V(2004.08〜2005.03)

性科学・生殖・セックス・性犯罪ニューストピックス





T U V W X Y Z [ \ 10 11 12


*体外受精、胚盤胞移植のリスク 0328

妊娠率が高まるとして不妊治療の現場で普及した「胚盤胞(はいばんほう)移植」という体外受精の手法では、胎盤を共有する特殊な形態の双子を妊娠する危険度が、自然妊娠に比べ11倍以上に増えることが静岡県浜松市の聖隷浜松病院の調査でわかった。共有胎盤の双子では、それぞれの胎児の栄養状態などが悪くなり、死産や脳障害につながる恐れがある。こうした妊娠形態がどれくらい起きるのか実態は不明で、専門家は全国的な調査が必要と指摘している。共有胎盤の多胎妊娠は、胎児を包む2層の膜のうち外側の絨毛(じゅうもう)膜のみ共有する例が多い。自然妊娠でも0・3〜0・4%の率で見られる。双子間をつなぐ血管のバランスが崩れると、片方は羊水が多すぎ、片方が血液不足になる双胎間輸血症候群が1〜2割で発症。うち約20〜60%は死産し、10〜25%は脳障害が残る。同病院で1989年10月〜2003年12月に体外受精で妊娠した701例を調べた結果、共有胎盤の多胎妊娠は9例で、自然妊娠に比べ危険度は4・32倍。特に精子と卵子を体外受精させ通常より長い約5日間培養してから子宮に移植する「胚盤胞移植」は、このうち6例で、11・3倍になった。 同病院産婦人科の松本美奈子医長は「共有胎盤になる原因は不明だが、子宮に戻す際には、受精卵に異常は認められない。治療を受ける夫婦には、こうした可能性を事前に十分説明する必要がある」と話している。調査結果は京都市で開かれる日本産科婦人科学会で4月5日、発表する(読売新聞)

*カキの性欲促進に科学的根拠 時代を通して性欲を促す食物とされてきたアスパラガスやアーモンド、アボカド、バナナ、フォアグラ、そして生カキ。バイアグラの出現により、科学界ではこうしたうたい文句を単なる願望以外の何ものでもないとみなす風潮にある。しかし、米サンディエゴで開かれた米国化学会(ACS)年次集会では、生カキやハマグリ、アサリ、イシガイに限っていえば、こうした古くからの言い伝えが真実である可能性を科学的に示す新しい知見が報告された。 米バリー大学(フロリダ州マイアミショアーズ)化学教授のGeorge Fisher氏らは、これら生物にテストステロンおよびエストロゲンなど性ホルモンの分泌促進をもたらす物質であるD-アスパラギン酸およびNMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)が含まれていることを発見した。Fisher氏は「われわれはこうした軟体動物の性欲を促す食物としての特性を裏づける科学的根拠があることを明らかにした」と述べる。米ハーバード大学医学部准教授で食物に関する通説の専門家Robert H. Shmerling博士は、今回の所見を興味深いものであるとしながらも、D-アスパラギン酸およびNMDAは消化された後も、性ホルモン分泌の促進作用を有するがどうか、また性欲に影響を及ぼすに十分なエストロゲンあるいはテストステロンが分泌されるのかどうかについて疑問を呈している。さらに動物試験の結果が、ヒトでも直接関与しているかどうかという点も疑問視している。その上でShmerling博士は、今回の知見が科学界の先端を行く優れた研究成果の一例であるとし、魚介類と性欲促進作用との関係を明らかにするために、今後はヒトを対象とした説得力のある証拠が示されるようになるとみている(HealthDay)
*6800万年前の恐竜の細胞、血管を発見

米モンタナ州の約6800万年前の地層で見つかった恐竜化石から、伸び縮みするほど軟らかく、管状を保持している血管や、DNAの格納庫ともいえる「細胞核」を持つ骨細胞など、化石化していない軟組織が見つかった。DNAの存在はまだ不明で、DNAから恐竜を復元する映画「ジュラシック・パーク」のようなことがすぐに実現するわけではないが、核を持つ細胞の発見で一歩近づいたとはいえそうだ。25日付の米科学誌サイエンスで発表される。恐竜は最大の肉食恐竜ティラノサウルス・レックス。モンタナ州立大ロッキー山脈博物館が00〜03年に発掘した。推定全長約10メートル。ノースカロライナ州立大のシュワイツァー博士らが大腿(だいたい)骨を切り取り、弱酸性の溶液でカルシウムなどミネラル分を除いたところ、血管や骨細胞が出てきた。血管は網目状に広がり、水分を含ませた状態で引っ張ると伸びるほど軟らかかった。血管内には、細胞核が残った内皮細胞らしい細胞も多数あった。骨にも核の残る骨細胞があった。過去にも化石から血管などを見つけたという報告はあったが、今回のように柔軟な状態で取り出せたのは初めてという。ティラノサウルスの大腿骨は骨密度が高いので中の軟組織が劣化しにくいほか、今回、化石の保護剤を使わなかったことも軟組織の抽出に貢献したとみられる。予備的な検査ではコラーゲンなどのたんぱく質の存在を示す免疫反応も出ており、研究チームはたんぱく質やDNAの存在などを分析中だ。真鍋真・国立科学博物館主任研究官は「3次元の細胞や組織まで取り出せたのは画期的だ。DNAは残っていても断片化していて、恐竜復活はまだ期待できないが、出てくれば面白い」と話す(朝日新聞)

*植草元教授有罪判決、手鏡没収

JR品川駅のエスカレーターで、女性のスカートの中をのぞき見ようと手鏡を差し出したとして、東京都迷惑防止条例違反の罪に問われた経済評論家で元早稲田大学大学院教授の植草一秀被告(44)に対し、東京地裁は23日、罰金50万円、手鏡1枚没収(求刑懲役4カ月、手鏡1枚没収)の判決を言い渡した。大熊一之裁判長は「現行犯逮捕した警察官の証言は信用でき、証拠は十分だ。犯行は手慣れているとの印象さえある。犯行に至るまでの間も、不審な行動を繰り返しており、偶発的な犯行とは言い難い」と述べた。植草被告は「エスカレーターで手鏡を手にした事実はない」「否認すれば長期勾留(こうりゅう)し、マスコミに公表すると警察に脅され、犯行を認める調書に署名した」などと述べ、公判では一貫して無罪を主張していた。判決によると、植草被告は04年4月8日午後3時ごろ、同駅の上りエスカレーターで15歳の女子高生のスカートの下に手鏡を差し出した。(朝日新聞)

*幹細胞研究と卵子を売る女性たち カリフォルニア州では、 http://hotwired.goo.ne.jp/news/business/story/20041115107.html 医療目的のヒトクローニングを州予算で資金援助するという、野心的な計画(日本語版記事)が始動した。この計画にはさまざまな疑問点が提起されているが、なかでも研究に必要な大量の卵子を女性からどうやって集めるかという課題は、最も厄介な問題の1つとなる可能性がある。この倫理的なジレンマをはらんだ問題をめぐっては、珍しいことにキリスト教系の団体と女性の権利擁護団体が一致して懸念を表明している。キリスト教系の団体は、クローニングは科学の名の下に生命を創り出し、また破壊するもので、倫理に反していると考えており、女性の権利擁護団体は、商用目的であれば、排卵誘発剤の投与を受けて卵子を提供する女性に数千ドルの報酬を払うこともいとわないという風潮もあるため、貧しい女性が食い物にされることを恐れている。ボストン郊外の小さな非営利の研究所では、過去4年間にわたってひそかにごく少数の女性から有償で卵子の提供を受けている。提供者の女性はホルモンの注射を受け、一度に複数の卵子を「過剰排卵」して、研究用に供する。科学者たちは、クローニングは病気の治療――少なくとも病気の理解――に役立つと説明している。科学者の一部には、病気に苦しむ患者の細胞からクローニングで胚を作り、胚性幹細胞(ES細胞)を取り出してその成長を観察することで、病気の進行過程に関する知見が飛躍的に向上するとの意見もある(WIRED)
*前立腺癌の免疫ワクチン 患者のガン細胞と闘う自己免疫系を賦活化させることにより、前立腺ガンの再発を劇的に遅らせる新しいワクチンの早期(第T相)臨床試験の結果が免疫学関連誌「Immunology」3月15日号に報告された。 このワクチンは、免疫系を活性化させる白血球である患者の樹状細胞を用いて、T細胞と呼ばれるキラー細胞に抗原を結合させるもの。研究者が標的とする抗原はテロメラーゼと呼ばれ、どのタイプの腫瘍からも分泌される。抗原はその一部にウイルスあるいは細菌が組み込まれた蛋白で構成されており、これら抗原が免疫系にこれら侵入物を攻撃するよう促す。ワクチンは免疫システムに腫瘍を侵入する抗原であると認識するように仕向ける。本研究の主任者であるデューク大学泌尿器科学および免疫学准教授のJohannes Vieweg博士は、多岐にわたるガンにテレメラーゼの過剰発現が認められているため、ワクチンの有効性は前立腺ガンのみに留まらないと指摘する。また同博士は「ワクチンによって正常細胞とガン細胞との区別が可能になり、精度が高ければ、腫瘍細胞を実際に抹殺することができることになる」という。コロンビア大学医学部腫瘍外科副主任のHoward L. Kaufman博士は「今回の臨床試験は臨床効果が得られていない点が期待はずれである。試験規模が小さいため、真の臨床結果を判断することができない」と指摘する。一方、ガンワクチンの研究者であるカルフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)医学部教授のEric Small博士は、今回の試験の意義は、前立腺ガンが免疫学的治療の妥当な標的となることを示す証拠を裏づけたことであるとしている。Small博士らは今年2月、APC8015 (Provenge)と呼ばれるワクチンを用いて、転移性前立腺ガン患者の生存率が18%延長したことを明らかにしている(HealthDay)
*墨東病院猥褻医師、20人の女性患者画像 東京都墨田区の都立墨東病院の胸部心臓血管外科部長・田辺貞雄容疑者(51)が、医療行為と偽って江戸川区の女性患者の全裸写真を撮影して準強制わいせつ容疑で逮捕された事件で、ほかにも6人の女性が、田辺容疑者に裸の写真を撮られたとして、警視庁に被害を届け出ていることが、11日わかった。田辺容疑者のパソコンからは、女性の裸の写真が計約20人分見つかっており、同庁捜査1課と深川署は、写真の女性たちが同院の患者かどうか確認を急いでいる。田辺容疑者はこれまでの調べに、「頭の整理をしてから話したい」などと供述しているという(読売新聞)
*岩月教授、相談者20人にお触りか 心の悩みの相談に訪れた女性の体をわいせつ目的で触ったとして、準強制わいせつ罪に問われた香川大教育学部教授岩月謙司被告(50)の初公判が11日、高松地裁(増田耕児裁判長)であった。岩月被告は「準強制わいせつといわれる行為をしたことはない」と述べ、起訴事実を否認した(時事通信)
*精子と卵子融合タンパク質を発見 03.10 精子と卵子が融合する際に不可欠な“縁結び”のタンパク質を岡部勝大阪大教授(生殖生理学)らが発見、英科学誌ネイチャーに10日発表した。縁結びの神様を祭る出雲大社(島根県)にちなみ「Izumo」と命名。新たな避妊法や不妊治療につながる可能性があるという。岡部教授らは約20年前、融合を阻む精子の抗体を見つけていた。これを使い最新の解析法でこのタンパク質を特定した。精子の頭部に存在し、タンパク質を働かなくした雄のマウスの精子は、卵子の透明帯は通過、細胞膜と結合するが、融合できずに不妊になった。ハムスターの卵子とヒトの精子を使った実験で、このタンパク質の抗体を入れると融合がおこらず、ヒトの受精にも不可欠なことを証明した。卵子にも、融合に必要なタンパク質があることがすでに分かっている(共同通信)
*厚生省アンケート、中学生までに避妊を知るべき65% コンドームの使い方は15歳までに知るべきだと考えている人が約6割に上ることが厚生労働省研究班のアンケート調査で分かった。特に13〜15歳の中学生の時期に知るべきだと答えた人が5割近くを占めた。学校での性教育を巡っては、一部で行き過ぎがあるとの指摘があり、中山成彬文部科学相が4日の国会で全国調査に乗り出す考えを示唆したが、今回の調査結果も反響を呼びそうだ。「男女の生活と意識に関する調査」で、無作為に抽出した全国の16〜49歳の男女3000人を対象に昨年10〜11月に実施。調査員が訪問して質問用紙を預け、後日、回収した。有効回答は1580人(52.7%)。「コンドームの使い方」を知るべき年齢は13〜15歳が46.5%。10〜12歳も14.6%あり、中学生までに計61.8%が知るべきだと答えた。回答者の年齢別では、男性の30〜34歳と女性の25〜29歳で15歳までに知るべきだと考えている人が約7割に達した。また「セックス(性交渉)」についての知識も65.7%が15歳までに知るべきだと回答。「エイズとその予防」については71.8%が15歳までに知るべきだと答えた。調査は、理由は求めていない。研究班メンバーで社団法人・日本家族計画協会の北村邦夫・常務理事(産婦人科医)は「インターネットなどで性情報がはんらんする中、性の問題について『寝た子を起こすな』という態度ではいけないということではないか」と分析。そのうえで「性感染症予防のためにも、コンドームの正確な知識は義務教育期間中に教えた方がいい」と話している(毎日新聞)
*04年DV被害、相談件数最高

昨年1年間に警察が受理した配偶者らからの暴力相談件数は約1万4000件に上り、01年のDV(ドメスティック・バイオレンス)防止法施行後、最も多かったことが10日、警察庁の集計で分かった。被害者の申し立てで保護命令を出したとして、裁判所から警察へあった通知は前年より約2割増えて約1800件に上った。まとめによると、被害者の約99%は女性で、年代別では30歳代が最多の約37%で、20歳代、40歳代と続いた。加害者との関係は婚姻関係のある夫婦が約8割を占めた。被害者保護のため、裁判所が保護命令を出したケースのうち、被害者周辺に加害者が6カ月間近づくことを禁じる命令は1176件、住居から2週間退去するように命じたのは5件、両方命じたのは593件だった。これらの命令に違反し、逮捕などされたのは57人だった(朝日新聞)

*痴漢多発の埼京線、朝のラッシュに女性専用車両

JR東日本は9日、痴漢被害が多いJR埼京線で4月4日から、朝のラッシュ時も女性専用車両を導入することを決めた。同線では現在、平日の午後11時以降に新宿駅などに到着する下り電車に女性専用車両が導入されているが、これを午前7時半〜同9時40分に同駅に着く上り電車にも拡大する。JR東日本はこれまで、ラッシュ時の混雑が増すおそれがあることなどから女性専用車両の拡大には慎重だった。しかし、昨年の痴漢検挙数(警視庁まとめ)で埼京線が都内で最悪だったことなどから対策が必要と判断した。朝導入する女性専用車両は夜と同じ10号車で、埼玉県側から都内に向かう上り電車の先頭になる。埼京線と相互乗り入れしているりんかい線にも乗り入れる。同社は導入後の混雑具合などを分析した上で、ほかの線に拡大するかどうかを決める(朝日新聞)

*都立病院外科部長、患者の全裸デジカメでパチリ

検査を装って女性患者のわいせつな写真を撮影したとして警視庁は10日、東京都立墨東病院(墨田区)の心臓血管外科部長・田辺貞雄容疑者(51)を準強制わいせつの疑いで逮捕した。他にも10人近くに同様の行為をしていたとみて調べている。田辺容疑者は「撮影したことは間違いないが、メモとして残すためだった」と否認しているという。捜査1課と深川署の調べでは、田辺容疑者は昨年7月、病院の検査室で女性患者(31)に「エコー検査をする」と言い、全裸にさせてデジタルカメラで撮影した疑い。押収した資料の中には他の女性の写真もあったという。エコー検査の料金が請求されなかったことを不審に思った女性が病院に質問状を提出。病院側は「不適切だった」と謝罪したが、女性は納得せずに同署に相談。告訴状を出していた(朝日新聞)

*1メートル人類「ホモ・フロレシエンシス」、進化通説に波紋 0306

インドネシアで骨が見つかり、約1万8000年前まで生存したとみられる身長約1メートルの人類「ホモ・フロレシエンシス」の脳の形を分析した結果、全体的な特徴は原人に近いが、独創的な活動などに必要な部分は、もっと大柄な原人より発達していたことがわかった。脳が大きくなるにつれて能力も高まったという、進化の通説が見直しを迫られそうだ。米、豪、インドネシアの研究チームが3日付の米科学誌サイエンス電子版で発表した。チームは同国フローレス島の洞穴で見つかった頭骨をCTスキャンにかけ、中に納まっていた脳の立体的な形を推定。それを現代人や、より原始的な原人、猿人、チンパンジーやゴリラといった類人猿の脳と比べた。フロレシエンシスの脳容積は417立方センチで、推定体重に対する比率は類人猿なみに小さかった。ただし、横から見た脳の形が比較的ぺしゃんこである点などは、原人に近かった。統合的な認知能力や意欲と深く関係がある脳の前面は、原人や猿人に比べて、突き出るような形で非常に発達していた。記憶などに重要な脳の側面も広がっていた。約1万8000年前までフロレシエンシスが生きていたとみられることから、一部の研究者は「現代人の亜種か、病気で脳や体が小さくなった現代人ではないか」と指摘していた。脳の形が現代人と大きく異なることが明らかになり、骨からだけでなく脳の形からも原人に近い新種であることが確認された(朝日新聞)

*エストロゲン、閉経後は逆作用か? エストロゲンは若年女性においては心血管を弛緩(しかん)させるが、閉経後の女性では化学変化が生じて逆の作用をきたすことが、先ごろオーランドで開かれた「第2回女性、心疾患および脳卒中に関する国際会議」でジョージア医科大学の科学者らによって明らかにされた。閉経後女性におけるホルモン補充療法(HRT)による冠動脈疾患のリスク増大の原因解明と、こうした化学変化に手を加えることによりエストロゲンが再度、安全なものとなることが期待される。 ジョージア医科大学薬理学および毒性学准教授のRichard E. White氏は、2004年に女性の健康イニシアティブ(WHI)が、エストロゲンによって冠動脈疾患(CAD)および脳卒中のリスクが増大することを発表したことを受け、ブタを用いて冠動脈壁に対するエストロゲンの作用を検討した。研究結果から、若年女性ではエストロゲンが血管拡張薬として作用し、一酸化窒素合成酵素(NOS)を刺激して血管拡張を調節する一酸化窒素(NO)を産生することが判明した。さらに、テトラヒドロビオプテリンおよびL―アルギニンと呼ばれる化学物質の不在下では、エストロゲンの刺激により、酸化を増強し老化を促進するスーパーオキシドを生成することが判明した。このような化学物質は若年女性には認められるが、閉経後女性では少ない。White氏は非難すべきはエストロゲンではなく老化現象であると指摘。老化の過程ではNOの生成に必要なテトラヒドロビオプテリンおよびL―アルギニンなどの物質が自然に減少しており、ほかにもこのような物質があると考えられるという。エール大学医学部生殖生物学研究センター主任のFrederick Naftolin博士は「エストロゲンに関する問題は未だ結論に至っておらず、生体にさらに近い環境で試験を実施する必要がある」と指摘。White博士らは今後も臨床試験を重ねていく予定だが、臨床的に有用な方法にたどり着くには、少なくとも2年は必要であると推測している(HealthDay)
*高校で性感染症診断開始?

高校で性感染症の診察も−−? 若者の間で性感染症などが深刻になっていることから東京都教育委員会は産婦人科医を、モデル校として指定した都立高校に派遣し、生徒の相談を受け付けることを決めた。正確な知識のないまま性交渉を持ち、感染するケースが増加の一途で、関係者は成果を期待している。3日の都議会定例会一般質問で横山洋吉教育長が答弁した。横山教育長は「児童生徒に正しい知識を身につけさせることは極めて重要」と述べ、都教委として「性教育の手引き」などを活用して指導を充実させると説明した。そのうえで「教員が専門医から助言を受け、性教育を指導するのは有効」と、産婦人科医から教師が性についてのアドバイスを受けることを実施。さらに、生徒が直接産婦人科医と接することについても「専門家に学校の性教育を理解してもらうよう説明会を開催し、医師会とも連携していく」と新たな仕組み作りに取り組む姿勢を示した。都は、「太陽の季節」で若者の赤裸々な性を表現し、文壇デビューした石原慎太郎都知事の下で、若者に“正しい性知識”を教えていくことになる(毎日新聞)

*暴力性犯罪者の再犯率25%

出所者情報の提供を法務省から受ける基礎資料の一つとするため、警察庁は子ども(13歳未満)を対象にした暴力的性犯罪者(強姦(ごうかん)、強盗強姦、強制わいせつ、わいせつ目的略取・誘拐)の再犯率を緊急調査した。昨年1年間に検挙された466人のうち、過去にも子どもに暴力的性犯罪を加えた検挙歴のある者の割合(再犯者率)は16%(74人)だった。過去になんらかの検挙歴があった者は193人。このうち、性的犯罪で検挙歴のある者は120人で、全体のおよそ4人に1人(25%)の割合。子ども対象の暴力的性犯罪のほか、下着盗、児童買春、青少年保護育成条例違反(淫行(いんこう))など他の性的犯罪が28人▽子ども以外を対象にした暴力的性犯罪が18人。子供を対象とした暴力的性犯罪者が何らかの性犯罪を繰り返す再犯者率は、傷害・恐喝(各20%)、窃盗(19%)、詐欺(18%)などを上回っている。また、82年から97年の間、子ども対象の強姦事件で検挙された506人の再犯率も調査。昨年6月までに、子ども対象の強姦か強制わいせつで再犯をしたのは2割の103人に上っている(毎日新聞)

*男性不妊、タンパク質「セプチン」の関与か 03.02

精子の運動能力が低下する「精子無力症」に、細胞を形作るたんぱく質「セプチン」の異常が関係している可能性のあることを、京都大大学院医学研究科の木下専(まこと)助教授(細胞生物学)らの研究グループが突き止めた。セプチンを作れないマウスが同症になることが分かったためで、同症の男性の一部にも精子の尾(べん毛)に本来あるセプチン組織がなかったという。男性不妊の原因解明や、治療への貢献が期待される。28日発行の米科学誌「ディベロップメンタル・セル」で発表する。セプチンは脳や肝臓、精巣など全身に広く存在する。木下助教授らがセプチンを作れないマウスを遺伝子操作で作製したところ、雄側に原因のある不妊になることが判明。精子のべん毛を形作る、セプチンで出来た輪「輪状小体」(直径約0.5ミクロン)がなくなっており、べん毛の一部が細くくびれて動きが鈍くなったうえ、約60%の精子でべん毛がこの部分で折れて授精能力を失っていた。また、京大病院を受診する精子無力症の男性15人の精子のうち3人の精子でマウスと同様、セプチンの輪が欠けていた。男性不妊の少なくとも2〜3割が、精子の運動率が50%未満の精子無力症という。木下助教授は「研究成果が不妊症の診断や治療方針の決定などに役立てば」と話している(毎日新聞)

*未婚女性「結婚しなくても1人で幸福」70%02.28

読売新聞社が行った「結婚観」に関する全国世論調査(面接方式)で、「結婚しなくても1人で幸福」と思う未婚女性が7割超に上っていることがわかった。2003年の前回調査より10ポイントも増え、独身女性の間で、未婚を否定的にとらえない傾向が強まっていることを示している。こうした意識が「晩婚化」や「少子化」にも拍車をかけていると言えそうだ。調査は12、13の両日に実施した。結婚しなくても、女性は1人で十分に幸福な人生を送れると思うかどうかに対し、未婚者では「そう思う」は69%で、既婚者の50%より多かった。特に、未婚女性では73%に上り、「そうは思わない」は24%にすぎなかった。未婚男性は「そう思う」は67%で、未婚女性の方が“独身願望”がやや強い。年代別では、「そう思う」が、20歳代では74%、30歳代66%、40歳代58%と、若い年代ほど“非婚派”が多く、晩婚化による少子化が一層、深刻になりそうな傾向がうかがえる。晩婚化が進んだことが社会的に大きな問題と思うかでは、「そう思う」が58%で、「そうは思わない」40%を上回った。晩婚化の背景(複数回答)については、「女性の社会進出が進んだから」67%が最多。以下、「適齢期などにこだわらない人が増えたから」52%――などが続いた。一方、結婚相手の条件を男女別にみると、男性では「容姿や外見」59%、女性では「収入や資産」78%、「職業や勤め先」77%がそれぞれ目立っている。トップは、男女ともに「人柄」の98%だった(読売新聞)

*高校生の性体験と携帯電話

性体験の比率は携帯電話を持っている方が高く、家族との会話が少ないほど高い――。全国高等学校PTA連合会(事務局・東京、会員約250万人)と京都大学の木原雅子助教授が全国の高校生を対象に行った生活・意識調査で、高校生の日常生活と性体験の関係が浮かび上がった。調査は、全国45校の高校生約9600人を対象に、昨年10月にアンケート形式で実施。より有効な性教育のあり方と性感染症の予防の手立てを探るため、性体験の背景にある社会環境の変化や意識を探った。それによると、携帯電話を「持っていない」とした生徒で「性体験がある」と回答したのは7%。これに対して、「持っている」と答えた生徒のうち26%が「性体験がある」と回答。携帯電話を持っている生徒の性体験率は、4倍近いという結果になった。また、出会い系サイトを「利用したことがある」という生徒の性体験率は63%に達しており、「利用したことはない」生徒の性体験率22%の3倍近かった。さらに、家族との会話が「ない」と答えた生徒の性体験率は46%。「ある」と答えた生徒の性体験率28%のほぼ1・5倍だった(読売新聞)

*高校生初体験、半数が「戸惑い」 高校三年生の性経験率は男子が30%、女子が39%で、女子では初体験について「後悔した」「どちらとも言えない」と肯定的ではない生徒が過半数−。全国高等学校PTA連合会は、性感染症の予防対策のため高校生約一万人に実施した全国調査の結果を十九日までにまとめた。「寝た子を起こすな」と反対しがちだった保護者側が実施した初の調査という。集計、分析をした木原雅子・京大助教授(社会疫学)は「氾濫(はんらん)する性情報にせかされるようにして経験したため、後悔や戸惑いにつながっているのでは。身近な性感染症の危険を伝え、家族の役割や人間関係、心のケアも含めた予防教育が必要」と指摘している。全国から四十五高校を選んで調査、九千五百八十七人が回答した。経験率は一年生男子が12%、女子が15%、二年生は20%と29%、三年生は30%と39%だった。初体験後の気持ちは「経験してよかった」は、学年により男子が55−58%、女子41−45%、「後悔した」は男子8−11%と女子9−13%、「どちらとも言えない」は男子31−34%と女子41−49%。女子は全学年で「後悔」「どちらとも」の合計が半数を超えた。小学生で性描写のある漫画や雑誌を見た生徒や、家族と会話がないと答えた女子は、性関係を持ってもよいと思う割合が高かった。また(1)エイズなど性感染症への危機意識がない(2)携帯電話を所持(3)出会い系サイトを利用(4)泣きたくなるほどつらい気持ちになることがよくある−とした生徒は、経験率が高かった(産経新聞)
*現生人類の化石は19万5千年前のもの?

現生人類(ホモ・サピエンス)の最古の化石は約19万5000年前までさかのぼる可能性が高いとする研究成果を、米ストーニーブルック大などのチームがまとめた。1967年にエチオピアで見つかった化石の年代を再評価した結果で、現生人類の登場をこれまでより3万年以上さかのぼらせるという。17日付の英科学誌ネイチャーに発表される。人類は約700万―600万年前にアフリカで誕生し、猿人や原人などを経て私たち現生人類が生まれた。現生人類の誕生の時期は、遺伝情報の研究から20万―15万年前とされているが、これを裏付ける化石は約16万年前のものが最古だった。今回、年代を再検討したのは2つの頭骨化石で、脳の大きさが1400ccを超えることなどから現生人類と分類されている。これまでは約13万年前とされていたが、化石の近くの岩石などの年代を改めて調べたところ、より古くまでさかのぼることがわかった。ただ、専門家の間では「今回分析した岩石の年代と、化石の年代が大きくずれている可能性もあり、19万5000年前とするには根拠が弱い」との指摘も出ている(読売新聞)

*痴漢最多は埼京線

盗撮・痴漢行為の検挙件数が東京都内で最も多かったのはJR埼京線――。警視庁が昨年1年間に電車内での違法行為について初めて路線別に集計したところ、こんな結果が出た。被害者は女子高校生が多い。東京都と警視庁は首都圏の鉄道各社に「女性専用車両」の導入や拡大を求めているが、ほかの車両が混雑するといった理由から各社とも消極的だ。生活安全部のまとめでは、電車内での痴漢・盗撮行為など都迷惑防止条例違反の検挙件数は昨年1897件で、集計が残る96年以降で最多。うち盗撮は44件で、痴漢が圧倒的に多かった。被害者1897人(うち男性20人)のうち、最多は高校生の565人で全体の約3割。中学生は87人だった。時間帯では午前8時台の通勤・通学ラッシュに4割が集中している。路線別では埼京線と中央線が3位以下を大きく引き離した。同部幹部は「混雑が激しく、沿線に学校が多く、駅間が比較的長い路線が狙われている」と分析する。埼京線は、例えば並行する山手線が池袋―新宿間で3駅停車するのに比べて駅間が長い。中央線も快速の場合、新宿―四ツ谷間はJR総武線の各駅停車に比べて停車駅が3駅少ない。JR東日本によると、いずれも03年度のピーク時で200%を超す混雑率だ。3位の総武線、4位の京王線、JR山手線もそれぞれ輸送量が多いことなどが多発の一因とみられる。通学で埼京線を利用する群馬県内の女子大学生(20)は、頻繁に痴漢に遭っているという。「声を上げるのは勇気がいるし、ぎゅうぎゅう詰めなので抵抗できない」。男性会社員(36)は「痴漢に間違われたら、男性は不利。車内ではなるべく女性から離れたり、両手を挙げておいたりする」と話す。都と警視庁は今年度、鉄道事業者と協議会を設置し、女性専用車両の導入・拡大を要請した。JR東日本は、埼京線で平日の午後10時50分以降に女性専用車両を導入している。だが、通勤ラッシュ時にまで拡大する考えは今のところない。京王電鉄も平日の午後11時以降に新宿発で運行しているが、増やす予定はないという。JR東日本は「ほかの車両との混雑率をならしにくい。電車により車両の形式や両数が違うので停車位置が同じにならない」と説明している。東京メトロは「朝夕のラッシュ時に導入すると特定の場所に客がたまって流れが悪くなり、安全性に支障が出る」という(朝日新聞)

*2種類のセンサーでフェロモン感知、人間の世界では? 02.06

カイコの成虫カイコガのオスが、メスの出す性フェロモンを遠くからかぎつけるのは、2種類のセンサーを組み合わせて使っているからだとわかった。高感度センサーの開発に役立つ可能性をもつ成果だ。東京大と京都大の研究チームが3日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した。体外に発散する化学物質のうち、異性を引き付ける働きをするのが性フェロモンで、カイコのオスは触角で感知する。研究チームの東原和成・東大新領域創成科学研究科助教授や西岡孝明・京大農学研究科教授らは昨年そのセンサー遺伝子を世界で初めて見つけた。これを人工的にカエルの卵に組み込んでみると性フェロモンに対する反応が実際よりもかなり鈍かった。ほかにも仕組みがあるはずだと探求し、フェロモンセンサーと一緒にオスの触角の毛に存在する「BmOR2」というにおいセンサーを一緒にカエルの卵に入れると感度が100〜千倍も上がることを突き止めた。このにおいセンサーは、薬の候補物質を調べる高感度の検査システムに使える可能性がある。人ではフェロモンの存在は確認されていないが、同じ寮に住む女子大生の生理の周期が同調するなど存在を示唆する現象は報告されている。東原助教授は「人の味覚では二つのセンサーがペアで働くものもある。嗅覚(きゅうかく)でも同様のしくみがあるのかもしれない」と話す(朝日新聞)

*副作用強調、ピル普及指針見直し 

日本産科婦人科学会は低用量ピル(経口避妊薬)に関する医師向けガイドラインを見直す。低用量ピルは大論争の末、99年に解禁された。しかし、使用率は妊娠が可能な女性の1%程度。現ガイドラインには「処方前の検査が過剰で、医師は処方に消極的にならざるをえない」「副作用を強調しすぎだ」との指摘があり、ピル処方に向けて条件をさらに整えたい考えだ。ガイドラインは99年8月、医師への情報提供資料として作った。ガイドライン通りにする必要はないが、診療の目安となっている。具体的な改訂内容は改訂検討委員会(委員長・深谷孝夫高知大教授)で昨夏から詰めており、コンドーム使用を重視する性感染症の研究者も加わっている。国連の資料によると、ピルの使用率はドイツ58%、ベルギー46%と欧州では定着しているが、日本では解禁後もコンドームが避妊方法の主流だ。一方で03年度の人工妊娠中絶は31万9000件と先進国の中では多い。低用量ピルが普及しない一因とされているのがガイドラインの記載。「投与前の健康診査」の欄には子宮頸部(けいぶ)の細胞診、肝機能検査などがある。すべてやると検査だけで数万円かかり、医師が処方をためらっているとの見方がある。世界保健機関(WHO)の資料などでは、これらの検査は「安全性にはさほど役に立たない」とされているという。低用量ピルは避妊効果が確実で女性が主体的にかかわれるなどの利点がある。きちんとした医師の処方に基づいて服用すれば、ピルで重い副作用が出る可能性は低い――とみる研究者が多いが、副作用には未解明な部分があると指摘する医師もおり、「ピルが普及しないのは微量で大きな反応を起こすホルモン剤への警戒感や違和感からで、健全な感覚」などと改訂を懸念する声もある。検討委は実証データや世界水準をふまえ、必要な検査、副作用の記載のあり方などの改訂点を詰める。患者の心理的、経済的な負担を軽くすることで、ピルへの理解や知識を広げる考えだ(朝日新聞)

*子宮頚ガン、子宮温存手術で出産 進行した子宮頚(けい)がんと診断された関東在住の30代女性が、特殊な子宮温存手術を慶応大病院(東京都)で受け、昨年秋に男児を無事出産したことが29日分かった。進行期の標準的な手術は子宮の全摘出で、不妊となる。温存手術は1987年から海外で約300例実施され、うち90例以上で出産しているが、慶応大産婦人科(野澤志朗教授)は「国内では妊娠、出産ともに初めて」としている。子宮頚がんが若年層で急増し、出産も高齢化する中、妊娠、出産の可能性を残せる手法として注目される(共同通信)
*グレープフルーツジュースの副作用? グレープフルーツは1日に1個半の摂取で体重が減少することから、脂肪と闘う果物として健康上の利点が示唆されている。しかし、看護学関連誌「AmericanJournal of Nursing」の先月号では、グレープフルーツジュースが体内のろ過 (代謝)システムのひとつである肝臓での酵素産生に影響を与え、そのために特定の処方せん薬服用者の体内薬剤濃度が上下し、大きな問題につながりかねないことが改めて警告された。グレープフルーツジュースと相互作用を起こす一般的な薬剤には、エイズ治療薬、抗凝固薬のCoumadin(ワルファリン)、抗生物質のエリスロマイシン、ホルモンのエストロゲンおよびテストステロン、ぼっ起不全治療薬のバイアグラなどがある。作用は服用直後のみならず、5時間から12時間にわたって続くこともあり、希釈、冷凍、生などジュースの状態によって薬剤の濃度に対する影響には多少の違いがある。米スクリップス・クリニック(サンディエゴ)の栄養および代謝研究責任者KenFujioka博士は、グレープルーツジュースで降圧薬の効果が強まり、過度の血圧低下から立ちくらみや失神に至ることがある、と忠告する。また、心疾患の危険因子を有し、コレステロール低下薬リピトールを処方された59歳の男性が、1日にグラス数杯の生グレープフルーツジュースを摂取したことで器官系の薬剤濃度が上昇し、深刻な腎疾患を発症した例もある。警告を発した米ロチェスター大学医療センターの看護学臨床准教授Amy Karch氏によると、このような危険性は患者向けの情報に記載されているが見逃されやすく、情報提供者として頼られている医師も薬剤情報のめまぐるしい変化に対応できていない可能性がある。しかし、大半の薬剤にグレープフルーツジュースとの相互作用はなく、あったとしても他の薬剤で代用できる場合がほとんどであるため、過剰反応を示すには及ばない(HealthDay)
*金銭授受に関わらず、淫行都条例規定に

東京都は、都青少年健全育成条例を改正し、18歳未満の青少年に対するみだらな行為を禁止する「淫行(いんこう)処罰規定」を設ける方針を固めた。 都はこれまで、買春などに限定した処罰規定を設けたことはあったが、青少年保護のため、今後は他県と同様、金銭授受の有無にかかわらず規制対象とすることにした。都の方針転換により、都道府県で淫行処罰規定がないのは健全育成条例自体がない長野県だけになる。都条例に淫行処罰規定を設けるかどうかは過去にも論議があった。知事の諮問機関の都青少年問題協議会は1988年、「性は個人的な問題で、公権力による介入はやむを得ない場合に限られるべきだ」などと答申し、条例改正が見送られた。その後、援助交際などが問題化し、97年の答申で買春した大人を処罰する改正が行われた。しかし、その後も10代女性の性感染症や妊娠中絶の増加が続いた。周辺県では条例で淫行を摘発できるのに、都内では摘発できないことに対する“不合理”を指摘する声も出ていた。このため、都は昨年11月、同協議会に条例改正を諮問。今回の諮問では「性行動の低年齢化への歯止め」が中心テーマとなり、大人が青少年に対し、性行動に慎重であるよう促すことを求める努力規定を条例に盛り込むとする答申内容が固まった。淫行処罰規定については、ほとんどの委員が必要性を認め、以前のような議論は再燃しなかった。都は、24日の答申を経て、2月開会の都議会に改正案を提出し、4月からの施行を目指す。施行されると、18歳未満の青少年とみだらな行為をした18歳以上の大人には、2年以下の懲役か100万円以下の罰金を科すことができるようになる。都幹部は「東京は繁華街が多いため、一定の効果は期待できる」と話している(読売新聞)

*桶川事件高裁判決、一審支持賠償金550万円

埼玉県桶川市のJR桶川駅前で99年10月、女子大生猪野詩織さん(当時21)が刺殺された事件で、両親が「娘が死亡したのは警察の捜査の怠慢が原因」として、県を相手に約1億1千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が26日、東京高裁であった。秋山寿延裁判長は、県側の責任を一部認めて550万円の支払いを命じた一審判決を支持し、両親と県双方の控訴をそれぞれ棄却した。両親は00年12月に提訴した。03年2月の一審・さいたま地裁判決は、猪野さんを中傷するビラが自宅周辺などにまかれる名誉棄損事件が発生した時点で、上尾署員は猪野さんに交際を断られた小松和人容疑者(当時27)=事件後死亡=に警告の意味で接触するべきだったのに怠ったと指摘。捜査の怠慢を違法と認め、県側に賠償を命じた。一方、猪野さん殺害事件については(1)小松容疑者の捜査をしても、主犯格の兄の犯行を止めることができたかどうかは不明(2)署員は殺害を予見できなかった、として捜査の怠慢と殺害との因果関係を否定。両親がこれを不服として控訴した。高裁判決もまた、一審同様に名誉棄損事件については「上尾署員は危険が切迫した状況を認識でき、警告的な捜査をするべきだったのに怠った」と判断。殺害事件についても「署員が犯行前に危険が切迫していると知ることができたとはいえない」と述べて、捜査怠慢の違法は認められないと結論づけた。この事件では、和人容疑者の兄の武史被告(38)ら計4人が、猪野さんの中傷ビラを多数まき、殺害したとして殺人罪などで起訴され、一審で無期懲役〜懲役15年の実刑判決を受けた(無期懲役の武史被告のみ控訴)。猪野さんはビラをまかれたため上尾署に告訴したが、署員が書類を改ざんし、告訴をなかったことにしていたことが事件後に発覚。署員3人が懲戒免職となり、虚偽有印公文書作成罪などで有罪となった。事件をきっかけに00年、ストーカー規制法が成立している(朝日新聞)

*母子家庭、5年前の3割増 01.20

全国の母子家庭は、推計で122万5400世帯と5年前より3割近く増え、過去最多になったことが19日、厚生労働省の調査でわかった。離婚の増加が要因。母親の半数はパートや臨時職員として働いていて、不安定な雇用や不況で平均年収は17万円減っている。調査は52年からほぼ5年ごとに実施。今回は03年11月に、国勢調査をもとに無作為抽出した母子家庭1854世帯と父子家庭263世帯に仕事や収入を聞いて推計した。子どもが20歳未満の母子家庭は98年の前回調査より28.3%増え、戦争による死別が多かった61年の調査以来、100万世帯を超えた。理由別でみると、「離婚」が97万8500世帯(前回より49.7%増)、「未婚の母」が7万500世帯(同1.7%増)、「死別」は14万7200世帯(同17.7%減)だった。母親の仕事では、前回50.7%だった「常用」が39.2%に減る一方、「臨時・パート」が49%(前回38.3%)で初めて常用を上回った。福祉手当や養育費などを含めた02年の平均収入は212万円で17万円減った。離婚した元夫と養育費の取り決めをしている人は34%(同35.1%)。実際に「養育費を受け取っている」人は17.7%(同20.8%)で、ともに減少。額も月平均4万4660円と前回より8540円減った。「困っていること」では43.7%の母親が「家計」を挙げた。父子家庭は17万3800世帯で、前回より6.4%増えた(朝日新聞)

*空腹な男は太った女性を好む? 裕福層の男性はほっそりとした女性、貧困層の男性は太めの女性が好みであることは1970年代後半から認識されている。心理学関連誌「Psychological Science」2005年2月号に掲載された先ごろの研究では、空腹状態の男性は少し太った女性に魅力を感じるが、満腹になるとすらっとした女性に好みが変わること、貧困や裕福さという経済的な意識によっても同様の傾向が現れることが判明した。 研究者らは昼食時に大学のカフェテリアに張り込み、出入りする何百人もの男性に「理想の女性」に関する短いアンケートへの記入を依頼した。そこには髪の色や身長などに紛れて体重の質問も含まれていたが、最も空腹状態にあるカフェテリア入室直前の男性がアンケートに記入した理想の女性の体重は、満腹になってカフェテリアを出る際にインタビューした男性に比べて平均3〜4ポンド(約1.36〜1.81kg)重かった。他の実験では、男性の銀行口座にある金額を0〜500ドルまたは0〜50万ドルまでの尺度を用いて答えてもらい、回答する男性が自分を比較的裕福または貧困と感じるように仕向けた。各群に「最高の女性」の記述を求めたところ、その体重差はやはり約3〜4ポンドであった。また2003年の別の研究によると、米国経済の浮き沈みによってPlayboy誌の「プレイメイト・オブ・ザ・イヤー」の身体サイズが変わるという。共同研究者で米ニューヨーク大学スターンビジネススクール心理学准教授のLeif D. Nelson博士をはじめとする専門家は、このような現象の背後にある心理状態は不明であるが、食物や金銭の不足などの環境傾向が原因となって豊富さや安定を示す太めの女性に魅力を感じるようになるのでないか、と推測する。また、空腹の女性が背の高い男性を好む傾向がほんの僅かに見られたが、その知見は極めて不十分であった(HEALTH DAY)
*C型肝炎の母子感染は1割

C型肝炎に感染している母親から生まれた子どもの約1割が、同肝炎に母子感染していることが、厚生労働省研究班(主任研究者=白木和夫・鳥取大名誉教授)の調査で明らかになった。C型肝炎が母子感染することはこれまでも知られていたが、数値的に感染の実態が明らかになったのは初めて。妊婦が感染を知ることによる精神的な悪影響に配慮し、研究班は、感染の可能性がある妊婦に対しては、本人の意向を確認して検査を行うことなどを盛り込んだ医師向けの指針を今月中に公表する。B型肝炎は、出生直後にワクチンなどを子どもに投与すれば、母子感染がほぼ防げるのに対し、C型肝炎のワクチンは開発されておらず、母子感染防止策も確立されていない。B型と異なり、妊娠時の検査も義務付けられていないため、母子感染の割合や、感染後の子どもの健康状態などは把握されていなかった。研究班では、昨年度までに大学病院など全国5か所の病院でC型肝炎に感染している妊婦421人を調査。この結果、計41人の出生児がC型肝炎ウイルスに感染していたことが判明した。病院ごとの母子感染率は7・5―11・9%で、平均すると9・7%だった。母子感染するのは、母親のウイルス量が多い場合に限られ、帝王切開で生まれた子どもに感染例はなかった。母乳での感染も確認されなかった。母子感染した子どものうち、約3割は3歳までに血中のウイルスが自然に消滅。成人のC型肝炎は肝硬変や肝がんに移行するケースも多いが、今回は、子どもの段階で肝硬変などになった例はなかった。別の研究班の調査では、4歳以降も感染が続いた子どもに治療薬のインターフェロンを投与したところ、約4割でウイルスが消える効果が確認されている。同研究班では近く、▽C型肝炎の特徴について、医師は妊婦に十分説明する▽(輸血や手術経験など)感染の可能性がある妊婦に対しては、本人の意向を確認して検査を行う▽母子ともに定期的にウイルス量を調べる――などの指針を作成、厚労省が医療現場への周知を図る。白木名誉教授は「早い段階で感染が分かっていれば、母子ともに有効な治療につなげることもできる。医師はまず妊婦の不安を取り除き、経過をきちんと見守ることが大切だ」と指摘している(読売新聞)

*奈良小1女誘拐事件、36歳男逮捕 12.31

奈良市の小学1年生の女児(7)が自宅近くで連れ去られ、遺体で見つかった事件で、奈良県警捜査本部は30日、同県三郷(さんごう)町勢野(せや)東1丁目、毎日新聞西大和ニュータウン販売所従業員、小林薫容疑者(36)を誘拐容疑で逮捕した。小林容疑者の自宅から、女児の携帯電話とランドセルなどが見つかった。小林容疑者は逮捕容疑のほか、女児を殺害して遺体を遺棄したことも認めており、捜査本部は殺人、死体遺棄容疑でも立件する。女児の両親は逮捕を受けて「このような事件は二度と起こってほしくありません」との談話を出した。調べによると、小林容疑者は11月17日午後1時50分ごろ、女児の自宅から約100メートル離れた奈良市内の路上で、下校途中の女児に声をかけて車に乗せ、わいせつ目的で連れ去った疑い。また「自宅の浴槽で、女児の頭を水につけて殺害した」と供述しているという。小林容疑者は、女児とその家族とは全く面識はなかったという。捜査本部によると、小林容疑者の自宅マンションから、ほかに女児のジャンパーが見つかり、ランドセルには女児の名前入りの給食袋がくくりつけられていた。同県河合町にある勤務先の新聞販売所を捜索したほか、連れ去る際に使ったと見られる緑色のハッチバック型乗用車「カローラ2」も押収。車は知人名義で、県警はこの知人が事情を知らずに小林容疑者に貸したとみている。女児の遺体は11月18日午前0時過ぎ、自宅から約6キロ離れた同県平群(へぐり)町の農道脇側溝で見つかった。遺体発見の約4時間前、女児の携帯から母親の携帯に「娘はもらった」というメールが届き、女児の全身写真が添付されていた。12月14日未明には、女児の妹に危害を加えることを予告するような内容のメールが家族にあてて送りつけられた。女児の携帯が平群町から河合町にかけての県北西部で使われていたため、県警はこの地域に自宅などがある可能性が高いと判断。携帯の使用記録などを詳しく調べるなかで小林容疑者が浮かんだ(朝日新聞)

*精巣細胞から万能細胞発見 12.30

さまざまな細胞になる能力をもつ「万能細胞」が精巣の中にあることを、京都大の篠原隆司教授(生殖生物学)らのグループが突き止めた。再生医療への応用が研究されている胚(はい)性幹細胞(ES細胞)と同じ機能を持ち、受精卵から作るES細胞と比べ倫理問題が少ないという。29日発行の米科学誌セルに発表した。この細胞は、精子のもとになる精子幹細胞を培養する研究のなかで見つかり「多能性生殖幹細胞(mGS細胞)」と名づけられた。ES細胞のように、筋肉や血液、神経などの体細胞や、生殖細胞など、多種類の細胞になりうる。ES細胞は胎児になる前の細胞を利用するが、mGS細胞は生まれたあとの精巣を使うので、倫理的な問題は少ないという(朝日新聞)

*生殖細胞に不妊・流産予防タンパク物質 ヒトなどの生殖細胞の中に不妊症や流産を防ぐ力を持つ物質があることを、大阪大学蛋白質研究所の篠原彰教授(分子生物学)らの研究グループが発見した。この物質を活性化させることにより不妊治療や流産の予防が期待でき、逆にその働きを一時的に抑える薬が開発されれば、男性用経口避妊薬に利用できる可能性もある。29日発行の米科学誌セルで発表される(時事通信)
*兄弟の容姿の違いはタンパク質が制御 同じ両親から容姿が違うなど異なる遺伝情報を持つきょうだいが生まれる仕組みを制御しているのは、タンパク質3種類のセットであることを、篠原彰大阪大蛋白質研究所教授らが見つけ、米科学誌セルに29日、発表した。この仕組みは、親から受け継いだ遺伝情報を組み換え、多様な精子や卵子をつくり子どもに伝える。研究グループは、タンパク質を特定できたことで、組み換え異常が原因とされる不妊や流産の解明にも役立つとしている。ヒトの体内で精子や卵子ができる際に、細胞内では父親からと母親からの染色体が接触、一部で組み換えが起きる。この際にさまざまなタンパク質が働く。篠原教授らは、酵母を使い実験。組み換えを制御しているのは、すでに関与が判明していた1種類と新たに分かった2種類、計3種類のタンパク質のセットであることを突き止めた。どの1種類が欠けても染色体同士は接触せず、組み換えは起きなかった(共同通信)
*携帯電話の電磁波でDNA損傷の危険

携帯電話から出る電磁波は、ヒトや動物の細胞内のDNAに損傷を与える恐れがあることが、欧州の研究チームによる共同実験で明らかになった。研究者らは「健康への害が立証されたというわけではないが、今後さらに研究を進める必要がある」と話している。実験はドイツの研究グループが中心となって、4年前からスタート。欧州7カ国から12チームが参加し、欧州連合(EU)が資金の大半を提供した。実験室では、ヒトや動物から採取した細胞に携帯電話が発するのと同種の電磁波を照射し、影響を調べた。その結果、DNAの鎖が切断される損傷が増えることが判明。一部の損傷は修復されず、次代の細胞へ受け継がれたという。このような細胞の変化が、がんの発生と関わるとの可能性も指摘されている。国際基準によると、人体が電磁波を浴びた際に吸収されるエネルギーを示すSAR値は、2W/kg以内なら安全とされる。携帯電話のSARは機種によって違うが、ほとんどが0.5−1W/kgの範囲内。実験に使われた電磁波は0.3−2W/kgだった。研究を率いたフランツ・アドルコファー氏は「これはあくまで実験室での結果。パニックを引き起こすつもりはないが、注意するに越したことはない」として、固定電話が使える場面では携帯電話の使用を避け、通話時にはイヤホンやマイクを付けて機器を頭部に近づけないようにするなどの対策を呼び掛けている。携帯電話の電磁波が人体に与える影響については、これまでに体温上昇や頭痛、吐き気などを引き起こすとの報告が出されているが、細胞などへの不可逆的な損傷を立証した研究例はない(CNN)

*子持ち性同一性障害者の性別変更問題 子供のいる戸籍上男性の性同一性障害者が24日、岐阜家裁に性別変更を申し立てた。7月に施行された性同一性障害特例法では「子がいないこと」が性別変更の要件となっており、支援団体によると、子を持つ人の申し立ては全国で初めてという。変更を申し立てたのは、岐阜県羽島市の会社員(43)。「特例法の要件は子の福祉を考えたものだが、子のいる障害者にとり、非常に酷で厳しい」と主張。13歳と11歳の子供も「お母さん」と呼ぶなど母親と認識し、性別変更を強く願っているとして、「親子として普通に暮らしていきたい」などと訴えている(時事通信)
*岩月教授を起訴 相談に訪れた女性にわいせつ行為をしたとして、香川大教育学部教授、岩月謙司容疑者(49)=高松市昭和町1=が逮捕された事件で、高松地検は24日、岩月容疑者を準強制わいせつ罪で起訴した。起訴状によると、岩月被告は02年4月26日午後1時20分ごろ、神経症的な症状に悩む20歳代の女性に対して自宅に来るよう電子メールを送信。同27日夜から28日午後まで、自宅で岩月被告に従うのが治療に必要であるかのように誤信させて抵抗できなくしたうえで、浴槽や寝室内で女性の下腹部や胸を触るなどのわいせつ行為をした。岩月被告は起訴事実をほぼ認めているという。また、岩月被告は複数の女性に対し、同様の行為をしていたと供述しているという(毎日新聞)
*今時の男子「幼稚、馬鹿、無責任」 12.23 女子学生は、いま時の男子学生をどう見ているのか? 大阪国際大学人間科学部(守口市)の心理コミュニケーション学科の12人が、女子学生を対象にしたアンケートを、「男の値打ち 女の目」と題した卒業論文にまとめた。結果は、「幼児的、無責任」など、どうも評判はよろしくない。【梶川伸】
 宮本二美生教授のゼミで学ぶ4年の奥村彩子さん、砂山素美さんら女子学生が共同で調査した。質問はコミュニケーション能力、社会に対する姿勢など20項目。調査対象は、阪大、京大、神戸大、関関同立や女子大など京阪神の4年制15大学の計300人。11項目については、回答をプラスイメージとマイナスイメージに分けてまとめた。男子学生の印象では、幼児的52・3%がトップ。優しい45%が2番だが、バカ40・3%と続いた。言動から思いつく四字熟語では、大言壮語、優柔不断、軽佻浮薄(けいちょうふはく)が上位を占めた。評価を具体的に聞くと、意思がかたい、迫力がある、節度がある、マナーがよいの質問で、「ノー」が「イエス」を上回った。また、デリカシーがない、がさつ、見えっ張り、下心が見え見え、未熟、うそをつく、口が軽い、の質問で「イエス」が多かった。この項目では、「元気がない、社会性がない、幼い」という分析をしている。授業態度では、不まじめは61%を占めた。理由として、183人が「寝ているか、しゃべっている」を挙げた。 全体では、マイナス回答の総計が8702で、プラス回答の7659を大きく引き離した。これらから、男子学生の5悪を「幼児的、バカ、無責任、無神経、うそつき」とまとめた。そのうえで、「大人になりきれていない」という声が強いと分析している。やる時はやる、責任感がある、といった好印象の回答もかなりあったが、女子学生の「期待値」も入っていると見ている。研究メンバーの川岸真紀さんは「目的を持たず、何となく生きている人が多い」と語るが、「女子学生も一緒と思う」と付け加えた。宮本教授は「男子学生は幼いという印象を持っていたが、やはりそうか。他人を理解しない、主体性がないなど、大人になりきれていない。危機には違いないが、学生自身が危機感を持っているところに救いがある」と分析している(毎日新聞)
*自殖植物でダーウィン進化論証明? 植物のシロイヌナズナは氷河期後期に自家受粉で増える「自殖」の性質を獲得したことで、急速に分布を広げたらしいことが、京都大理学研究科研究員で学振海外特別研究員(米ノースカロライナ州立大)の清水健太郎さんらの研究で分かった。「気候変動が生物の進化を引き起こすことを初めて示した」(清水さん)といい、17日付の米科学誌サイエンスで発表した。自殖では種子数が減るなどの不利が生じるが、それでも植物の約2割は自殖のみで繁殖している。進化論で有名なダーウィンは「交配相手がいないときは自殖が有利で、自然選択を受けて増える」という仮説を1876年に発表した。気候変動でできた新しい環境へ分布を広げるには、自殖のほうが都合良いわけだが、遺伝子レベルで裏付けるデータはなかった。清水研究員らは、シロイヌナズナには自殖を防ぐ遺伝子があるのに働いていないことに着目。各地のシロイヌナズナのDNA配列をコンピューターで解析した。その結果、遺伝子が働かなくなった特定の集団が各地に広がったと推定された。遺伝子が働かなくなった年代は古くても32万年前で、しかもより現在に近い確率が高いことも分かった。シロイヌナズナは氷河期で温度が上昇し始める1万7000年前に、北半球で分布を拡大しており、その時期に自殖できるようになったと考えられるという。シロイヌナズナは荒れ地や道ばたで見られるいわゆる雑草。清水さんは「雑草は傍流という印象があるが、生物の立派な環境適応の姿。シロイヌナズナは雑草として荒れ地を進む道を選んだ」と話している(京都新聞)
*ノートPC放熱で生殖機能低下? 12.12

年齢を問わず広く普及しているノートパソコンで、作動の際に出す熱が男性の生殖機能を低下させる恐れがあると、米専門家が9日、学術誌「ヒューマン・リプロダクション」に発表した。ニューヨーク州立大学ストーニー・ブルック校の泌尿器学のイェフィム・シェンキン助教授らが、21―35歳の健康な男性29人を対象に、ノートパソコンをひざに置く前と後の陰嚢(いんのう)部分の温度をそれぞれ調べた。調査では、2種類の異なるメーカーのノートパソコンを使用した。その結果、パソコンの電源をオフにしたまま、ももの上に乗せただけで、陰嚢の温度は摂氏2.1度上昇。さらに、電源を入れると右側部分は2.8度、左側は2.6度上がった。シェンキン助教授は、温度が上がると、精子の質量の状態に悪影響を及ぼす可能性があると指摘。作動のため内部で高熱を発するノートパソコンをひざの上に置いた場合、温度はすぐに上がってしまうという。助教授は、1日数回、ノートパソコンをひざの上で使用している若者はさらに危険性が高いと指摘。このまま同じ頻度で使用を続けた場合、15―20年後には生殖機能に深刻な支障が生じる恐れがある、と警告している。さらに、ノートパソコンは今後、さらなる多機能化が予想され、そのためより多く発熱するパソコンが出てくるだろうと、シェンキン助教授は懸念している。ノートパソコンをめぐっては2002年、50歳の男性がひざの上で1時間ほど使用した際、ズボンと下着を着用していたにもかかわらず、陰部にやけどを負った事故が医学誌で報告されている(CNN)

*米・女性版バイアグラ?来春発売 米国で、“女性版バイアグラ”が注目されている。肌に「パッチ」を貼り、男性ホルモンのテストテロンを経皮吸収させる薬で、早ければ来春にも市場に登場する。本来は卵巣摘出などで閉経した女性に性欲を復活させるための薬だが、製薬会社は更年期障害に悩む女性の需要も見込む。“貼る媚薬”って一体? この薬は米プロクター・ギャンブル(P&G)社が開発した「イントゥリンザ」と、米アンタレス製薬社の「リビゲル」。米メディアでは「女性版バイアグラ」として話題になっている。P&G社が来春の発売を目指すイントゥリンザは、タマゴ大の貼り薬。テストテロンが体内に吸収され、数週間で効き目が現れる。テストテロンは性欲や攻撃性を増すとされる男性ホルモンだが、女性の卵巣も少量を分泌する。卵巣を摘出した女性は、テストテロンが分泌されなくなるため、性欲がなくなる。つまり、バイアグラが勃起などによって男性のセックス能力を増す薬なら、イントゥリンザは「欲望を高める薬」というわけだ。これまでの研究では、パッチを2週間ごとに貼り変えて24週続けた被験者のうち、半数に性欲の増進などの効果が現れた。シアトルで行われたテストでは、ある更年期障害の女性は、薬を使用した2カ月の間、通常の4倍のセックスをしたという。だが問題は、副作用。男性ホルモンが増すため、一部の女性にはニキビができる、声が低くなる、毛深くなる、はげるなどの症状が現れた。さらに、女性の更年期障害の治療で行われるホルモン補充療法では、乳がんの発症率が増えることが知られ、イントゥリンザでも同様の副作用が起きる可能性がある。このため米FDA(食品医薬品局)の新薬検査官は先週末、「長期間の安全性確認のためには、データが足りない」との見解を発表した。また、「女性の性的反応は男性よりも情緒的・心理的要素が強く、男性のように薬に単純に反応しない」と指摘する専門家もいる。ともあれ、更年期障害で性欲が減退するのは、全世界の女性共通の悩み。薬品メーカーは単なる更年期障害の女性についても“顧客”になりうると見ており、アンタレス製薬では、女性向けテストテロン剤の市場は、米国内だけで10億ドルから40億ドルにのぼると皮算用する。今後の参考までに、米メディアに登場した、ある被験者夫婦の感想をご紹介。夫「スゴイよ。このパッチ、本当によく効くんだ」妻「性欲は増したし、何より感じるようになったわ」ちなみに、妻は声変わりなどはしなかったものの、200ポンド(約9キロ)体重が増えた。だが「得たものはそれ以上」(妻)だったとか(ZAKZAK)
*毛根増やすタンパク質解明 12.07

血管形成などの働きを担っているたんぱく質「エフリン」に、毛根を増やしたり頑丈にしたりする働きもあることを、ライオン生物科学センターなどが解明し、6日発表した。毛根の数を増やすたんぱく質が見つかったのは初めて。同社は新しい育毛剤の開発につながると期待している。同センターが、抜け毛で悩む男性の毛根を調べた結果、脱毛部の毛乳頭細胞ではエフリンを作る遺伝子の働きが弱まっていることが判明。そこで、生まれたばかりのマウスにエフリンを皮下注射したところ、毛根の数が生後6日では通常の1・4倍、同12日では1・3倍に増えた。しかも、毛根が皮膚の深い位置で形成され、直径も大きく、抜けにくくなっていた。今のところ、エフリンを注射したマウスに病気などの異常は見られず、同社は「今後、成長後のマウスへの効果も調べたい」としている(読売新聞)

*ヒト受精過程を連続撮影 容器に入れた培養液中で、ヒトの精子と卵子が受精する瞬間から受精卵が四細胞期になるまでの過程を、デジタルカメラで40時間以上連続撮影することに、鳥取県米子市の産婦人科医院「ミオ・ファティリティ・クリニック」(見尾保幸院長)が29日までに、成功した。 院長によると、顕微鏡で観察できる装置内で、培養液の状態を母胎内とほぼ同じ温度37度、水素イオン指数(pH)7.4の弱アルカリ状態に保った。この装置で、精子が卵子に向かって泳ぎ出し、卵子の外側の透明帯を突破し、卵子の中に入り受精。さらに受精卵が四細胞期になるまでの40数時間を撮影した。画像は2000枚以上で、つなぎ合わせると動画のように見ることもできる。撮影したのは11月下旬で、精子と卵子は同医院で不妊治療中の夫婦から同意を得て提供を受けた。受精卵は凍結保存しており、子宮内に移植することも可能という。見尾院長は「受精のさまざまな段階が観察でき、不妊治療に役立つのではないか」としている(共同通信)
*11%がクラミジア感染、性経験の高校生 性経験のある高校生の11・4%が性器クラミジア感染症とする調査結果を、旭川医大の今井博久助教授(公衆衛生学)らがまとめ、東京で開催中の日本性感染症学会で4日午後発表する。先進国の高校生の感染率は1−2%程度とされ、今井助教授は「日本は恐らく世界で最もまん延しているが、きちんとした調査や性教育はほとんどされていない。早急に対策を取らないと、不妊症やエイズウイルス感染が急増するなど、取り返しがつかなくなる」と話している。今井助教授によると、性経験率や10代の人工妊娠中絶率が全国平均とほぼ同じ、ある県の13高校で調査。性感染症の症状がない1−3年生の男女生徒約3200人に性経験の有無などを尋ね、尿の遺伝子検査でクラミジア感染を調べた(共同通信)
*香川大・岩月謙司教授がワイセツ容疑で逮捕

神経症の症状があると相談に訪れた女性にわいせつな行為をしたとして、高松地検は7日、高松市昭和町1丁目、香川大教育学部教授の岩月謙司容疑者(49)を準強制わいせつの疑いで逮捕した。岩月容疑者は「わいせつな行為はしていない」と容疑を否認しているという。調べでは、岩月容疑者は02年4月下旬、東京から来た20代の女性のカウンセリングをした。その際、「今が自己分析をするチャンスだ」などと話し、自宅で一緒に入浴したり、寝室で女性の胸や下腹部を触ったりした疑い。女性は同年5月、「テレビ番組や著書で岩月容疑者を知って訪ねたら、わいせつな行為をされた」と香川県警に告訴。高松地検は「女性の供述に信頼性が足りない」などとして不起訴処分とした。今年7月、女性の申し立てを受けた高松検察審査会が「わいせつ行為の故意はある」と不起訴不当の議決をしたため、同地検が再捜査していた。岩月容疑者は人間行動学が専門で、「女は男のどこを見ているか」(筑摩書房)など、対人・家族関係について数十冊の著作がある。検察審の議決が出た際の朝日新聞の取材には「心の傷を治す行為で、私の家族も一緒だった」と容疑を否定していた(朝日新聞)

*女性の3人に一人は痔持ち 女性の3人に1人は痔(じ)−。ロート製薬(大阪市)は2日、全国の20−40代の女性約1万人を対象に9月に実施した「体の悩みアンケート」で、34.5%が「痔を経験したことがある」と答えたと発表した。 対処法は「何もしない」(34.5%)が「市販薬を使う」(33.1%)を上回った。「病院に行く」はわずか4.7%にとどまっている。同社広報調査室は「冬場は冷えや運動不足から痔になりやすい季節。病院に行ったり薬を買うのを恥ずかしがらず、早めの治療を」と呼び掛けている。経験者のうち「今も痔だ」と答えたのは20代が最高で66.3%。「慢性的に痔になる」も20代がトップ(23・5%)で、若い女性ほど深刻な実態が浮かび上がった。また、1年以内に出産した女性の54.8%が「痔の経験がある」と返答。出産経験のない女性は27.8%で、痔と出産の深い関連がうかがえる。ミニスカートやハイヒールなどの着用で下半身を冷やすことも、痔になりやすい生活習慣のひとつという(ZAKZAK)







*閉経前の女性の喫煙、乳がんリスク11.30 たばこを吸う閉経前の女性は、吸わない人に比べ乳がんの危険性が約4倍高いことが、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)の大規模疫学調査で分かった。国際対がん連合の専門誌に29日までに掲載された。受動喫煙でも危険性は上がるが、閉経後の女性ではこうした関係はみられなかった。研究班は「たばこの影響は、乳がんとかかわりの深い女性ホルモンの分泌が活発な状況下で現れやすいのではないか」としている。研究班は、40、50代の約2万人を10年間追跡。本人の喫煙や受動喫煙と、乳がん発症との関係を調べた。受動喫煙の有無は「喫煙者と10年以上一緒に住んだ」か「職場などで毎日1時間以上煙を吸う機会がある」場合で判断した。調査開始時に閉経前だった女性の場合、喫煙しているか過去に喫煙していた人の乳がん発症の危険性は、喫煙、受動喫煙ともない人に比べ3・9倍。受動喫煙のみの人でも、危険性は2・6倍に達した(共同通信)
*卵巣がん治療にガイドライン 11.28

日本婦人科腫瘍(しゅよう)学会(植木実理事長)は24日、卵巣がんに対する初の治療ガイドラインをまとめた。手術による卵巣の全摘出と抗がん剤の併用を基本としたが、10〜20代に多い卵巣がんの一種「胚(はい)細胞腫瘍」については、片側の卵巣を温存することを推薦した。病巣の拡大を見落とす恐れがあることなどから、内視鏡手術については実施しないことを求めた。日本人で新たに卵巣がんになる患者は、年間約6000人とされる。有効な検診方法がなく、早期発見が難しい。卵巣がんの9割以上を占める上皮性卵巣腫瘍については、二つある卵巣や子宮などを摘出し、抗がん剤を使用することを基本とした。抗がん剤は、プラチナ製剤のカルボプラチンとタキサン製剤のパクリタキセルの併用を「強く推薦」した。胚細胞腫瘍では、患者や家族へのインフォームド・コンセント(十分な説明に基づく同意)を経て、片側の卵巣などを温存する手術を「推薦」した。抗がん剤の使い方も上皮性卵巣腫瘍とは異なる(毎日新聞)

*女性の浮気は遺伝する 女性が浮気するのは遺伝子のせい−。英セントトマス病院の研究者らは25日までに、このような傾向を示す調査結果を公表した。人の性的行動と遺伝的要因を明確に結び付けたのは初めてで、結果は来月出版される医学誌ツイン・リサーチに掲載される。19歳から83歳の女性の双子1600組以上を対象に、過去の性的行動について聞き取り調査を実施。その結果、浮気をしたことがあるとした人のうち「遺伝的要因による」と判断されたのは41%で、これは遺伝の影響でがんなどの病気を発症する割合より高かった。(時事通信)
*2,30代女性、電車内痴漢経験64%? 2、30歳代の女性のうち、電車内で痴漢に遭った経験のある人は約64%に上ることが22日、東京都のアンケート調査で分かった。被害時の対応は「しばらく我慢し、逃げた」ケースが最も多く、対策として男女の区分乗車を求める声が多数を占めた。不特定多数の女性を対象にした痴漢被害の実態調査は極めて珍しく、都は「多くの被害者が泣き寝入りしている現状が明らかになった」とし、来春、鉄道会社と共同で痴漢対策の統一キャンペーンに乗り出す方針を決めた。アンケート結果は、この日、鉄道各社や都、警察の関係者でつくる「駅構内・電車内における反社会的行為の防止に関する協議会」の席上で示された。協議会は都の治安対策の一環として今年7月に発足。まずは被害者の声を聞こうと、11月初旬、JR新橋、新宿駅などで2、30代の女性632人に聞き取りを行った。このうち駅構内か電車内で痴漢に遭った経験があると答えた403人(回答者の63・8%)の中で、最近1年以内に被害に遭った人は154人に上った。被害回数は3―5回が172人で最も多く、6―10回も80人、11回以上も49人いた。被害の時間帯(複数回答可)としては、「朝のラッシュ時」(300件)、「夕方のラッシュ時」(112件)、「深夜」(56件)などが多かった。痴漢に遭った際の行動(複数回答)では、「しばらく我慢し、隙を見て犯人から逃げた」が208件で、「痴漢行為をやめさせるための行動をした」の160件を上回った。一方で「周囲の乗客が助けてくれた」ケースは16件にとどまり、「何もできず我慢した」も88件あった。また、「痴漢行為をやめさせるための行動」の内訳は、「カバンなどで防御」60件、「口頭で抗議」と「犯人をつねる、たたくなど反撃」が各55件だった(読売新聞)
*性フェロモン感じる遺伝子、蛾で確認 11.20

カイコガの雄の性フェロモン受容体の遺伝子を、京都大大学院農学研究科の西岡孝明教授(応用生命科学)らのグループが世界で初めて発見した。成果は16日、「米国科学アカデミー紀要」オンライン版に掲載された。今年はフランスの昆虫学者ファーブルが「昆虫記」にガの雄が雌に引き寄せられる様子を記録し、フェロモンの存在を予測してから100年に当たる。性フェロモンは異性を引き寄せる物質。昆虫でしか確認されておらず、感知する受容体の研究も進んでいなかった。西岡教授らは、受容体がある触角に注目。他の部位との比較で触角にしかない遺伝子を特定し、本来は反応しない雌にその遺伝子を組み込んだ結果、雄と同じ反応を見せ、受容体遺伝子と確認した。西岡教授は、性フェロモンが他種との交雑を防ぐと考えられることから、昆虫の種の分化の機構解明の手がかりになるほか、新たな害虫駆除剤の開発につながるとしてい(読売新聞)

*金沢大学、新勃起不全治療薬 全国で一千万人以上の男性が悩んでいるとされる勃起不全の治療が期待できる薬剤を、金大大学院自然科学研究科・薬学部の染井正徳教授(合成化学)らが発明し、特許を出願した。男性器の血管を拡張し勃起させる作用があり、よく知られるバイアグラやヨヒンビン製剤より副作用が少ない見込み。既に効率の良い合成法も確立しており、早期の実用化を目指し開発を急いでいる。 この薬剤は染井教授が開発する骨粗鬆症(こつそしょうしょう)治療薬の合成過程で出る「SST―VET」。東邦大薬学部の重信弘毅教授と田中芳夫助教授がラットで薬理試験を行い、神経細胞にあるアドレナリン?2受容体の働きを抑え、皮膚や生殖器の血管を拡張する作用を確認した。薬局で市販されている精力剤「ヨヒンビン」と同じ作用という。ヨヒンビンは西アフリカ産の植物「ヨヒンベ」に含まれる物質で、古くから男性向けの催淫(さいいん)剤として利用されてきたが、薬事法で劇薬指定を受けており、薬局で買うには印鑑が必要。一方、医師の処方が必要なバイアグラは、陰茎の血管を広げて勃起を持続させる作用があるものの、性的興奮を高める効果はない。染井教授によると、合成に成功した「SST―VET」はヨヒンビンと同じ作用のため、性欲を高めた上で、勃起させる効果が期待できる。構造はヨヒンビンとは全く異なり、「非常にシンプルで簡単かつ経済的に合成できる」(染井教授)ことを確認。体内に存在する化合物から合成するため、副作用は極めて弱いと予想している。その薬理作用から、勃起不全治療薬のほか、やせ薬、糖尿病治療薬としての可能性もあるという。国内調査によると、四十―七十歳の男性の半数以上が何らかの原因で勃起不全になっているとされ、全国で千百三十万人、全世界では一億人以上が悩んでいるといわれている。染井教授は「性生活は夫婦円満の大切な要因。幸せな家庭を築き、社会を明るく平和にする『生活改善薬』として世に出したい」と話している(北國新聞)
*女性に不快な男の体臭、原因物質特定

女性に不快感を与える男性特有の体臭をつくる物質が見つかった。ライオン(本社・東京都墨田区)のビューティケア研究所の尾本百合子さんらが特定し、同社が17日に発表した。水になじみにくく、汗が出ると空気中に放出されてにおいを増す性質があり、汗対策が女性に嫌われない決め手となりそうだ。この物質はアンドロステノンといい、主にわきから分泌される男性ホルモンが皮膚の常在菌によって代謝されてできる。個人差はあるが、男性からは1時間当たり最大300ナノグラム(ナノは10億分の1)程度発生。女性の数十倍という。体臭は、汗や皮脂などが分解されたり酸化されたりしてできた低級脂肪酸やアミン類などによることが知られている。だが、男性が女性の体臭をさほど嫌がらないのに比べ、ほとんどの女性が男性の体臭を嫌がることに尾本さんらは注目。女性よりも男性で多く発生する物質群の中から、アンドロステノンに対して女性が不快に感じることを、脳波測定などから突き止めた。一方、男性はこの物質をかぐと、リラックスしたり、リフレッシュしたりするという。また、アンドロステノンがほかの体臭成分を強める効果もみられた。同社は、アンドロステノンを作り出すのに必要な皮膚の常在菌を働きにくくする防臭製品を来春にも販売する計画。尾本さんは「わきの下を清潔に保つことが重要です」という(朝日新聞)

*1300万年前の化石、ヒトとゴリラの中間種?

チンパンジーなどの大型類人猿とヒトの共通の祖先とみられる類人猿の化石がスペイン・バルセロナの1300万年前の地層から見つかった。腕や胸の構造は木登りに適していたが、手の指は短くて枝にぶらさがるには向いていなかった。この時期の類人猿の化石はほとんど見つかっておらず、ヒトにつながる大型類人猿の進化を解明するのに貴重な発見という。スペインのクルサフォント古生物学研究所などのチームが19日付の米科学誌サイエンスに発表する。頭骨を含めた1個体分の約80の骨のほか、数十の骨の化石が見つかった。小さなチンパンジー程度の大きさで体重は約35キロと推定される。発見場所の地名から「ピエロラピテクス・カタロニクス」と命名された。胸郭は平らで広く、腕を比較的自由に回転したり曲げたりできるような構造になっていた。こういった特徴は、木登りに適しており、現在の大型類人猿に近い。しかし、手の指は短くて、むしろ原始的なサルに近かった。諏訪元・東京大助教授(人類学)は「ヒトと大型類人猿の共通の祖先については限られた化石しかなかっただけに、進化の空白を埋める貴重な発見だ。ただし木登りなどについては、さらに検討が必要だろう」と話している(朝日新聞)

*独身女性、40代で結婚願望激減

未婚女性の結婚願望が40代で急速にしぼむのは、親族のプレッシャーから解放されたから?−。インターネット調査会社のアンケートで、未婚男性は40代になっても強い結婚願望がある一方、女性は結婚したい気持ちが急速に薄らぐことが分かった。未婚について親族からのプレッシャーを「感じる」と答えた男性は30代より40代の方が多かったが、女性は逆に激減しており、親兄弟が気にする「世間の目」が結婚への焦りや願望を生んでいるといえそうだ。アイブリッジ(大阪市)によると、結婚を「すぐしたい」「いつかしたい」と考える男性は30代で85・4%、40代も74・7%と高い割合。一方、30代で82・0%と圧倒的だった結婚願望を持つ女性は、40代で44・0%とほぼ半減した。他方、未婚であることに親族からプレッシャーを感じると答えた男性は30代で51・3%、40代は56・7%と増加。逆に女性は30代の57・3%から40代の39・3%へ18・0ポイントも減った。未婚の不安や焦りが「ある」と答えた女性も30代の16・0%から40代は5・3%へ減った。アイブリッジは「未婚の40代女性は周囲の圧力が減るほか、経済力もあって仕事に楽しみを見いだしているのではないか」と分析している。調査は10月に実施し、30代と40代の男女計600人が回答した(産経新聞)

*男性用避妊ワクチン 11.16 人間の精巣に含まれるタンパク質を、雄の猿に注射して妊娠を防ぐ実験に、米ノースカロライナ大とインドの共同研究チームが成功した。注射をやめてしばらくたつと大半の猿が生殖能力を回復。男性用「避妊ワクチン」の開発に道を開く成果として注目されそうだ。12日付の米科学誌サイエンスに発表された。チームは、精巣や精巣上体にあるEPPINと呼ばれる人間のタンパク質を遺伝子組み換え法で合成し、溶液を9匹の猿に注射。効果持続のための注射を約3週間ごとに1年以上続けた。このタンパク質への十分な免疫反応が確認された7匹を雌と交尾させたところ、妊娠例はゼロだった。ただ、血液中の性ホルモンの量や精子の数には変化はなく、注射をやめて約1年2カ月で、7匹のうち5匹が生殖能力を回復した(共同通信)
*卵巣を腕に移植、機能温存に成功 がんの放射線治療でダメージを受ける恐れがあった女性の卵巣を摘出し、本人の腕に移植して機能を温存することにオランダのライデン大などのチームが成功、米専門誌キャンサー(電子版)に8日発表した。卵巣が体の別の場所でも機能することを示した報告は珍しい。同チームは、今回の手法が、がん患者が子供を持つ可能性を広げる新たな手段になり得るとしている。患者の女性(29)は子宮頚(けい)がんのため、手術と放射線治療の両方が必要と診断された。放射線で卵巣がダメージを受けると排卵が止まり、不妊のほか多くの更年期症状も起きる。このため、卵巣を体の別の場所に移植する方法を試みることになり、がんの手術時に医師が左側の卵巣を摘出、左の上腕部に移植した。放射線治療後に検査すると、排卵など卵巣機能は正常に保たれていた(共同通信)
*東京都条例、中学生以下のSEX禁止賛成多数か 性の低年齢化に歯止めをかけるため、都が設置した有識者の会議「青少年の性行動について考える委員会」(座長、加藤諦三早稲田大学教授)の第3回会合が8日、都庁で開かれた。焦点となっている中学生以下の性交渉を条例で禁じるかどうかについて、「条例で規制すべきだ」との意見が大勢を占め、最終報告に盛り込まれる見通しとなった。今後はこの結論を基に「都青少年健全育成条例」改正を視野に入れた対策を検討する知事の諮問機関「都青少年問題協議会」の場に論議が移される。委員会では、これまでの議論内容を盛り込んだ「意見のまとめ」の素案を土台に議論を進めた。素案は前文で性行動の低年齢化、10代の人工妊娠中絶増加、性感染症の激増などの現状に危機感を示し、性感染症や性的被害に遭った女子の数などをデータで紹介している。その上で、都、長野県を除く道府県では青少年健全育成条例で18歳未満を相手とする性交渉が禁じられ、このうち、福井、静岡、岡山、広島、長崎の5県では青少年への処罰規定があることも指摘した。結論部分にあたる「大人社会ですべきこと」の冒頭では青少年に対し、「自分を大切にしよう、安易な性行動はやめよう」、大人に対しては「青少年と正面から向き合おう、性行動の低年齢化を食い止めよう」との明確なメッセージを伝えるべきだ――とした。一方、条例化については「条例で規制すべきだ」と「すべきではない」との両論を併記にすることに異論が出たため、再度、出席した議員の意見を聞いたところ、「規制すべきだ」との方向でまとまった。今回、欠席した委員からは「条例制定は性教育の低下を招き、逆効果になる」などの慎重意見が出されていたが、委員会事務局は今週中には最終報告をまとめる方針だ(毎日新聞)
*ワイセツ・覚醒剤で処分の医師、7割現場復帰

2002年度までの5年間に医療事故や不正行為で業務停止の行政処分を受けた医師114人のうち、約7割の80人が、業務停止期間の終了後、医師として医療現場に復帰していたことが10日、厚生労働省のまとめで分かった。現行制度では、処分期間が過ぎれば、医師は再教育を受けることなく、そのまま医業に復帰できる。医療事故の多発や、ミス・不正を繰り返す「リピーター医師」の社会問題化を受け、同省は来年度から再教育制度を試験的に始める予定だ。114人のうち、医療事故を起こして業務上過失致死・傷害罪が確定したのは13人で、このうち12人が病院や診療所などの現場に復帰。わいせつ罪では13人中全員が、覚せい剤取締法違反では7人中6人が医師として再び働いていた(読売新聞)

*スーフリ元代表和田被告に懲役14年の判決

早稲田大学のイベントサークル「スーパーフリー」(解散)のメンバーによる集団強姦(ごうかん)事件で、3件の準強姦の罪に問われた元代表の和田真一郎被告(30)に対し、東京地裁は2日、懲役14年(求刑懲役15年)の判決を言い渡した。中谷雄二郎裁判長は「集団強姦を目的とした組織的な犯罪集団を中心となって作った被告の責任は、共犯のほかのメンバーに比べて格段に重い」と述べた。この事件では14人が起訴され、最後の一審判決となった和田被告以外には懲役10年〜2年4カ月の判決が言い渡されている。判決は、「99年ごろからサークル内で集団強姦が繰り返し行われるようになり、被告は当初から中心となり犯行に及んだ」と指摘。そのうえで、「被害女性の人間性をまったく無視して性的快楽を得るための道具であるかのように扱った。人間としてあるまじき下劣な態度だ」と被告の責任の重さに言及した。公判で和田被告は「責任はほかのメンバーと同じ程度で、学生の間に性に対する劣悪な考えが広がる風潮に押し流された」と弁明。これに対し、判決は「犯行を主導した責任は重い。単に自分の性欲のはけ口として犯行を実行したとしか言えず、動機に酌量の余地はない」と指摘した。判決によると、和田被告はほかのメンバーと共謀し、01年12月、東京都豊島区内のマンションで女性に無理やり酒を飲ませて泥酔させ、集団で強姦した。03年4月には東京都港区の居酒屋で、同年5月にも同じ居酒屋で、別の女性に無理やり酒を飲ませて泥酔させたうえ、集団で強姦した(朝日新聞)

*19歳、50人に1人が中絶! 19歳の女性の50人に1人、18歳だと64人に1人の割合で2003年度に人工妊娠中絶をしていたことが2日、厚生労働省の統計で分かった。10代を1歳刻みで集計したのは初めて。10代の中絶率は前年度より微減したが、10年前の約2倍と依然多かった。厚労省は10代女性の身体と心を傷つける中絶の減少を母子保健10カ年計画で目指しており「ショッキングな数字。学校や市民団体と協力して性に関する知識の普及啓発をしたい」(母子保健課)としている。この調査は1948年に開始、母体保護法に基づいて都道府県などに届け出があった件数を集計し、01年までは1−12月の年間数、02年度からは年度の数字をまとめている(共同通信)
*閉経後のホルモン療法のリスク 閉経後女性におけるホルモン補充療法(HRT)の危険性は1万6000人を対象とした大規模な女性の健康イニシアチブ(WHI)での心臓発作、脳卒中、血栓、乳癌リスク上昇によってすでに証明されている。しかし、同じWHIのデータを調べた先ごろの研究では、ホルモン療法の経口避妊薬が健康に役立つことが判明し、フィラデルフィアで開催された米国生殖医療学会(ASRM)で発表された。研究者らがWHIに参加した16万2000人近くを調べたところ、経口避妊薬の服用者で心血管リスクが8%、癌の発症リスクが7%低下し、8年以上の服用者では卵巣癌リスクが42%、子宮癌リスクが30%低く、乳癌リスクの上昇は見られなかった。主任研究者で米ウェイン州立大学医学部(デトロイト)の生殖内分泌学および不妊プログラムの特別研究員Rahi Victory博士は、ホルモンの服用年齢が重要な鍵である、と指摘する。米ニューヨーク大学医学部産婦人科教授Steven R. Goldstein博士によると、経口避妊薬はプロゲステロン(プロゲスチンの一種)およびエストロゲンを含有しているため、その安全性にはいまだに多くの誤解がある。しかし、経口避妊薬とHRTとではホルモンの種類、処方、用量が全く異なり、閉経前で既存の心血管障害がない女性のエストロゲンへの曝露が保護効果をもたらすことは、分子および動物レベルで実証されている。閉経後の女性に対するエストロゲンおよびプロゲスチンの併用は確かに危険であるが、閉経前の経口避妊薬は安全かつ有益と考えられる。しかし、無作為化比較試験などで因果関係が明らかになるまでは、女性が心疾患および癌の予防に経口避妊薬を服用することは推奨されず、また、このような試験を実施するには大規模な集団および何十年もの期間が必要であるため、これからも実施される可能性は低い(HealthTodayJapan)
*肥満は乳がん死亡率をアップ 米国対がん協会(ACS)によると、2004年に米国で乳がんと診断される女性は21万7440人、同疾患による死亡者は4万580人と推定され、肺がんに次ぐ死因第2位を占めている。先ごろの研究では、肥満と乳がんの生存率との関連性が判明し、アトランタで開催された米国治療放射線腫瘍学会の年次集会で発表された。研究者らは1978年から2003年までに「Stage(病期)T/U」の早期段階で乳房温存腫瘍摘除、リンパ節郭清、放射線療法、場合によっては化学療法を受けた女性2010人について、診断時のデータを身長と体重の比率である肥満指数(BMI)に基づいて分類した。その結果、22%(452人)が正常体重、43%(857人)が過体重、35%(701人)が肥満であった。また、肥満が転帰に及ぼす影響を調べたところ、5年生存率は正常および過体重群が平均92%、肥満群が88%で、5年間の遠隔転移率は正常体重群が7%、過体重群が6%、肥満群が10%であった。腫瘍サイズや関与するリンパ節の数に統計的な群間差は見られず、肥満によるがん再発の予測は確認されなかったが、転移性疾患の発症および死亡リスクは確かに高まった。主任研究者で米フォックス・チェイス癌センター(フィラデルフィア)の放射線腫瘍専門医Penny Anderson博士によると、年齢および閉経期などの危険因子を差し引いても肥満はやはり転帰悪化の重大な独立予測指標である。肥満の有病率および乳がんリスクは加齢と共に増加するため、生涯を通じての体重コントロールが重要で、その強化は間違いなく転帰の改善に役立つ(HealthTodayJapan)
*経口抗真菌薬でカンジダ膣炎の予防 カンジダ膣炎は致死性ではないが、妊娠可能な年齢にある女性の5〜8%が罹患している。米国医学誌「New England Journal of Medicine 」8月26日号掲載の研究では、抗真菌薬フルコナゾール(商品名:ジフルカン)の週1回経口投与でカンジダ膣炎の再発率が劇的に低下することが判明した。研究者らはカンジダ膣炎の女性387人を対象に、6カ月にわたってフルコナゾール150mgまたはプラセボを服用する群のいずれかに割り付け、その後に治療を伴わない6カ月間の観察期間を設けた。その結果、6カ月時、9カ月時、1年時に無再発であった女性は、実薬群がそれぞれ90.8%、73.2%、42.9%、プラセボ群が35.9%、27.8%、21.9%で、再発までの期間の中央値はそれぞれ10.2カ月および4カ月であった。従来の治療法は再発のたびに用いる膣坐薬が主で、1985年にはケトコナゾールの錠剤(※経口薬は本邦未発売)が使用可能となり、連日服用で再発が予防できるようになったが、同薬には黄疸などの重篤な副作用があった。1991年に承認されたフルコナゾールは安全性が高く、真菌の耐性も生じないが、患者の約40%に再発が予想され、価格も1錠あたり10ドルと高価である。しかし、主任研究者で米ウェイン州立大学医学部の内科教授および感染症責任者のJack Sobel博士は、この大規模な多施設二重盲検プラセボ対照試験によって、治癒には程遠いものの、90%を上回る患者が無再発でいられることを初めて納得のゆく形で証明できた、とその成果を認めている。臨床試験はジフルカンの製造者であるファイザー社の資金援助によって行われた(HealthTodayJapan)
*卵子の若返り法で妊娠率アップ10.30 加齢などで妊娠しにくくなった女性の卵子に、本人の別の細胞から採取した成分を注入する一種の「卵子若返り法」を台湾の台北医大が開発、既に20人の赤ん坊が生まれたことが23日までに分かった。米国で開催された米生殖医学会に報告された。同医大は「第三者の力を借りずに妊娠率を高められる」と利点を強調しているが、専門家は安全性が未確認だとして、この方法の安易な拡大に警鐘を鳴らしている。若返りに使われたのは、細胞にエネルギーを供給するミトコンドリアという小器官。同医大は、40歳近くになったことなどが理由で体外受精でも妊娠しなかった女性ら71人に対し、本人の卵子を包む卵丘(らんきゅう)細胞からミトコンドリアを集め、卵子に注入。その結果、体外受精で25人(約35%)が妊娠、出産に至ったという(共同通信)
*30代後半女性にもマンモグラフィー検診

乳がん検診について、厚生労働省の研究班(班長=大内憲明東北大教授)は「30代後半を対象にした超音波(エコー)診断の導入を検討すべきだ」とする見解をまとめた。市町村の実施する検診制度が今春から変わり、30代は乳房X線撮影(マンモグラフィー)の対象に入らず、視触診も廃止されたため、検診の対象外という状態が続いている。11月1日に大阪市である日本乳癌(がん)検診学会総会で発表される。研究班は、全県民を対象とした宮城県のがん登録(93〜97年)をもとに、女性の年代別の乳がん罹患(りかん)率を調べた。30〜34歳は1万人当たり1.63人だったが、35〜39歳は3.93人に急増。同じ35〜39歳の子宮頸(けい)がんの罹患率(同0.96人)に比べても大幅に高かった。一方、マンモグラフィーは乳腺密度が濃い30代には向かないとされる。米国の論文によると、マンモグラフィーの感度は、乳腺密度の濃い人では48%なのに対し、エコーは76%と優れており、「30代の検診で導入するならばエコーの方が有効」という意見が多い。研究を担当した岩手県立中央病院の大貫幸二乳腺外科長は「30代で早期にがんが発見できれば平均余命も長いため、検診の効率が高い。エコーの導入を検討すべきだろう」と話している。厚労省は、40代以上の乳がん検診に、2年に1回のマンモグラフィーと視触診の併用検診の導入を決めたが、30代については今後の検討課題とされていた。このため、従来は検診の対象だった30代を検診からはずした自治体も多い(朝日新聞)

*中高生にHIV蔓延のおそれ 新規にエイズを発症した20代前半の患者数が急増しており、中高生ら若年層の間にエイズウイルス(HIV)が広がっている恐れがあることが22日までに、厚生労働省のエイズ動向委員会のまとめで分かった。エイズは感染から発症まで約10年の潜伏期間があるとされ、20代前半での発症者は10代前半に感染した可能性が高いとみられる。 吉倉広委員長は「中高生の間に想像以上にHIVが広がっている可能性があり、若齢者の感染動向の監視を強化する必要がある」としている。同委員会によると、今年6月末から9月末までに医療機関から報告のあったHIV新規感染者は209人で、2期連続で過去最高を更新。新規患者も126人で、過去最高の106人を大幅に上回った。このうち20代の患者は17人(日本人13人)で、10代の感染者も新たに3人(日本人2人)が判明した(ZAKZAK)
*射精の頻度と前立腺がん 前立腺癌は米国人男性癌患者の中で2番目に多いが、米国医師会誌「JAMA」4月7日号掲載された先ごろの研究では、性的に活発な男性は前立腺癌の発症リスクが低く、頻繁な射精によって同疾患の発症頻度が低下する可能性が示唆された。 研究は、癌および慢性疾患の長期調査に参加した46歳から81歳の医師や歯科医などの医療専門家約3万人を追跡したもので、性交のほかマスターベーションや夢精による20代、40代、参加前年の射精回数を調べた。その結果、射精回数が1カ月に4回から7回の男性の前立腺癌発症頻度は、3回の男性に比べて11%、また少なくとも21回の男性では33%低かった。生涯を通してみると、1週間の射精が3回増えるごとにリスクは15%低下した。リスク低下の理由としては、射精が癌の原因となる化学物質の除去または腫瘍に関連した晶質(クリスタロイド)形成の阻止に役立つこと、射精によるストレス緩和に伴うホルモンの活性化によって前立腺における癌性変化の可能性が低下することが考えられる。しかし、現段階で男性に性行為の促進を推奨することは時期尚早である、と主任研究者で米国立癌研究所(NCI)の疫学者Michael Leitzmann博士はコメントしている。また、癌関連医学誌「Journal of the National Cancer Institute」4月7日号掲載の別の研究によると、ホルモン療法後の前立腺特異抗原(PSA)検査で前立腺癌患者の再発が予測できる。米ブリガム&ウィメンズ病院が男性1454人のPSA濃度を調べたところ、上昇が急激で下降が緩徐である場合の同疾患による死亡リスクは、その逆の場合に比べて13倍高かった(HealthTodayJapan)
*都の中学生SEX禁止条例、議論伯仲 都が設置した「青少年の性行動について考える委員会」(座長・加藤諦三早稲田大学教授)の第2回会合が12日、都庁で開かれた。中学生以下の性交渉を禁じる条例制定の是非をめぐって、議論は白熱した。
 六本木で産婦人科診療所を開業する傍ら、10代の少女の相談を受けている赤枝恒雄医師は「10代のHIV(エイズウイルス)感染者が今年は昨年を上回った。年齢の歯止めがあれば子どもにも、子どもを対象にする大人にも効果がある」と条例制定に賛意を表した。泌尿器科医で性教育やエイズ対策に取り組む岩室紳也委員は「法律を作っても、影響がない子どもたちも出る。性の多様な価値観を認めるような対策があらゆる側面から必要だ」と慎重な姿勢を示した。
 都公立中PTA協議会健全育成委員長の吉田千恵子委員は「性教育ができない親が多く、行政、学校、地域、家庭が話し合い、性教育や人間教育を充実させることが大切」と指摘した。このほか、「子どもは大人の背中を見ている」との意見も出た。また、女子高校生約70人を対象としたアンケート結果も報告された。「お互いの同意があれば誰とセックスしてもかまわないか」との問いには「そう思う」38%、「そう思わない」39・5%、「どちらとも言えない」22・5%――といった結果だった。竹花豊副知事は「交通に例えるなら、ルールやリスクを知らない歩行者が道路に飛び出している現状。中学生かどうかは別にして、その年齢までは性行為は駄目だという対応をとるべきじゃないか」と語った(毎日新聞)
*吸引分娩の安全宣言? 吸引分娩(ぶんべん)については、1998年に米国食品医薬品局(FDA)が死亡を引き起こしかねないとの理由で警告を発したために慎重を期す産科医もいる。しかし、英国医師会誌「British Medical Journal」7月3日号に掲載された米国の研究では、吸引分娩は少なくとも鉗子による手段と同じくらい安全であることが判明し、それが不当な非難であることが示唆された。 米国では乳児の大半が子宮の収縮による自然分娩で生まれるが、合併症や乳児自身に問題がある場合、母親に心臓または呼吸器の疾患や疲労がある場合には、医師が介入を行って分娩を補助する。その最も一般的な手段は出産の30%近くを占める帝王切開であるが、他にも鉗子で乳児の頭部を頬骨のすぐ下で把持する鉗子分娩やプランジャー様の吸引カップで乳児の頭蓋を掴んで引き出す吸引分娩などの代替手段がある。研究者らが米国における1989年から1998年までの生児出産約1200万件を調べ、吸引分娩と鉗子分娩で死亡および傷害リスクを比較したところ、出生時に損傷を受けた乳児は鉗子分娩が1%で、吸引分娩ではそれを僅かに下回っていた。両手段の総合リスクは類似していたが、正常分娩に比べると高かった。また、両手段が分娩に占める割合は約8%で、女性はそれによって、より高い危険性が見込まれる帝王切開を避けることができる。米テキサス大学医学部(ガルベストン)婦人科長のGary Hankins博士の予想では、今回の知見により、産科医らは吸引手段をより気楽に利用できるようになるが、鉗子を回転させて乳児が出てくる際の位置を調整する方が簡単な場合もあり、結局は自分が最も安心できる方法を選択する。またFDAは分娩方法の安全性を調査するさらなる研究への支持を表明し、一般の人の判断基準となる情報をより多く提供する必要性を強調している(HealthTodayJapan)
*受診の10代女性56%がHPV感染 産婦人科を受診した十代女性の56%が、子宮頚(けい)がんの原因となる性感染症ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染していることが、金大医学部保健学科の笹川寿之助教授(婦人科病理学)らの調査で分かった。二十歳以上の女性に比べ感染率が際立って高く、若者の性に対する知識の未熟さが、子宮がんの若年化を招く一因となっていることが浮き彫りとなった。 調査は北陸三県の五病院で、妊娠や不妊、かゆみ、腹痛などで産婦人科を受診し、同意の得られた女性七百十八人を対象に実施され、性感染症のクラミジア、HPV、淋菌などの検査のほか、アンケートを取った。子宮頚がんの危険性が高い「高リスクHPV」の感染率は、三十歳以上が13・6%だったのに対し二十代後半は20・5%、同前半は37%、十代後半は56%と、年齢が低くなるほど高かった。不妊の原因となる性器クラミジアなどでも、若年者の感染が目立った。アンケート結果から、性交の相手が複数人であったり、コンドームをたまにしか使わなかったりする女性ほど、HPVに感染しやすいことも明らかになった。HPVは子宮頚がん患者の九割に感染していることが知られ、金沢市では五月から、全国に先駆けて、年一回の子宮頚がん検診時、希望者にHPV検査を実施している。笹川助教授は性交体験の若年化と十代のHPV感染の関連を指摘し、「子宮がん予備軍が予想以上に多かった」と分析。その上で「HPVがすぐにがんを誘発するわけではないが、無症状のまま進行することがあることを若者に熟知させる必要がある」と話している(北国新聞)
*オーラルSEXと口腔ガンの関係 口腔癌の発症率は年間約1万人に1人の割合であり、喫煙および飲酒が発症原因とされるが、米国の癌関連医学誌「Journal of the National Cancer Institute」掲載の国際癌研究機関(IARC)による研究では、僅少ながらオーラルセックスにもリスクのあることが判明した。 研究者らは、性行為感染症の原因として極めて一般的なヒトパピローマウイルス(HPV)のうち、子宮頸癌との関連性が強いHPV16株を、3400を超える口腔癌症例の大半で同定した。また、HPV16株を保有する口腔癌患者はそうでない患者に比べてオーラルセックスを経験した可能性が6倍高かったが、ウイルスの存在見込みに統計的な男女間の差異はなかった。英国の一般科学誌「New Scientist」によると、米国では25歳の女性の約3分の1がHPVに感染し、その約10%が癌を生じる株であるが、女性の95%は1年以内に感染から開放されるという(HealthTodayJapan)
*テストステロンパッチが性衝動高める 女性用テストステロンパッチが、過去に両卵巣を切除したことが原因でもたらされる性的欲求低下障害(HSDD)の女性において、性的活動および欲求を有意に高めるという予備的な研究結果が、先ごろ開催された米国産科婦人科学会の第52回年次集会で発表された。 HSDDを有する「外科的閉経期女性」562人を対象としたジョージ・ワシントン大学の研究では、パッチによる経皮的なテストステロン投与により、満足のいく性的活動の頻度が74%、性的欲求が56%増加することが判明した。現在、米国食品医薬品局(FDA)が女性のHSDD治療用に承認している製品はなく、プロクター&ギャンブル社とワトソン社が共同で開発したパッチには、性的欲求の低下に悩む女性を対象とした莫大な医学的ニーズがある。研究はプロクター&ギャンブル社の資金援助により、米国、カナダ、オーストラリアの52施設で行われた(HealthTodayJapan)
*クラミジア菌とアルツハイマーの関係 進行性の慢性疾患に感染性の原因を特定するのは極めて困難であるが、神経生物学関連誌「Neurobiology of Aging」4月号掲載の研究では、一般的な呼吸器細菌のクラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)とアミロイド斑との関連性が非遺伝性アルツハイマー病患者の脳で確認された。 加齢に伴う慢性疾患研究を目的とした米フィラデルフィア大学整骨医学センターの研究者らがアルツハイマー病のヒトの脳から同細菌を分離し、アミロイド斑素因のないマウスの鼻腔に噴霧したところ、アミロイド斑の沈積が進行し、部分的なアルツハイマー病のモデルが生じた。研究はクラミジア・ニューモニエがアルツハイマー病患者の脳の90%に存在するという過去の知見に基づくもので、研究立案者のBrian Balin氏は同細菌がアルツハイマー病を引き起こすことを指摘している(HealthTodayJapan)
*実感年齢、実年齢より10歳も若い

「自分で実感している年齢」は、本当の年齢よりも平均で7.2歳若いという調査結果を、博報堂生活総合研究所がまとめた。10〜20代では実感年齢の方が実年齢より2.5歳高いものの、その後逆転し、年齢が増すにつれて差が広がる傾向にあり、30〜40代で7.6歳、50代以上では11.1歳、実感年齢の方が若かった。首都圏に住む18〜76歳の男女約400人を対象に調査した。本当の年齢と実感年齢が「ずれている」と答えた人は全体の74%で、「同じ」と答えた24.4%を大きく上回った。女性では7.9歳、男性で6.4歳、実感年齢の方が若かった。「自分はまだ若い」と感じている人は男性で65%、女性で73%いた。「相手の年齢をぴったり言い当てたら、ほとんどの場合で不快に思われることになる」と同研究所(朝日新聞)

*カルーセル麻紀さん戸籍も女性に

性同一性障害特例法に基づき、タレントのカルーセル麻紀さん(61)の戸籍などの性別を男性から女性に変更することを認める決定を東京家裁がしたことが4日、分かった。カルーセルさんの事務所によると、決定は9月28日付。カルーセルさんは戸籍上は男性だが、海外で性転換手術を受けており、公的にも女性として扱われることを希望していた。特例法は、心と体の性別が一致しない性同一性障害と診断された人で一定の要件を満たしている人に性別変更を認める内容。カルーセルさんは同法が施行された7月16日に同家裁に性別変更を申し立て、9月10日、審問で裁判官らから聞き取りを受けていた(朝日新聞)

*乳腺密度と乳がんリスク 10.02

乳房の乳腺密度が高めの人はそうでない人に比べ、乳がんになるリスクが3〜4倍高いらしいことが、永田知里・岐阜大助教授(疫学・予防医学)らの調査で明らかになった。導入が進む乳房X線撮影(マンモグラフィー)を使った検診で乳腺密度が高いことが分かれば、予防や早期発見につなげられそうだ。30日、福岡市で開催中の日本癌(がん)学会で発表された。00〜02年に岐阜市内の病院で乳がんと診断された146人と、検診で乳がんが見つからなかった659人を対象に、マンモグラフィーの画像をコンピューター処理し、乳腺密度を測った。乳腺の密度が高い部分が50%以上ある人は、高い部分が全くない人に比べ、乳がんになるリスクが閉経前の女性で3.27倍、閉経後の女性で3.99倍高かった。密度が1%増えるにつれ、リスクは閉経前の女性で0.7%、閉経後の女性で2%上昇した。永田さんは「さらに症例数を増やして検討すれば、数字は変わる可能性がある。検診に密度も組み合わせれば、予防に役立つのではないか」と話している(朝日新聞)

*並行輸入、飲む中絶薬の危険 日本で未承認の「のむ中絶薬」がインターネットを通じた個人輸入で出回り、服用した女性の一部に出血が止まらないなどのトラブルが発生、使ってはならない子宮外妊娠の女性が服用して緊急手術に至ったケースもあることが25日、関係者の話で分かった。 個人輸入は薬事法の規制を受けないが、「自己判断だけで服用すれば、命にかかわる事故が起きかねない」と警告する専門家もいる。手術より手軽で安価なため国内でも広まる可能性があり、厚生労働省は被害例などの情報収集を始めた。厚労省監視指導・麻薬対策課などによると、妊娠初期にのんで人工的に流産させる錠剤タイプの経口中絶薬で、日本では未承認だが、フランスや米国などで承認され医師の監視下で使われている。インターネットの個人輸入代行業者のホームページで紹介され、同課に「危険ではないか」といった問い合わせが寄せられている。値段は1万―2万円で、中絶手術代金の数分の1。米食品医薬品局のホームページに掲載された服用の手引によると、妊娠49日以内が対象で、子宮収縮剤と組み合わせて服用する。子宮外妊娠の人は使用を禁じられており、使用対象者でも100人のうち1人程度は出血量が多く手術が必要になる、としている。東京都内のクリニック関係者の話では、昨年秋ネットで購入した20代の女性が「腹痛が止まらない」と受診。超音波診断で腹部内の出血と子宮外妊娠が分かり、すぐ大学病院に搬送されて開腹手術を受けた。ほかに出血が止まらないなどと受診した人も、ここ2年間に4人いたという。出血が止まらず産婦人科に受診した例は東北や関西などでも情報があるが、厚労省は「個人輸入薬なので、薬事法に基づく副作用報告は上がっていない」と説明。未承認薬のネット広告は薬事法違反に当たるため、同課は自治体を通じて違反業者を指導しているが「多くは海外のサイトで規制は難しい」という(共同通信)
*モルヒネの脳内生成説の証明09.30 モルヒネは人間の脳で自然に生成される――大半の研究者たちから異議を唱えられながらも、10年以上にわたって粘り強く研究を続けてきた科学者たちが、ようやくこの説を証明するに至った。ほとんどの研究者たちは、かつて研究された検体ではモルヒネ分子が混入した可能性があるとし、この主張に懐疑的だった。だが9月21日発行の『米国科学アカデミー紀要』(PNAS)に掲載された論文により、この論争はひとまず決着したようだ。ドイツのマルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルクのメインハルト・ゼンク教授をはじめとする研究者たちは、培養皿の中で成長した人間の細胞がモルヒネを合成することを発見した。「間違いなく、人間の細胞はモルヒネを生成することができる」と、ゼンク教授は論文に書いている。「今回発表した研究結果は、神経科学と免疫科学の分野で『内因性モルヒネ』の機能を探求する上での基盤となる」これまでの研究で、人間をはじめとする動物の組織に微量のモルヒネが存在することは知られていたが、モルヒネが自然に脳の中で生成されると考える研究者はほんの一握りだった。大半の研究者たちは、乾草、レタスほか生野菜、母乳など、この物質を含む食べ物を介して取り込まれたと推測していた。ニューヨーク州立大学オールド・ウェストベリー校で神経科学研究所の責任者を務めるジョージ・ステファノ教授は、ゼンク教授の論文により、セロトニンやドーパミンと同じく、モルヒネが脳内に本来存在する物質であると研究者たちが確信すれば、痛みや中毒といったさまざまな症状の治療に新たな道が開けるだろうと述べた。ステファノ教授も、動物の神経組織がモルヒネを合成することをまとめた論文を、10月5日発行の『ニューロエンドクリノロジー・レターズ』で発表する。医師にとって、大量のモルヒネの代わりに、患者にモルヒネの前駆体――連鎖反応を誘発し、最終的に脳内でのモルヒネ生成量を増加させると考えられる分子――を投与するという選択が可能かもしれないと、ステファノ教授は述べている。何年もの間、脳内にモルヒネが存在するという主張を支持してきたステファノ教授は、2003年発行の『モレキュラー・ブレイン・リサーチ』誌で、モルヒネの前駆体としてのレチクリンという物質の存在について立証を行なっている。この手法により、モルヒネへの依存症を防げるかもしれない。自然のモルヒネを人工的に合成されたモルヒネで置き換えるのではなく、体内に本来有するモルヒネの量を増やすことができる可能性があるためだ。これと同様に、ドーパミンの前駆体であるレボドパという薬剤は、パーキンソン病の治療に一般的に使用されている。今回の発見により、中毒になりやすい人がいる理由も説明できるかもしれない――そうした人たちは、モルヒネが欠乏している可能性がある。「(モルヒネが欠乏している人が)突如モルヒネを摂取すれば、気分が良くなるだけでなく、正常な状態になる」とステファノ教授は話す。ステファノ教授によると、モルヒネの欠乏は、一部の慢性的な痛みの原因であるとも考えられるという。研究者たちは、モルヒネは脳のニューロン(神経細胞)によって生成されるとみているが、その生成過程については、ほとんど確かなことはわかっていない。研究者たちは、モルヒネを感情を司る大脳辺縁系の中心で発見した。「脳の非常に重要な部位で、この新しい信号分子が生成されているということだ。モルヒネがそこに存在するのであれば、それは主観的な思考と関係していることになる」ステファノ教授は、今回の研究結果が示したモルヒネが内因性(生体の中で生成されるという意味)であるという認識により、モルヒネが乱用されるケースが減り、体内で自然に生成されるモルヒネの研究が盛んになることを期待している。内因性モルヒネの研究に専念している研究者は15人ほどしかおらず、研究はなかなか進まないのが現状だ。「科学では、骨の折れる試行錯誤の繰り返しが研究の大部分を占める」とステファノ教授は語る。「しかしほとんどの人に信じてもらえないとき、その過程ははるかに厳しいものになる」(wierd)
*中国不倫疑惑で親子鑑定急増 中国では近年、親子鑑定が増加の一途を辿っている。統計によると、鑑定件数は年間20%のスピードで増加しているという。27日付で中国新聞社が伝えた。北京朝陽区病院は、開設当初、親子鑑定の鑑定件数が、年間わずか10件足らずだったが、今年に入ってから9月中旬までで200件に達している。また、法廷科学鑑定研究所における親子鑑定件数や、鑑定センターへの問い合わせ電話も急増している。親子鑑定を受けるケースは、海外への定住、観光、戸籍手続きなど、身分証明の必要な手続きを行なう場合が多い。しかし近年、夫が妻の不貞を疑い、親子鑑定を依頼するというケースが急増中だという。そのほか、離婚時の遺産相続や養育費の支払い問題などにより親子鑑定を求めるケースも少なくない。しかし鑑定実施後、結果として「血縁関係がある」と鑑定されるケースが全体の8割を占める。朝陽区病院の関係者は、「親子鑑定はまさに開放された社会がもたらした副産物だ。不倫、妾を囲うといったケース、一夜限りの付き合いといった行為が氾濫し、夫婦間の信頼が失われ、脆弱な関係へと変貌している」と指摘。専門家によると、親子鑑定は実際には法律、倫理、家庭など多方面にわたる一つの社会問題であるという。鑑定に万が一ミスが生じれば、訴訟などの法的手段へと踏み切る可能性も否定できない。また、すべて国民が「知る権利」を持つため、親子鑑定の実施を制限するべきではないという意見が中国では多数のようだ(サーチナ)
*凍結卵巣、体内に戻し出産成功 09.26 がんの一種、悪性リンパ腫の治療で不妊になったベルギーの女性(32)が、凍結保存していた自分の卵巣組織を体内に戻して妊娠し、ブリュッセルの病院で23日、無事女児を出産した。卵巣組織の凍結保存による出産は、世界で初めて。女性がん患者が子供を持つための選択肢を広げる技術として注目される。英医学誌ランセット(電子版)が同日、速報を掲載した。女性は1997年に進行した悪性リンパ腫が見つかり、ブリュッセルのルバン・カトリック大で、卵巣からつめの先ほどの大きさの組織を複数採取して凍結保存した。その後、化学療法と放射線治療を受け、副作用で不妊になったが、保存組織を昨年解凍して卵巣近くに移植したところ5カ月で排卵が始まり、移植の11カ月後に自然妊娠した。生まれた赤ちゃんは3720グラム。母子ともに健康という(共同通信)
*日本人の精子は2タイプ

日本人男性の精子濃度には季節変動があり、遺伝情報を担うDNA(デオキシリボ核酸)の特徴から2月以降に濃くなるタイプと7月ごろから濃くなるタイプに大別されることが、徳島大学大学院医科学教育部の中堀豊教授、聖マリアンナ医大の岩本晃明教授らの研究でわかった。さらに研究が進めば、この精子濃度の季節変動を不妊治療に利用できるかもしれないという。中堀教授らは1999年から2002年にかけて、札幌、金沢、大阪、福岡で、妻が妊娠している男性に協力してもらい、月ごとに違う人(計764人)から精液を採取し、X、Yという性染色体のうち、精子や睾丸(こうがん)の形成にかかわる、男性特有のY染色体の遺伝情報を調べた。Y染色体のDNAは大部分が父から子にそのまま伝わり、DNAが祖先を探る手がかりとなるとされる。中堀教授によれば、このDNA構造の違いから、日本人男性は、2万年以上前、アジア大陸から日本に移住してきた「縄文系」と、3000年前から朝鮮半島経由などで渡来した「弥生系」に大別できるという。両グループの精子濃度をみると、理由は不明だが、「縄文系」は7月ごろから12月までが濃く、「弥生系」は2―7月に濃いパターンだとわかった(読売新聞)

*若い男性の16%が性感染症! 札幌医大の塚本泰司教授(泌尿器科)が、札幌市内の大学生など若く健康な男性100人を対象に、性感染症の調査をしたところ、16人がクラミジアなどにかかっていたことが分かった。いずれも発症しておらず、自覚症状もなかった。こうした無症候感染者は、自覚のないまま感染を広めている可能性が高い。高率で見つかったことで、若い世代の性感染症拡大を防ぐため、早急な対策が求められそうだ。塚本教授は「性感染症の予防ができなければ、エイズも予防できない。性交渉すれば性感染症にかかる可能性があることを、学校教育の場できちんと教えるべきだ」と話している。調査は2002年秋に実施、ことしにかけてまとめた。100人の平均年齢は22歳。16人のうち6人がクラミジア、12人がヒトパピローマウイルス(HPV)に感染、うち2人が重複感染していた。HPVはウイルスの型によって陰茎がんなどの原因となる(共同通信)
*乳がん検診、マンモグラフィー実施浸透 0921 乳がんの早期発見に役立つ乳房X線撮影(マンモグラフィー)をがん検診に導入する市区町村の割合が、03年度の6割弱から、05年度には9割強まで拡大することが厚生労働省の調査でわかった。ただ、地域格差が大きいことから、厚労省は機器導入の補助で実施を後押しする方針だ。マンモグラフィーについての国の本格調査は初めて。3月末に調査し、3155の全市区町村から回答を得た。03年度までにマンモグラフィーを実施済みの市区町村は58.3%で、専門家の調査と比較すると、1年間で約10ポイント向上した。04〜05年度に実施する予定は32.3%で、05年度までに90.6%が実施する見通しだ。予定のない自治体は合併や財政難を主な理由に挙げている。都道府県別の03年度までの実施状況は、富山、石川では100%、岩手、鹿児島、茨城などが94〜97%の市町村で実施していた。一方、高知、山口、秋田、奈良、広島などは1けたから10%台にとどまり、地域格差が大きい。同省は今年3月、視触診のみの検診を廃止し、40代以上はマンモグラフィーと視触診の併用にすることを決め、04年度から実施するよう自治体に求めている(朝日新聞)
*糖尿病発症のDNA変異 09.14 糖尿病の95%を占める2型糖尿病になりやすいかどうかを左右しているDNA変異を、愛媛大糖尿病内科の大澤春彦助教授(臨床検査医学)らが発見した。米国人類遺伝学会雑誌10月号で発表する。DNAの塩基配列が1カ所だけ変異した1塩基多型(SNP)で、糖尿病の中核的な原因遺伝子であるレジスチン遺伝子の働きを左右していた。まず、糖尿病発症リスクの判定に期待されるほか、将来的には新しい治療法開発にも役立ちそうだ。今回の変異は、19番染色体で見つかった。愛媛県と千葉県で2型糖尿病患者と健常者それぞれ約500人を調べたところ、4種類ある塩基のうち一般の人だと「C(シトシン)」なのに、2型糖尿病患者の多くで「G(グアニン)」になっている場所があった。父と母から1本ずつ受け継いでいるDNAで、双方に変異がある人は患者で13.9%、健常者で8.5%と、患者の方が多く変異を持っていた。計算上、双方のDNAに変異がある人では、発症リスクが変異を持たない人の約2倍だった。この変異を人為的につくると、作られるレジスチンの量が4〜10倍にもなることが確かめられた。実際に、2本のDNAの双方に変異を持つ患者では、血中のレジスチン濃度が変異がない人の約2倍に上がっていた。レジスチンは、血糖を下げるインスリンの働きを妨げることで2型糖尿病を起こす。これまでに発表された海外でのデータも含めて解析した結果、DNAが2本とも変異を持っている場合の発症率は、人種を超えて高いことも分かった。国内の糖尿病患者は約740万人。大多数を占める2型糖尿病は複数の遺伝的要因に、運動不足や肥満、過食、ストレスなどの生活習慣が加わり発症することが知られている。これまでいくつかのSNPが報告されていたが、今回のように、遺伝子から発症までの流れを含めて分かったのは初めてだ。研究の指導にあたった同大の牧野英一教授は、「2本あるDNAの両方に変異がある人は、発症を防ぐために生活により注意が必要だ。今回の結果は、体質を事前に把握することで予防にもつながる。新たな治療法を考える上でも大きな成果だ」と話している。
《1塩基多型(SNP=スニップ)》遺伝情報の個人差を生み出すDNAの違い。ヒトのDNAは4種類の塩基30億個でできている。塩基配列の差が、姿形や体質など個性の基盤となる。塩基配列の差のうち、人口の1%以上の頻度で存在するものを「遺伝子多型」と呼び、そのうち1塩基だけの差がSNP。特定の病気になりやすいかどうかや薬の効き方などをめぐり、個人差を生じる原因として注目されている(朝日新聞)
*仲人の習慣は風前のともし火 リクルートが13日発表した「結婚トレンド調査2004」で、仲人を立てた人は昨年の前回調査より2・8ポイント減の4・6%と、仲人の習慣がなくなる寸前であることが分かった。結納を行う人も減っており、結婚にまつわる伝統的しきたりが姿を消しつつある実態が浮き彫りになった。仲人を「立てた」と答えた人は、首都圏ではわずか1・0%。最も多かった九州でも10・8%にとどまった。リクルートは「以前は上司に仲人を頼むのが一般的だったが、終身雇用が崩れ、急速に減っている」と分析している。結納を行った人は7・8ポイント減の44・1%。代わって「両家の顔合わせのみ行った」が5・8ポイント増の50・1%となり、結納派を逆転した。家具購入費など新生活の準備費用を含めた結婚費用の総額は平均537万円で、前回調査より15万円減(共同通信)
*半陰陽男性の顕微授精 09.10 男女両性の染色体や外性器を持って生まれた「半陰陽」の男性が、自分の精子を使って妻の卵子と顕微授精を行い、女児が生まれたことが、北海道で開かれた日本不妊学会で報告された。半陰陽の男性が、この方法で子供をもうけたのは世界で初めてという。男性は20歳代。生まれた時には精巣も子宮もあったが、1歳で子宮と卵巣を摘出した。健常者の女性と結婚したが、精子の数が極端に少なく、自然妊娠に至らなかった。福島県いわき市のいわき婦人科内科(菅原延夫院長)で、精巣組織を採取し、卵子に針で精子を直接注入する顕微授精を受けたところ、妻は妊娠し、昨年女児を出産した。半陰陽の人の自然妊娠は、日本で約30年前に男女各一例が報告されているが、顕微授精での妊娠・出産は海外でも報告がない。菅原院長は「顕微授精は、子供を持つことを希望する半陰陽患者にとって福音になる」と話している(読売新聞)
*中絶胎児の処理方法 妊娠12週未満の中絶胎児が都道府県の半数近くでごみとして扱われている実態が7日、厚生労働、環境両省の初めての全国調査で分かった。中絶胎児の取り扱いを規定した条例があるのは調査した104自治体中、11自治体だけだった。調査は7月、横浜市中区の産婦人科「伊勢佐木クリニック」で、中絶胎児を一般ごみとして捨てていたことが発覚したのを受け、墓地埋葬法を所管する厚労省と廃棄物処理法を所管する環境省が47都道府県と保健所を持つ57市を対象に行った。都道府県のうち21、全体で32自治体が、注射針や血のついたガーゼなど感染性廃棄物を扱う廃棄物業者が妊娠12週未満の中絶胎児も扱うことが「ある」と回答。複数の自治体が「12週未満の中絶胎児は廃棄物かどうか国として基準を示してほしい」と要望した。条例がある自治体のうち、北海道は「感情的に一般ごみと同様に扱うべきではない」と考え火葬場へ運んでいるという。一方、条例がない山梨県や埼玉県は「県として指導はしておらず、今回の調査で一部が廃棄物として処理されていることがわかった」「現在は排出者側の判断に任せているとしかいえない」などとしている。両省とも「胎児をごみとして扱うのは社会通念上問題がある」としており、病院や廃棄物処理業者、自治体も含め、対処方法を検討する方針だ【朝日新聞)
*体脂肪10%以下、月経異常の危険 五輪クラスの女子スポーツ選手は、体脂肪率が低いほど月経異常の割合が高くなることが、筑波大の目崎登教授(スポーツ医学)の研究で明らかになった。厳しい練習を重ねる女子選手は月経異常が起きやすいことはよく知られている。目崎教授は、アトランタ、シドニー五輪主要競技の女子強化選手(1772人)と普通の女子大生(1786人)を対象に、体脂肪率や月経異常の有無などを調査、比較した。その結果、女子大生の約3割が月経異常を経験しているのに対し、選手は4割とやはり高かった。一流選手で体脂肪率と月経異常との関係を見ると、体脂肪率が10%を切ると全員に異常があった。12・5%に増えると半分に減少。体脂肪率が15%を超えると、月経異常になる割合はふつうの女子大生と同じ約30%まで下がった。競技別では、体脂肪率が低い競技の新体操、体操、陸上中長距離選手に、月経異常が多く、体脂肪率が比較的高いバレーボール選手は一般女子大生とあまり差がなかった。一流選手の多くは、こうした異常を理解し、練習を調整しながら競技に臨んでいるが、メダリストの卵たちを育てている中学・高校の現場では、選手、指導者とも知識が不足している。目崎教授は「体脂肪率の減少を放っておくと、骨粗しょう症や不妊になる恐れがある」と指摘している(読売新聞)
*不老長寿に関わるタンパク質 08.13 長寿にかかわる新しいたんぱく質が見つかった。国立遺伝学研究所(静岡県三島市)の広瀬進教授(発生遺伝学)らが、ショウジョウバエで確認、人にもこのたんぱく質があることを突き止めた。長寿の一端を担う物質の一つが明らかになったことで、不老に近づけるのではとの期待が膨らむ。12日付の欧州科学雑誌「EMBOジャーナル」電子版で発表した。生体内では老化やがんの発症につながる活性酸素が常に作られているが、AP1と呼ばれる物質が活性酸素の作用を抑えていることが知られている。新しく見つけたたんぱく質「MBF1」は、このAP1を活性化するのに、重要な役割を果たしていた。広瀬教授らは、MBF1遺伝子を失わせたハエと多く持つハエ、通常のハエに活性酸素を作用させ違いを調べた。通常のハエが約95時間で半数が死んだのに対し、MBF1を失わせたハエは約70時間、多く持つハエは約105時間で、寿命が左右された。広瀬教授は「生体はもともと、長寿の仕組みを持っているが、今回見つけたのはその一つ。長寿の薬の実現に、一歩近づいた」と話している(朝日新聞)
*英政府、ヒトクローン胚作成を許可 英政府は11日、英ニューカッスル大学の研究グループに、医療目的でヒトクローン胚(はい)から胚性幹細胞(ES細胞)を作る研究の許可を英国で初めて出した。PA通信は、計画通りに研究が進めば、韓国に続き世界で2例目のヒトクローン胚からのES細胞作成に成功する可能性があるとしている。ロイター通信などによると、研究はパーキンソン病やアルツハイマー病などの新しい治療方法の開発が目的。クローン胚を使う研究は、倫理面で批判があるが、再生医療への応用が期待され、韓国など一部の国で始まっている。(共同通信)
*ヤマメにニジマスの精子作らせ、ニジマス誕生 08.08 ヤマメにニジマスの精子をつくらせ、その精子でニジマスを誕生させることに東京海洋大の吉崎悟朗・助教授らが成功した。5日発行の英科学誌ネイチャーに発表した。ニジマスの卵子を持つヤマメつくりにも取り組んでおり、将来は「マグロを産むアジ」や絶滅危惧(きぐ)種の復活につなげたいという。ヤマメとニジマスは同じサケ属の仲間。吉崎さんたちは、ニジマスの稚魚から精子や卵子のもとになる始原生殖細胞を取り出し、ヤマメの稚魚の腹部に10〜20粒入れた。始原生殖細胞はヤマメの精巣や卵巣に移動し、増殖分化した。この成長した雄のヤマメからとった精子と、通常のニジマスの卵子を受精させたところ、0.4%にあたる10匹がニジマスとして誕生。DNA鑑定で完全なニジマスと証明された。ほかは雑種となり死亡した。年内にはニジマスの卵子を持つヤマメの雌つくりを成功させ、ニジマスの精子を持つヤマメの雄との受精で、ニジマスを産ませることを目指す。技術が確立すれば、重さが数百キロにも成長するマグロを小さい水槽でも飼える小型のアジなどに産ませ、養殖のコスト削減につなげたいという(朝日新聞)
*前立腺がん、PSA値急増で死亡率上昇 血液を調べる「PSA(前立腺特異抗原)」検査を定期的に受け、前立腺がんが見つかった人のうち、がんと診断される直前の1年以内に、PSA値が急上昇した人ほど、手術など治療後の経過が悪く、死亡率の高いことが、米国マサチューセッツ総合病院の研究で分かり、米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」で発表した。PSA値の正常値は「4」以下で、「10」以上になるとがんの可能性が高いとされる。研究チームは、PSA検査が継続的に必要な約1000人を対象に、PSA値の変化と、がんと診断された後の治療経過などとの関係を調べた。診断前1年間にPSA値が少なくとも2ポイント以上、上昇した場合、診断後7年間に、4人に1人が前立腺がんなどで死亡。数値の変化が2ポイント以下の人に比べ、10倍も死亡率が高かった。研究チームは「PSA値が前立腺がんの発見だけでなく、がんの悪性度を知る上で重要な指標になることを示した最初の成果」としている(読売新聞)
*出産後女性のホルモン変化、恐怖心減少
赤ちゃんが襲われたり、事故に遭ったりした際、母親が自らの危険を顧みずに救おうと行動できるのは、出産後に恐怖心を生じさせるホルモンが少ない状態になるのが一因であることが、米ウィスコンシン大学のスティーブン・ガミー助教授らが行ったマウスの実験で分かった。研究成果は一日発行の米心理学会誌に発表された。このホルモンは、脳の視床下部から分泌され、副腎皮質ホルモンの分泌を促す「副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)」。人間や動物がストレスが多い状態になると、分泌されることが知られる。ガミー助教授らは、子を産んで六日後の母マウスについて、CRHの分量を集団ごとに変えて一日一回、四日連続で投与。その後、母マウスのいるかごから子を出し、代わりになじみのない雄を入れた。CRHをほとんど与えなかった母親は、雄を猛烈に攻撃したが、CRHを多く与えた母親はおびえて全く攻撃せず、少し与えた母親も攻撃回数が減った。出産間もない母親は通常CRHが少ない状態になるとみられる。(西日本新聞)
*間違い受精卵で体外受精・出産に1億円賠償 米サンフランシスコの医療施設で体外受精を受けた際、間違った体外受精卵を使われて妊娠し、男児を出産した女性(52)が医師を相手取った訴訟で、医師側が100万ドル(約1億1000万円)の賠償金を支払う和解が4日までに成立した。一方、この男児の監護権をめぐり、受精に使われた精子を提供した男性と、原告女性の間で訴訟が争われている。AP通信によると、取り違え事故が起きたのは2000年6月。別の夫婦の体外受精用の受精卵(精子は夫、卵子は他人)が間違って原告女性に使われた。原告女性には本来、匿名の提供者からの精子と卵子が使われるはずだった。医師はすぐに取り違えに気づいたが、将来、子供の監護権をめぐる紛争が起きるのを恐れてミスを隠した。別の夫婦も妊娠に成功して女児を出産。女児と男児は誕生日が10日違いのきょうだいということになる。ところが出産から約9か月後、医療施設の内部告発でミスが発覚。精子を提供した男性は、男児の全面的な監護権を主張して提訴。原告女性は、この訴訟費用をまかなうため、医師を提訴したという。現在は一時的に女性に監護権が認められ、男性は週2回の面会が許されている状態。どちらが「法的な親」にあたるかの決定は、10月に下される予定だ(読売新聞)
*出会い系サイト利用児童買春急増 出会い系サイトを利用した児童買春事件の摘発件数が、今年上半期(1〜6月)は昨年同期より10%以上増え、約370件にのぼっていたことが、警察庁の5日付の集計で分かった。昨年下半期(7〜12月)から増加傾向に転じており、このままのペースが続けば、統計を取り始めた00年以降の最多を記録するのは確実だ。同庁は、若者の間でいったんは沈静化していた出会い系サイトの人気が最近、復活し始めた可能性があるとみている。昨年9月に出会い系サイト規制法が施行され、ネット事業者には、18歳未満は利用できないことの表示が義務づけられた。しかし、ネット上での年齢確認には難しい点が多く、同庁は「将来は現行法でいいのか検討する余地がある」としている。同庁によると、上半期の摘発件数は371件で、昨年同期より45件多かった。摘発件数は昨年後半から増え始めており、最終的には年間の過去最多だった昨年(計791件)も上回りそうだ。買春の相手となった18歳未満は、昨年同期より18人多い280人だった。同法は児童の側にも、性交相手として誘う行為を罰則(罰金100万円以下)付きで禁じている。今年3月には「わたしの処女を買ってもらえませんか」とネットに書き込んだ中3の少女(15)が法施行後初めて逮捕された。出会い系サイトの利用後に起きた事件は、785件で前年同期より4件増えた。例年同様、殺人や強盗などの凶悪事件も相次いだ。女性を装った架空請求などの詐欺が過去最多の27件(前年同期比11件増)を数えた(朝日新聞)
*「性的関係強要された女子高生」5.3%
財団法人アジア女性基金は27日、高校生の性暴力被害実態調査の結果を発表した。約1500人の女子生徒のうち、20人に1人が「無理やりセックスをされたことがある」と回答した。恋人や知人などからの被害が圧倒的に多かった。高校生を対象にした大規模な性暴力被害調査は初めてだという。調査は、アジア女性基金の委託を受けて、大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンターの野坂祐子講師らの研究班が昨年11月から12月にかけて実施。東京都内9校と九州地区3校の協力で、女子生徒1463人、男子生徒883人が質問用紙に無記名方式で回答した。「相手の裸や性器をわざと見せられたことがあるか」との質問には女子35.1%、男子12.7%▽「無理やり体を触られたりしたことがあるか」との質問には女子37.2%、男子13.6%▽「無理やりセックスされそうになったことがあるか」との質問には女子13.2%、男子2.7%▽「無理やりセックスをされたことがあるか」との質問には女子5.3%、男子1.5%が、それぞれ「ある」と答えた。研究班では、夫婦や恋人間でも同意のないセックスはレイプ(強姦(ごうかん))としており、加害者としては恋人35.9%▽知り合い34.6%▽友達29.5%(複数回答可)などが多数を占め、教師や家族との答えもあった。レイプ被害については、大学研究者が東京都の一般成人女性459人を対象にした調査(99年)で8.4%という結果が出ており、「女子生徒の5%というのは十分うなずける数字」(野坂講師)という。野坂講師らは「高校生の間でも、親密な関係の中での性暴力が多いという実態をまず知ってほしい。夜道は危ない、痴漢に注意などのメッセージでは被害防止にほとんど役に立たない」と指摘している。研究班では東京都内の公立高校を中心に協力を要請したが、「性に関する調査」というだけでタブー視されたり、「管理職の了解が得られない」などの理由で20校以上に断られた。回答した生徒らからは「被害者のために役立ててほしい」などの多くの自由記述があった(朝日新聞)
*台湾の少子化ショック、1.29 台湾で、1人の女性が一生に産む子供の平均数(合計特殊出生率)が昨年は1.24だったことが、台湾当局の人口動態統計でわかった。1.29の日本より低く、少子化のペースはここに来て加速している。行政院(内閣)経済建設委員会は、最も早ければ16年に人口増加が止まりかねないという予測も発表した。高学歴女性の社会進出が進む一方、仕事と育児を両立させる環境が整わないなどの理由で、台湾でも90年代から出生率低下が進んでいる。合計特殊出生率は91年が1.72、01年が1.40。昨年の数字は出生率低下に歯止めがかからない状況を示した。原因として、今回は特に「結婚しない女性の増加」が挙げられた。30歳代後半の女性で配偶者のいる人の割合は01年に79.1%だったが、昨年は76.8%に低下。同委員会は、今後も1.2程度の出生率が続いた場合、16年に死亡人口と出生人口がほぼ同じとなって人口増加が止まり、21年からは本格的な人口減少が始まると予測した。台湾当局は、急速な人口減少は経済成長にも悪影響を与えるとして、出生率向上への対策に力を入れる(朝日新聞)
*米・エイズへの深刻意識が減少 エイズを深刻な問題だと考える米国民の割合が減っていることが、AP通信の最近の世論調査でわかった。ただ、子どもがエイズに感染することを心配する親は多い。専門家は、エイズに対する危機感の薄れが感染の拡大につながりかねないとしている。調査では、エイズの脅威について「とても深刻」と答えたのは61%。1987年の調査では、約9割に上っていた。治療薬の開発によって感染者の生存期間が伸びたことや、約20年前の衝撃的な流行を知らない世代が増えていることなどが原因とみられる。このことを裏付けるかのように、エイズと診断された人数は昨年、過去10年で初めて前年を上回った。エイズの専門家は「今後、米国内でエイズ感染者が増加することを示す要素はたくさんある」として、若い同性愛者の感染が増えていることなどを挙げている。回答者で自らの感染について心配しているのは約2割だったが、子どものいる親の6割以上が子どもの感染に気をもんでいることがわかった。予防については、55%が避妊教育などを通して「安全なセックス」を教えることが重要だと回答。ブッシュ大統領が強調する「禁欲」を広めることが大切だとしたのは40%だった(CNN)