W(2005.04〜07)

性科学・生殖・セックス・性犯罪ニューストピックス





T U V W X Y Z [ \ 10 11 12


*無害ウィルスが癌キラーに 07.26

誰でも感染経験をもつ平凡で無害なウイルスが、実は、がん細胞だけを狙って殺せる「すぐれもの」だと分かった。米ペンシルベニア州立大のチームが発表した。新たな治療法への発展も期待できるという。アデノ随伴ウイルス2型(AAV2)という病原性のない小さなウイルスで、日本の専門家によると、成人の85%が感染経験をもっている。チームは、AAV2に感染している女性がウイルス性の子宮頸(けい)がんにかかりにくい、という現象に着目。子宮頸がんのほか、乳がんや前立腺がんなどの細胞とAAV2を培養したところ、がん細胞が6日後にすべて死滅したという。AAV2はがん細胞に侵入した後、DNAに何らかの細工をするとみられる。チームのメヤーズ教授は「正常な細胞には悪影響がなかった。AAV2はがん細胞を見分けているらしく、新たな治療法になる可能性がある」といっている(朝日新聞)

*離婚調停減少?年金分割まで待ってから

全国の家裁に申し立てられた離婚調停が2004年、減少に転じた。07年4月からは、04年6月に成立した改正年金法の施行に伴い離婚しても元夫の年金を分割して受け取れる制度がスタートするため、専業主婦の妻側が申請を控えた結果とみられる。「あなた離婚して」。新制度が始まれば、いきなり別れ話を切り出される夫が増えるかもしれない。最高裁の統計によると、夫婦間の話し合いで離婚に関する合意が得られない場合に申し立てる調停は、若干の上下はあるが1988年からほぼ一貫して増加。03年も前年より約1500件増え、約6万2500件と過去最高を更新、88年の1.5倍近くに達した。ところが04年は一気に約2600件も減少。話し合いだけの協議離婚を含め、離婚全体の件数も02年の約28万9000組をピークに、04年には約27万組に減っている。夫婦間の問題に詳しい榊原富士子弁護士は「離婚の全体数が減っているせいもあるが、新制度を待って申請を遅らせている女性もいるはず。離婚を考えている女性には最大の関心事」と話す(日経新聞)

*脳死の女性に出産支援の輪 07.16 妊娠早期に脳腫瘍(しゅよう)のため脳死と診断された米バージニア州の女性(26)とその家族に、米内外で支援の動きが広がっている。赤ちゃんを出産させようと夫らは人工呼吸器装着の継続を決断したが、がんは既に肺などに転移しており、子宮に広がる前に胎児が十分に発育できるか「時間との闘い」になっているためだ。女児とみられる胎児は今のところ元気な様子で、医師団は今月中旬にも人工的に出産させる計画。米メディアの報道で苦渋の選択を知った内外の人々からは、これまでに計30万ドル(約3400万円)の寄付が家族に寄せられたという。支援団体や報道によると、女性はワクチン研究者のスーザン・トレスさん。妊娠17週だった5月7日に自宅で突然倒れ、呼吸が停止。当惑する夫ジェーソンさんと2歳の長男に告げられた診断は、極めて悪性度の高いがんの一種メラノーマが脳に広がり、脳死になった−−だった(共同通信)
*ニューハーフ収監、女子房へ

大阪拘置所(大阪市都島区)に収監されている20歳代の被告(覚せい剤取締法違反の罪で公判中)が、心と体の性が一致しない「性同一性障害」で男性から女性への性転換手術を受けていたことを理由に「男性として処遇されるのは耐えられない」として、戸籍上の性別変更を大阪家裁に申し立てて認められ、5月に女子用施設に移されていたことが9日、わかった。拘置所や刑務所などの行刑施設が、変更後の性で処遇を認めたケースは初めてとみられる。関係者によると、被告は「ニューハーフ」として飲食店で働いていたが、今年1月、知人宅で覚せい剤を使用したとして覚せい剤取締法違反容疑で大阪府警に逮捕された。数年前に性転換手術を受けていたが、戸籍上は男性のままで、起訴後に警察署から身柄を移された大阪拘置所でも男子用施設に収容されていた。実刑が確定した場合に服役する刑務所では、坊主頭にし、男性用の下着も着用しなければならず、被告は4月ごろ、「精神的に計り知れない苦痛を受ける」として、性同一性障害特例法による性別変更を申し立てた。特例法は昨年7月に施行され、性別変更の要件として、〈1〉成人〈2〉性転換手術を受けている〈3〉結婚していない〈4〉子供がいない――を挙げている(読売新聞)

*現役警官、小学女子を強姦! 小学生の女児を乱暴したとして、兵庫県警少年課は13日、神戸市北区京地4、県警甲子園署地域課巡査長、中村和洋容疑者(29)を婦女暴行容疑で逮捕した。中村容疑者は容疑を認めており、県警は懲戒処分にする予定。調べなどによると、中村容疑者は昨年7月、大阪市内のホテルで、知り合いの小学校高学年の女児を乱暴した疑い。今年5月に女児の母親からの告訴を受けて捜査していた。中村容疑者は99年4月に県警に採用され、03年3月から同署上田交番に勤務していた。▽稲吉純一・県警監察官室長の話 言語道断の行為であり、誠に遺憾。今後、事案の全容を解明し、厳正に対処していきたい(毎日新聞)
*警部補取調べ中の女性容疑者と性行為 07.08

取り調べ中の女性に性的な関係を強いたなどとして、警視庁は7日、薬物事件を担当する組織犯罪対策5課の警部補今井浩之容疑者(44)=埼玉県吉見町田甲=を特別公務員暴行陵虐の疑いで逮捕した。今井容疑者は容疑をおおむね認め、「大変申し訳ない」と話しているという。同庁によると、今井警部補は東京都台東区西浅草1丁目の警視庁分室にある取調室内で6月8日、同分室で起訴後勾留(こうりゅう)されていた20代の女性被告にわいせつな行為をし、10日には性的な関係を強いた疑い。女性は4月中旬に覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕され、5月上旬に起訴された。今井警部補は逮捕以降、女性の取り調べ担当で、補助をしていた巡査部長が席を外したすきにみだらな行為をしていた。女性は「逆らえなかった」と話しているという。今井警部補が女性を調べたのは二十数回で、同庁は、ほかに同様な行為がなかったかどうかについても調べる。山下史雄警務部参事官は「警察官として言語道断の行為で、痛恨の極み。被害者に心からおわび申し上げる」と謝罪した(朝日新聞)

*子宮内膜症とダイオキシン

子宮内膜症と日常の生活で摂取するダイオキシンには関連が見られなかったとする研究結果が、厚生労働省の研究班から出た。この病気は若い女性の間で増えていると指摘され、危険因子の一つとしてダイオキシンなど内分泌撹乱(かくらん)化学物質が疑われてきた。子宮内膜の組織が子宮以外のところで増殖するのが子宮内膜症で、月経がある女性の1割が苦しんでいるとされる。東京慈恵会医大の産婦人科で診察を受けた20〜45歳の不妊症の女性139人を調査。腹腔(ふくくう)鏡で見ると、58人が子宮内膜症だった。そうでない81人とともに血液を調べた。ダイオキシン類の濃度の中央値は、患者で血中の脂質1グラムあたり19・4ピコグラムで、そうでない女性の同21・58ピコグラムより少なかった。ポリ塩化ビフェニール(PCB)を合わせても、患者の方が濃度が低かった。さらに、濃度の高さごとに四つのグループに分けて、月経周期などの影響を取り除いて発症率を計算したら、濃度が高いほど低くなる傾向が見られた。ただ、統計上の明確な差はなかった。同医大柏病院産婦人科の佐々木寛診療部長は「大量摂取の影響は不明で、さらに詳しく調べる必要がある」と話す(朝日新聞)

*エイズ新薬、体内ウィルス激減

副作用がほとんどなく、従来の薬が効かなくなった人にも効果の高いエイズ新型薬を開発したと5日、熊本大の満屋裕明教授(内科学)が神戸市で開かれたアジア・太平洋地域エイズ国際会議で発表した。細胞に入り込もうとするエイズウイルス(HIV)を入り口でシャットアウトするこれまでにない働きを持つ。現行の薬は、耐性ウイルスができて、早ければ数日で効かなくなるが、新型薬は耐性ウイルスが極めてできにくいという特徴もある。製品化されれば、治療の新たな切り札として期待される。同教授によると、コードネーム「AK602」というこの新薬は、細胞の表面にあるCCR5というたんぱく質にくっつく。このたんぱく質は、HIVが人間の細胞に入り込む入り口。ここに異物がくっつくことで、ウイルスは細胞に入れなくなる。米国のエイズ患者計40人を対象に臨床試験を実施。1日2回、1回600ミリグラムを10日間のんだ結果、ウイルス量が平均約100分の1に減り、600分の1まで減った患者もいた。副作用は、便が軟らかくなった人がいた程度だった。AK602は、CCR5の全体ではなく、HIVの入り口部分を選んでふさぎ、人間にとって必要な働きをする部分はあまりふさがない。さらに、従来の薬がウイルスを攻撃するタイプなのに対し、新型薬は人間の細胞に反応する。このため副作用が出にくいという。また、今回対象にした40人のほぼ半数は、薬のほとんどが効かなくなった多剤耐性エイズの患者で、この人たちにも大きな効果を示したことになる(朝日新聞)

*前立腺がん検査値PSA目安にならない? 前立腺がんの早期発見や悪性度の把握に役立つとして日本でも普及している前立腺特異抗原(PSA)検査値について、全米男性約2万人に対する疫学調査を行った米テキサス大などの研究チームが「がん発見の効果的な目安にはならない」との結果をまとめた。PSAは、血液1ミリ・リットル当たりのナノ・グラム数が「4以下」で正常とされるが、同チームは「この線引きに有効性はない」としている。研究チームは、調査開始時にPSAが正常値(4以下)だった55歳以上の男性のうち、後に検診が必要になった約5600人から組織を採取し、分析した。約1200人で前立腺がんが見つかったが、PSAが4を超えた人はわずか2割。2・6以上でも4割に過ぎず、がんの約8割を拾い出すには1・1の段階で組織採取する必要があることがわかった(読売新聞)
*受精卵診断の基準見直しに着手

受精卵の段階で遺伝病などの有無を調べる受精卵診断について、日本産科婦人科学会は25日の理事会で、現基準を見直す作業部会の設置を決めた。習慣流産も含め、どんな病気の場合に認めるか年内を目標に結論を出し、倫理委員会に答申した上で、学会としての対応を決める方針だ。また、慶応大と名古屋市立大が申請していた2件の受精卵診断については、いずれも認めた。同学会は98年、受精卵診断は重篤な遺伝性の病気に限り、個別に審査して認めるとの会告(指針)を定めた。これまで認めたのはこの日の分を合わせて3件で、遺伝病の中でも成人になる前に生存が危ぶまれる場合などに限られていた。習慣流産は過去に申請があったが、認めなかった。学会に申請をせずに受精卵診断をして昨年4月に学会を除名された神戸市の産婦人科医が、昨年9月以降に習慣流産の患者夫婦27組に診断、うち3組が計4人を出産し、あと9組が出産を予定していることが明らかになり、学会の対応が注目されていた(朝日新聞)

*大豆を食べると不妊?? 妊娠を計画している女性は、大豆製品を食べるのを控えるべきだ−。22日付の英紙ガーディアンなどは、英専門家がこのほど、デンマークで開かれた出生に関する学会でこんな研究結果を発表したと報じた。大豆に多く含まれるゲニスティンという物質に、妊娠を妨げる働きがあるという。 発表したのはロンドン大キングズ・カレッジのリン・フレーザー教授。あらかじめ採取した人間の精子とゲニスティンの化合物を使って実験を行ったところ、精子は化合物に接触した途端急激な化学反応を開始した。このことから同教授は、ゲニスティンには卵子に到達しようとする精子の衰弱を早める作用があると結論付けた。この作用を防ぐ方法として、同教授は「排卵の時期に摂取量を減らすようにするのが効果的」と語った。一方、研究結果に関しては、「(日本など)日常的に大豆製品を食べる国で、大豆が出生に影響を与えたという報告は聞いたことがない」(スコットランドの生殖医療専門家)と懐疑的な見方もある(ZAKZAK)
*乳がん発見器、開発発売 自宅で使用できる手のひらサイズ(ハンドヘルド)の画像装置が早期乳がんの検出に有用であることが、フィラデルフィアで開かれた米国防省(DOD)乳がん研究プログラム(BCRP)会議「希望の時代(Era of Hope)」で発表された。 装置の開発者であるペンシルベニア大学医学部放射線学、生物物理学および生化学名誉教授のBritton Chance氏よると、「iFind」と呼ばれるこの新しい装置は、トランプ1組程度のサイズで、近赤外線を用いて乳房の血流量を測定する。腫瘍が増殖するためには血管の新生が必要であり、必然的にその領域に血液量が増えるというロジックを応用したもので、正常組織と増殖する腫瘍組織での血液中の酸素量比の違いをモニターし、酸素代謝量の多い高領域を検出すると、光と音(警告音)で知らせてくれる。Chance氏らは1998―2003年の間に、2つの検査施設を受診した女性116例を対象にこの装置の評価を行った。標準的検査法で44例にがんが検出されたが、これらの症例に対する装置の感度(検出率)は96%であった。測定に要する時間は5分間。Chance氏は「iFindはマンモグラム(乳房X線像)や生検に取って代わるものではなく、こうした検査方法を補うものであり、異常が発見されれば専門医を受診することになる」という。テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのJuri Gelovani博士は、この新しい技術を評価した上で、より広く用いるためには大規模な臨床試験の必要性を指摘。追加試験で装置の有用性が明らかにされれば、家族歴や乳がん遺伝子BRCA 1およびBRCA 2などがんの素因を有する女性には特に価値があるものとなる」としている。Chance氏は1―2年以内にこの装置を女性向けに市販する意向で、販売価格は200―300ドル程度が予定されている(HealthDay)
*大豆が精子を衰弱させる? 06.23 妊娠を計画している女性は、大豆製品を食べるのを控えるべきだ−。22日付の英紙ガーディアンなどは、英専門家がこのほど、デンマークで開かれた出生に関する学会でこのような研究結果を発表したと報じた。大豆に多く含まれるゲニスティンという物質に、妊娠を妨げる働きがあるという。
 発表したのはロンドン大キングズ・カレッジのリン・フレーザー教授。あらかじめ採取した人間の精子とゲニスティンの化合物を使って実験を行ったところ、精子は化合物に接触した途端急激な化学反応を開始した。このことから同教授は、ゲニスティンには卵子に到達しようとする精子の衰弱を早める作用があると結論付けた(時事通信)
*未熟卵子からクローン胚 完全に成熟していない人の卵子(未受精卵)を試験管内で成熟させ、それを使って人のクローン胚(はい)をつくることに初めて成功したと、ベルギー・ヘント大病院のチームが20日、コペンハーゲンで開催中の欧州生殖医学会で発表した。
 人クローン胚の研究は、将来、自分専用の治療用細胞を得る手段につながると注目されているが、クローン人間に絡む倫理問題に加え、胚の作成に不可欠な人の卵子の確保が大きな課題。
 未成熟な卵子は不妊治療には適さず、成熟した卵子より研究用に入手しやすいため、今回の成功は、人でのクローン研究を大きく拡大させる可能性を秘めている(共同通信)
*白血病マウスから健全精子 白血病の雄マウスの精巣から、精子のもとの細胞「精原性幹細胞」を含む精細胞だけを採取し、化学療法で無精子症になった別の雄マウスの精巣に移植して健全な精子を形成させることに、大阪大大学院医学系研究科泌尿器科と理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の共同研究チームが17日までに成功した。この精子の人工授精を受けた雌からは、健康な子が生まれた。
 この技術を人間に応用できれば、小児白血病の男児が化学療法や放射線療法を受ける前に、精原性幹細胞を含む精細胞だけを採取して凍結保存しておき、思春期以降に精巣に戻す方法で、不妊を回避できると期待される。研究成果は同日、米医学誌ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーションの電子版に発表された(時事通信)
*東京都、ワイセツ教師に甘い処分

先生が子供のスカートの中を盗撮し、逮捕された。勤務する学校が埼玉県なら懲戒免職。東京都は諭旨免職−−。わいせつ教職員への処分で、こんな「地域格差」が目立っている。文部科学省は「教育公務員には、より高い倫理性が必要」と厳しい処分を求めているが、同じ事件で逮捕されても、自治体によって教壇に立ち続けられるかどうかまで違うのが現状だ。【磯崎由美】
今年2月、東京都内を走る電車内で、女児のスカート内を盗撮した区立小学校教諭(34)が都迷惑防止条例違反の疑いで逮捕された。ビデオカメラのレンズを靴先にしのばせるという巧妙な手口。都教委は教諭を諭旨免職とし、退職金6割を支給した。その10カ月前、やはり都内の電車内で埼玉県の市立中学校教諭(25)が逮捕された。座席に座り、前に立った少女のスカート内をカメラ付き携帯電話で盗撮、罰金30万円の略式命令を受けた。県教委の判断は「懲戒免職」だった。懲戒免職は地方公務員法に定められた処分。退職金が支給されず、教員免許も失効する。一方、諭旨免職は依願退職の一種で、退職金をもらうことができるうえ、教員免許が残るため、他教委で採用されれば教員を続けることも可能だ。なぜ判断が分かれるのか。都教委は「同じ事件でも動機や背景などさまざまなのだから、処分にばらつきがあって当然。しかも盗撮はわいせつ行為ではなく、わいせつ類似行為」と説明。これに対し埼玉県教委は「痴漢も盗撮も基本的に懲戒免職。こうした人が再び教壇に立ち、子供にどんな説得力があるのか。そもそも諭旨免職は行っておらず、都のような対応はあり得ない」という。毎日新聞の調べによると、04年度にわいせつ行為で免職となった教職員は全国で少なくとも101人で、約9割が懲戒免職。諭旨免職は12人だけだが、そのうち8人が東京都の教職員だった。こうした都の対応に、関係者からは「甘い」との声も出ている(毎日新聞)

*「がっかり」「仕方ない」の脳メカニズム 06.17

すし屋でトロを注文したら品切れで、しかたなく赤身を頼む――こんなときに活発に働く脳の領域を、京都府立医科大の木村実教授(神経生理学)らがサルの実験でつきとめた。やむをえず不本意なものを選ぶときの脳内メカニズム解明に一歩近づく成果だ。17日付の米科学誌サイエンスに掲載される。実験では、緑のランプがついたときにサルがボタンを押せば報酬として水をたくさん与え、赤のときは少ししか与えなかった。すると、赤をつけたときは緑に比べ、反応までの時間がわずかに長かった。たくさんの報酬が見込めないため、しかたなく選び、反応が鈍くなったと考えられた。電極を脳に刺して脳神経の働きを調べると、赤いランプに反応したとき活発に働くのは、脳の中心部にある「視床中心正中核」という領域だとわかった。緑のランプのときはこの領域は活性化せず、逆にここを電気的に刺激すると、しかたなく行動したときのようにサルの反応が鈍くなることも確認した。木村教授は「期待通りに物事が進むことは少ない。ベストの選択肢が選べなくても、パニックに陥らず、次善の選択をするのは知的な行動だ。その脳のメカニズム解明の突破口になる」といっている(朝日新聞)

*大谷医院、受精卵診断で3組出産

体外受精した受精卵の細胞を取り出して染色体を調べ、「正常」と判定した卵だけを子宮に戻す受精卵診断を実施している大谷産婦人科(神戸市)の大谷徹郎院長は16日、昨年9月以降に診断した夫婦27組のうち、3組が計4人を出産したことを明らかにした。いずれも染色体異常が原因で流産を繰り返す「習慣流産」の患者で、同患者が診断を受け出産に至ったのは国内初。6月中にあと2組、秋以降は6組が出産予定という。受精卵診断は受精卵が4〜8個の細胞に分裂した段階で、一部の細胞を取り出し染色体異常の有無を調べる検査。今回出産した3組の女性はいずれも30代で、検査で妊娠可能と判断された受精卵はそれぞれ10個中3個、8個中1個、23個中2個。生まれた子どものうち、1組は双子だった。日本産科婦人科学会は会告(指針)で、重い遺伝病に限り、個別審査の上、受精卵診断を認めている。慶応大が申請したデュシェンヌ型筋ジストロフィーに関する診断が、唯一の承認例だ。習慣流産の患者については、99年と00年に別の産婦人科医が実施を申請したが却下された。大谷院長は昨年2月、学会に申請せずに3組の夫婦に受精卵診断を実施したと公表、昨年4月に除名処分となった。うち、遺伝病を防ぐとして男女産み分けの診断を受けた1組が昨春、出産している。受精卵診断は世界ではすでに4000例以上が行われている。妊娠後に羊水などを検査し、異常が見つかった場合に中絶するかどうかを選択する「出生前診断」に比べ、体への負担が少ないという意見がある一方、染色体に異常がある受精卵を排除するため「生命の選別につながる」との反対意見も根強い(朝日新聞)

*ハゲは母方の遺伝子?

ドイツ・ボン大学の研究チームが「はげの遺伝子」の有力候補の一つを発見し、米専門誌アメリカン・ジャーナル・オブ・ヒューマン・ジェネティクス7月号(電子版)に発表した。はげに直結するとみられる遺伝子が見つかるのは初めてという。男性が母親から受け継ぐX染色体上にあるため、母方の祖父の頭髪で自分の将来を占えるかもしれない。「はげは遺伝する」と経験的には知られているが、どの遺伝子が原因なのかについて詳細は分かっていない。研究チームは、40歳以前にはげ始めた男性のいる家系の血液を分析してみた。その結果、若くしてはげ始めた人は、X染色体にある男性ホルモン(アンドロゲン)の受容体遺伝子に変異が目立つことが分かった。研究チームは「遺伝子変異のため頭皮でアンドロゲンの働きが強まって、髪の毛が抜けやすくなるのではないか」とみている。男性はXとYの二つの染色体を持ち、X染色体は母親から受け継ぐため、母方の祖父がはげていれば、自分もはげる可能性がある。ただ、研究チームは「ほかにもはげの遺伝子があると思われるので、一概には言い切れない」としている(朝日新聞)

*女性の薄毛はホルモン不足?

女性の薄毛は男性と違うメカニズムで起こり、更年期に伴う女性ホルモンの減少が大きな要因の一つになることを日用品メーカー「ライオン」の研究チームが突き止めた。女性ホルモンにより、女性の毛乳頭細胞内で作られる発毛促進物質が増えることを実験で確かめた。15日から東京都で開かれる日本基礎老化学会で発表する。同社のアンケートでは、60歳以上の女性の6割が薄毛に悩んでいた。全体的に毛髪がまばらになるのが特徴という。女性は40歳ごろを境に毛髪が細く、柔らかくなる。また、脱毛を起こしている女性は女性ホルモン濃度が半分以下であることが海外の研究で分かっていた。同社の研究チームは、さまざまな物質に対する毛乳頭細胞の反応性が男性と女性では異なることを発見。女性の毛乳頭細胞に女性ホルモンを加え、発毛を促進するBMPというたんぱく質の量を調べたところ、女性ホルモンにはBMPの生産量を高める効果があることが分かった。男性の脱毛症もBMPを作る遺伝子の働きの低下が原因だが、男性は体内で作られる女性ホルモンが元々少なく、女性の薄毛とは別のメカニズムと考えられるという。同社生物科学センターの大寺基靖所長は「女性ホルモンの減少を防ぐことで、女性の薄毛のかなりの部分は防げる可能性がある」と話している(毎日新聞)

*奈良県条例案、子供に「声かけ」禁止条例??

奈良市の小1女児誘拐殺害事件を受け、子どもへの不審な「声かけ」などを禁じて犯罪防止を目指す条例づくりを進めていた奈良県警は15日、条例案の要旨を発表した。慎重論もある中で、子どもへの言いがかりや児童ポルノの所持を禁止し、最高で罰金30万円の罰則を盛り込んだ。県は20日開会の6月定例県議会に提出し、可決されれば公布の3カ月後に罰則規定を施行する。文部科学、法務両省によると、「声かけ」を規制する都道府県条例は今のところないという。名称は「子どもを犯罪の被害から守る条例」。子どもの犯罪被害防止と安全確保を目的に、刑法や児童買春・児童ポルノ禁止法などには触れないものの犯罪につながりかねない行為を制限する。禁止されるのは、保護監督者が近くにいない13歳未満の子どもに対する(1)惑わしたり、うそをついたりする行為、(2)言いがかり、ひわいな発言、体をつかんだりつきまとったりする行為のほか、(3)13歳未満の子どものポルノ映像や画像の所持、保管。5月に条例案の骨子を公表して意見を募ったところ、13都府県から45件が寄せられた。「声かけ」については、「あいさつや注意との区別がつかない」「冤罪を恐れて、安全のために子どもに声をかける人が少なくなる」という心配があったほか、「すべてのポルノ所持の禁止は表現の自由を侵害しないか」との指摘もあったという。このため、住民らによる登下校時の「声かけ運動」と外見的に区別しにくい(1)については罰則を科さず、(3)の規制対象は実写のみでアニメなどは除いた。(2)と(3)に違反すると30万円以下の罰金または拘留、科料を科す(朝日新聞)

*ドイツW杯、SEX産業もW杯目指して頑張っている 世界中でドイツW杯出場国が決まり始める中、地元では早くもコールガール対策が焦点となっている。ベルリンクーリエ紙によれば、仮設の個室、コンドームの無料配布などが検討されるなど、「愛のワールドカップ」の準備は着々と進行中だ。 同紙によれば、大会期間中ベルリンに集結するコールガールの数は、近隣諸国からを含む4万人と予測されている。コールガール組合組織「ヒドラ」のカタリナ・セティン代表は、「W杯はこれまでにない稼ぎ時。皆今からやる気に燃えているわ」と、開幕を心待ちにしている。問題は、膨れ上がったコールガールたちが商売する場所だが、試合が開催されるドルトムント市、コローニア市などでは、仮設の個室型小屋の建設が計画されている。「仮設小屋」は3年前から売春が合法化されたコローニア市内で実際に使われており、ベルリン選出のキリスト教民主党のランプレット議員は、「とてもいいコンセプトだ。個室があれば、通りで合意したカップルが、ティアガルデン公園(ベルリン市内)の茂みを使う必要もなくなる」と、建設を推進している。また、公衆衛生が専門のマルチナ・シュミドホファー議員(女性)は、「スタジアム周辺で男性に、10万個のコンドームを無料配布したい」と話している(夕刊フジ)
*都新条例で「14歳と愛のないSEX」で初の逮捕者 警視庁は11日までに、18歳未満の少女と知りながらわいせつな行為をしたとして、東京都青少年健全育成条例違反の疑いで、会社員(24)を逮捕した。これまで東京都では、未成年への性行為に対する禁止条例がなかったが、新たに6月1日から禁止条項が加わった改正条例が施行されたのだ。合意があっても愛がないセックスはNG−。そのトホホな摘発第1号になっちゃった。 「本人は知らなかったようだね。だからといってそういう問題でもないんだけどね」(捜査関係者)。逮捕された会社員は、5月30日にJR北千住駅付近で、家出中だった都内の女子中学生(14)に声をかけ知り合った。今月2日に宿泊させていた自宅で、みだらな行為をしたとして逮捕された。これまでの都条例では、少年少女への性行為の禁止は、金銭など対価が生じたり、斡旋(あっせん)した場合のみ。今回のケースのように「合意」のあるセックスに関しては、東京都と長野県だけが禁止する条例がなかった(ZAKZAK)
*性的虐待疑惑のマイケル、灰色無罪

少年に対する性的虐待などの罪に問われていた米歌手、マイケル・ジャクソン被告(46)の裁判で、カリフォルニア州サンタバーバラ郡地裁の陪審は13日、起訴された10件の罪状すべてで無罪とする評決を出した。無罪評決の場合は通常、検察側は控訴できず、無罪が確定する。世界のスーパースターの逮捕から1年7カ月。全面無罪とはいえ、性的スキャンダルがポップス界の王者に残した傷跡は大きい。ジャクソン氏は03年2月から3月ごろ、自宅兼遊戯施設「ネバーランド」で当時13歳だった白血病の少年に無理やり酒を飲ませ、性器を触ったうえ、少年の一家を監禁しようとしたとして10の罪で起訴された。裁判は「被告にいたずらされた」と訴える少年と、「有名人を狙ったでっち上げだ」とする被告との全面対決となった。最後の3カ月はほぼ連日、公判が開かれ、弁護側は「有名人から金を取ろうとして、母親が糸を引いた詐欺だ」と主張、母子の証言に信用性がないことをアピールした。評決後、会見に応じた陪審員の一人は「白黒をはっきりさせる証拠を期待したが、出なかった」と述べ、「疑わしきは被告人の利益に」とする原則に従ったことを示唆した。陪審員たちは少年の母親が証言した時のしぐさに「不快感をおぼえた」などと述べており、弁護側の作戦が効果を発揮した形だ。検察側は公判の最後に、少年が初めて警察に虐待された様子を語った際のビデオを公開し、「ウソではあり得ない」ことを印象づけようとしたが、陪審に有罪の心証を抱かせるのに十分な証拠を提示できなかった。担当したスネッドン検事は「有名人としての要素が今回の裁判で働いた」と述べ、悔しさをにじませた(朝日新聞)

*周りは性感染してるかも、でも私は大丈夫 06.10

性感染症(STD)について、若い女性は関心を持ち、自分の周りの人もかかっているかもしれないと思っているが、自分自身はかかっていないと考えている。そんな傾向が民間団体「STD啓発ワーキンググループ」(堀口雅子代表)が実施したネット調査でわかった。同グループは「そういう意識が性感染症を増やす背景の一つではないか。症状やリスクを理解し、早期検査と治療が重要だ」といっている。
今年3月に首都圏在住の20代の女性300人を対象に実施した。性感染症に82%が関心を示し、クラミジア感染症の名前は93%、淋(りん)菌感染症は74%が知っていた。ただ、かかると子宮外妊娠の可能性がある、エイズウイルスに感染しやすくなるといった問題を知っていた人は少数にとどまった。大部分の人が「気づかないうちにかかっている人は多いと思う」(88%)、「最近若者で増えている」(84%)、「自分の周りの人もかかっているかもしれない身近な病気」(68%)と認識しているが、「私もかかっているかもしれない」は18%だった。検査を受けたことがあるのは17%。受けない人の理由(複数回答)は、「特に不安を感じない」が78%で最も多く、「受診に抵抗を感じる」(29%)が続いた。熊本悦明・札幌医大名誉教授によると、若い女性に最も多い性感染症はクラミジア感染症で、20代前半の女性の15〜20人に1人がかかっているとされる(朝日新聞)

妊娠中のダイエットで子供が肥満に?

妊娠中の母親が栄養不足であれば、子どもが肥満になりやすい傾向があることを、京都大医学研究科の藤井信吾教授(産婦人科)らのグループがマウス実験で確かめ、8日付の米科学誌「セル・メタボリズム」に発表した。欧米では2500グラム未満の低体重児が成人後に肥満になる確率が高いという調査報告もあり、藤井教授らは人間の場合との関連を調べ、妊娠中の環境改善に役立てたいとしている。実験では、えさの量を通常の7割に制限した母親から生まれた低体重マウスに、通常の5倍の脂肪分を含むえさを与えた。えさを制限しない母親から生まれたマウスに同じ高脂肪のえさを同量与えた場合と比べると、8週間後には低体重マウスの体脂肪が30%多くなった。低体重マウスは、体重を適正に保つホルモン「レプチン」への感受性が弱まり、エネルギーを消費しにくい状況になっていた。グループの由良茂夫助手によると、日本の出生児に占める低体重児の割合は80年には5.2%だったが、03年には9.2%に増えている。由良さんは「背景には『やせ願望』や食事制限などが考えられるのではないか。人間についても研究を進め、妊娠中の最善の環境を明らかにしたい」と話している(朝日新聞)

*謎だった排卵メカニズム解明か

メスが排卵するとき卵巣で働く酵素を高橋孝行・北海道大教授らがメダカで突き止め、米科学アカデミー紀要(電子版)に論文を出すと発表した。ヒトなど哺乳(ほにゅう)類でも同様の酵素が働いているとみられ、なぞの多い排卵の仕組みを解明する手がかりになりそうだという。メダカは照明時間など飼育環境を調節すると、毎日決まった時間に卵を産む。高橋さんたちは、排卵直前のメダカの卵巣を取り出し、どんな酵素が働いているか調べた。排卵するときは、卵巣の表面の膜が溶けて中から卵が出てくる。卵を包む丈夫な膜や卵巣の表面に作用するのは、3種類のたんぱく分解酵素だとわかった。卵が未成熟のうちは、これらの酵素の働きを抑えるたんぱく質を卵自身が作り、排卵が起きないようにしていた。自然科学研究機構基礎生物学研究所の長浜嘉孝教授(生殖生物学)は「類似の分解酵素はマウスやヒトでも見つかっており、哺乳類も同様の仕組みで排卵が起きている可能性が高い」と話している(朝日新聞)

*卵巣移植で自然妊娠

米国で不妊治療として一卵性双生児の姉妹間で卵巣移植を受けた25歳の女性が自然に妊娠、今月健康な女児を出産したことが分かった。ミズーリ州の病院が7日発行の米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(電子版)で速報した。AP通信などによると、別人間の卵巣移植による出産は世界で初めてとみられる。今回は同じ遺伝子を持つ一卵性双生児間の移植という特殊ケースで、新しい不妊治療にすぐつながるわけではない。移植を受けた女性の卵巣は14歳で正常に働かなくなった。双子のもう1人の卵巣は正常で、3人を出産していた。昨年4月に双子間で卵巣の一部を移植したところ排卵が始まり、約5カ月後に妊娠が確認された。女性はアラバマ州の病院で6日夜に出産したという。卵巣移植による出産例では、自分の卵巣をがん治療前に凍結保存していたベルギーの女性が、治療後に移植し、昨年9月に女児を出産したケースが報告されている(朝日新聞)

*米国で「進化論」論争、生命を誕生させたのは神?

「生命の誕生や進化の背景には知的な計画があった」という「Intelligent Design(知的計画=ID)」説を学校で教えようという主張が、米国で頭をもたげている。米国では、旧約聖書の創世記に基づき、天地と人類は神がつくったとするキリスト教右派が勢力を保つ。そうした宗教右派の「進化論を学校で教えるな」という主張とは表向き一線を画しているのがID推進派の特徴だ。米東部ペンシルベニア州ドーバーで5月17日、日本の教育委員会にあたる学校区の公選委員の予備選挙があり、争点はIDの扱いをどうするかになった。なぜ生命は誕生したのか、生物がいかにしていまの形を得たかは、進化論だけでは説明しきれず、そこに知的な計画が働いているというのがIDの主張だ。「神がつくった」とは言わない。米国では州や学校区に教育内容を決める権限がゆだねられ、委員の構成で教育内容が左右される。ドーバーの学校区は昨年、高校の科学でIDに触れられるようになった。今のところ全米唯一とされる。予備選では7人の委員の枠に18人が名乗りを上げた。ID推進派7人と、反対派7人が残り、11月の本選挙に決着は持ち越された。カンザス州教育委員会でも5月、科学教育のカリキュラム見直し提案が議論された。IDを科学の授業で教えるべきだと主張する同州に全米本部を置く非営利組織「IDネットワーク」が提案した。同州では99年に進化論がカリキュラムから外れ、委員の構成が変わった01年に復活するなど、進化論教育は政治的綱引きの標的となってきた。IDネットのジョン・カルバート共同代表は「進化は事実だとしても、推し進める何らかの仕組みがあるはず。それがIDだ。特に地球誕生や生命誕生は、進化論では説明できず、現在の自然界を見ても、知的な計画の存在を多くの科学者が認めている」と言う。進化論を教えるな、とは主張しない。これに対し、進化論教育の維持を訴える非営利組織「全米科学教育センター」のユージニー・スコット代表は「憲法の政教分離原則によって公立学校で天地創造説を教えられないため、宗教色を薄めたIDを持ち出しただけ。科学で説明できない『穴』があると、それを『神』で説明しようとする、天地創造説を唱える人たちの手段だ」と話す。CBSテレビが昨年11月に行った世論調査によると、米国人の55%は、神が人間をつくったと信じ、27%は進化の過程に神が関与したとし、全く神がかかわっていないとする人は13%にとどまった(朝日新聞)

*人を信用させてしまうホルモン特定? 06.02 鼻に噴霧すると、人に対して抱く信頼感を強める働きがある物質を特定したと、スイス・チューリヒ大のエルンスト・フェール教授らのチームが2日付の英科学誌ネイチャーに発表した。この物質は、人体でつくられるホルモンの一種「オキシトシン」。他人に対して健全な信頼感を持てない、ある種の障害の解明や治療法の開発に役立つと期待される一方、人の精神や行動を操作できる可能性もあるため、悪用を懸念する声も出そうだ。オキシトシンは脳の視床下部などでつくられ、母乳を分泌させたり、出産時に子宮を収縮させたりする働きがある(共同通信)
*合計特殊出生率、1.29に

結婚は30歳前後、子どもは30代で――。厚生労働省が1日発表した04年の人口動態統計で、こんな晩婚化・晩産化の傾向がさらに進んでいることがわかった。生まれた子どもの数は111万835人と前年より1万2775人少なく4年連続の減。1899年に統計を取り始めて以来の最少を更新した。少子化に歯止めがかからない実態が浮かび上がった。日本人女性1人が産む子どもの数の平均を示す合計特殊出生率については、「1.29」と正式に発表した。細かくは1.2888だったが、小数点以下第3位は四捨五入して表すのが国際的慣行といい、同省は「横ばいだが、下げ止まったともいえない」(統計情報部)としている。世代別では、20代で下がり続ける一方、30〜34歳が4年ぶりに上向くなど30歳以上で上昇。20代の未婚化と30代以降の晩婚・晩産化で全体としてほぼ横ばいとなった。都道府県別に見ると、最高は沖縄で1.72、最低は東京の1.01。東京、千葉、愛知、富山、香川、長崎、宮崎の7都県では上昇した。母親の年齢別の出生数は、30〜34歳が最も多く約41万6千人。35〜39歳(約15万人)が、20〜24歳(約13万7千人)を初めて上回った。第1子出産時の平均年齢は28.9歳まで上がった。結婚件数は72万429組と前年より1万9762組少なく、3年連続減。人口千人あたりの婚姻数(婚姻率)は5.7で過去最低となった。平均初婚年齢は夫29.6歳、妻27.8歳と前年より0.2歳ずつ遅くなった。一方、死亡数は前年より1万3757人増えて102万8708人。2年連続で100万人を超え、戦後では47年に次ぐ多さ。出生数から死亡数を引いた自然増加数は約8万2千人で初めて10万人を切った。死因では、がんの32万315人(31.1%)が81年以降連続の1位で、死亡者数は過去最高となった。死因6位の自殺は3万227人。過去最多だった前年の3万2109人より減ったが、2年連続で3万人超の高水準だった。人数では50代が7289人と最も多いが、20〜39歳では死因の1位。特に20〜24歳では前年より103人増の1312人。同省は「インターネットで仲間を募るネット自殺の影響もあるのでは」(同部)と見ている(朝日新聞)

*高裁、近親婚女性への年金支払いにノー 農家を続けるなどの事情で叔父と同居、長年内縁関係にあった茨城県の女性(65)が、叔父の死後に遺族厚生年金を支給しなかった社会保険庁の処分を取り消すよう求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は31日、請求を認めた1審東京地裁判決を取り消し、女性側の敗訴を言い渡した。女性側は上告の方針。判決理由で横山匡輝裁判長は「民法が禁止する三親等内の近親婚は法秩序を害する」とした上で、女性と叔父との関係について「遺族厚生年金制度が定めた公的保護にふさわしい内縁関係とはいえない」と指摘し、不支給処分を妥当とした。昨年6月の1審判決は女性や親族の特殊事情を考慮し「事実上、法的夫婦と変わらない」と判断し、年金を支給するべきだとしていた(共同通信)
*バイアグラ服用で視覚障害 米食品医薬品局(FDA)スポークスマンは27日、米医薬品大手ファイザーのバイアグラなど性的不能治療薬を服用した男性が視覚障害を起こしたとの報告を合計43件受けたことを明らかにした。FDAによると、性的不能治療薬と視覚障害の因果関係は不明で、現在医師などからの報告の内容を検討している(朝日新聞)
*勃起薬レビトラ、容量倍増も発売 独系製薬大手バイエルの日本法人、バイエル薬品(大阪市、栄木憲和社長)は26日、勃起(ぼっき)不全(ED)治療剤「レビトラ錠20ミリグラム」の輸入承認を申請したと発表した。昨年4月に承認を得て発売済みの5ミリグラムと10ミリグラムでは十分な効果が得られない症例があるため、容量の大きい20ミリグラムを追加申請した。 昨年、国内で約800人に対して20ミリグラムの臨床試験(治験)を実施し、難治性のEDに対しても有効性と安全性が確認された。5ミリグラムと10ミリグラムは幅広いED患者で有効だが、糖尿病やせき髄損傷を患っている場合、限定的な効果にとどまるケースがあった。1回の投与で5ミリグラムと10ミリグラムを併用することはできない(日経産業)
*スーフリ和田被告、二審も14年 サークル「スーパーフリー」メンバーらによる集団婦女暴行事件で、準強姦(ごうかん)罪に問われた元代表で元早大生和田真一郎被告(30)に対する控訴審判決公判が2日、東京高裁で開かれ、仙波厚裁判長は「犯行はスーパーフリーの本質が現れたもので、和田被告の責任は格段に重い」として、懲役14年とした一審判決を支持し、同被告側の控訴を棄却した。同裁判長は「集団による極めて手慣れた犯行で、冷酷非道、悪質極まりない」と非難した(時事通信)
*王子さま監禁事件、別の女性でも立件

兵庫県の少女を3カ月以上にわたって監禁し、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負わせたとして監禁致傷罪で起訴された小林泰剛(やすよし)容疑者(24)が、4カ月にわたって別の女性を監禁していた疑いが強まり、警視庁は2日、小林容疑者を監禁の疑いで再逮捕した。容疑を否認しているという。この女性にもPTSDの症状がみられることから、同庁は監禁致傷罪での立件も視野に入れて調べている。捜査1課の調べでは、小林容疑者は東京都内の「コスプレ」会場で知り合った都内の無職女性(23)に「一緒に写した写真を見においで」などと持ちかけ、昨年8月23日から同12月16日まで、足立区のマンションやその後移り住んだ世田谷区のマンションで監禁した疑い。首輪で室内につないだり、一晩中ベランダに放置したり、「逃げたら殺す」などと脅したりしていたという。一時期、この女性とは別の女性も同時に監禁されていた疑いもあるという。小林容疑者は監禁目的を隠すため、同9月上旬、女性との婚姻届を提出していたほか、女性の実家に「捜索願を出さないで」と連絡を入れさせていた。女性は小林容疑者が寝ている間に逃げ出し、近くの商店に助けを求めたという(朝日新聞)

*第三者精子人工授精男性、実名公表

第三者からの精子提供による人工授精(AID)で生まれた男性(31)が26日、日本で初めて実名を公表し、横浜市で開かれた日本遺伝カウンセリング学会で発表した。国内にAIDで生まれた子どもは1万人以上いるが、ほとんどの親が告知しないため、偶然事実を知り、悩む例も少なくない。告知やケアの必要性をより説得力を持って訴えるために、実名公表に踏み切ったという。男性は現在、医師として関東地方の病院で働いている。2年前に偶然、AIDにより生まれたことを知った。だが、両親に事実関係を聞いても話題を避けられ、1人で悩んでいたという。新聞報道で自分と同じ境遇の子どもがいることを知ったのをきっかけに昨秋、子どもの会を立ち上げた。この日、実名の発表は両親に告げていないため、会場内だけの公表とした。男性は「親はきちんと子どもに説明して欲しいし、医療者側も相談態勢を整えて欲しい」と訴えた(朝日新聞)

*自民党、「盗撮防止法案」議員立法提出方針

自民党は、わいせつ目的の盗撮や盗撮ビデオなどの販売を禁じる「盗撮防止法案」(仮称)を議員立法で提出する方針を固めた。今国会中の提出を目指す。盗撮を取り締まる法令は現在、都道府県別の迷惑防止条例や軽犯罪法などまちまちなため、摘発の法的根拠を統一するとともに罰則の強化を図ることにした。自民党の「盗撮防止法ワーキングチーム」(事務局長・世耕弘成参院議員)で法案の内容を詰め、今月上旬に骨格を決定する予定だ。これまでの協議で、法案には「性の尊厳を守る」などの文言を盛り込むとともに、(1)盗撮行為について刑罰を設ける(2)盗撮ビデオ、写真などを違法と知って販売した場合も刑罰を設ける(3)ホテルや浴場など公共施設の管理責任者に対し、盗撮行為を防止するよう努力規定を設ける−−などの方向性が固まった。警察庁によると、盗撮行為での検挙数は建造物侵入として処理した例を除けば、昨年1年間で計1892件に上った。しかし、盗撮を摘発できる条例を持っているのは全国で8都府県だけ。罰則もバラバラで、罰金で済ましている自治体もあるという(毎日新聞)

*ラブホ建設問題で、「条例に上乗せ規則は許される」と名古屋地裁

愛知県東郷町内に「ラブホテル」を建設中の業者が、条例に基づいて工事の中止命令を出した町を相手取り、「条例の規制は法律を超えており、違法だ」として、命令の無効確認を求めた訴訟の判決が26日、名古屋地裁であった。加藤幸雄裁判長は「地域の実情に応じ、条例による上乗せ規制は許される」との判断を示し、業者側の請求を棄却した。風俗営業適正化法(風営法)などをクリアした施設を、さらに条例によって厳しく規制できるかどうかが争われたが、同様の条例を根拠に風俗関連施設の進出を規制している自治体は多く、影響は大きい。原告は、同県一宮市のホテル経営会社で、町の命令に従わず建設を続行しており、ホテルは27日オープン予定。同社は「担当者がいないので分からない」としているが、町側は「原状回復、営業停止などを検討したい」と話している。問題になったのは、94年12月施行の「東郷町ホテル等建築の適正化に関する条例」で、町長の同意を義務づけている。ホテル建設予定地は、学校から200メートルの範囲内に風俗施設の建設を禁じた風営法や、建築基準法に抵触しておらず、この条例が、同法や財産権、職業選択の自由を保障した憲法に違反しているかが、争点だった。判決で加藤裁判長は「風営法は、条例による上乗せ横出し規制を一切許さない趣旨ではない」との認識を示した上で、「地域の実情に応じて規制し、良好な生活環境の維持、発展を図ることは自治体本来の責務と考えられる」と述べた。判決によると、同社は03年8月、同町春木の宅地に6階建て(約28メートル)ホテルを建設すると町や県に申請。500メートルほどの範囲内に小中学校、高校があり、住宅が近接していたため、町民約60人が、建築禁止の仮処分を名古屋地裁に申し立てた。しかし04年5月、却下され、同社は翌月、着工した。町は条例に基づき、「町長の同意を得ていない」として、工事の中止を命じた(朝日新聞)

*患者のクローン胚からES細胞、人クローンに一歩前進? 05.05.25

自分の病気やけがを、自分の細胞を使って治す時代が来るか――。韓国ソウル大などのチームは、将来の再生医療の対象と考えられる患者9人の体細胞を使ってクローン胚を作り、それを基にあらゆる組織の細胞になりうる胚性幹細胞(ES細胞)を11株作ることに成功した。米科学誌サイエンス(電子版)で20日速報する。拒絶反応のない臓器・組織づくりに大きく近づく成果だが、人クローン胚の研究は倫理面から国際的に賛否が割れている。女性18人から提供を受けた185個の卵子から核を取り除き、代わりに脊髄損傷や若年性糖尿病などの患者男女11人(2〜56歳)の皮膚細胞から採った核を移植してクローン胚を作製。うち31個は子宮に着床できる段階(胚盤胞)まで育ち、そこから男女9人の11株のES細胞ができた。研究は韓国の生命倫理法にのっとって実施され、臨床応用への研究加速を印象づけるものだ。再生医療では、心筋梗塞後の心臓に心筋細胞を注入したり、事故や病気で損なわれた神経に神経細胞を補充したり、といった治療が考えられている。患者本人のクローン胚から作ったES細胞を使えば、拒絶反応の心配がない組織や臓器ができると期待される。今回の11株も免疫学的な型が患者と一致することが確かめられたという。同チームは昨年2月、人クローン胚からのES細胞作製を世界で初めて報告した。ただ、この時は同じ一人の女性が卵子と核の双方を提供し、しかも242個の卵子からES細胞1株ができただけだった。だが、今回は、将来の臨床応用をにらみ、実際に患者の核を使ったうえ、約17個の卵子からES細胞1株ができたことになり、作製成功率が10倍以上になった。将来の卵子の入手経路の一つと考えられている不妊治療では、1回10個程度の卵子を採取することが多い。今回の成功率なら平均して延べ2人程度の女性の協力があればES細胞が得られることになり、一気に現実味が増した。成功率は、若い女性の卵子を使ったことなどで上がったらしい。人のES細胞から特定の細胞や組織をつくる研究は着々と進み、これまでに心筋や血管、血液などが報告されている。ただ、ES細胞にはがん化などの懸念があり、クローン技術の安全性も確立したとは言えない。治療に使うまでには、まだハードルがある。今回の研究チームは今後、受精卵から作ったES細胞と比べるなどして、今回作った細胞の安全性を調べたいとしている。
〈キーワード・ES細胞〉 神経や心筋など、体のあらゆる組織や臓器に育つ可能性があり、「万能細胞」とも呼ばれる。一般には精子と卵子の合体した受精卵を特殊な条件で培養してつくり、人では98年に米国で最初に作製に成功した。クローン胚からの作製は昨年、今回のソウル大チームが最初に成功させた。

〈キーワード・クローン胚〉 卵子から遺伝情報を含む核を抜き、皮膚などの細胞核を注入して特殊な刺激を加えると、細胞核の持ち主と遺伝情報が同じクローン胚ができる。クローン羊「ドリー」はクローン胚を仮親の子宮に移植して生まれた(朝日新聞)

*兄姉の難病治療目的で受精卵診断で弟出産

重い血液の病気にかかった自分の子どもに、適合する骨髄などを提供するため、2人の母親が今年1月、弟や妹にあたる子どもをブリュッセルの病院で出産した。ブリュッセル自由大学が19日発表した。受精卵診断によって、移植可能な白血球の型(HLA)を持つ受精卵を選んで母体に戻した。こうした治療は米国で例があるが、欧州では初めて。移植以外に治療法がない患者を救う手段だが、倫理上の疑問も指摘されている。同大によると、生まれた子どもは現在、ベルギーとスイスにいる。2人の兄や姉には、今回生まれた新生児のへその緒から採取した血液(臍帯血〈さいたいけつ〉)の幹細胞を移植する。経過を見て、新生児からの骨髄移植も検討するという。臍帯血や骨髄の移植では、患者と提供者のHLAがある程度一致することが必要だ。非血縁者ではなかなか一致しないため、体外受精で得られた受精卵からHLAが一致するものを選んで母体に戻した。この方法で、これまで4人が妊娠し、2人が出産、1人は妊娠中。1人は流産した。このほか14組のカップルの治療に着手し、61組が順番待ちをしているという。ベルギーでは、この治療に法的な問題はない。だが、地元には「新生児を治療のための道具とすることにつながる」と疑問視する声もある。これに対し、担当のドゥブルイ教授は「倫理問題を含め、1年間検討した。新生児の兄姉には他に治療法がなく、命を救うことを最優先した。新生児が成長した時、早めに本人にきちんと説明してほしい」と話している。同じような治療は、00年ごろから米シカゴの研究所が実施している。日本では行われていない。

◇「生命を選別」、日本では批判 
日本では、こうした治療は行われていない。受精卵診断についても「生命の選別につながる」などの批判があり、日本産科婦人科学会は、子どもが重い遺伝病になる可能性がある場合に限ってしか認めていない。慶応大学が申請したデュシェンヌ型筋ジストロフィーを対象にした診断が昨年7月、初めて承認された。だが、同学会が認めていない流産防止目的や男女の産み分けのため、神戸市の産婦人科医が02年末以降受精卵診断を実施しており、学会から除名処分を受けている。
〈米本昌平・科学技術文明研究所長の話〉 米国ではシカゴのグループなどで実施例がある。今回のブリュッセル自由大学はシカゴグループと提携しており、欧州における技術供給拠点とするのだろう。多くの欧州諸国では現在、遺伝病を回避するための受精卵診断を限定的に認め、それ以外の目的での実施は議論が進められているところだ。ただ、年上の子どもへの提供者とするためだけに実施するのは、ユネスコの委員会でも倫理的に勧められないとしている(朝日新聞)

*セックスレス定義、1ヶ月は短すぎ 既婚者の32%がセックスレス傾向――厚生労働省などが先日発表した調査データは、静かな話題になったようだ。私の職場でも、そう。実はデータ以上に語られたのが「1カ月以上」のごぶさたで「レス」とする定義だった。読者の皆さんが思う「定義」を、MSN毎日インタラクティブを通じて探った。「お産など特別な事情のない生活で、1カ月以上、性的交わりがない」。日本性科学会はおおよそこのように定義する。
 「セックスレス」の概念は新しく、91年に学会の現副理事長、阿部輝夫・あべメンタルクリニック院長が提起した。当時、順天堂大付属順天堂浦安病院の医師だった阿部氏は、80年代後半から「結婚しているのに性から遠ざかっているカップル」が増えているのに気付き、同学会で発表した。実はこの時も「1カ月は短いのでは」という意見があった。しかし翌年、定義を「3カ月」に延ばして再調査しても、症例数に変化がなかったため、今の定義になった。学会の野末源一理事長は「セックスレスの関係修復や治療には早い方がよいため、目安として学会で決めた」と説明する。原因を考えるには、身体的・医学的見地だけでなく、互いの関係や職場での人間関係など、心理的な背景などを調べる必要があるためだ。
さて、読者の意見は?
調査は4月27日から、MSN毎日インタラクティブの「暮らし」のページに「セックスレスといえるのは?」という質問を掲載。1カ月▽2カ月▽半年▽1年▽4年▽12年――の六つから選んでもらった。選択肢をクリックするだけなので、回答者の性別、年齢などは分からない。回答総数は13日現在、8766件。その結果、最も多かったのは「半年」の2841件で、全体の32%を占めた。以下「1カ月」2142件(25%)▽「1年」1854件(21%)▽「2カ月」1108件(13%)▽「4年」435件(5%)▽「12年」386件(4%)の順。厚労省調査に携わった日本家族計画協会クリニック所長の北村邦夫医師は、これについて「半年という長めの選択肢がトップとは驚きだ。1年間も2割ある。あまりにセックスに淡泊で、消極的という印象だ」と話す。一方、性科学会の野末理事長は「セックスレスかどうかはもう少し長くみた方がよいかもしれず、常識的な選択かもしれない」と話した。昨年発表されたインターネットによる国際比較調査(41カ国・35万人対象)で、年間の平均回数は103回。国別ではフランスの137回が最も多く、日本は46回で最下位だった。北村医師は「夫婦の大切なコミュニケーションの一つという役割が、日本ではどう受け止められているのか、論議を深める必要があると思う」と話している(毎日新聞)
*HIV感染者の治療3割が断る、歯科医師

全国の歯科医の3割がエイズウイルス(HIV)感染者の診療を「原則として断る」と考えていることが、厚生労働省の研究班(主任研究者=五島真理為・HIVと人権・情報センター理事長)の調べで分かった。これを受けて厚労省は、適切な感染防止策を講じれば問題ないとして全国の歯科医に対し、診療を拒否しないよう求める通知を都道府県を通じて出した。調査は、04年末までに全国500の開業医や勤務医を対象に実施(回収率88%)。患者がHIV感染者であることが判明した場合、診療を「受け入れる」は33%だったのに対し、拒否が28%にのぼった。残りは「他院を紹介する」だった。診察拒否の理由は「消毒・滅菌が困難」が4割を超えて最多だった。研究班は「HIVの感染力は極めて弱く、はるかに感染力が高い肝炎対策がとられていれば問題ない」と指摘している。一方、研究班が今年1月に感染者と患者30人に行った面接調査では、「診療拒否が心配」などの理由から、半数を超す16人が感染を告げずに歯科診療を受けると答えた。告知すると答えたのは5人だけだった。研究班は「診療拒否は、感染予防として無意味なだけでなく、あらゆる感染症への対策がおろそかになり、むしろ危険だ」として、歯科医の意識を変えるような研修が必要だと訴えている(朝日新聞)

*生まれ変わっても、また女性7割

「生まれ変わっても、また女性に」という女性の割合は、日本では約7割で最も高い――。「人生をやり直せるとしたら、男と女のどちらに生まれていた方がよかったか」との質問を、日本、中国、韓国、台湾、香港の男女にしたところ、そんな結果が出た。総合地球環境学研究所(京都市)の鄭躍軍(ジェン・ユエジュン)助教授(社会調査)が7月にスウェーデンである国際学会で発表する。統計数理研究所(東京)とともに02年から03年にかけて、5カ国・地域で実施した価値観の比較調査(回答数7629人)で尋ねた。女性で「女に」が「男に」を上回ったのは日本、香港、韓国で、その割合は日本が最も高かった。中国、台湾は「女に」と「男に」がほぼ同じ。男性では「男に」がいずれも多数を占めた。日本、香港、韓国は約9割と高く、中国と台湾は3分の2前後だった。統計数理研究所が53年から5年ごとに実施している日本人の国民性調査によると、「女に」という女性は63年までは少数派だったが68年に逆転。以後は年々増えている。鄭さんは「儒教思想の影響もあって男性優位の傾向が強い東アジアのなかで、日本がいち早く近代化したことの反映ではないか」と説明する。

《永瀬伸子・お茶の水女子大助教授(労働経済学)の話》
日本では、男性に比べて稼ぎが少なく家庭中心の生活でも、生活水準の向上などでそれなりの自由と豊かさが保障されると感じる女性が増えたことを示しているのではないか(朝日新聞)

*流産防止で着床前診断、大谷医師27組に実施 05.15 受精卵の段階で病気の有無などを判定する着床前診断が、神戸市の大谷産婦人科(大谷徹郎院長)で27組の夫婦に行われ、妊娠した11人が年内に出産の予定であることが12日、明らかになった。いずれも習慣性流産など妊娠の継続が難しい患者で、国内では先天性疾患の患者に対する着床前診断で出産した例はあるが、流産予防の目的では初めて。大谷院長は13日から東京都内で開かれる日本法社会学会で発表する。着床前診断を巡っては、日本産科婦人科学会は「生命の選別につながる可能性がある」として厳しく規制しており、大谷院長は昨年4月、学会の指針に違反して実施したとして除名処分を受けているが、“出産ラッシュ”を迎えることで是非を巡る論議に拍車がかかりそうだ。大谷院長によると、昨年9月から今年3月にかけ、20歳代から40歳代の27組の夫婦に対し、延べ33回にわたり着床前診断を実施した。染色体異常などのため受精卵が着床しなかったり妊娠継続が難しかったりする習慣性流産などの患者で、中には過去に6回の流産を繰り返した女性もいた。遺伝子検査により、妊娠継続の可能性が高いと判断された受精卵を子宮に戻したところ、12人が妊娠した。その後、1人が流産したものの、11人は妊娠を継続している。着床前診断について、日本産科婦人科学会は、重い遺伝病がある場合に限り、個別審査を行ったうえで認めると規定。昨年、慶応大から申請された、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの子供が生まれる可能性のある夫婦に対する診断の実施を認めた。しかし、過去に別の産婦人科医から出された習慣性流産に対する診断の申請は却下している。大谷院長は「流産を繰り返すことは患者の心身に大きな負担になり、着床前診断を実施した。医学だけでなく法的、社会的観点からも議論する必要があると考え、学会発表することにした」と話している。大谷院長は昨年、先天性疾患の患者に着床前診断を行い、出産に至ったことを明らかにしている(読売新聞)
*着床前診断規制論議

受精卵の段階で病気の有無などを調べる着床前診断が、神戸市の大谷産婦人科(大谷徹郎院長)で行われ、流産を繰り返す習慣流産などの患者11人が妊娠、年内に出産する。大谷院長は14日、東京都内で開かれた日本法社会学会でこれを報告、「患者の救済か、生命の選別か」を巡り論戦がかわされた。規制の課題などを探った。(医療情報部・田中秀一、坂上博)

  「着床前診断は世界の国の大半で行われているのに、日本では学会が実質的に禁止している」「学会の姿勢は、診断を必要とする患者をかえりみない『事なかれ主義』ではないか」この日の法社会学会で、大谷院長が着床前診断の実施を報告した後、法律、社会学者から、日本産科婦人科学会の規制のあり方を疑問視する声が相次いだ。同学会は1998年、着床前診断について「重い遺伝性疾患に限り、個別に審査して承認する」との指針(会告)を定めた。これまでに承認されたのは、慶応大から申請されたデュシェンヌ型筋ジストロフィーの1件に過ぎない。大谷院長は会告に違反して実施し、除名された。同学会が着床前診断を厳しく制限しているのは、障害者団体から「生命の選別につながる」「障害者差別が助長される」と強い批判が寄せられ、配慮した結果だ。この日の法社会学会でも、これが論点となった。

 児玉正幸・鹿屋体育大教授(哲学)は「障害者への福祉の充実は必要だが、受精卵を選別しても、障害者の存在を否定することにはならない。受精卵は法で保護される『生命』に当たらず、生命の選別とも言えない」と述べた。これに対し、「受精卵は『生命の萌芽(ほうが)』とみなされており、生命の選別につながる可能性はある」との反論が起きた。国内では、妊娠中に胎児に超音波検査や羊水検査を行う「出生前診断」が広く行われ、水面下で人工妊娠中絶される場合が少なくない。「中絶に至る出生前診断より、受精卵を調べる着床前診断を厳しく規制し、胎児より受精卵を手厚く保護するのはおかしい」(町野朔・上智大教授)という批判は根強い。今後の課題について石井美智子・明治大法学部教授は「どの病気に着床前診断を行うか市民を含めて議論すべきだ。この方法で生まれた子の追跡調査がなく、安全な技術とも言い切れない。胚(はい)(受精卵)の法的な位置づけも明確にする必要がある」と指摘している。着床前診断は、多くの先進国で行われている。米本昌平・科学技術文明研究所長によると、英、仏、スウェーデン、韓国などでは重い遺伝病に限って認めている。いずれも生命倫理・生殖医療に関する法律や指針に基づいており、フランスでは違反者に拘禁などの罰則規定もある。

米国では連邦法による規制はなく、事実上、自由に実施されている。オーストラリアでは州によって容認、禁止が分かれる。これまでに世界で4000件以上の着床前診断が行われ、700人以上の赤ちゃんが生まれた。習慣流産を防ぐ目的が約3分の2を占める。一方、ドイツ、オーストリア、スイス、イタリアでは事実上、禁止されている。ユダヤ人を虐殺したナチスの優生思想への反省や、宗教上の理由などからだ。国内では日本産科婦人科学会が昨年、厚生労働省に着床前診断の指針作成を要望したが、議論は進んでいない。

習慣流産のため大谷院長に着床前診断を受けて妊娠し、この夏に出産する30歳代の女性は、読売新聞の取材に次のように語った。結婚2年目に妊娠したが、2か月で流産。その後、不妊クリニックに通い、子宝が授かるというお寺、神社も巡った。3年たって再び妊娠し、「今度こそ」と思ったのもつかの間、また流産。涙が止まらなかった。結局4年間で計3回妊娠し、いずれも流産した。医師にはそのたびに「次に頑張りましょう」と言われたが、「このまま年を重ねるだけでは」と焦る気持ちでいっぱいだった。専門施設で検査を受け、「染色体の異常が原因で、出産の確率は非常に低い。米国では着床前診断という方法があるが、日本では認められていない」と言われた。昨年、大谷院長がこの診断を行っていると聞き、すぐに受診した。体外受精をして診断を受け、1回で妊娠した。それでも最初は安心はできなかったが、今は親になる実感がある。検査で障害児が生まれないようにするなら「命の選別」かもしれないが、産むために受ける検査が、なぜ「選別」と言われるのか分からない。私たちには必要だ(読売新聞)

*胎児の遺伝病相談ネットワーク

超音波による診断などで、出生前に赤ちゃんに障害が見つかった場合に対応するため、日本産科婦人科学会は、遺伝カウンセリングの専門資格を持つ産婦人科医のネットワークを構築する。学会では「遺伝病などの正しい情報を提供して、妊婦と家族の過剰な不安をあおらないようにする必要がある」としており、求めに応じて主治医が専門医を紹介できる体制を作る。近年、超音波で胎児の様子を見る方法などの技術が発達し、出生前に様々な情報を得られるようになった。一方で、産婦人科の現場では、赤ちゃんが障害を持つ可能性や遺伝病の情報などが、妊婦や家族に詳しく伝えられているとはいえない現状。理解不足のまま中絶を選択する可能性もあり、遺伝カウンセラーの充実が急務となっていた。日本人類遺伝学会と日本遺伝カウンセリング学会は2002年から、研修を受け試験に合格した医師を臨床遺伝専門医と認定している。だが、どの施設で質の高いカウンセリングが受けられるのか、主治医である産婦人科医にもわからなかった。国立成育医療センターの左合治彦・胎児診療科医長らは、全国の産婦人科専門医で臨床遺伝専門医の資格を持つ101人にアンケート。57施設の74人が遺伝カウンセリングを行う準備が整っていると回答した。これを受け、日本産科婦人科学会の検討小委員会は近く、産科診療における遺伝カウンセリングを行っている施設と担当医の一覧を同学会の会員専用ホームページなどに掲載する(読売新聞)

*人体の左右決定物質発見

私たちの体は、なぜ心臓が左側で、肝臓が右側なのか――。東京大の廣川信隆教授と田中庸介助手らのグループが、体の左右の決定に重要な役割を果たす物質が分泌されているのをマウスの実験で突き止め、大きななぞ解きに一歩近づいた。12日付の英科学誌ネイチャーで報告される。体の左右の決定には、胎児の腹側にできる小さなくぼみの表面で、繊毛が羊水を左向きに流すことが関係するとわかっている。この時、細胞内の情報伝達にかかわるカルシウムの濃度が、体の左側で上がって複数の遺伝子が働き、心臓など個々の臓器の配列が決まる。グループは妊娠前期のマウス胎児(7.5日)を使い、ソニック・ヘッジホッグというたんぱく質とビタミンの仲間であるレチノイン酸を、膜で包んだ袋状の物質が、くぼみ表面の細胞から分泌されることを見つけた。これが水流で左に運ばれ、左側の細胞表面近くで包みが破れ、中のたんぱく質などが放出されて細胞にくっつき、それを合図にカルシウム濃度が上昇するらしい。廣川教授は「これで体の左右を決める初期の段階が、ほぼ解明できた。後は個々の臓器がどうできていくか、各論を詰めていけば全容がわかってくるだろう」と話す(朝日新聞)

*教員免許失効、2年で250人超 全国の公立小中高校などで、わいせつ・セクハラ行為で教員免許を失効した教員が、教育職員免許法の改正(03年1月)後から今年3月までの2年3カ月で、250人を超えたことが毎日新聞の都道府県・政令市教委へのアンケートで分かった。同法は01年3月に改正され、懲戒免職者は自動的に免許が失効するようになった。また文部科学省は児童・生徒へのわいせつ行為をした教職員は原則、懲戒免職とするよう通知しているが、3分の1の教委は「ケース・バイ・ケースで判断すべきだ」としていることが明らかになった。
調査は47都道府県と13政令市(05年4月に政令市となった静岡市は都道府県分に含めた)が対象。わいせつ事案の免許失効者は「把握していない」という大阪市を除く59教委で計255人に上った。文科省は01年7月に神戸市で起きた中学教諭による女子中学生監禁致死事件を受け、各教委に児童・生徒へのわいせつ行為をした教職員は原則として懲戒免職とするよう通知。だが、今年4月現在、原則を明文化したのは22道県市、実質的に原則としているのが14府県市。23都府県市は原則化していない。宮崎県は「原則かどうかも公表できない」と答えた。04年度1年間に、わいせつ行為で懲戒処分(免職、停職など)とされた教職員数は「非公表」とした宮崎県と横浜市を除く58教委で計134人。前年の155人(文科省統計)より少ない。一方、警察に逮捕・送検されたのは「非公表」とした栃木県、大阪市を除く58教委で、02年度49人▽03年度54人▽04年度55人――と微増している。教職員から性的被害に遭った子供は、02年度からの3年間で59教委が把握しているだけで、自分が勤務する学校の児童・生徒が370人、自校以外の18歳未満は92人だった。栃木県だけが「数字も被害者の人権にあたる」として公表しなかった。【磯崎由美、早川健人】
 教育評論家、尾木直樹さんの話 学校現場の密室化が進む中、「わいせつ教師」は確実に増え、データは氷山の一角に過ぎない。しかも最も信頼が求められる教職員の性犯罪情報があいまいにされている。こうした教職員は本来、教壇から永久追放されるべきだが、法律は3年を過ぎれば、再び免許を申請できると定めている。他の免許制度との兼ね合いで難しければ、文科省主導で各教委が情報を共有し、再び採用しないようにする必要がある。第三者機関を設け、悪質な事案については背景を分析し、対策を考えることも必要だ(毎日新聞)
*監禁サド男、逮捕余罪追及 「ハーレムを作る」。インターネットのチャットで知り合った少女=当時(18)=を首輪でつないで約3カ月にわたり監禁・暴行していた事件。警視庁捜査1課に監禁容疑で逮捕された小林泰剛(やすよし)容疑者(24)は周囲にこう吹聴していた。パソコンのSMゲームに影響を受け、いつしか夢は現実になり、複数の少女を“調教”していた。サラサラヘアのイケメンで少女を巧みに誘い出し、逃げる気を失わさせるほどの残忍な行為を繰り返したサド男の素性とは−。 小林容疑者は青森県五所川原市出身。裕福な大地主の家庭に生まれ、県立高校を中退後、周囲には「ハーレムを作る」とうそぶいていた。チャット上では「会社経営者」「モデル」などの虚偽の職業と、「スコール」「華澄」「御門」のハンドルネームで少女たちを巧みに誘い、自分の手におちると「ご主人様」と呼ばせて性的な暴行を続けた。24歳なのに、判明しているだけでも、4度の結婚・離婚を繰り返し、自宅で同時に複数の女性を監禁していたこともあるという。調べだと、小林容疑者は少女が上京する3日ほど前の昨年3月5日、「大学入学のために予備校に行く」と偽り、五所川原市の実家から足立区内の賃貸マンションへの入居を申請、同月中旬入居した。家賃は月額約12万円で、父親が保証人となっていた。監禁に使った中型犬用の首輪と鎖はマンション近くのホームセンターで購入。ドアのノブに縛り付けるなどしていた。少女が命令に躊躇(ちゆうちよ)しただけで、拳で顔を殴るなどの暴行を加えていた。調べに対し、「おれは統合失調症で精神障害だ」と容疑を否認しているという。少女は保護された後、捜査員に監禁状況について尋ねられると、「思い出したくない」とおびえ、ショックが消えていないという。少女の母親は「(監禁前と比べ)体が一回り小さくなり、頭頂部が薄くなった」と証言。極度のストレスで、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状もみられるという。小林容疑者は平成13年9月にも知人女性=当時(20)=を北海道江別市の自宅に監禁。トイレや食事を制限し、竹刀やボクシンググローブで暴行したとして傷害罪に問われ、懲役3年保護観察付き執行猶予5年を言い渡されていた(ZAKZAK)
*HP制作者も売春幇助罪 東京・新宿の売春クラブのホームページ(HP)を制作し、売春の仲介を手助けしたとして、警視庁保安課は12日、東京都新宿区下落合2、広告代理店社長高山隆(34)、豊島区池袋4、同社従業員荒井和香子(32)の両容疑者を売春防止法違反(周旋)ほう助の容疑で逮捕したと発表した。売春クラブのHPを作成した業者が、同容疑で逮捕されたのは全国で初めて。調べによると、高山容疑者らは、新宿区大久保の「喜ばせ組」が売春クラブと知りながら、同クラブのHPを制作して、不特定の客がネットを通じて予約できるように設定し、売春クラブ経営者らによる売春の仲介を容易にした疑い。調べに対し、荒井容疑者は容疑を認めているが、高山容疑者はHPの作成は認めているものの、違法性についてはあいまいな供述をしているという。喜ばせ組の女性経営者(31)らは今年3月、売春防止法違反(周旋)の罪で起訴されている(読売新聞)
*受精卵、着床タンパク質発見 05.11

哺乳(ほにゅう)類の受精卵の着床に高率で問題が起きるメカニズムを、東大薬学部の新井洋由(ひろゆき)教授(衛生化学)らのチームが、マウスで初めて解明した。人間の不妊治療にも将来、応用が可能な研究成果として注目される。4日付の英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。新井教授らは、マウスの子宮内膜に「LPA3」というたんぱく質があることを見つけた。これを持たないマウス約200匹を遺伝子操作で作り、働きを調べたところ、排卵して受精卵ができるまでは正常だったものの、受精卵が正常な場所に着床せず、すべてのメスで、子宮頸部(けいぶ)に固まって着床したり、一つの胎盤を複数の受精卵が共有するといった異常が見られた。妊娠期間は通常より1〜2日延び、平均8匹生まれる胎児が約3匹しか生まれず、死産も多かった。不妊治療では体外受精が広く普及しているが、着床の仕組みはほとんど解明されておらず、着床率の低さが障害になっている(読売新聞)

*性体験高校生の1割がクラミジア 性体験のある高校生のうち約1割が、性感染症(STD)の一種、性器クラミジア感染症に感染していたことが厚生労働省の研究班の調査で分かった。STDはエイズウイルス(HIV)の感染率を3〜5倍高めるとされるが、全国高等学校PTA連合会が実施した別の調査では、高校生の4分の1以下しか、その認識がなかった。エイズ感染者・患者の合計が先月1万人を突破した中、専門家は若者を中心に爆発的に増加する恐れがあると警鐘を鳴らしている。研究班は10代の人工中絶率などが全国平均とほぼ同じのある都道府県で、一昨年秋から約1年間かけ、13の高校に在籍する1〜3年生の無症状の男女約5700人を対象に、匿名の質問票や尿検査などで調べた。クラミジアは性行為により感染。多くが無症状で、抗生物質で治るが、放置すると不妊症などになる恐れがある。性交渉の経験者は男子高生が全体の31.1%、女子高生は43.6%。このうちクラミジアに感染していたのは男子6.7%、女子13.1%で、全体では10.6%に達した。年齢別では16歳の女子高生が17.3%で最も高い。欧米の女子高生の感染率は1〜4%で、日本は際立って高いという。一方、同PTA連合会では、高校生の性に関する知識などを調べるため全国1万1000人を対象にアンケート調査し、1〜3年生計約9600人が回答。STDにかかるとHIVに感染しやすいと答えたのは男子高生が22.2%、女子高生は24.7%しかなかった。84年の調査開始後、4月3日現在、HIV感染者の累計は6734人、エイズ患者は3336人で計1万70人。1月3日〜4月3日の新規HIV感染者207人中、20〜30代が75.4%を占め、若者に広がっている。研究班の今井博久・旭川医科大助教授は「一般の高校生に性感染症が広がっている背景には、インターネットや雑誌などで刺激的な性情報がはんらんする一方、必要な性教育がほとんどされていないアンバランスさがある。このままではHIV感染者が劇的に増える危険性がある」と指摘する(毎日新聞)
*同性愛者のフェロモン反応

性フェロモンに対する同性愛男性の脳の反応は、異性愛男性の脳よりも、むしろ異性愛女性の脳の反応パターンに近いと、スウェーデンのカロリンスカ大学病院の研究チームが9日、米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。研究チームは、男性の汗などに含まれる男性ホルモン、テストステロンの誘導体「4,16-androstadien-3-One(AND)」と、女性の尿などに含まれる女性ホルモン様物質「estra-1,3,5(10),16-tetraen-3-ol(EST)」を、12人ずつの同性愛男性と異性愛男性、異性愛女性にかがせ、性行動に大きく関与している間脳視床下部の様子を、早期がんの診療などに使われるPET(陽電子放射断層撮影)装置を使って調べた。ANDとESTは、異性を引き付ける作用がある性フェロモンの1種類とされている。その結果、視床下部が活性化した物質は、異性愛女性の場合はAND、異性愛男性の場合はESTだったのに対し、同性愛男性の場合はANDだった。研究チームは、同性愛男性の視床下部がANDに対して反応していることから、同性愛の傾向と、視床下部の神経系が、大きく関係している可能性がある、と話している(CNN)

*結婚したい年齢32〜33歳

独身者が結婚したい年齢は男性33.9歳、女性32.2歳……。明治安田生活福祉研究所が首都圏の20〜30代を対象に行った調査で、こんな結果が出た。03年の国の人口動態統計の平均初婚年齢(男性29.4歳、女性27.6歳)よりも4歳程度高く、晩婚化がさらに進む可能性もある。独身者の9割は結婚を望んでいるのに、結婚に結びつくような深いつきあいをした経験がない人は7割に上るなど、きっかけをつかめない現状も示している。結婚したい年齢は、独身者全体の平均で33.1歳。調査対象が首都圏の若い世代で、「早い結婚より仕事優先」の考えが地方より強いことも、希望年齢を引き上げているとみられる。結婚を望む人は男性86.5%、女性91.1%。結婚意欲は高いのに、独身者のうち「プロポーズした経験がある人」は男性9.4%、女性3.0%にとどまる。「期待する出会いの場」の質問でも、友人の紹介や職場などが挙がる一方で、男性の25.1%、女性の18.2%が「期待するものはない」と悲観的に受け止めている。同研究所は「首都圏の20〜30代の結婚感覚は、数年後には全国に波及していく。少子化対策のためにも、行政による結婚への支援が必要」と指摘する。調査は2月に東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県から1600人を抽出し、1376人から回答を得た(朝日新聞)

*非配偶者人工授精、精子提供男性は匿名望む 夫以外の第三者の精子を使った非配偶者間人工授精(AID)で、精子を提供した人(ドナー)の3分の2が「子供が自分に会いに来る可能性を言われたら、提供しなかった」と考え「提供は匿名のままが良い」も90%近くに上ることが9日までに、厚生労働省研究班(主任研究者・吉村泰典慶応大教授)の調査で分かった。AIDドナーの意識調査は初めて。AIDによる出産は、1948年の第1例以降、1万人以上とされる。
厚労省の生殖補助医療部会は2003年にまとめた報告書で、15歳以上の子供に「自らの出自を知る権利」を認め、希望に応じ「遺伝上の父」の氏名や住所を開示すべきだとした。しかし法整備は異論続出で宙に浮いており、調査結果は今後の論議に影響しそうだ(共同通信)
*没収された性教材返して 東京都立七生養護学校(日野市)が独自に実施していた性教育について、都教育委員会が「不適切だ」と教材を没収し、教員を処分したのは不当として、処分を受けた教員らが12日、教材の返還と損害賠償を求め、東京地裁に提訴する。教員らは「教育内容への介入は教育基本法10条に反し、処分も行政裁量を逸脱するものだ」と主張している。同校独自の性教育は、約半数の生徒が暮らす併設施設で99年、園生同士の性的な問題行動が起きたことを機に始まった。「問題が再発しないよう具体的で分かりやすい内容にしよう」と教員や保護者が共同で研究を重ね、教材の一部は手作りした。男女の体の違いなどを教えるため、性器の付いた人形を使ったり、頭から足、性器も含めて、体の部位を示しながら「からだうた」を歌わせたりする内容だった。これに対し、都教委は03年7月、教材を没収し、同年9月に「学習指導要領に沿っておらず不適切」として教職員13人を厳重注意処分にした。このため04年1月、保護者や支援者8000人余が東京弁護士会に人権救済の申し立てを行い、同弁護士会は今年1月、処分の撤回や性教育を以前の状態に戻すよう都教委に警告している。教員とともに訴訟に加わる卒業生の保護者(55)は「知的障害児を性の被害者や加害者にしないためには具体的な教え方が必要で、ようやくそのために学べる場ができたとうれしかった。先生方と保護者で手探りで作り上げてきた授業を奪われ、現場は困っている。早く元に戻してほしい」と訴えている(毎日新聞)
*新種人類発見?今も存在 インドネシア東部フロレス島で発見され、新種の小型人類「ホモフロレシエンシス」と昨年発表された化石について、同国の研究グループが「発掘場所近くを調べた結果、体形が極めて小さい人ばかりが住む村があり、化石は新種でなく現代人ホモサピエンスだ」との見方を明らかにした。同国のコンパス紙が28日伝えた。国立ガジャマダ大学のグループが発掘場所から約1キロの村(77世帯)を今月調査した。男性は身長145センチ、女性は135センチ以下が大半。生活環境が原因で、化石の子孫とみられるという。
化石は成人の身長が1メートル前後で、同国とオーストラリアの共同研究チームが昨年、英科学誌ネイチャーで「3万8000−1万8000年前の新種人類を発見」と発表。ホモサピエンスの亜種ではないかとの見方があり論争が続いている(共同通信)
*乳がん最新治療情報ネットワーク 05.02

乳がん治療に関する最新情報をインターネットなどで提供する「日本乳がん情報ネットワーク」(東京都中央区)が発足した。患者が主体的に治療法を選択できるよう、乳がん医療の先端をいく欧米の最新情報などを翻訳して発信する。発起人は乳がんの専門医や大手企業代表ら。ジャーナリスト田原総一朗さんの妻で、炎症性乳がんと闘い、昨年亡くなった節子さんも準備に携わっていた。代表理事は田原さんと中村清吾・聖路加国際病院外科医長。日本人女性のがん罹患(りかん)率のトップが乳がん。年間の発症者は約3万6千人とされ、死亡者は約1万人にのぼる。しかし、日本では、医療機関や医師によって、診断・治療法に大きなばらつきがあるとされる。同ネットワークは、こうした現状を改善するため、米国の複数のがんセンターが毎年作成する「乳がん診療ガイドライン」を翻訳。日米の違いに関する注釈も付けた一般臨床医向け冊子を6月までに、患者・家族向けの分かりやすい冊子を秋までに完成させる。相談や病院紹介は受け付けないが、近く開設予定のホームページで米国臨床腫瘍(しゅよう)学会の治療法や精神的サポートに関する報告、国内外の情報を盛り込み、定期更新する。中村医師は「患者さんが様々な選択肢の中から、自分の価値観に合った治療法を選べるようにしたい」と話す(朝日新聞)

*乳房温存療法のガイドライン

乳がんの手術で乳房を残す「乳房温存療法」について、厚生労働省研究班は初の指針をまとめた。温存療法は現在、乳がん手術の第1位の選択肢だが、施設により実施率が大きく異なる、放射線治療医など専門医抜きで実施している施設がある、などの問題を抱える。指針の徹底で、施設間格差を縮め、全体の水準向上を目指す。乳がんは日本人女性が最も多くかかるがんで、毎年約3万5千人が新たに患者となっている。腫瘍(しゅよう)の周りを切りすぎると乳房の形が悪くなりQOL(生活の質)が下がるが、切除が不十分だと再発率が高くなる。日本乳癌(がん)学会によると、温存療法は80年代後半から広まり、03年に全摘手術を抜いた。指針では、切除後も乳房の形を大きく損なわないなら腫瘍の大きさが4センチまで温存療法が許されるとした。また腫瘍が複数あっても、近くに2つある場合で安全性が保てると判断されれば、温存の適応とした。温存療法の場合、切除後、残された乳房に放射線を当てて再発を防ぐ。指針では、日本放射線腫瘍学会に属する医師や技師が少なくとも1人、勤務していることを実施施設に求めた。手術前に抗がん剤を使い、腫瘍を縮小することも推奨した。温存療法に関しては、3センチまでの腫瘍を適応とするなどとした乳癌学会の99年の指針があるが、医療の進歩を反映するとともに、問題点の解消を狙った。新指針をまとめた霞富士雄・癌研有明病院乳腺科部長は「実際に温存療法の適応となるのは60%台だろう。指針は強制ではないが、科学的根拠に基づいた診療をして欲しい」と話す。指針は医師向けと患者向けがある。それぞれ各1部を乳癌学会の認定医に配り、近く出版もする予定だ(朝日新聞)

*交代勤務者の前立腺がん3,5倍 24時間操業の工場や鉄道、ホテルなどの交代制職場で働く男性は、主に昼間働く日勤職場の男性に比べ、前立腺がんになる危険性が3・5倍、心筋梗塞(こうそく)などの虚血性心疾患で死亡する危険性が2・8倍高いことが、文部科学省が補助する大規模疫学研究(運営委員長・玉腰暁子名古屋大助教授)の分析で2日までに分かった。不規則な勤務による体内時計の乱れが関与していると考えられ、虚血性心疾患は血圧上昇やストレスも原因とみられる。厚生労働省の調査では、午後10時以降の深夜業に従事する労働者がいる事業所は2割に上り、うち半数が交代勤務を導入。研究者らは「前立腺がん検診の導入や、循環器病の危険因子を持っている人の適正配置など、労働管理の在り方を考えるべきだ」と話している(共同通信)
*次世代法(子育て支援)、企業がソッポ 四月一日に完全施行された「次世代育成支援対策推進法」(次世代法)に基づいて、社員の子育て支援計画を国に届け出た企業が、義務付けられた企業全体の三割にとどまることが三十日、全国の都道府県労働局への産経新聞の聞き取り調査で明らかになった。届け出を義務付けられていない中堅企業の提出が総数の一割近くに達するなど、関係者は「大企業だからといって順法意識が高いとも言い切れない」とみている。調査は四十七の都道府県労働局のうちの二十二局に対し、行われた。行動計画提出を義務付けられている企業は全国に約一万二千社あるとみられるが、二十二労働局管内の義務付け企業数は約九千九百社で、全体の八割をカバーしている。それによると、四月末までに二十二労働局に届け出をすませた義務付け企業は約三千五百社で、義務付け企業数の約35%にとどまった。四月一日の受け付け開始日だけで、義務付け企業の一割程度が提出したもようで、その後の伸びは鈍い。企業数の多い主要労働局ごとの義務付け企業の届け出率は東京28%、大阪44%、愛知31%など。企業数の多い都市部の場合、法律を周知する準備が間にあわず、届け出率が低いと予測する向きもあったが、明確な相関関係はなかったようだ。完全施行から一カ月で義務付け企業の三割しか届け出なかったことについて厚生労働省は「決して低いとは思わない。順調なスタートだ」と強調。「五月末にも五割を超える。法律の周知徹底を図りたい」としている。ただ、届け出が義務付けられていない中堅企業(従業員三百人以下)が約三百社も届け出ており、これは、総数の8%にあたる。届け出総数の18%が義務付けられていない企業だった香川労働局は「中堅の一社が提出すると、同業他社が競って提出するケースがみられた」という。地方では、中堅企業でも社会的責任に対する意識が広がりやすい半面、法律に罰則規定がないことから、都市部では大企業でも意識の低い企業が少なくないことがうかがえる(産経新聞)
*妊婦のリスク、自己管理表 妊娠・出産のリスクを妊婦自身が判定し、お産の場所選びに役立てるための自己評価表を、厚生労働省の研究班(主任研究者・中林正雄愛育病院長)が30日までに作成した。高齢化や生活習慣病の合併などで潜在的なリスクを抱える妊婦が増える中、自分のリスクを認識することで安全な出産につなげるのが狙い。中林院長は「行く病院が決めやすくなる」としている。自己評価表は、妊娠初診時用と妊娠後期用の2つ。初診時では、出産年齢が35〜39歳と15歳以下なら1点、40歳以上は5点、また、たばこを1日20本以上吸っていれば1点−などと評価。合計4点以上をハイリスクとし、対応可能な病院での分娩(ぶんべん)を薦める。合計で0〜1点なら、医療施設はどこであっても「大きな問題はなく心配いらない」。2〜3点は「対応可能な病院と密接に連携している施設での分娩を」となる(時事通信)
*既婚夫婦の3割がセックスレス? 04.27

結婚している10代から40代の日本人男女の約3割が、最近1か月以上性交渉がなく、セックスレス傾向にあることが、厚生労働科学研究班などの調査でわかった。この調査は、避妊教育プログラム開発などをテーマにする厚生労働科学研究班(主任研究者・佐藤郁夫自治医科大名誉教授)と日本家族計画協会が、昨年10月に実施した「男女の生活と意識に関する調査」。16〜49歳の男女3000人を全国から無作為に選び、性行動について質問、1580人が回答した。性交渉の経験があると答えた1329人に、この1か月間の回数を聞いたところ、最も多いのが「なかった」の35・2%。現在結婚している人に限ってみると31・9%(男性28・4%、女性34%)だった。また「1回」から「4回」までがそれぞれ1割前後だった。日本性科学会は、特別な事情がないのに、性交渉などが1か月以上ない場合を「セックスレス」と定義しており、今回の結果から3割以上が、その傾向にあることが明らかになった。結婚しているセックスレスの人の傾向を分析したところ、性交渉に関心が薄く、異性とかかわることを面倒だと感じる一方、避妊方法を相手と十分相談しないなどコミュニケーション上の問題も見られた。また19・2%は、1年以上の長期間性交渉がなかった。日本人の性交渉頻度の少なさは、海外の大手コンドームメーカーの調査でも明らかで、2004年の結果によると、世界平均は年間103回なのに対し、日本は46回と半分以下だった。日本家族計画協会の北村邦夫常務理事は「行政になじみにくいテーマかもしれないが、少子化対策としてセックスレスの問題にもっと真剣に取り組むべきではないか」と話している(読売新聞)

*全米科学アカデミー、ES細胞研究に厳しい倫理指針

全米科学アカデミーは26日、人間の胚(はい)性幹細胞(ES細胞)などを使う研究について、米国の各研究機関に対し、厳しい倫理指針をつくるよう勧告する報告書をまとめた。社会の不安が研究の停滞につながるのを防ぐねらいがある。報告書は、法律や医療倫理の専門家、市民からなる監視委員会を各研究機関がつくる必要性を指摘。ES細胞やクローン胚などを使う研究について、監視委が事前に審査するよう求めている。また、「国の指針がない以上、科学界や研究機関が自主的に動くべきだ」として、ES細胞を新たにつくる際の承認手続きや、受精卵の提供を受ける方法なども勧告している。同アカデミーの関係者は「研究が倫理的に実施されていると社会に信じてもらうのが大切だ」と述べた。ブッシュ大統領は01年8月、「受精卵を壊してつくるES細胞は倫理的に問題だ」として、新たに作ったES細胞を使う研究への連邦予算の支出を禁じた。ただ、米国でも、民間資金による研究は広がりつつある(朝日新聞)

*16〜49歳中絶経験、6人に1人

人工妊娠中絶について、16〜49歳の女性の6人に1人の割合で経験している――そんな推計が、厚生労働省研究班(主任研究者=佐藤郁夫・自治医大名誉教授)と日本家族計画協会の共同調査で出た。3分の2近くが条件つきも含めて中絶を容認しているが、経験者の多くが精神的なショックを受けていたこともうかがえた。調査は昨年10〜11月に層化2段無作為抽出法で実施、全国の16〜49歳の女性890人が回答した。人工中絶について、全体の59.9%が「一定の条件を満たせばやむをえない」とし、「認める」(5.5%)と合わせると65.4%が容認派で、「認めない」の7%を大きく上回った。一方、人工妊娠中絶の手術を経験した人は16.3%。うち約3割が複数回実施し、初めて手術を受けた年齢は20歳以下が31.7%を占めた。最初の手術を受けた理由は、「相手と結婚していない」(22.1%)、「経済的余裕がない」(17.2%)、「仕事・学業を中断したくない」(9.0%)、「体が妊娠・出産に耐えられない」(8.3%)と続いた。初めて手術を決めたときの気持ちについては、「胎児に申し訳ない」(55.9%)と、「自分を責める気持ち」(15.2%)が7割を占めた。一方で、「自分の人生において必要な選択」が11.7%だった(朝日新聞)

*エイズ感染者・患者数が1万人を突破

日本で報告されたエイズウイルス(HIV)の感染者とエイズ患者の合計が1万70人と、85年に最初の患者が確認されて以来、初めて1万人を超えたことが25日、厚生労働省のエイズ動向委員会(委員長=吉倉広・前国立感染症研究所長)のまとめでわかった。04年に新たに判明した感染者(780人)と患者(385人)も、いずれも年間件数としては過去最高を記録。合計で1165人と、初めて1000人の大台を突破した。まとめによると、4月3日までに判明した感染者は6734人、患者は3336人。このうち、日本人男性(6662人)を感染経路別に見ると、感染者では同性間の性的接触の2521人、患者では異性間の性的接触の1000人が、それぞれ最多だった。今年1月からの新規感染者(207人)についてみると、男性の同性間の性的接触は131人にのぼり、3カ月間としては過去最高を記録。年齢別では、20代から30代の若年層が75.4%を占めた。吉倉委員長は「積極的に予防や検査の早期受診をしてほしい」と警鐘を鳴らしている(朝日新聞)

*深い眠りと五感の関係

深く眠っているとき、脳は五感の入力スイッチをどこかで切っているらしい。目を開いても風景が見えず、音や味、皮膚の感覚も遮断されることが知られていたが、においもほとんど感じないことを、森憲作・東京大教授(細胞分子生理学)らの研究グループがネズミの実験で確かめた。21日付の米専門誌「ニューロン」に発表された。ネズミの脳波をとりながら、深く眠っているときと起きているときに、チーズやバナナなどを鼻に近づけ、においの情報が大脳に通じる伝達経路のどこまで伝わっているかを比べた。鼻から入ったにおい分子の刺激は通常、においを感じる細胞から、種類別のセンサーがある「嗅球(きゅうきゅう)」に伝えられて仕分けされる。さらに大脳の嗅覚野に届いて、においとして意識される。ところが、深く眠っているときは、刺激が大脳まで届いているのに、神経細胞の活動がほとんど起きず「意識」されなかった。におい刺激の伝達経路は他の四感とは違うのに、同じように知覚遮断が確認されたことから、深く眠っているときは大脳自身が情報処理スイッチを切り替えていると考えられる。森さんは「起きているときに得た情報を眠っている間に反復して、記憶として固定させているのでは、といった仮説も考えられそうだ」といっている(朝日新聞)

*3,40代男性の上半身肥満顕著

20代女性の2割以上がやせ過ぎで、30、40代男性の3割は上半身肥満の疑い――厚生労働省が21日公表した「03年国民健康・栄養調査」でこんな傾向が浮かび上がった。いずれもほかの世代に比べ運動不足で、喫煙の割合も高かった。03年11月、全国の4160世帯の約1万人を対象に、身体状況や栄養の摂取状況、生活習慣などを調べた。20代女性でBMI(体格指数)18.5未満のやせ過ぎは23.4%。全世代で最も割合が高く、02年の26.9%より改善したものの、国民の健康づくり運動「健康日本21」の目標(15%以下)には遠い状況だ。一方、男性は30代の29.0%、40代の32.1%で、おなかから上に脂肪がたまる上半身肥満(BMI25以上、ウエスト85センチ以上)の傾向が見られた。30代男性は1日の平均摂取カロリーのうち脂肪からの摂取が25.7%で、適正比率(25%)を超えていた。週2日以上運動する習慣のある人は20代女性で15.6%、30代男性は22.6%、40代男性は20.5%。最も割合の高い60代(男性40.7%、女性36.5%)と比べて、20ポイント前後低かった。習慣的に喫煙している人の割合は、20代女性が19.2%と女性で最も高かった。男性では30代が56.8%で最高。40代も55.4%と男性平均の46.8%を上回った(朝日新聞)

*エルトン・ジョンが12月に同性婚 エルトン・ジョン(58)が11年来のパートナー、デヴィッド・ファーニッシュ(42)と、クリスマス前に結婚することを明らかにした。イングランドでは同月に同性婚が法的に認められる。ジョンは英デイリー・ミラー紙に対し、12月はツアーに出ているため、ハネムーンの予定はないものの、結婚がとても楽しみだと語った。「絶対に12月中旬には(結婚)したいね」とジョンは同紙に語った。「デヴィッドとの出会いは、僕の人生における最高の出来事なんだ」。同性カップルの市民権は、イングランドで12月5日に合法となる。UKのタブロイド各紙は先月、ジョンの多忙なスケジュールによる破局の危機を報じた。これに対しファーニッシュは「これまでにないほど幸せ」とコメントを発表し、不仲説を一蹴していた。「これまでに会った中で、最も素直な男なんだ」とジョンは語る。「もし仮に(他の人と)何かあっても、デヴィッドなら『聞いてくれよ、この前の夜、誘惑されちゃったんだ』って言うだろうね。彼は人間なんだ。でも何も起こったことはない。…確かに僕らは遠距離の時間も多いし、大変だけど、努力しているよ」。ジョンいわく、生死に関わるような麻薬やアルコールへの依存症を乗り越える上で助けてくれたのが、ファーニッシュなのだとか。ジョンは1984年のバレンタイン・デーにスタジオ・テクニシャンの女性と結婚したが、1988年に離婚していた。ラスベガスのシーザース・パレスでの長期契約公演に加えて、ジョンはシザー・シスターズに曲を書いていることや、「Vampire Lestat」と、映画「リトル・ダンサー」のライブ・バージョンという2つのミュージカルを準備していることを明かした。後者は5月12日にロンドンのヴィクトリア・パレス・シアターで幕を開ける(ヤフーニュース)
*伊・名馬のクローン馬誕生 04.20

英国BBC(電子版)などによれば、イタリアのLTR―CIZ研究所とフランスのベンチャー企業「クライオズーテク」が14日、乗馬耐久レースで優勝経験がある馬(牡)のクローンを誕生させたと公表した。同じ研究グループは03年に世界初のクローン馬(牝)を誕生させている。実績がある馬のコピーは初めて。アラブ種で、今年2月に誕生した。遺伝的に同じ「父親」は、94、96年の乗馬耐久レースの優勝馬だが、去勢されていた。02年にクローン技術を知った馬主が、フランスの会社に細胞を冷凍保存させ、今年の誕生となった。レースには出ず、種付け馬として期待されている。乗馬耐久レースは、数十キロから100キロ以上の原野を駆けるレースで、とくにアラブ首長国連邦で人気がある。日本中央競馬会によると「競走馬では人工授精も認められておらず、世界的にもクローン馬が競馬に出るのは難しい」という。クライオズーテクは、馬などの動物の優秀な遺伝子の保存を目的として01年に設立された会社。現在、何らかの優れた性質をもつ30頭の馬の細胞を保存しているという(朝日新聞)

*出産は芸術だ!

ベルリンのカップルが今月下旬、赤ちゃん出産の様子を「アート作品」として、画廊で公開する計画を立てている。画廊のオーナーが16日、明らかにした。ベルリン市内にある「DNAギャラリー」のオーナー、ヨハン・ノバクさんによると、既成概念への挑戦だとしてカップルの方から提案があったという。「社会がこれを受け入れられるかどうか、ちょっとしたテストだ」と話している。出産予定日は24日で、約30人が「鑑賞」する見込み。初産のラムネ・ゲレさん(27)の陣痛が始まり次第、この30人は画廊に直行し、出産の様子を鑑賞することになる。ゲレさんのパートナーのヴィンフリート・ヴィットさん(29)は、「これは人類への贈り物。人生に一度、あるかないかのことだ」と話している。DNAギャラリーは普段、美術品やビデオ・アートを展示している。ゲレさんのお産公開中は画廊を一時的に閉店する予定で、ノバクさんは「プライバシーは守るつもりだ」と話している。一方、同じ通りにある別の画廊のオーナーは、「狂った話だ」と呆れた様子だ(CNN)

*米国・胸部シリコンジェルを再認可

米食品医薬品局(FDA)は13日、胸部に植え込むシリコンジェルの使用について、13年ぶりに再認可した。FDAの諮問委員会は、米医療製品メーカー・メンター社の安全性に関する説明に対して、7対2で使用を認めることを可決した。その際、メンター社はシリコンジェルのインプラント手術後、3年以内の破損率は1.4%であることを挙げ、さらにその寿命が10年以上という調査結果を発表したという。FDAは、メンター社が以下の条件を満たした場合のみ、シリコンジェルの販売再開を許可するとした。(1)患者にはインプラント手術に伴うリスクや、最悪の場合インプラントが破損し除去や交換が必要となることを説明し同意書に署名をさせること(2)破損事故を最小に押さえるため、インプラントの販売を臨床手術を行った医師にのみ販売すること(3)インプラントが破損した場合、すぐに自覚症状がないことを説明した上、患者にインプラント手術の5年後と以後2年おきにMRI検査を受けるよう指導すること、など。シリコンジェルの埋め込みは、1992年に安全性を疑問視したFDAが認可を取り消した。最近の研究ではがんなどとの関連性が否定されているが、インプラント破損のほか、感染症などの危険性は依然残っているとされる。昨年、米国では26万4000件の豊胸手術と6万3000件の乳房再生手術が行わた。ほとんどの手術において、現在使用が認可されている生理食塩水のインプラントが使用された。シリコンジェルの発売が再開された場合、1年で20万人の女性が手術を希望すると見込まれる。メンター社によると、生理食塩水に比べシリコンジェルのインプラントの方が見た目や感触がより自然で、両方の使用許可が認められている欧州ではシリコンジェルの方が圧倒的に人気があるという(CNN)

*セックスレス女性と子宮ケイ癌 04.15

セックスレスの女性は、子宮頸(けい)がんに気づいたときには進行している場合が多い――。そんな実態が、筑波大の調査で明らかになった。日本産科婦人科学会で発表した。初期の子宮頸がんは症状がなく、セックスによる出血などがきっかけで気づく場合が多いためらしい。セックスレスの人ほど、検診を受ける必要がありそうだ。01〜04年に筑波大病院で子宮頸がんと診断された女性患者206人(平均年齢44.5歳)を調べた。6カ月以上性交渉がない場合を「セックスレス」と定義した。セックスレスは全体の3分の1の68人。肉眼でもがんと分かるほど進行した患者はセックスレスではない人では52%だったが、セックスレスでは84%に上った。50歳以下の女性について、年齢などの影響を除いて比べると、セックスレスの人はそうでない人に比べ3.45倍高かった(朝日新聞)

*B型肝炎、欧米型急増に警鐘

国内で流行していなかったタイプのB型急性肝炎が急増していることが、厚生労働省研究班のウイルスの遺伝子型解析でわかった。この肝炎ウイルスは欧米など海外から持ち込まれたとみられる。B型肝炎はこれまで母子感染対策で感染者を減らし、「成人が感染しても慢性化しない」とされてきた。だが、欧米由来のウイルスによる急性肝炎は慢性化の恐れがあり、新たな肝炎対策が必要になる。研究班の主任研究者の八橋弘・国立病院機構長崎医療センター治療研究部長らが、全国22の国立病院で91年以降、B型急性肝炎にかかった患者340人についてウイルスの遺伝子型を調査した。欧米に多いAタイプ(欧米型)のウイルスに感染した患者は91〜00年が年0〜4人、01〜03年が年5〜6人だったが、04年に13人に急増し、B型急性肝炎患者の3割を占めていた。国内でB型急性肝炎を主に起こしてきたCタイプ(在来型)は増える兆候がなかった。B型急性肝炎の患者数は正確につかめてはいないが、年1万人前後がかかるとされ、うち欧米型は調査結果と同様な増加傾向にあるとみられる。一方、日本赤十字社が献血血液について実施している高感度の遺伝子検査でも、B型肝炎ウイルスに占める欧米型の割合は99〜02年の11%が、03〜04年には23%に倍増している。B型肝炎ウイルスは主に血液を通して感染する。欧米型が増えているのは、性感染が主な理由と考えられている。日本では、性行為などで成人がB型肝炎ウイルスに感染しても、症状が出ないか、一時的な急性肝炎にとどまり、慢性化して肝硬変や肝がんにつながることはないとされてきた。乳幼児期に感染すると、感染が持続し慢性化するため、B型肝炎予防対策は母子感染防止を軸に進められてきた。しかし、欧米の研究では、欧米型に感染すると成人でも1割程度が慢性化するとされる。また、B型肝炎予防のワクチンはあるが、日本では医療関係者ら限られた人が使っているのが現状だ。〈B型肝炎〉 B型肝炎ウイルスによって起きる肝臓の病気。急性肝炎は数カ月以内で回復するが、慢性肝炎になると肝がんなどに重症化することがある。抗ウイルス薬などで治療する。ウイルスの遺伝子はAからHまでのタイプがあり、日本ではCが多く、東北地方や沖縄県などではBも多い。A(欧米型)は欧州、北米、アフリカなどに分布している(朝日新聞)

*体内でリズム刻む「生物時計」

人間など生物の体内で約24時間周期のリズムを刻む「生物時計」を、試験管内でつくることに、名古屋大の近藤孝男教授と科学技術振興機構のグループが初めて成功した。15日付の米科学誌サイエンスで発表した。藍藻(らんそう)(シアノバクテリア)という単細胞生物から、生物時計にかかわる3種類のたんぱく質を取り出し、エネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)と混ぜて観察した。すると、たんぱく質にリン酸が付く「リン酸化」という現象が、ほぼ24時間周期で起こっていた。藍藻では、このたんぱく質のリン酸化をきっかけに遺伝子が働くなどして、時を刻んでいくと考えられる。生物時計には細胞の存在が不可欠だとみなされていたが、近藤さんは「たんぱく質さえあれば、生物時計をつくりだせるのかも知れない」と話す。人間で時差ぼけが起こったり、真っ暗な所に居続けても一定間隔で眠くなったりするのは、体内の生物時計が関与していると考えられている(朝日新聞)

*妊婦のHIV一時検査の感度高すぎ? 04.09 妊娠初期にエイズウイルス(HIV)の抗体などを調べる一次検査で「陽性」とされた妊婦のうち、その後の確認検査で陽性と判定されたのは4−10%にとどまったことが3日、厚生労働省研究班(主任研究者・稲葉憲之独協医大病院長)の調査で分かった。調査をまとめた国立成育医療センター(東京)の塚原優己産科医長は「陽性の人を誤って陰性と判断しないよう感度の高い検査をしており、一定の『偽陽性』は避けられない」と説明。確認検査の結果が出るまで約1週間かかり、妊婦の心理的負担が大きいため「検査前に十分に説明するなどケアを充実させ、より良い検査法を開発することも必要だ」としている。京都市で開かれている日本産科婦人科学会で、5日発表する(共同通信)
*03年乳がん治療、温存療法50%超え 2003年に行われた乳がん治療のうち、乳房を切除せずに残す「温存療法」の割合が52.9%と、半数を超えたことが患者団体の全国調査で分かった。1997年の状況を調査した前回(36%)を大きく上回った。副作用のあるリンパ節切除も最小限にする施設も増えた。ただ施設によって実施率や治療基準のばらつきは目立った。 調査を実施したのは乳がんの患者団体「イデアフォー」。昨年、全国の大学病院、がん(成人病)センター、日赤病院のほか、乳腺専門のクリニックを加えた計383施設を調査票を郵送し、171施設(44.6%)から回答を得た。03年の1年間に、回答施設で治療を受けた新規患者数は、年間患者数の約半数にあたる1万6427人。このうち乳房温存療法を実施したのは52.9%で、すべて切除する乳房切除手術の42.9%を上回った(日経新聞)
*不妊治療費用、年平均40万円 不妊治療にかかる費用は平均で年間41万円に上ることが、不妊に悩む人たちを対象にした調査で明らかになった。不妊治療の多くは保険が適用されない。治療経験者の3割は高額な治療費を理由に治療を中断したり、治療回数を減らした経験を持っていることも分かった。 調査を行ったのは不妊治療を研究する白井千晶・早稲田大非常勤講師(生殖社会学)。2003年1―2月にかけて、不妊に悩む人たちの団体「フィンレージの会」(東京都新宿区)などを通じ、不妊経験のある男女に調査票を配布。集まった有効回答366件(うち男性は7人)を分析した。回答者のうち2002年に何らかの不妊治療を受けた人の年間治療費総額の平均は41万円。最高額は225万円だった。また不妊治療開始以来の治療費総額の平均は約153万円。最高額は1500万円だった(日経新聞)
*多胎妊娠の減数手術

不妊治療で妊娠した複数の胎児を人工的に減らす「減数手術」が、三つ子の妊娠例の4割、四つ子以上では7割で行われていることが徳島大の調査でわかった。減数手術は母子の危険を減らす一方、胎児の生命を選択的に絶つことの倫理問題を指摘する声も多く、今後論議を呼びそうだ。この結果は4日、京都市で開かれている日本産科婦人科学会で発表された。調査は、体外受精を実施している全国588施設を対象に、2000〜02年の3年間に発生した三つ子以上の妊娠について尋ね、45%にあたる262施設から回答があった。その結果、三つ子以上の妊娠570例のうち228例(40%)で減数手術が行われていた。三つ子では519例中191例(37%)で行われ、そのうち161例は双子に、30例は1人に減らされていた。四つ子以上では51例中37例(73%)が双子か1人に減数手術されていた。過去の調査と比較すると、1994〜96年では三つ子以上の22%、97〜99年では33%で減数手術が行われており、年々実施率が高まっていることがわかった。多胎妊娠を防ぐため、同学会の会告は、体外受精で子宮に戻す受精卵を3個までに制限しているが、今回の調査では4〜6個移植しているケースもあった。同大の松崎利也講師(女性医学)は「まず多胎妊娠を防ぐべきだ。子宮に移植する受精卵数を2個までに制限するよう、学会会告を見直す必要があるのではないか」と訴えている(読売新聞)

*最古のヒトはこんな顔

愛知万博に複製が展示されている700万年前の猿人サヘラントロプス・チャデンシス(愛称トゥーマイ)の頭骨化石をもとに、顔が復元された。ヒトの祖先か類人猿の祖先か論争になってきたが、この復元で発見者らはヒトである確信をいっそう強めたという。7日付の英科学誌ネイチャーで発表される。この化石は、01年アフリカ・チャド北部の砂漠でフランス・ポワティエ大のミシェル・ブルネ教授らが発見した。頭骨や歯にヒト的な特徴があり、発見者は最も古いヒトと考えた。しかし、頭骨に割れ目があり、大きくゆがんでいるため元の形がはっきりせず、「ヒトではなく類人猿の祖先だ」との批判が出た。ブルネ教授らは、化石のコンピューター断層撮影画像から、最も正しいと考えられる姿をコンピューターで復元した。顔面はよりヒトらしくなり、首の骨の方向などから直立二足歩行をしたらしいとわかった。ブルネ教授は、その後見つかった歯やあごの化石も発表。類人猿のような大きな犬歯を持たないため、ヒトだと結論づけた。復元された顔の模型は7日から、愛知万博のグローバル・ハウスで頭骨化石の複製と並べて展示される。万博協会によると、顔の模型は3月中旬に万博会場に到着していたが、ネイチャーへの発表を待っていたという(朝日新聞)

*新興宗教教祖、少女信者に暴行

信者である12歳(当時)の女児に性的な暴行をしていたとして、京都府警は6日、京都府八幡市の新興の宗教法人「聖神中央教会」代表の永田保容疑者(61)=大阪府枚方市田口山1丁目=を強姦(ごうかん)の疑いで逮捕した。ほかにも被害を訴えている女児らが10人前後おり、保護者らが府警に告訴していた。永田容疑者は容疑を否認しているという。捜査1課と八幡署の調べでは、永田容疑者は02年1月13日午前1時ごろ、八幡市下奈良名越にある教会本部内の牧師室で、京都市在住の信者の女児(当時12)が13歳未満であることを知りながら暴行した疑い。女児は日曜日の礼拝のため母親と一緒に泊まり込んでいたという。関係者の話では、永田容疑者は数年前から、10人前後に対し、教会施設内で性的な暴行を繰り返していたとされる。10代がほとんどだったという。永田容疑者は「神の祝福だ」「信仰心を試す」などと話し、女児らに迫っていたという。府警は、暴力や脅迫を手段にしなくても強姦罪が成立する13歳未満のケースを特定し、捜査を進めてきた。教会関係者が昨年12月、女児らから話を聞いて問題が発覚した。保護者らは府警に被害届を出し、4月に「被害者の会」を結成した。聖神中央教会のホームページによると、永田容疑者は82年に韓国に留学して神学を学んだ後、86年1月から京都市で宗教活動を始め、87年12月に宗教法人格を取得。00年から本部を八幡市に設けた。東京や横浜、大阪、兵庫、奈良、金沢、岡山、鳥取などに約20の教会があるという。法人登記によると、キリスト教系の教義を広めることなどを設立目的にしている。問題発覚後、信者の脱会が相次ぎ、現在の信者数は約300人ほどとみられている(朝日新聞)

*10代女性半数が便秘? 10代女性の2人に1人が自分は便秘だと感じている――。エスエス製薬が実施した便秘に関する調査によって、日本女性の間では若い世代を中心に便秘が深刻化している実態が改めて浮き彫りになった。 「自分を便秘だと思うか」の問いに対し、10代(52.4%)、20代(49.6%)ともに約半分の人が「自分は便秘」と回答。その一方で、40代の35.2%、50代の34.0%と年齢が上がるごとに減少し、中高年に比べ若年世代の高さが目立つ。調査は2月にインターネットを通じて全国の15―54歳の女性4000人に実施した(日経産業新聞)
*米国成人の睡眠障害深刻、セックスの回数も減少

米国の成人4人のうち3人が、夜間目が覚めたり、いびきをかくなどの睡眠障害を抱えているとの報告書が29日出された。米国睡眠財団が、3月28日から4月3日までの「睡眠週間」にちなみ、計1506人を調査し、まとめた。睡眠障害の症状としては、寝付きが悪い、夜間何度も目が覚める、早い時間に目覚めるがその後眠ることができない、目覚めが悪い、いびきをかく、足がムズムズする、睡眠中呼吸が止まる、などを挙げている。回答者の四分の一が、睡眠障害で、日々の生活に支障が出ている、と答えた。平均睡眠時間は6.9時間だった。自動車の運転をする人で、10人中、6人が過去1年間、うとうとしながら運転した経験を報告。4%は、疲れ過ぎまたは実際に居眠り運転をしため、事故を起こした、もしくは事故を起こしそうになったと答えていた。また、四分の三が、夫または妻が睡眠障害を抱えていると答え、症状は「いびき」と答えた人が最も多かった。結婚している人の約四分の一が、疲れ過ぎてセックスの回数が減った、または興味を失ったとも答えていた(CNN)

*南ア、刑務所内の同性愛の容認勧告で波紋 世界で最も犯罪発生率が高いことで知られる南アフリカで、刑務所の監察を行う「刑務所司法審査会」が、刑務所内での受刑者同士の合意の上での同性愛行為を認めるよう政府に勧告し、論争となっている。合意の上で同性愛行為をした男性受刑者2人が、処罰されたことを不服として審査会に訴えたことが発端。審査会は今週、刑務所を管轄する政府の矯正局に対し、「合意の上でのセックスを認めることは受刑者間に安全なセックスを広める」と勧告した。背景には、約18万人が服役する南アの刑務所の秩序が収容能力の限界で混乱し、弱い立場の男性受刑者が同性愛行為を強要される「刑務所内レイプ」が多発していることがある。南アはエイズウイルス(HIV)感染者が530万人と世界最多だが、こうした男性同性愛者のレイプによる感染拡大も問題になってきた。矯正局の報道官はロイター通信に「服役中には一定の権利を失う」と述べ、勧告を受け入れるつもりのないことを強調。一方、受刑者の待遇改善に取り組む「南ア受刑者のための人権機構」のブドゥ委員長は南ア紙「プレトリアニュース」に「所内の性に絡む事件を減らせる」と語り、勧告を支持。エイズ患者団体「治療活動キャンペーン」も「勧告は安全なセックスを広める」と歓迎の声明を出している(毎日新聞)
*中国、学生結婚禁止が解除に 中国で禁止されていた大学生の結婚が9月から解禁される。大学生などを対象にした管理規定を教育省が15年ぶりに改正、結婚・出産の禁止条項を削除したためで、30日の中国各紙が伝えた。中国の婚姻法は、男性は22歳以上、女性は20歳以上を結婚可能な年齢としている。しかし、これまでの管理規定では、学生の結婚・出産は退学処分の対象となることが明記されていた(時事通信)