、農業生物資源研究所(茨城県つくば市)と岡山大などの研究グループがマウスなどの動物実験で特定し、23日付の米科学誌サイエンスに発表した。このタンパク質は「FKBP6」と呼ばれ、臓器移植やアトピー性皮膚炎の治療に広く使われている免疫抑制剤FK506に結合することが知られている。同研究所の野口純子主任研究官は「抑制剤との結合で精子形成に必要なタンパク質が不足する可能性があり、投与の影響を検討する必要がある」としている。グループはこのタンパク質を作る遺伝子が欠損した無精子症のラットとマウスを使い、電子顕微鏡などで精子が作られる過程を調べた。精子のもとになる第1次精母細胞では、対となる2本の染色体が結合するが、FKBP6が無いと、対ではない染色体でも結合することが判明。この異常で、染色体の数が半減する減数分裂が停止し、精子が作られなくなることが分かった。卵子でも減数分裂は起こるが、FKBP6が無くても異常は起きなかったという。(共同通信)
チンパンジー分類はヒト属に チンパンジーはゴリラやオランウータンよりはるかにヒトに近く、分類を見直して同じヒト(ホモ)属とすべきだと改めて提唱する論文を、米ミシガン州のウェイン州立大学のモーリス・グッドマン教授らが20日、米科学アカデミー紀要の電子版に発表した。ヒトの全遺伝情報(ゲノム)がほぼ解読されたことを受け、たんぱく質を作る働きのある97個の重要な遺伝子についてDNA塩基配列を類人猿と比較したところ、チンパンジーは99.4%も一致したという。 (時事通信)
児童ポルノ法改正案 与党は6日、児童ポルノの取り締まり強化のため、児童ポルノ画像をインターネットのホームページに掲載したり、メールで送信したりする行為の禁止を柱とする児童買春・児童ポルノ禁止法改正案を今国会に提出、成立を目指す方針を固めた。現行法は、販売を目的とした児童ポルノ写真やビデオテープの製造・所持などを禁止している。自民党児童買春等対策特別委員会がまとめた改正案骨子は、目的を問わずにホームページへの掲載や、友人間などの特定・少数者への提供を禁止し、罰則を最高懲役3年としている。また、児童ポルノを不特定多数に販売・流通させたり、児童買春をあっせん・勧誘したりする行為の罰則について、上限を懲役3年から同5年に引き上げる。改正案骨子は、児童ポルノの自己利用目的での所持(単純所持)も禁止しているが、表現の自由にかかわるとの指摘があるため、罰則は設けないとしている。(読売新聞)
万能細胞から卵子 あらゆる臓器や組織に成長する能力があり、万能細胞と呼ばれる胚(はい)性幹細胞(ES細胞)から、卵子を試験管内でつくることに、米・ペンシルベニア大とフランスの共同研究グループが成功、2日付の米科学誌サイエンスの電子版に発表した。ES細胞から卵子がつくられたのは初めて。ほ乳類の生殖細胞がどのように形づくられるのかや、不妊治療の基礎研究に役立つ成果だ。だが、人間に応用されれば、受精卵から精子や卵子を人為的に大量につくり、遺伝子操作などを加えやすくする技術にも結び付くため、新たな倫理問題を提起することにもなりそうだ。ES細胞は、さまざまな細胞に分化することが多数報告されている。しかし、生殖細胞に分化させた例は少なく、日本で、精子の前段階の細胞をつくったことが報告されているが、卵子についての報告例はないという。(共同通信)
02年ストーカー・データ 昨年1年間に全国の警察が摘発したストーカー規制法違反事件は前年比25・4%増の178件に上ったことが20日、警察庁のまとめで分かった。このうち交際相手につきまとうなどのストーカー行為は170件で、禁止命令に従わずに行為を続けた「命令違反」が8件だった。同法に基づく警告は965件(前年比10・8%増)、禁止命令は32件(同11・1%減)。警察への相談件数は2万1696件(同13・7%減)だった。一方、全国の警察がストーカー事案とみて昨年1年間に対応した1万2024件を分析したところ、被害者は88・1%が女性で20歳代が40・3%を占めた。ストーカー行為者は89・6%が男性。ストーカーの形態別では、つきまといが51・5%と最も多く、次いで面会・交際の要求47・5%、無言電話34・7%の順だった。(共同通信)
法律上の実母は「産みの母」民法特例で法務省 法務省は28日までに、夫婦が不妊治療で第3者から精子や卵子の提供を受けて子が生まれた場合の親子関係について、出産した女性を子の実母とし、提供精子による出産に夫の同意があれば夫を実父とする−ことを法律で明文化する方針を固めた。卵子や精子提供者との子の認知をめぐるトラブルを避けるのが狙いで、5月20日に開かれる法制審議会・生殖補助医療関連親子法制部会で具体的な検討に入る。今秋にも要綱案をまとめ、厚生労働省が来年の通常国会に提出予定の生殖補助医療法案に民法の特例規定として盛り込む方針だ。民法そのものの改正は行わない(時事通信)
タバコ流産の危険は子宮筋肉の収縮 たばこを吸うと、子宮の筋肉が収縮しやすくなることを関西医大の安田勝彦助教授らのグループが妊娠したラットを使った実験で突き止め、福岡市で開催中の日本産科婦人科学会で14日発表。既に妊娠中の喫煙は流産や早産につながる危険性があると指摘されている。同助教授らは喫煙で子宮筋収縮が誘発、促進されることが、その一因になっている可能性があるとみて、詳しいメカニズム解明を進めている(日経新聞)
ヒトゲノム解読、完全完了宣言 ヒトのすべての遺伝情報であるヒトゲノム解読計画で、日米英など6カ国は14日、「解読完了」を宣言した。00年に90%を読み取った「概要版」が発表されているが、科学的には今回が本当の節目。遺伝子は約3万2000個とわかった。病気に結びつく遺伝情報の研究をはじめ、こうした情報がどのように働いて生命活動を担っているのかなど、生命科学研究の基盤ができたことになる(朝日新聞)
代理出産を正式に禁止 日本産科婦人科学会(中野仁雄会長)は12日、ほかの女性が妊娠を引き受ける「代理出産」を、会員の医師が行ったり、あっせんすることなどを禁止することを正式に決めた。福岡市で開催中の学会総会で承認された。〈1〉妊娠と出産ではぐくまれる母子のきずなを無視することになり、子の福祉に反する〈2〉社会全体が許容しているとは認められない――などが理由(読売新聞)*諏訪マタニティ根津院長を狙い撃ち
人間を含む霊長類でのクローンには壁 人間を含め、霊長類でのクローン作りは技術的に困難とする研究成果を、米ピッツバーグ大などのチームがまとめた。アカゲザルを使ったクローン作りの実験の結果、霊長類の細胞はクローン技術で著しく不安定になることがわかった。成果は11日付の米科学誌サイエンスに掲載される。(読売新聞)
本格的ホルモン療法などの実態調査 更年期障害の治療に使われるホルモン薬【女性ホルモンを補うホルモン補充療法(HRT)】や生活習慣が女性の健康にどんな影響を及ぼすか――こんな研究を群馬大の林邦彦教授(医療基礎学)らが始めた。看護師5万人に協力を求め、10年間調査する。主目的の一つはホルモン薬の影響。乳がんのリスクを高めると指摘されるが、効果も副作用も欧米のデータによるのが実情なので日本人での評価を目指す
* 桶川ストーカー殺人 埼玉県桶川市で4年前、女子大生の猪野詩織さん(当時21)が刺殺された事件の警察の捜査をめぐり両親が県を訴えていた裁判で、さいたま地裁は26日、警察の違法行為を認定し、550万円の支払いを命じた。しかし、最大の争点だった「適切な捜査が行われていれば詩織さんは殺害されなかった」という因果関係は否定された。裁判では被害者の人格に言及した部分に注目が集
* 性同一性障害で結婚の夫?に養育権 フロリダ州クリアウォーター(CNN) 女性として生まれたが、性同一性障害のために男性として生活している人が女性と結婚した。2人は現在、離婚交渉中で、子ども2人の養育権を巡って争っているが、当地の裁判所は21日、「夫」を法的に男性と認め、養育権も認める判決を下した。「染色体は性を決める要素の1つに過ぎない。社会的役割や、自分が自分をどちらの性だと思っているかが、本当に性を決めることになる」と述べ、マイケルさんを法的に男性と認めて2人の結婚を有効とし、子どもを主に養育する権利がマイケルさんにあるとした
* 世界初のクローン羊ドリー死亡 96年世界初のクローン羊ドリーがウィルス性肺がんのため安楽死。ドリーは98年にボニーを出産したが、その後高齢羊にみられる関節炎の症状が現われ、クローンの早期高齢化が指摘されていた。新興宗教団体ラエリアのクローン人間証明もどさくさに紛れて”うんともすんとも”やはりデマだったのでしょう
* セクハラ訴訟で両親にも慰謝料認める アルバイト先の会社で男性社員(31)からセクハラを受けたとして、広島市内の女性(20)と両親が、社員と会社に計約1300万円の慰謝料を求めた訴訟の判決が16日、広島地裁であった。田中澄夫裁判官は「両親が受けた精神的苦痛も著しく、娘の生命が害された場合にも比肩する」とし、両親に対する慰謝料も含め、両者に計約260万円を支払うよう命じた。女性側代理人によると、セクハラ訴訟で当事者以外の慰謝料が認められたのは珍しいという。
* 買春事件、女子中学生急増 今年1月から10月までに児童買春事件の被害に遭った少女や少年は1275人で、前年同期より28%増えていることが、警察庁のまとめた少年非行の概要から分かった。中学生の被害が急増していて、これまで最多だった高校生を抜いた。性的被害に遭う少女らの低年齢化が進んでいることを示している。児童買春事件で容疑者が逮捕や書類送検されたのは1月から10月まで1525件。前年同期に比べて37%増で、すでに前年1年間の1410件を超えている。うち出会い系サイト絡みは666件で、前年同期の2.3倍に急増している。(朝日新聞)
* 高3女子45.6%が経験者
東京都内の高校3年生の女子のほぼ半数が性交を経験? 性教育に取り組む教師らによる性意識・性行動のアンケートで高3女子の45.6%が、性交について「経験済み」と答えていたことが分かった。81年の調査開始以来、最高の数値。一方、経験後「いつも避妊した」高3女子は約2割と過去最低。調査した教師らは「異性とのかかわりを学ぶ教育が必要」と指摘している。この調査は東京都幼稚園・小・中・高等学校性教育研究会が3年ごとに手がけている。最新アンケートは1月、都内の男女高校生3064人(有効回答約9割)を対象に行われた。前回と比べ高3女子の性交経験率は6.6ポイントの増。同学年の男子は37.3%で前回と比べ0.5ポイント減った。96年に逆転して以降、女子が男子を上回っている。初体験は高校1年に多く、男子は中3の2倍、女子は3倍に率が増えている。一方、避妊については「初交時」には、高3で男女とも約6割が実行しているが、以後「いつも避妊した」は男子48.2%に対し女子は21.9%にとどまった。(朝日新聞)
* セックスでの快感は46% 2002年米雑誌プレイメイトのアンケートによると、13歳から50歳の米国人女性の85%がオナニーを実践していることが判明。男性とのセックスとの比較においては、驚くことにオーガズムに達する確立はセックス46%に対してオナニー100%の答えを得た
* 出生率1.33戦後最低 1人の女性が生涯に出産する子どもの数の平均を示す合計特殊出生率が、01年は1.33と戦後最低を記録したことが、厚生労働省が7日発表した人口動態統計の概況でわかった。新世紀にあやかったとみられる結婚の増加で、結婚数は前年より増えたが、生まれた子どもの数は統計が残っている1899年以来、最低になった。
* 新たな不妊治療法

原因のはっきりしない不妊の夫婦が、自然に近い形で妊娠できる新しい治療法を、不妊治療施設の加藤レディスクリニック(東京都新宿区)が開発した。性交の後に卵子を採取して子宮に戻し精子と出あわせる手法で、現在6組が妊娠中。こうした場合には体外受精が一般的だが、排卵誘発剤を使うなど患者の負担が大きい。新手法は体外受精を使わずに赤ちゃんをもてると期待され、費用も安くなりそうだ。  
加藤修院長は「卵子子宮移植法」と名付け、神戸市で開かれているIVF(体外受精)研究会で10日発表。参加施設を募り新治療法として確立・普及を目指す。 自然な妊娠では、精子は卵管を遡上(そじょう)。成熟して排卵された卵子は卵管に取り込まれ、ここで精子と出あう。不妊の原因は様々だが、精子や卵子、卵管などに異常がみられないケースも多い。何らかの理由で卵子が卵管に取り込まれないケースもあり、同クリニックではこうした場合が初診患者の7割程度になるという。

新手法ではまず、自宅で尿検査をし、自然な排卵が近いことを確かめて性交し、翌日に受診。成熟した卵子1〜2個を採取し、子宮底部に戻す。この際、卵管を通りやすくなるよう卵子の形を整える工夫をしたものもあった。採卵から移植まで約5分という。

今夏から30組(妻の年齢28〜37歳)に実施、8組が妊娠反応を示した。このうち6組で正常妊娠を確認。現在、最長は12週を迎えている。
通常、精子は卵管内で数日生きている。戻された卵子が卵管を遡上し、待機中の精子と出あって受精。受精卵が子宮に戻って妊娠したようだ。排卵誘発剤を使わず、戻す卵子も2個以下なので多胎妊娠も避けられる可能性が高い。
加藤院長は「患者は体への負担が少ない手法で妊娠したいと願っている。この手法だと、ちょっとした手助けで自然に近い形で妊娠できる。難しい技術も要らず、多くの医療機関で実施できる」と話している(朝日新聞)