Y(2006.01〜05)

性科学・生殖・セックス・性犯罪ニュース&トピックス



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*精子減少、日本男子最低数? 05.31 日本人男性の精子数は、フィンランドの男性の精子数の約3分の2しかないなど、調査した欧州4か国・地域よりも少ないことが、日欧の国際共同研究でわかり、英専門誌と日本医師会誌5月号に発表した。環境ホルモンが生殖能力にどう影響するか調べるのが目的。精巣がんが増えているデンマークの研究者が提唱し、日本から聖マリアンナ医大の岩本晃明教授(泌尿器科)らが参加した。神奈川県内の病院を訪れた、20〜44歳の日本人男性324人(平均年齢32.5歳)の精液を採取した。年齢などの条件は各国でそろえ、禁欲期間の長さの違いによる影響が出ないよう補正して、各国男性の精子数を統計的に比較した(読売新聞)
*HIVの起源、カメルーンのチンパンジー

世界的な感染拡大が続いているエイズウイルス1型(HIV1)は、アフリカ・カメルーンに生息している野生のチンパンジーが起源となっていることを、米アラバマ大などの研究チームが明らかにした。初めて実施された大規模な現地調査と遺伝子解析による成果で、従来の見方を裏づける結果となった。26日、米科学誌サイエンス電子版に発表する。HIV1の起源をめぐっては、よく似たサルエイズウイルス(SIV)がこの地域のチンパンジーから見つかっていることから、これまでもチンパンジー説は有力だった。ただ、生息地域が隔絶されていることや、チンパンジーが絶滅の危機にあるといった理由で、研究は進んでいなかった。研究チームは、チンパンジーのふんから感染ウイルスの遺伝子を見分ける方法の開発に成功。カメルーン南部の森林10カ所で採取した446匹分のふんを分析した。その結果、今回調べたチンパンジーから、これまでに見つかっているSIVのなかで、最もHIV1に近いウイルスを見つけた。これまで感染が判明したケースは飼育動物がほとんどで感染率が2%ほど。野生のチンパンジーの感染実態はよく分かっていなかった。今回の調査では、あるグループの感染率が35%と高率だった。研究チームによると、このSIVが20世紀初め、一帯にすむチンパンジーからヒトへ、種の壁を超えて感染した結果、HIV1になったと考えられるという。また、エイズウイルスは突然変異を繰り返すことから、多数の遺伝子の種類がある。今回の調査以外、ほとんど調査が進んでいないこの周辺地域では、まだ発見されていない新しいウイルスが存在する可能性があり、ヒトへ感染する危険もある、と研究チームは指摘している(朝日新聞)

*ES卵子提供機関にコーディネーター配置

人クローン胚(はい)からの胚性幹細胞(ES細胞)づくりには再生医療の実現に向けた期待がかかるが、出発点になる卵子の提供に際して、提供を受ける医療機関は提供者の相談に乗ったり意思を確かめたりするコーディネーター(調整役)の配置を求められることになりそうだ。人クローン胚研究の指針をつくっている文部科学省の作業部会が、方針を固めた。人クローン胚は、提供された卵子(未受精卵)の核を抜き、代わりに患者の体細胞の核を移植してつくる。作業部会は、病気の治療で摘出した卵巣からの卵子や、不妊治療で必要がなくなった卵子の無償提供を想定している。医療行為と無関係なボランティアからの卵子提供は将来検討する。コーディネーターは提供者と利害関係がないことが大前提で、医師や看護師など医療スタッフによる兼任が考えられている。医学的に十分な知識を持ち、患者の相談に応じながら、提供者の意思に反して手続きが進むことや、提供に向けて何らかの圧力がかかるのを防ぐ役割を担う。30日午前の会合で詳細な条件を詰める。研究用の卵子提供をめぐっては、韓国ソウル大チームによるクローンES細胞研究の論文捏造(ねつぞう)の過程で、卵子提供者への金銭支払いがあったことが問題になり、提供の透明性や公正さの確保が課題とされていた(朝日新聞)

*子宮がんワクチン、米国で発売 子宮頸(けい)がんの主因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するため、米メルク社が開発したワクチン「ガーダシル」について、米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は18日、販売を承認するようFDAに全会一致で勧告した。6月8日までに正式承認される見込み。世界で毎年30万人が死亡する病気の予防に向け、効果が期待される。ガーダシルは、80種類以上あるHPVのうち、子宮頸がんの約70%を引き起こしているといわれる16型と18型など4種類の性感染を防ぐ。16〜26歳の約2万人を対象とした臨床試験では、偽ワクチン接種者の約0・6%に発生したがんの前兆症状が、ガーダシルを3回接種した人には全く現れなかったという。重い副作用も報告されていない。ロイター通信によると、ガーダシルは年間20億ドルの売り上げが見込まれている(読売新聞)
*米国10代「処女の誓い」は建前 近年、米国の10代の少女たちの間で “結婚まで処女を守る誓い”の人気が上昇してきているとの報道があるが、実際には撤回率が高く、また性体験の自己報告も正確さに乏しいことが、米国の大学院生による研究で明らかになった。 研究者は、1995年とその翌年に行われた米国の1万3,568人の10代青少年に対する調査データを分析した。その結果、“処女の誓い”に署名しながら後に性行為を体験した少女の73%が、そのような誓いに署名した覚えはないと否認していた。一方、性体験がありながら処女の誓いに署名した少女たちの多くは、性体験なしと偽の報告をしていた。また、最初の調査で性経験がありと報告しながら後に誓いに応じた少女は、2回目の調査で性体験の報告を取り消す確率が高かった。研究者は「処女の誓いをした後1年以内に誓いを撤回する脱落率は52%と非常に高く、少女たちが誓いに強く連結していないことが明らかである。また、自己申告による性体験の報告を用いた誓いの有効性の測定は、非常に信頼性が低い」と述べている。米国では毎年、約100万人の10代の少女が妊娠し、約300万人の10代の少年少女が性感染症(STD)に罹患するといわれる。性行為をさせないよう無意味な誓いをさせるよりは、性行為の持つ意味、妊娠や性病を避ける方法やその怖さ、自己責任などの教育を行うことの方が大事ということであろう(HealthDay)
*ヒトの祖先とチンパンジー交雑? 05.19 「人間の祖先とチンパンジーの祖先は交雑していた」とする研究結果を米ハーバード大などのチームが、18日付の英科学誌ネイチャー電子版で発表する。人間の祖先は650〜740万年前ごろ、比較的短期間でチンパンジーの祖先と分かれ、以後は現在の人間に続く道を進化していったというのが定説だ。しかし、人間とチンパンジーの全遺伝情報(ゲノム)を比べると、何度も分岐した可能性があり、最初の分岐から最終的に異なる種に分岐したとみられる時期に約400万年の開きがあった。このため研究チームは、いったん分岐した人間とチンパンジーの祖先が、長期間にわたり再び交雑、遺伝子の構成も変化したと推定。両者が最終的に異なる種に分岐したのは、定説より100万年以上も新しく、540万年前以降の可能性が高いとしている。この説が正しければ、アフリカで化石が見つかったサヘラントロプス(トゥーマイ)やオロリンなどの有名な初期人類には、直立二足歩行などの特徴があるものの、人類がチンパンジーの系統と完全に決別する前に生きていたことになる。颯田(さった)葉子・総合研究大学院大学教授(進化集団遺伝学)の話「いったん分岐した後でまた交雑したというのは面白い解釈だ。ただ、人間とチンパンジーの共通祖先が10万人程度の集団なら、一度に分岐してもこの程度の遺伝子のばらつきは現れるはずなので、さらに詳細な議論が必要だろう」(読売新聞)
*性同一性障害の男児、女児として小学校入学

兵庫県内の公立小学校が、心と体の性が一致しない「性同一性障害」(GID)と診断された小学2年の男児(7)を、女児として通学させていることが18日、わかった。地元自治体の教育委員会が、医師のアドバイスなどをもとに判断し、受け入れを決めたという。思春期の「第二次性徴」を控えた児童が体とは別の性で学校生活を送る例は全国でも珍しく、専門家からは慎重な対応を求める声もあがっている。教育委員会によると、この男児は幼児期から、ぬいぐるみやスカートが好きで、男の子として生活することに苦痛を感じていた。小学校入学前の05年1月ごろ、大阪府内の病院で性同一性障害と診断され、医師からは「女の子と認めていく方向が望ましい」とアドバイスを受けたという。教育委員会と学校は、保護者と面談した結果、医師のアドバイスをもとに、入学直前の同年3月末に女児として受け入れることを決定。入学後は、出席簿や身体測定などで女児として扱い、水泳も女児の水着で参加し、女子トイレを利用している。他の児童や保護者に直接説明していないが、現在のところ混乱は起きていないという。教育委員会の担当者は「医師のアドバイスが受け入れの最終的な判断になった。今後の対応は、そのときそのときで判断をしていきたい」と話している。
〈性同一性障害〉心と体の性が一致せず、自分が間違った性別に生まれたと確信しているため、社会的、精神的に困難を抱えている状態。1万〜10万人に1人の割合でいると推定される。日本精神神経学会はガイドラインで、ホルモン療法や性別適合手術などの治療指針を定めている。04年に特例法が施行され、性別適合手術を受けた独身の成人について、子どもがいないなどの条件を満たせば、戸籍上の性別を変更できるようになった(朝日新聞)

*苫小牧市長、ワイセツ行為で辞任

苫小牧市の桜井忠市長(52)が今月5日、市内の飲食店で、40代の女性経営者にわいせつな行為をしていたことが分かった。桜井市長は18日、記者会見を開き「市長という立場ながら、市民に失望を与えてしまい誠に申し訳ない。市長を辞職する」と述べ、辞意を表明した。女性は刑事告訴する考えで、相談を受けた苫小牧署は同日、店を実況見分した。関係者によると、桜井市長は4日深夜、市の幹部職員と店を訪れた。5日未明、店内でうたた寝をしていた女性の腰に上着をかけた上で下着の中に手を入れて、下腹部などを触ったという。女性が怒ると、桜井市長は「申し訳ない」と謝罪する一方で、口外しないよう申し出たという。桜井市長は酔っていたらしい。桜井市長はその後、直接謝罪には訪れず、「許せないのは分かるが、どうしたらこの場を収めてもらえるのか」など示談で済ませるようメールで懇願してきた。さらに、弁護士を通じ「100万円で許してほしい」との申し出があったという。一方、会見で桜井市長は、行為そのものは大筋で認める一方、示談金の提示や女性との関係などについては「事実が異なる部分があり、主張していきたい」と語った。辞職の時期については「これから庁内で調整する」として明言を避けた。桜井市長は室蘭市出身。03年4月の苫小牧市長選に自民推薦で立候補し初当選した。04年3月には市議会で辞職勧告決議案を賛成多数で可決されている(毎日新聞)

*閉経後の乳がん療法剤発売 05.12

乳がんのホルモン療法剤の一種で、すでに90カ国以上で発売されている「レトロゾール」(商品名フェマーラ)が11日から国内でも発売される。閉経後の乳がんの増殖にかかわる酵素の働きを抑える「アロマターゼ阻害剤」の一種。手術後の再発予防や、手術が困難な進行・再発患者への新たな選択薬になる可能性がある。販売はノバルティスファーマと中外製薬が共同で行う。1日1錠の飲み薬で、薬価は1錠687.5円。近年、この薬の有効性を認める国際的な大規模臨床試験の報告が相次いでおり、新たな選択肢を望む患者の声が高まっていた(朝日新聞)

*HIV感染、エイズ発症が過去最多

厚生労働省のエイズ動向委員会は28日、昨年1年間にエイズウイルス(HIV)に感染した人と、エイズを発症した患者の合計数が前年を34人上回り、過去最多の1199人にのぼったと発表した。前年に続き2年連続で1000人の大台を超え、感染者の72%を20、30代が占めた。同委員会は「学校現場などで重点的に予防策を打ち出すべきだ」と指摘している。委員会のまとめによると、05年のHIV感染者の総数は前年より52人多い832人。このうち日本国籍の人は741人、外国籍は91人。男女比では男性が92%。特に日本人男性の増加が目立ち、前年より73人多い過去最多の709人に達した。感染経路別では、感染者全体の約9割が性的接触によるもので、内訳は「同性間」が64%、「異性間」は24%だった(朝日新聞)

*事実婚カップルも体外受精容認

日本産科婦人科学会(日産婦、武谷雄二理事長)は、同学会員による事実婚カップルへの体外受精の実施を容認することを決めた。体外受精を受けるカップルを「婚姻していること」と定めた会告(学会規則)は変えないが、カップルの関係を戸籍で確認することはやめる。カップルの希望や家族観が多様化していることから、「『原則』に固執するものではない」ことを総会で確認した。日産婦はこれまで、結婚していないカップルの子どもの法的地位の不安定さなどから、「婚外子の誕生を公式に容認するわけにはいかない」との姿勢を堅持してきた。しかし、事実婚を選ぶカップルは増えており、03年には、がん治療を受ける女性とその婚約者の間で体外受精が試みられたことが明らかになるなど、事実が先行していた状況もあった。吉村泰典・日産婦倫理委員長は「学会として事実婚を認め、奨励するものではないが、現状でも『戸籍謄本がなければ(体外受精は)できません』と断ることはできない。カップルが『夫婦だ』と言えば認めざるを得ない状況だった」と、方針変更の理由を説明する。また、日産婦は94年に定めた「液体パーコール」の使用禁止を求める会告を削除することを決めた。液体パーコールは、男女産み分けのための精子選別に有効とされていたが、「最近の研究で、精子を選別できる科学的根拠がない」ことが分かった一方で、「重い副作用の報告もない」ためという。現在でも、液体パーコールは、男児のみに表れる重い遺伝病の回避のための精子選別や、エイズウイルスに感染した男性の精子からウイルスを除去する方法などに使われている(毎日新聞)

*警察官、救急車内で付き添う母の股間盗撮

奈良県警田原本署の交通課の40歳代の巡査部長が、けがをした小学生男児を搬送する救急車内で、付き添いの母親のスカートの中をデジタルカメラで撮影していたことが11日、わかった。母親からの抗議を受けた県警が巡査部長に事情を聴いたところ、事実を認めた。県警は処分する方針。県警によると、10日午後、母親から「自転車に乗っていた息子が側溝に落ち、けがをした」との通報が同署にあり、巡査部長がもう1人の署員とともに男児宅を訪ねた。手配した救急車に母親と一緒に乗り込み、出発する前までの間に10枚程度を盗撮したという。不審な行動に気づいた母親が、カメラを取り上げて画像を確認した。巡査部長は退職する意向を県警に伝えているという(朝日新聞)

*バチカン、コンドーム容認か? バチカン(ローマ法王庁)はエイズウイルス(HIV)感染防止のため、これまで反対していたコンドームの使用を認める方針に転換する見通しが出てきた。一部の特別な事例に限定されるとみられるが、前ローマ法王ヨハネ・パウロ二世の方針を覆すものだけに、論議を呼びそうだ。ロイター通信などによると、バチカンの保健従事者評議会議長(保健相に相当)のバラガン枢機卿は伊紙レプブリカ(二十三日付)とのインタビューで、近くHIV感染防止のため感染者のコンドーム使用を認める新たな文書を公表することを明らかにした。同枢機卿は「慎重さを要する大変難しくてデリケートな問題だ」とした上で、ローマ法王ベネディクト十六世の指示を受け、同評議会が科学者や神学者とともにこの問題を検討していると述べた。また、元ミラノ大司教のマルティーニ枢機卿も二十一日発行の伊誌で「夫婦は自らのパートナーを守る義務がある」と述べ、HIV感染者が結婚した場合を例に挙げ、限定的にコンドーム使用を認めるべきだとの見方を示した。昨年死去したヨハネ・パウロ二世は、コンドームによる避妊や中絶、同性愛への反対姿勢を変えなかった保守派として知られた。ベネディクト十六世も保守色の強い人物とみられていたが、深刻化するエイズ問題に対し、何らかの形で方針転換する可能性が指摘されていた(産経新聞)
*EU性転換者の年金支給? EUの最高裁判所は木曜日、通常男性は65歳からしか年金を受け取れないが、性転換して男性から女性になった英国人に対して、60歳から年金を受け取る権利があるとの判決を下した。英国では女性は60歳から年金を受け取れることになっているが、同国では出生証明書に記された性別の変更が当時は許可されていなかったため、性転換して女性となったサラ・リチャードさんは60歳からの年金が認められなかった。リチャードさんは男性として1942年に生まれたが、性別違和感に苦しみ、2001年に性転換手術を受けて女性となった。裁判所の判決は、「差別を受けない権利は基本的人権の一つであり、今回のケースではリチャードさんが性転換手術を受けた後、不平等な扱いを受けたものと判断する」という内容だった。このような裁判が再び行われることはないだろう。なぜなら現在、性転換後の性別が認められるようになっただけでなく、女性が年金を受け取ることができる年齢も2010年〜2015年の間に65歳からに引き上げられる予定だからだ(エキサイト・ロイター)


*習慣性流産・着床前診断、学会で承認 04.26

体外受精卵を子宮に戻す前に検査する「着床前診断」について、日本産科婦人科学会の総会は22日、流産を繰り返す「習慣流産」患者の一部も診断対象として認めることを決めた。2月の学会理事会の決定を承認した。一部の流産が予防可能になる一方で「命の選別につながる」との批判もある。新たに診断対象となるのは、夫婦のいずれかが「染色体転座」と呼ばれる染色体異常を持つことが原因で2回以上続けて流産している女性の受精卵。習慣流産の約5%はこの異常が原因だという。染色体転座のある夫婦4組についてすでに、診断実施の希望が学会に申請されている。学会は今後、個別に是非を審査する(毎日新聞)

*産婦人科医、減少の一途

全国の大学病院と関連病院に常勤する産婦人科医が2年間で8%減り、お産の扱いをやめた関連病院も相次いでいることが、日本産科婦人科学会(日産婦)の調査で分かった。24日、日産婦が開いた産婦人科医師不足対策などを話し合う会議で公表した。日産婦の「学会のあり方検討委員会」(委員長=吉川裕之・筑波大教授)が全国110の大学病院を対象に、各大学病院とその関連病院の状況を尋ね、109の大学病院から回答を得た。常勤産婦人科医の総数は03年4月には5151人だったが、05年7月には4739人に減った。特に近畿(13.4%減)、北陸(10.2%減)両地方での減少が目立った。お産を扱う関連病院も03年の1009病院から、2年間に95病院(9.4%)減っていた。日産婦は、常勤産婦人科医減少の主な要因として、複数の診療科で研修を受ける臨床研修制度が04年度にスタートしたことや、常勤から非常勤への異動などを挙げる。その一方で、常勤の産婦人科医に占める女性の割合は年々急激に大きくなっているといい、吉川委員長は「意欲はあるのに、出産や子育てで当直が出来ないばかりに、非常勤に回らざるを得なくなる女性医師も多い」としている(朝日新聞)

*脂肪幹細胞から乳房再建 米バイオ企業のサイトリセラピューティクス(カリフォルニア州)は20日、乳がん手術を受けた患者本人の脂肪組織から採取した幹細胞を使って乳房を再建する治療の臨床試験を、九州中央病院(福岡市)の杉町圭蔵院長らと共同で5月から実施すると発表した。対象となる患者は約20人。本人の体から採取した脂肪組織から、同社が開発した技術を使って幹細胞や再生能力のある細胞を分離・濃縮し、乳房に移植する。試験は、安全性の確認が主目的で、病院倫理委員会から実施の承認を得たとしている。がんの手術で乳房を失った女性の、乳房再建に対する要望は強い。同社によると、脂肪由来の幹細胞は将来の治療法として期待が高い(共同通信)
*巡査長、6人に強姦致傷か 女性に暴行したとして現行犯逮捕された大阪府警の巡査長が別の女性も襲っていたことが分かり、大阪府警は21日、強姦(ごうかん)未遂容疑で第2機動隊の巡査長吉本達軌容疑者(25)を再逮捕した。ほかにも自宅周辺ばかり4件の強姦致傷などを自供しており、被害者は計6人。府警は順次立件する方針で、吉本容疑者は「アダルトビデオなどを見るうちに衝動を抑えきれなくなった」と供述しているという。府警は同日付で懲戒免職処分にした(共同通信)
*ミジンコ、3億年目にしてオス発見 04.17

約2億年前からメスしかいないと考えられていたカイミジンコ(体長約1ミリ)のオスが鹿児島県の屋久島で見つかったと、滋賀県立琵琶湖博物館が13日発表した。カイミジンコはエビやミジンコの仲間の甲殻類。同館のロビン・スミス学芸員らが03年春、屋久島の海岸近くのわき水で新種を見つけ、その中から、生殖器があるオス1体を確認した。その後の採取で計3体のオスが確認されたという。このカイミジンコの仲間は化石研究などで約2億年前からメスしか見つかっていない。メスからメスが生まれる無性生殖を続ける世界最古の多細胞生物とされていた。スミス学芸員は金沢大やロンドン大の研究者と一緒に英国の学術誌(電子版)で発表した。金沢大学大学院自然科学研究科の神谷隆宏教授(古生物学)は「オスはメスの幼体と形も大きさも似ている。オスはいなかったのではなく、姿を小さくして生き続けていたのではないか」と話している(朝日新聞)

*ディーゼル排ガス、子宮内膜に悪影響 女性が胎児期や幼児期にディーゼル自動車の排ガスを大量に浴びると、成長後、子宮内膜症が治りにくくなる可能性が高いことを、栃木臨床病理研究所と東京理科大のグループがラットを使った実験で示した。子宮内膜症は原因不明の病気でディーゼル排ガスとの関係を示す成果は初めて。子宮内膜症は、卵巣など子宮の内側ではない場所に、子宮内膜が付着し、増殖する病気。月経時の強い痛みや腰痛、不妊などが起きる。月経のある女性の約1割、約200万人がかかっているとも言われる。同研究所の菅又昌雄所長らは、妊娠中の雌ラットに、環境基準の10倍に相当する濃度のディーゼル排ガスを1日6時間ずつ3週間浴びせ、その後生まれた子どもの雌ラットにも8週間浴びせた。次に、ラットの子宮内膜を手術で腹膜に移植し、子宮内膜症と同じ状態にした。きれいな空気で育った通常の雌ラットにも同じ手術をし、病状の経過を比べた。
 2週間後に調べると、通常のラットは移植した内膜が消え、内膜症は自然に治っていた。ところが排ガスを浴びせたラットは、内膜の増殖が続き、腹膜でアレルギー反応が起きていた。通常のラットに比べ、アレルギーに関係する遺伝子の働きが異常に強まっていることも分かった。研究グループはこうしたことから、胎児期や幼児期にディーゼル排ガスを浴びると、アレルギー反応が異常に強まり、子宮内膜症を長引かせる可能性が高いと推測した(毎日新聞)
*凍結精子の妊娠、否認知判断見直しか

西日本に住む女性が夫の死後、凍結保存していた精子による体外受精で男児を出産したとして、男児を夫の子として認知するよう求めた訴訟で、最高裁第二小法廷(中川了滋(りょうじ)裁判長)は14日、認知訴訟で被告となる検察側の上告申し立てを受理し、7月7日に弁論を開くと決めた。夫の子と認知した二審・高松高裁判決が見直される公算が大きい。同様の訴訟では東京高裁が親子関係を認めないなど、高裁レベルで判断が分かれている。最高裁が初めての判断を示す見通しで、生殖補助医療を巡る議論に大きな影響を与えそうだ。二審判決によると、女性の夫は98年、無精子症になる恐れがある放射線治療に備えて医療機関で精子を冷凍保存。99年に病死した。女性は夫の精子で体外受精を試み、01年に男児を出産。出生届を出したが、夫の死後300日以上たって生まれており、夫婦間の子どもと認められないとして受理されなかった。一審・松山地裁判決は請求を棄却。これに対し、二審の高松高裁は認知を認める要件として(1)子と父の間に自然血縁的な親子関係がある(2)懐胎について父の同意がある――との基準を打ち出し、父の生死は要件ではないと判示。今回は基準を満たすとして、亡き父の子と認知した。一方、別の訴訟で東京高裁は「死者の精子を使う生殖補助医療は自然な生殖と大きく離れ、現時点ではこれを受け入れる共通の社会的認識はない」として父子関係を認めなかった。民法は、親の死から3年以内であれば、死後の認知を求める訴えを起こせると定めている。だが、親が生きていた間の妊娠を前提としており、医療技術の進歩による精子の凍結保存という事態は想定していない(朝日新聞)

*研究用卵子提供禁止の緩和

人クローン胚(はい)からさまざまな生体組織になりえる胚性幹細胞(ES細胞)研究の指針づくりを進める文部科学省科学技術・学術審議会作業部会が14日開かれ、ボランティアによる卵子の無償提供について「将来は必要」と判断した。これまでの「原則禁止」を緩和した格好で、開始時期や条件については今後、検討する。国の総合科学技術会議(議長=小泉首相)は04年7月、クローンES細胞研究を条件つきで容認する報告書をまとめた。この中で、未婚女性などが純粋に研究のためだけに卵子を無償提供する行為について、人間の道具化や手段化につながる心配があったり、本当に自由意思なのかが問われたりするとして「原則、認めるべきでない」とした。だが、「例外を排除していない」という立場の文科省が、道を探っていた。研究用の卵子提供をめぐっては、韓国ソウル大チームによるクローンES細胞研究の論文捏造(ねつぞう)の過程で、半数の卵子提供者に金銭が渡っていたことが問題になり、日本の卵子提供についても関心が高まっていた(朝日新聞)

*乳頭から抗がん剤注入 早期の乳がんの治療法として、乳頭から抗がん剤を注入する方法を滋賀医科大の村田聡助手と米ジョンズ・ホプキンス大の研究グループが開発した。副作用が少なく、治療効果も高いことを動物実験で確認したという。一般に乳がん治療は、患部の切除手術、放射線治療の後、抗がん剤の全身投与を行う。乳房温存療法でも最小限度の切除は行われ、乳がんリスクの高い女性は予防的に乳房を切り取る場合もある。乳がんの95%は、乳頭から枝状に広がる乳管内で発生し、次第に外側に浸潤していく。もし、がんが乳管内にとどまっている間に、局所的に抗がん剤を入れて治療できれば、切除手術を避けられる。村田助手らは、乳頭から抗がん剤を入れると乳管網の隅々まで広がる一方、全身を巡る血液にはほとんど移行せず、副作用を減らせることを動物実験で確かめた。また、薬物や遺伝子操作で乳がんを発がんさせたネズミで実験したところ、同量の抗がん剤を全身投与した場合よりも治療効果が高かった。今後、滋賀医科大や米国で臨床試験を申請し、人での安全性や効果を調べる予定という(読売新聞)
*バイアグラ追撃のED治療新薬 奇跡的な効果を発揮する液体肥料か床用ワックスでも紹介するような調子で、米パラティン・テクノロジーズ社のカール・スパナ最高経営責任者(CEO)は最近のインタビューで、自社開発した勃起障害の薬について説明した。「非常に質の高い勃起を生み出してくれる」淡々と語ってはいるものの、気まぐれに起きる性機能障害の治療を目的として開発されたこの薬には、研究室だけでなく現実世界でのテストが必要だということを、スパナCEOは十分意識している。
パラティン・テクノロジーズ社は、現在『PT-141』と呼ばれている新薬の有効性を実際の性生活で検証するため、テストに参加してくれる患者を集めている。被験者は『バイアグラ』の評価に使われるものと似たようなアンケートに答え、使用体験を報告することになる。バイアグラは、米国で唯一承認された勃起障害治療薬だ。「この段階で初めて、患者が家庭で性交を行なう際の効果を調べることになる」とスパナCEO。PT-141の登場で、バイアグラが退場してくれることをスパナCEOは期待している。PT-141は経口薬ではなく鼻内噴霧薬だということなど、いろいろな面でバイアグラとは違っている。PT-141は、米食品医薬品局(FDA)の承認に必要な、臨床試験の第1段階をすでに通過した。研究者たちによる調査で、陰茎への血液流入による勃起の維持という、男性患者の最終的な目標達成をこの薬が助けることが判明している。『リジスキャン』という機器を使って計測したところ、勃起は最大で3時間持続したという。パラティン・テクノロジーズ社の研究者たちの調査によると、バイアグラを飲んでも勃起を達成できなかった多数の患者が、PT-141では成功したことが判明したという。またこの薬はバイアグラと違って、視覚や触覚による刺激の有無にかかわらず効果を発揮するため、患者が目標達成の不安を克服するためにも役立ったようだと報告している。性機能障害を治療するための新薬の市場には、将来性が約束されているようだ。米国では、最大で3000万人の男性が勃起障害に悩んでいるが、バイアグラを服用しているのはわずか800万人だと『ネイチャー・レビューズ・ドラッグ・ディスカバリー』誌2002年9月号に掲載された勃起障害治療法についての論評記事は伝えている。
今年末までには、バイアグラのようなタイプの薬2種類独バイエル社の『レビトラ』、米イーライ・リリー社の『シアリス』が登場してくるにもかかわらず、スパナCEOは他の治療薬が市場に入り込む余地があると考えている。「これはセックスに関わる問題だ。1日の終わりがどのようであってほしいか、性の好みは皆それぞれに違う。クオリティー・オブ・ライフの問題として、選択肢が豊富にあったほうがいい」とスパナCEOは述べた。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校の泌尿器科学準教授、チン=シュン・リン氏は、多様な治療法の可能性についてはスパナCEOと同じ意見だが、異なった手法で問題解決に取り組んでいる。リン氏は、勃起障害に関連する遺伝子を研究しており、遺伝子の操作によって障害が起こる条件を防止する方法を発見したいと考えている。また、研究成果を特許で保護する申請も行なっている。「私たちは一時的な効果ではなく、治癒を目指している」とリン氏は述べた。
一方、性機能障害の治療法を研究している研究者の中には、女性を対象とした製品に活路を見出そうとしている人たちもいる。女性向けの治療法は市場にあまり登場してきていない。女性の性的興奮の度合いを測定するのは男性より難しいことが一因だと研究者たちは述べている。男性の性的興奮は勃起によって明確に示される。女性の場合、性的興奮には膣の血流の増加だけでなく、分泌液の増加と、性交への欲求の高まりも関係してくる。PT-141のような薬が、膣周辺への血流を増加させる可能性はありそうだが、このような治療法が女性の性的な満足度を高めるとは限らない。「女性の場合、つねに何かはっきりしないところがある。治療薬は、性的欲求を高めることと性的に興奮させること、両方の問題に効果を発揮しなければならない。男性は通常、いつも性的衝動を抱えているものだ」と、スパナCEOは説明する。
スパナCEOによると、パラティン・テクノロジーズ社は今年、女性を対象にしてPT-141の試験を行なうという。PT-141は研究の結果、鼻の中にスプレーするのが最も効果的だとわかったため鼻内噴霧薬になっている。心臓疾患があって硝酸塩系の化合物[ニトログリセリンなど、いわゆるニトロ系の薬]を服用している人にも安全だという。この点はバイアグラと異なる大きな特徴だ。バイアグラではニトロ系の薬と併用した場合、極端な低血圧になって生命に関わることがある。また、シアリスとレビトラもバイアグラと同じ仕組みで効果を発揮するため、ニトロ系の薬との併用には危険がともなうと研究者たちは述べている。
バイアグラ、シアリス、レビトラはすべて基本的に同じ仕組みで、『PDE5』という勃起を抑える方向に働く物質をブロックすることによって効果を発揮する。治療薬はこの抑制物質をブロックし、性的興奮を誘う視覚的な刺激を受けたり、性交相手に触れたりしたとき、勃起を可能にする。PT-141は、これとは異なる生理学的効果を持っている。PDE5をブロックする代わりに、PT-141は勃起につながる一連の出来事を引き起こす。PT-141が神経を刺激すると、陰茎に血液を送り込んで膨張させる働きを持つ分子が放出される。この神経は、自然な性的興奮によって活性化する神経と同じだ。「通常は神経が果たしている役目を、薬を使って薬理学的に行なっているわけだ」と、スパナCEOは語った。約10%の患者に見られた副作用は、顔の紅潮と軽症の吐き気だった。それも幸いなことに、現れたのは投与後およそ4時間経過してからだった(Hotwired)
*子宮摘出と性欲 子宮や卵巣を摘出すると、性欲が減退し、性行為による満足感やオーガズムを得られにくくなるという研究結果が発表された。この手術を受けた女性は、自然に閉経期を迎えた女性よりも、性欲に影響が出るという。研究では、子宮と同時に両方の卵巣を摘出した場合、より性欲が減退したり、減退したことで悩みがちになることが明らかになった。20歳から70歳までのヨーロッパ人女性1,685人を対象に調査をしたところ、手術によって閉経した女性は、閉経期前や自然に閉経した女性と比べて、性行為に関わる率がはるかに少なく、性生活やパートナーとの関係にも明らかに不満の多いことがわかった。研究者によると、子宮摘出や卵巣摘出などの手術は、国によってその普及率が著しく違ってくるという。例えば、米国ではフランスより高い普及率となっている。「医師や患者は、手術が性的機能に有害な影響を及ぼす可能性もあるということを知っておくべきだ。研究結果から、手術によるホルモン変化が原因で性欲が減退していることがうかがえる」と手術と性欲減退の因果関係について述べている(HealthDay)
*性同一性障害、患者に治療法選択肢 04.09 心と体の性が一致しない性同一性障害の治療について、日本精神神経学会は31日、当事者が「自己決定と自己責任の理念のもとに治療を選択できる」と患者の権利を尊重、医療機関に柔軟な対応を求めることを盛り込み指針を改訂した。ホルモン療法、性別適合手術などの身体的治療は「いずれの治療法をどのような順序でも選択できる」とし、診断と精神科領域の治療は省略できないとした。現在指針に基づく診断、治療は、精神科を除き限られた病院で一貫して行われているが、改訂指針では「別の医療機関に性別適合手術を依頼することもできる」と事実上、患者が手術を受ける病院を選べるようにした。手術中に患者を死なせた医師もいたため、依頼先は設備が整い指針に沿った治療を行う病院や医師を想定している(共同通信)
*韓国、農村国際結婚36%に 韓国の昨年の結婚件数の13.6%が国際結婚で、特に農村地域では韓国男性の35.9%が外国人女性と結婚−。韓国統計庁が2日までに発表した「2005年婚姻・離婚統計」で農村部の深刻な嫁不足に伴う結婚の国際化の実態が明らかになった。 統計庁によると、韓国の昨年の国際結婚件数は4万3121件で前年比21.6%増で、結婚件数に占める比率も一昨年の11.4%から上昇した。農村地域で国際結婚した韓国男性の相手女性の国籍ではベトナムが最多で1535人、第2位が中国で984人、第3位がフィリピンで198人。一昨年までは韓国語が話せる朝鮮族の女性がいる中国が最多だった。一方、外国人配偶者との離婚も昨年は4278件で前年比25.8%増加。特に妻が外国人の場合の離婚が2444件で前年より51.7%の大幅増で、外国人女性が韓国での結婚生活になじめず破たんするケースが目立った。日本の厚生労働省の2004年人口動態調査によると、日本では国際結婚は婚姻件数全体の5.5%。都道府県別では最も国際結婚の割合が高いのが東京都の9.5%となっている(ZAKZAK)
*5人のサウジ女性、男女差別にうんざり性転換 サウジアラビアにおける保守的な女性差別にうんざりした女性5人が、性転換して男性になっている。『アル・ワタン』紙は、男性優位社会のせいで「心理的コンプレックス」が膨らんだ結果、海外で性転換手術を受けたサウジアラビア女性は過去12カ月で5人にのぼると報道した。サウジアラビアはイスラム法の解釈について厳格な立場を取っており、女性が車を運転することが許されていない。それどころか、男性の親類の付き添いなしでは公共の場所に出ることすらできないのだ。記事には、当局は性転換手術を禁止する規則を導入して「法的な空白」を埋めるべきだ、との聖職者の発言が引用されている。こうしたケースは教会や心理学者によって調査されるが、性転換手術をした人々が逮捕されることはないと、内務省の職員は語っている(エキサイト・ロイター)


*小児ワイセツが再犯率最悪 03.31 性犯罪のうち、13歳未満の「小児」に対する強制わいせつで服役した元受刑者の再犯率は20%を超え、ほかの性犯罪に比べて最も高いことが、法務省の初の再犯状況調査で分かった。杉浦正健法相が31日の閣議後会見で発表した。別の受刑者アンケートでも、小児強制わいせつによる受刑者の5割近くが「再犯の不安」を自覚していることが判明。子供を狙った性犯罪の再犯リスクが大きいことを示す結果といえ、小児に対する性犯罪者の処遇強化の必要性があらためて浮き彫りになった。再犯状況調査は、強制わいせつや強姦(ごうかん)の罪で有罪判決を受け、1999年に刑務所を出所した受刑者と、2000年に執行猶予判決を受けた元被告の計約1400人が対象。04年末までに再び何らかの性犯罪を起こし、有罪が確定したケースを拾った(共同通信)
*強姦事件の被告無罪に 酒に酔った女性に乱暴したとして強姦(ごうかん)致傷と住居侵入の罪に問われた岐阜県各務原市の男性被告(29)の判決公判で、名古屋地裁の伊東一広裁判長は24日、「犯罪の証明がない」として、懲役5年の求刑に対し無罪判決を言い渡した。伊東裁判長は判決理由で、女性が大声を出すなどの抵抗をしなかったことや、数時間後の男性への電話で責めなかったことを指摘。「女性の言動は乱暴されたとするには不自然で、証言の信用性に疑問がある」と結論付けた。弁護側は「部屋に入るなどしたのは女性の合意があったからで、女性のけがは酒に酔って転んだ際に負ったもの」として無罪を主張していた。男性は昨年1月18日未明、勤務先の新年会で酒に酔った名古屋市の30代女性を部屋まで送った際、女性宅に押し入ってベッドの上に押し倒し乱暴、女性の肩や胸に約11日間の傷害を負わせたとして起訴された(共同通信)
*岩月教授、相談者20人に「タントラ」という性行為を 香川大(一井真比古学長)は二十七日、準強制わいせつの罪で懲役二年の実刑判決を受けた岩月謙司教育学部教授(51)を、同日付で懲戒解雇とする懲戒処分を決めた。同大によると、教授の懲戒解雇は初めて。同日開いた人事審査委員会と教育研究評議会で処分内容を審議し、学長が決定。同教授に処分内容を通知した。審議では、実刑判決に加え、公判を通じ、同教授が約二十人の相談者と「タントラ」と称して性行為に及んでいたことが事実認定された点を重視。岩月教授側は判決を不服として控訴しているが、「大学教授の行為としては許されない」として懲戒解雇が妥当とした。会見した一井学長は、「社会的使命を担う大学の名誉と信用を失いかねない事態を招いた。改めておわびする」と謝罪。その上で「信頼回復に向け、再発防止に努めたい」などと述べた。岩月教授は二〇〇四年十二月、心理療法と称して相談者の女性にわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪で起訴。今月二十三日に高松地裁で実刑判決を受けた(四国新聞)
*種馬にもバイアグラ ドイツの馬オーナーが、新しく購入した種馬が無力であるとして全額の支払いを拒否していたが、法廷は馬にバイアグラを与えるよう命じた。馬の買い手であるヴェディオール氏は、種馬の価格4000ユーロ(およそ56万7000円)の10分の1を支払っており、この馬には睾丸がひとつしかなく、雌馬に反応しなかったと主張していた。ノイルッピン市の法廷の広報担当者エグバート・サイモンズ氏は、獣医は診察の結果、睾丸を発見したと発表。
さらに、問題の種馬は薬を与えられると完全に機能したそうだ(エキサイト・ロイター)
*前立腺がん、体型に無関係 03.13 日本人の男性は、やせ形でも肥満形でも前立腺がんになる危険性は変わらないとの疫学調査の結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が13日付の英医学誌に発表した。前立腺がん発生率が日本の約10倍の欧米では、肥満がリスク要因との報告がある。日本人には必ずしも当てはまらないことを示す調査結果で、研究班は「食生活やホルモン濃度の違いなど他の要因が関係しているのではないか」としている。研究班は岩手、秋田、茨城、新潟、長野、大阪、高知、長崎、沖縄(2地域)の10地域で、40−69歳の男性約5万人を、1990年から最長13年間にわたり調査した(共同通信)
*エイズ、中国全人代で「管理売春」論争 北京で開催中の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)で、エイズ予防の観点から管理売春の必要性が提案され、議論の行方に注目が集まっている。今のところ売春が合法化されることはないとみられるが、中国ではエイズ患者がすさまじい勢いで増えており、提案はエイズ問題が全人代で管理売春まで議論せざるを得ないほど、大きな問題となっていることを浮き彫りにしている。提案したのは遅夙生・黒龍江省代表。三十人の代表の支持を集めた上で「性産業従事者は健康検査を義務付け、性病およびHIV感染拡大防止を講じなければならない。この意見は伝統的倫理や道徳とは衝突するだろう」と述べた。さらに「HIV感染したまま売春を行う女性が多く、社会の脅威となっている」などと強調した。この提案は、中国メディアでも報道され「売春婦自身が公にレッテルをはられたくない」「ニセの証明書が出回るから意味がない」「税収増につながる」「西洋でも合法化しているところは多い」と、賛否両論がネット上に寄せられている。最近のネット・アンケートでは売春の合法化賛成が64%、反対が28%という。中国では、売春婦は政府系シンクタンクの推計によると、六百万人とも千二百万人ともいわれ、組織的な斡旋(あっせん)売春は最高で死刑となるが、農村女性にとっては貴重な現金収入を得る手段だ。ただ、今年一月の衛生省の発表によると、雲南、四川省などのエイズ蔓延(まんえん)地域では、売春婦の百人に一人以上が感染者とされる(産経新聞)
*ジェル状エイズ予防薬 03.10 HIV予防研究の専門家が行った準備テストで、ジェル状のエイズ予防薬に安全上の問題のないことが明らかになった。性交渉の間、エイズウイルスを寄せつけない経膣薬だという。 ジェルにはテノフォビルという薬が含まれており、この薬は一般的には経口薬(商品名:ビリヤド)として、エイズ感染者の治療に用いられている。最近では、このような抗エイズウイルス治療薬を予防薬として活用できないか、専門家の間で研究が重ねられている。エイズワクチンが未だ開発段階にあるため、性交渉の抑制やコンドームの使用以外の効果的なHIV感染予防法を見つけ出すことが、緊急の課題となっている。今回の研究では、18〜45歳の米国人女性84人(うち24人はHIV感染者)を対象に、ジェルの2週間連続使用による副作用の有無を調査した。その結果、一部の被験者に膣のかゆみやおりものなどの症状がみられたものの、重篤な副作用はなかった。テノフォビルはエイズウイルスが免疫細胞に侵入して細胞のDNAを乗っ取り、ウイルスを増殖させるのを防ぐ働きをもっている。ジェルは経口薬と同じく、テノフォビルを膣の細胞に侵入させ、ウイルスをブロックすることを目的としている。次回のテストは、HIV感染の危険性の高い女性が長期間使用した場合の効用をみるという。薬が細胞組織の中に入り込み、そこでしばらくとどまれば、性交渉の直前にジェルを使用する必要はなくなる。1日1回で効果があるかもしれない。またジェルを含ませたリングを膣内に装着し、数週間置いたままにすることも可能となる。ある専門家は「ジェルを使った治療は、その効用が確立するまで早くても3〜5年はかかるため、まだまだ先の話だ。今回の研究結果は長い道のりの第一歩にすぎない」と注意を促している(HealthDay)
*団塊ジュニア、30歳未出産半数以上

第2次ベビーブーム期(71〜74年)に生まれたいわゆる「団塊ジュニア世代」の女性の約半数が30歳時点で子どもを産んでいないことが3日、厚生労働省が発表した統計でわかった。政府は、女性だけで400万人近くいるこの世代が出産年齢期にある2010年ごろまでを「少子化の流れを変える好機」と位置づけており、今後、どこまで効果的な少子化対策を打てるかが課題となる。人口動態統計をもとにまとめた「05年度出生に関する統計」で、出生についての分析は01年度以来、4年ぶり。30歳で子どもを1人も産んでいない女性の割合は、53年生まれ(04年時点で51歳)は18%だが、61年生まれ(同43歳)で3割を突破。団塊ジュニア世代を見ると、71年生まれ(同33歳)の48.9%からじりじり上昇、73年生まれ(同31歳)の51.0%、74年生まれ(同30歳)の51.5%といずれも5割を超え、世代全体でも5割を超えた。女性1人が一生の間に産む子どもの平均数を示す合計特殊出生率は、04年は1.29だったが、団塊ジュニア世代の33歳は1.12にとどまっている。少子化の背景には、未婚化・晩婚化が指摘されているが、30〜34歳(04年時点)の女性が結婚を経験した割合(累積初婚率)は、68.1%。00年時点の同年齢層と比べると、4.7ポイント減と大きく下がった。25〜29歳、20〜24歳も下がっており、未婚化が進んでいることが浮き彫りになった。一方、いわゆる「できちゃった婚」など、結婚前に妊娠したケースは、04年に生まれた第1子のうち26.7%を占め、80年の12.6%から大幅に増え、00年の26.3%から微増した(朝日新聞)

*痴漢訴訟、高裁で男性無罪判決

東京高裁(原田国男裁判長)は8日、西武新宿線の満員電車で女性に痴漢をしたとして強制わいせつ罪に問われた東京都中野区の男性会社員(43)に、無罪判決を言い渡した。懲役1年6カ月執行猶予3年(求刑懲役2年)とした一審の東京地裁判決を破棄した。男性は「03年10月22日朝、西武新宿線新井薬師前―高田馬場間の電車の中で、女子高校生(当時16)の下着の中に手を入れるなどした」として起訴されたが、一貫して無罪を主張していた。車内で男性は高校生の右後ろに立っていた。男性は捜査段階から一貫して「自分の左後ろにいた外国人風の男が犯人の可能性がある。人違いだ」と主張していた。原田裁判長は「その可能性も退けられない」と言い分を認め、「高校生が被害に遭ったのは間違いないが、被害者の証言は男性を犯人とするには足りない」と述べた。また、女子高校生が男性を捕まえた時の状況について「痴漢直後の手ではなく、痴漢だと思った人を捕まえたにすぎない」と述べた。そのうえで、「警察がずさんともいえる再現実験で、外国人風の男の場所からは手が届かないと決めつけ、被害者を誤って誘導した可能性がある。警察は強引なまでに被告人の弁明を封じた」と指摘。「本来なら起訴に至らなかった事案ではないか。男性の数多くの苦難を考えるとき、慎重の上にも慎重を期した捜査を経た上での起訴が必要だというべきだ」と警察・検察を批判した(朝日新聞)


*ペニス長茎手術は有効か? 02.21 絶え間なく送られてくる迷惑メールのせいで、ペニスを大きくする長茎手術のイメージはあらゆる手術の中で最も誇大なものとなった。14日、発表された調査によると、長茎手術を受けた男性の大半は結果に満足していないことがわかった。ロンドンにあるセント・ピーターズ男性病センターの泌尿器科医、ニム・クリストファー氏は「ペニスの大きさに心理的不安を抱いている患者にとって、特に標準的なサイズであるにも関わらず不安になる患者にとって、手術は無意味なのです。たいして違いは出ませんから」と語った。クリストファー氏とその同僚たちは、長茎手術を受けた男性42人を調査したところ、結果に不満を持つ率が圧倒的に高かった。手術を受けた男性はまた別の手術を受ける傾向が強いという。クリストファー氏は「手術によってペニスの長さは平均1.3センチ程度しか伸びません。不満に感じる率は70%を超えています」という。同氏は、ペニスの長茎手術を宣伝する迷惑メールの情報は不正確で、非現実的な期待を与えている、と指摘する。医学専門誌「European Urology」に調査結果を発表した研究チームは、こうした男性は手術を受けるより、心理的カウンセリングを受けるべきだという。「患者の大半が長茎手術を受けても満足しないことがわかりました。調査結果は、非外科手術的オプションを示唆しています」(エキサイト・ロイター)
*ピルの服用で性欲低下? 経口避妊薬を服用する女性は、長期にわたって性欲が減退する可能性のあることが、米国の新しい研究で明らかになった。経口避妊薬の服用で、30〜40%の女性が性欲の減退を経験することはこれまでにも知られているが、服用中止後も影響が続く可能性があるという。 経口避妊薬の服用は、性欲亢進作用を持つアンドロゲン(テストステロンを含む男性ホルモン)を減少させる。テストステロンは女性の場合、卵巣や副腎で作られるが、避妊薬の影響で卵巣が産出するアンドロゲンが抑制され、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)が増加する。SHBGはテストステロンに結合してテストステロンの機能を低下させるため、増加すると性欲低下につながる可能性がある。研究では、性健康の悩みを6カ月以上訴えている閉経期前の女性124人を対象に、経口避妊薬がSHBG数値へ与える影響を調べた。女性は、6カ月以上避妊薬を服用しその後も継続している、6カ月以上服用したが中止している、全く服用経験のない、3グル−プに分けられた。その結果、服用を継続している女性は、服用経験のない女性と比べて、SHBG数値が4倍も高く、服用を中止した女性も服用経験のない女性と比べると依然数値が高いことが判明した。また、中止後平均11カ月経過した11人の女性を調べたところ、服用経験のない女性の2倍の数値を示した。ある専門家は、1年以上経過後の影響は不明だとしながらも「避妊薬が体にインプリント(刷り込み)を行い、SHBGを作り続けるよう記憶させているとすれば、服用中止後も継続的な性機能低下の危険性がある」と推測する。また別の専門家は、「経口避妊薬がSHBG数値を上げることは周知の事実で、心配することではない」とも述べている(HealthDay)
*児童性的虐待の加害者は保護者が一番

昨年1年間に両親など保護者から強姦(ごうかん)など性的な児童虐待を受けた18歳未満の被害者は前年より17人増の56人に上り、統計が残る99年以降で最多だったことが16日、警察庁のまとめでわかった。児童虐待全体は229人で前年より10人減ったものの高い水準が続いており、警察庁は「児童虐待への関心が高まり、表面化しにくかった被害が明らかになっている」と分析している。まとめによると、摘発された児童虐待事件は222件(前年比7件減)で、242人(同11人減)が検挙された。死者は38人に上った。内訳では、殺人や傷害、暴行などの身体的虐待が156件(同20件減)で最も多く、強姦や強制わいせつなどの性的虐待は55件(同16件増)、食事を与えないなどの怠慢や拒否は11件(同3件減)だった。性的虐待に関係する罪種別では、強姦が16件(同1件増)、強制わいせつは7件(同1件減)、子供に淫行(いんこう)させるなどの児童福祉法違反は31件(同16件増)だった。いずれも加害者は実父と養父・継父がほとんどを占めていた。一方、全国の警察が摘発した児童買春・ポルノ事件の被害者は、出会い系サイト利用などの買春が1519人(同77人減)、姿を撮影された児童ポルノが251人(同169人増)だった。児童ポルノは04年7月の同法改正に伴い、販売などの目的がなくても、18歳未満の児童のわいせつな姿を撮影したり、画像を交換しあったりする行為が規制されたため、摘発件数は前年より293件増えて470件に上った(朝日新聞)

*関西連続強姦魔、DNAで逮捕

大阪、兵庫、奈良3府県の女性や小中学生を狙った連続性的暴行事件で、3府県警は、大阪府内に住む42歳の男の犯行と断定した。複数の現場で採取された遺留物のDNA型が一致した。近く、強姦(ごうかん)などの容疑で男の逮捕状を請求する。調べでは、男は大阪市内を中心に、ワンルームマンションに住む女性や下校途中の女子中学生らを狙い、刃物などで脅し、性的暴行をした疑いが持たれている。一連の事件は04年夏から二十数件に上るとみられ、デジタルカメラで被害者の体を撮影して脅したり、現金を奪ったりしたケースも確認されている。現場は兵庫県姫路、西宮市や奈良県などで、うち十数件の現場にあった遺留物のDNA型が男と一致した。移動には乗用車が使われたとみられ、車に連れ込まれて性的暴行された事件もあった。このため3府県警はNシステム(ナンバー自動読み取り装置)なども活用して不審者を絞り込んだ(毎日新聞)

*知的障害女児ワイセツ容疑教諭、2審も無罪

勤務先の千葉県内の公立小学校で03年、知的障害のある女児2人の体を触ったとして強制わいせつ罪に問われ、懲役7年を求刑されたが一審で無罪となった男性教諭(46)=休職中=の控訴審判決が15日、東京高裁であった。高橋省吾裁判長は「被害状況に関する女児らの供述の信用性には疑問がある」と述べて検察側の控訴を棄却、一審に続いて無罪とした。教諭は、知的障害児らの学級担任だった03年5月と7月、教室内でそれぞれ1人の女児にわいせつ行為をしたとして起訴された。捜査段階で容疑を認めたものの公判では否認に転じ、無罪を主張。知的障害がある被害女児の「教室内のカーテンで仕切られたスペースでわいせつ行為をうけた」などとする供述の信用性が争点となった。高裁は「たとえカーテンを閉じたとしても、カーテンの下端と床の間にはすき間がある。教室には他の児童、教員もおり、すぐ発覚する可能性がある場所で犯行があったとする供述は不自然」と指摘。女児の1人の証言については「真実の記憶に反しているという疑問がある」、もう1人については「一部が想像の産物としか理解できない点がある」と述べた(朝日新聞)

*わずかな減量で尿失禁改善? 糖尿病予備軍の女性においては、たとえわずかな体重減少でも、体調改善だけでなく失禁など膀胱疾患のコントロールに良好な改善をもたらすとの研究結果が、米国糖尿病協会(ADA)誌「Diabetes Care」2月号に報告された。 生活習慣の改善と血糖降下薬はどちらが糖尿病発症予防に有効かを検討した、米国立衛生研究所(NIH)の糖尿病予防プログラム(Diabetes Prevention Program=DPP)の試験結果を再分析したもの。対象は、血糖値が正常より高い状態にある糖尿病予備軍で、かつ過体重の女性約3,200例(平均年齢50歳)で、食習慣の変更と運動量増加による体重7%減を目指す群(660例)、経口糖尿病治療薬(メトフォルミン)投与群636例、プラセボ(偽薬)群661例の3群に無作為に割り付け、平均2.9年間経過を追跡した。実薬群とプラセボ群にも、食習慣と体重減少に関する標準的な医療アドバイスは施行された。その結果、食習慣と運動習慣の改善によって5〜7%の体重減少を達成できた群では、1週間に失禁があった例が38%と、実薬群の48%、プラセボ群の46%と比べ少ないことが確認された。研究執筆者で米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のJeanette S. Brown博士は「減量がもたらす便益を強調する結果だ。体重200ポンド(91kg)の女性が10〜15ポンド(4.56〜6.8kg)減量すれば、糖尿病発症のリスクを減らせるだけでなく膀胱コントロールも改善できる」と説明。「糖尿病リスクの高い人に生活習慣の改善を促す強力な動機付けになる」と述べている。DPPの臨床試験は2002年までに終了しており、生活習慣改善による5〜7%の体重減少は2型糖尿病の発症リスクを58%軽減するのに対し、血糖降下薬は31%のリスク軽減にとどまるとの結果を報告している(HealthDay)
*子宮筋腫の新治療法とは 02.12

腹部を切らずに、子宮筋腫を超音波で焼き切る「FUS」(集束超音波治療)と呼ばれる新しい治療法が普及し始め、注目されている。日帰りでできるのが最大の魅力で、仕事や子育てで長期間の入院ができない女性を中心に受診者が増えている。【小島正美】子宮に良性の腫瘍(しゅよう)ができる子宮筋腫は、成人女性の4〜5人に1人の割合で見られる。原因は分からないが、女性ホルモンの影響で腫瘍ができるといわれる。特に自覚症状がなければ、治療の必要はない。だが、月経時の痛みがひどかったり、大量の出血があるなど日常生活に支障が出る場合には治療が必要となる。これまでの主な治療法は(1)筋腫だけを切り取る手術(2)子宮全体を取る全摘手術(3)足のつけ根からカテーテルを血管に入れて、薬剤で血管を詰まらせて筋腫を縮小させる子宮動脈塞栓(そくせん)術(4)女性ホルモンの働きを抑えるホルモン療法−−などがある。子宮を切除する手術が行われることが多いが、体への負担が大きく、1〜2週間の入院と腹部に傷が残るのが難点だ。新しく登場したFUSは、超音波を束のように集めて一点に集中させると熱が発生することを利用し、その熱で筋腫を焼き切る治療法。医師や技師がMRI(磁気共鳴画像化装置)で病巣を確認しながら、ゆっくりと照射。患者は3〜5時間、治療台の上でうつぶせになり寝ているだけだ。2年前、日本の厚生労働省に当たる米国FDA(食品医薬品局)が子宮筋腫の治療法としてFUSを認可したため、日本でも導入する病院が出てきた(毎日新聞)

*フレンチキス、髄膜炎感染のリスク 複数の相手とフレンチキスをすると髄膜炎になるリスクが4倍近く高くなると警告する論文が14日のバレンタインデーを前に英国医学ジャーナル(BMJ)オンライン版に出た。髄膜炎は命にもかかわる恐れのある病気。10日発行のBMJ最新号によると、研究者たちは1999年と2000年に髄膜炎で英国の病院に入院した15−19歳の若い男女114人の行動記録を調べ、他の健康なティーンエージャーと比較した。その結果、複数のパートナーとディープキスなど親密な方式のキスをする人は髄膜炎にかかる可能性が3.7倍高くなることが判明したという。研究はオーストラリア・シドニーの免疫研究・監視全国センターのロバート・ブーイ氏の指導の下で行われた。髄膜炎はウイルス性のものと細菌性のものがあり、セキやクシャミで伝染する可能性があるが、キスの際の舌の接触で感染する危険の方がはるかに高いとされる(時事通信)
*乳がんの新治療法

癌(がん)化学療法薬(抗癌薬)を乳管に直接送達させると、早期の乳癌治療が容易となり、放射線療法や外科的療法と同程度の効果が得られる可能性があることが、動物モデルでの研究で明らかにされ、医学誌「Cancer Research」1月15日号に掲載された。経乳管療法(intraductal therapy)と呼ばれるこの治療法は、髪の毛ほどの細いカテーテルを用いて、乳頭から乳管内に直接薬剤を注入するもの。米ジョンズ・ホプキンス大学(ボルチモア)腫瘍学教授のSaraswati Sukumar氏らは「動物モデルで乳管から薬剤を注入したところ、その他の組織をおかすことなく乳房のみに到達させることができた」という。Sukumar氏は、早期の乳癌がその発生部位である乳管から移動する可能性は低いため、経乳管療法によって外科的療法や放射線療法と同程度の治療効果は望めるのではないかと述べる。Sukumar氏らはこの結果を踏まえて、同大Kimmel癌センターで乳房切除術を予定している乳癌患者を対象に第I相臨床試験を実施しており、疼痛や炎症、乳管構造の変化などの潜在的な副作用を含めた、経乳管療法の安全性および実現性を検討中である。同氏は「外観をできるだけ損なうことがなく正常組織を温存することができる早期乳癌の治療選択肢を開発したい」とし、癌化学療法薬やタモキシフェンなどの乳癌予防薬を乳管に注入する方法は、乳癌の高リスク女性を守る手立てとして期待できると述べている(HealthDay)

*アルコールとSEXの関係

「勃起(ぼっき)しなかったらどうしようという不安を取り除くために、セックスの前に少量のアルコールを飲みます。でも、ついついいつものように深酒になって、結局は熟睡。彼女に大目玉を食らうやら、自己嫌悪に陥るやら」との嘆き節は23歳の男性。セックスに対する不安や罪意識を和らげ、性的な興奮を高めるためにアルコールの力を借りようとする男性がいます。しかし、少量のアルコールであればいいのですが、実際には性的能力を低下させてしまうことが少なくないようです。確かに、アルコールが入ると理性を司っている大脳新皮質の働きが抑えられ、本能や感情を支配している大脳辺縁系が活発になることから、性的な興奮を高めやすいことはよく知られています。でも、いったいどれくらいの飲酒量であれば効果的なのでしょうか。アルコール濃度と性反応の関係を知る目的で、男子大学生に飲酒させながらエッチビデオを見せたという研究があります。これは、ペニスが勃起するまでの反応速度と硬度を調べたもので、血中アルコール濃度が0.025%程度だとペニスは程良く勃起しますが、0.05%以上になるとペニスの勃起力は急激に低下することがわかりました。結局、彼らは、「やりたい気持ち」は起こっているのに、体がいうことをきかない状態を経験することになったのです。また血中アルコール濃度が高い(0.03〜0.09%)と、ひとりエッチで射精に至るまでの時間が長くなりました。アルコール濃度が高過ぎると、まったく勃起しないこともあります。このような傾向は、特に40歳代後半から50歳代の男性に顕著に認められました。女性についても興味深い研究があります。性的興奮に伴って腟がどのように変化をするかを探るために、腟内に測定器具を装着した上で、アルコールを飲んだ女性。同時に、性的に刺激の強いビデオを見せられました。研究者は、アルコールが入れば入るほど、すなわち、血中アルコール濃度が高まれば女性は感じるだろうとの仮説を立てたのですが……。結果は、血中アルコール濃度が0.04%程度になると、性的欲求は高まる一方で、強い眠気に襲われたといます。女性の場合、飲酒から2時間くらい経つ頃、血中の男性ホルモンがゆっくり増加していきました。男性ホルモンとは、性欲を昂進(こうしん)させるホルモンと呼ばれています。したがって、アルコールによって体はぐったりとして無気力になる中、「やりたい気持ち」だけは残るという、心と体のアンバランスが起こったというわけです。このような現象は、特に排卵周辺期の女性において顕著でした。一方、男性はといえば、血中アルコール濃度が急激に高まるような飲み方をすると男性ホルモン値は逆相関で低下します。アルコールなしでは生きられない状態に陥った依存症の男性では、精巣内の細胞が徐々に破壊され、男性ホルモンの分泌量が低下するとともに、女性ホルモンが増えて体が女性化していきます。挙げ句、女性の二次性徴に見られるように、体毛が薄くなり、筋肉が落ち、精巣が萎縮し、女性化乳房が出現し、当然、性欲は低下し、インポテンス(勃起不全)になります。仕事帰りの居酒屋通いを楽しみにしている御仁には、ストレス解消、疲労回復などのアルコールの効用を認めつつも、アルコールの飲み方には十分に配慮されますように……(Dr北村・毎日新聞)

*一夫多妻男、「欲も満たせる」などと供述

東京都東大和市で11人の女性と暮らしていた男が、別の女性に対し共同生活に加わるよう脅したとされる事件で、脅迫容疑で逮捕された無職渋谷博仁容疑者(57)が警視庁の調べに対し「恐怖心を与えて、女性と一緒に生活をする目的だった」と、容疑を大筋で認める供述をしていることが分かった。捜査1課によると、渋谷容疑者は当初「夢の中に出てきた話をしただけだ」と容疑を否認していたが、「女性を集めれば生活が安定し、欲も満たせる」「孤独感があり、女性が大勢いたら心が落ち着いた」などと話し始めたという。数年前から催眠術関連の本を買い集め、知識を得ていたという(朝日新聞)

*低容量ピル処方簡素化 02.07

低用量経口避妊薬(ピル)を医師に出してもらう前の検査が大幅に簡素化される。日本産科婦人科学会(日産婦)などが新指針を1日までにまとめた。従来は数万円の検査費用がかかることもあったが、新指針では初回の費用は3000円程度におさまり、服用を希望する女性はぐっと利用しやすくなる。ピルは医師が書いた処方箋(しょほうせん)が必要な医薬品で、99年に解禁されたが、国内の使用率は1〜2%。従来の指針では、処方前の検査として、血圧測定のほか、検尿、肝機能検査、子宮頸部(けいぶ)細胞診、性感染症検査などを求めていた。新指針では、問診で乳がんや糖尿病などの有無、喫煙状況、服用中の薬剤、年齢などを尋ねることと、血圧と体重の測定だけを必須とし、これで問題がなければほかの検査はしなくてすむ。ピルは正しく飲めば避妊効果が100%近く、女性が主体的にかかわれる利点がある。国連の資料(03年)では、使用率はドイツ59%、仏36%、英国22%、米国16%と先進国で定着している。日産婦の武谷雄二理事長は「この6年ほどで日本人独自のリスクもないこともわかり、世界標準に合わせた。性感染症検査は大切だが、ピル利用者だけにするのは個人のプライバシーにもかかわる」と話している(朝日新聞)

*子宮筋腫、新治療法

子宮筋腫の新しい治療法に関するセミナーが25日午後1時半から東京都渋谷区の東京ウィメンズプラザで開かれる。主催は子宮筋腫などを体験した女性でつくる団体「たんぽぽ」で、現場の医師を招き、効果や安全性について考える。取り上げるのは子宮動脈塞栓(そくせん)療法(UAE)と集束超音波療法(FUS)で、いずれもおなかを切らずに済む治療法として注目を集めている。体への負担は従来の手術より少ないが、再発の恐れや他の臓器への影響なども指摘されている。参加は先着順で定員246人。会員以外の参加費は2500円。住所、氏名、電話番号を記入し、はがき(〒220−8691 横浜中央郵便局私書箱60号)かファクス(電話045・290・7828)、メール(tampopo@bcg-j.org)で申し込む(毎日新聞)

*ひとりH男性諸君に警報

「セックスにはまったくといっていいほどに関心を示さない夫(32歳)。それでも、マスターベーションには励んでいる様子。私も、セックスには淡泊ですから楽でいいのですが」。メールの主は30歳の女性でした。世界のセックス調査で回数が年間45回、世界最下位(世界の平均103回)とのらく印を押された日本人のセックス。このメールこそ、日本人の性の実態を如実に物語るものといえるかもしれません。実は、僕のクリニックには、途上国の医療関係者が時々研修を目的に訪れています。そんな時、電話相談のあらましなどを話すことになるのですが、毎回怪訝(けげん)そうな顔をされるのが「マスターベーション」に関する相談件数の多いことを話題にした時です。「なぜそんなことが悩みになるの」と平然といってのけるのですから腹が立つやら悲しくなるやら。このコラムの読者であれば「北村のひとりエッチ経験最多回数はひと晩7回」なんてご存じのことですが、その話をするわけです。当然、会場は凍り付き「嘘みたい!?」と嘲笑にも似た表情で見つめられることになります。さもありなんです。激しい性欲に襲われて、僕たち日本人がやむなく(?)ひとりエッチに向かわざるを得ない年齢は、途上国の人々にとってはすでに結婚し公然とセックスしているわけですから、ひとりエッチなんて愚の骨頂なのかもしれません。さすがの僕だって14、15歳での結婚が許されていたら、あの悶々とした日々はなかったに違いありません。日本性教育協会が行った調査によれば、ひとりエッチの経験率は16歳ともなれば男子では90%を超えており、ごくごく日常的な行為になっているわけです。ただ、そのために心配なことがあります。第一に、コミュニケーションを図ることの楽しさを忘れてしまわないかということです。今回のメールをお送りいただいたパートナーについて、そうと決めつけることは乱暴ですが、ひとりエッチのほうが高度なコミュニケーションが要求されるセックス以上に気楽なのかも知れません。というのは、ひとりエッチというほどに、自分が自分の欲求の一番の理解者であるだけでなく、他人(恋人や結婚相手とはいってもしょせんは他人)に気遣う必要がないわけで、それほど気のあった行為といえなくもありません。まさに“Masturbation is sex with the person you love the most.(マスターべーションはあなたが大好きな人とのセックスです)”なのですから……。第二の心配は、セックスに対する興味が失せてしまう可能性があることです。腟内射精不能もそのひとつです。射精障害は、腟内射精不能、早漏・遅漏、逆行性射精(膀胱内射精)、射精不全などに分類されますが、臨床の現場でもっとも多いのが膣内射精不能だといわれています。これは、ひとりエッチでは射精ができても、腟内ではできないことをいいます。腟内では快感を得られず、勃起が途中で萎えてしまう。卑近な言葉ですが「中折れ」という状態になってしまうのです。この膣内射精不能の原因のひとつとして、ひとりエッチの方法に問題があることが指摘されています。例えば、ペニスを布団に強く押し付ける、腟内よりも強い力でペニスを握るだけでなく、激しい動きで刺激するなどです。これでは、セックス意欲が失せるのは当然です。腟から受ける刺激はペニスを強く握りしめた時ほどではありませんし、自身の手であれば並外れて激しい動きが可能であっても、腰の上下運動には限界があります。ひとりエッチの効能を認めながらも、腟内射精不能に陥らないために、今一度ひとりエッチの方法については再考する必要がありそうです。ソフトに、激し過ぎず、想像力豊かに、そんなひとりエッチの実現のために、第43話で紹介した「ドクターG」の利用を改めて推奨します。(Dr北村・毎日新聞)

*京大生、集団強姦で逮捕

京都大学の学生で元アメリカンフットボール部員が、女子大生2人に集団で性的暴行を加えたとして、京都府警捜査1課と川端署は26日、京都市左京区田中大堰町、工学部4年、白井淳平(22)▽同区一乗寺出口町、農学部4年、池口亮(23)▽同区吉田上阿達町、経済学部4年、木戸晶裕(22)の3容疑者を集団強姦(ごうかん)容疑で逮捕した。3人は昨年秋までアメフット部に所属していた。いずれも容疑を否認しているという。調べでは、3人は共謀し、女子大生に性的暴行を加えることを計画。昨年12月23日未明、京都市左京区内の木戸容疑者の自宅マンションで、女子大生2人(19歳と20歳)を泥酔させたうえで集団で性的暴行した疑い。白井容疑者が、友人の被害女性の1人にパーティーをしようと持ちかけ、22日午後9時ごろから、別の女子大生1人を加えた3人の女子大生と一緒に「鍋パーティー」と称する宴会を始めた。1人は午後10時ごろ帰宅した。白井容疑者らは焼酎の瓶を横にして回し、飲み口が向いた人に一気飲みさせるなどして女子大生を泥酔させた。昨年12月と今年1月に2人が被害届を出して発覚。木戸容疑者は「やってない」、残り2人は「合意の上だった」と供述している。3人は部を引退後、他の部員らも加えてパーティーを数回実施したと供述しており、府警は余罪についても追及する。3人は関西学生リーグ終了後に引退したが、現役当時は、白井、木戸両容疑者はレギュラー格、池口容疑者は控え選手でマネジャー役も務めていた。逮捕を受けて記者会見した京大幹部らは、「被害者にも社会にも、大変申し訳ない」と謝罪。部を6度の学生日本一に導いた水野弥一監督は「人間としての自覚が足りず、大人とは言えない。スポーツ全体への裏切り。指導が甘かったのかもしれない。自分に責任がないとは思えない」と話した。(毎日新聞)


*染色体にヒト進化の根源?

ヒトの23対ある染色体のうち8番染色体の中に、チンパンジーと比べて遺伝的な相違が大きい領域があることを、慶応大の清水信義教授(分子生物学)ら日米独などの研究グループが見つけた。脳や免疫機能に関連している遺伝子が含まれ、ヒトの進化に関与している可能性があるという。19日付の英科学誌ネイチャーに発表する。ヒトとチンパンジーのゲノム(遺伝情報全体)を比べると、1.2%の相違がある。染色体ごとに見ると、相違が多く見つかる部分がある。グループが8番染色体を詳しく調べたところ、染色体の片方の端に近い部分で、チンパンジーと大きく相違する領域を見つけた。この領域での違いは平均2.1%あり、部分的には3.2%も違うところがあった。この領域には脳の大きさに関連する遺伝子や、免疫に関連する遺伝子が含まれている。ヒトの進化の過程で、同領域が大きく変化したことが「ヒトらしさ」の獲得に寄与した可能性が考えられるという。同領域には機能不明の遺伝子もあり、今後解析を進めるという(朝日新聞)

*「産婦人科」改め「女性診療科」?

妊娠や女性特有の病気を担当する「産婦人科」の名前を変えて――。総務省行政評価局は18日、そんな要請を厚生労働省にした。新しい名前として「女性診療科」を例に挙げた。3月末までの回答を求めている。高校生の娘を持つ母親から総務省に、「体の具合が悪い娘を連れて行こうと思ったが、産婦人科には妊娠などのイメージがあり、抵抗感がある」という声が届いたのがきっかけ。総務省が医療機関に尋ねたところ「産婦人科という名はニーズに合わない」などの声が多かったという。病院が看板や雑誌などの広告で表示する診療科の名前は、政令で定めたものか厚労相の許可を受けたものに限られている。名前を変える場合、厚労相の諮問機関「医道審議会」などの意見を聞かなければならない。厚労省医政局総務課は「きょう要請を受けたばかりなので何ともいえない」としている(朝日新聞)

*ロシアで少子化対策に一夫多妻制導入議論

チェチェン共和国の親ロシア派実力者、カドイロフ第1副首相が「男性が極端に少ないチェチェンでは一夫多妻制が必要だ」と発言し、これをめぐってロシアを巻き込んだ論議が起きている。ロシアのラジオに13日出演したカドイロフ氏は、チェチェンで繰り広げられている独立派との武力紛争の結果、女性の方が約10%ほど男性より多くなった、と指摘。チェチェンの人々の多くが信仰するイスラム教に従って「生き残った男性は4人まで妻を持ってよい」との考えを示した。同氏の父親で独立派武装勢力に暗殺されたカドイロフ前共和国大統領は、元イスラム指導者でもある。これに、極右として知られるロシアの自由民主党指導者ジリノフスキー連邦下院副議長がまず賛成。「ロシア全体で認めるべきだ。一夫一妻制しか認めない家族法の改正を進める。私も第2、第3の妻をめとる」と語った。ロシアの公的なイスラム指導者タジュドジン師も「深刻な人口減の問題の解決に資する」と賛意を示した。しかし、ロシア正教会のモスクワ総主教管区は「他宗教の慣習を尊重するが、ロシアで一夫多妻制は支持できない」と表明。ロシアでは飲み過ぎなどによる男性の平均寿命の短さも深刻なだけに、女性のスリスカ下院第1副議長は「平等と男性保護の必要から、一妻多夫制も認めるべきだ」とジリノフスキー氏らに反論している(朝日新聞)

*宮崎勤被告の死刑確定へ

一九八八年から八九年にかけ、埼玉県と東京都で幼女四人が殺害された「幼女連続誘拐殺人事件」で、誘拐や殺人などの罪に問われ、一、二審で死刑判決を受けた元印刷業手伝い宮崎勤被告(43)の上告審判決が十七日、最高裁第三小法廷であった。藤田宙靖裁判長は「冷酷かつ残忍な犯行で社会に与えた影響は甚大」として上告棄却を言い渡した。幼い女児ばかりを狙い、被害者宅に遺骨を届けるという異常な犯行で社会を震撼(しんかん)させた事件は、発生から十七年を経て極刑が確定する。 判決理由で藤田裁判長は、最大の争点だった、善悪を判断して行動する能力(刑事責任能力)の有無について「極端な性格的偏り(人格障害)で精神障害ではない」として完全責任能力を認めた一、二審の判断を支持。動機については「性的欲求や死体等を撮影して自分だけの珍しいビデオテープを持ちたいという、収集欲に基づく誠に自己中心的かつ非道なもので、酌量の余地はない」と断罪した(東京新聞)

*寝室にテレビはセックスレス? 寝室用のテレビ購入を検討中? 考え直した方がいい。性生活が台無しになるかもしれないから。イタリアの性科学者による調査で、寝室にテレビがあるカップルの性交渉の回数は、テレビがないカップルの半分だということがわかった。「寝室にテレビがなければ、性交渉の頻度は倍増します」と、研究チームの代表セレネラ・サロモーニさんは言う。テレビが性生活に及ぼす影響の研究で、心理学者たちはイタリアのカップル523組を調べた。調査によれば、寝室にテレビのないイタリア人カップルの性交渉は、平均して週に2回もしくは月8回。テレビのあるカップルの場合、平均月4回まで落ちるという。年齢50歳以上のカップルの場合、テレビの影響はさらに明らかで、平均月7回がたったの1.5回になるそうだ。さらに、ある種の番組は特に情熱を萎えさせるということが明らかになった。暴力的な映画は全カップルの半数において性交渉をストップさせ、リアリティ番組は3分の1でやる気を削いでいるという(Excite/ロイター)
*ES細胞論文、全て捏造とソウル大発表 01.14

ソウル大・黄禹錫(ファン・ウソク)教授による胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究疑惑を検証している同大調査委員会(鄭明熙(チョン・ミョンヒ)委員長)は10日、最終調査報告を発表した。黄教授の研究チームは04年2月に発表した米科学誌サイエンスの論文で、再生医療への応用が期待されているES細胞を世界で初めてヒトのクローン胚から作製したとしたが、同委員会は「ES細胞は存在せず、データは捏造(ねつぞう)されていた」とした。これで、黄教授によるヒトのクローンES細胞の研究成果はすべて捏造だったと結論づけられたことになる。黄教授は05年発表の論文で、患者の体細胞を使ったクローン胚からES細胞11株を効率よく作ったとしたが、調査委は昨年末に捏造と断定。一方、04年論文は「ヒトのクローンES細胞作製の技術を実現可能にした」と宣言し、05年の研究の基になった論文だった。最終報告はその技術自体が確立していないことを示し、再生医療をめぐる研究は大きな打撃を受けることになる。調査報告によると、保存されていた04年論文のES細胞を外部専門機関に依頼してDNAを分析したが、論文に掲載されたデータと一致しなかった。作製された細胞は、実験の過程で、核が除去されずに残った卵子が自己分裂してクローン胚のように「突然変異」。そこから採取したES細胞である可能性が高いとした。調査委は、このES細胞が体細胞を提供した人のDNAと一致していないにもかかわらず論文で「一致した」としたことや、論文掲載の写真が協力病院の受精卵から作ったES細胞のものと判明したことから、論文捏造は「故意による」ものと断定した。黄教授は提供を受けた実験用卵子の数について04年論文では242個、05年論文では185個としていたが、調査委は、実際には2000個を超えていたと明らかにした。一方、昨年8月に公表された「世界初のクローン犬」についてはDNA分析などの結果、論文通り「体細胞クローンであることが確認された」とした。研究チームは一定の体細胞クローン技術は持っていることになる。一連の疑惑の発端は昨年11月上旬、研究チームの協力病院を舞台にした卵子の不法あっせんが発覚したことだった。同病院理事長が卵子提供者への金銭提供を認めたところ、チームの研究そのものに飛び火。黄教授も11月下旬に金銭提供や研究者からの卵子提供を認め、再生医療研究のための「ES細胞ハブ」所長を辞任した。黄教授は掲載写真にミスがあるなどとして05年論文の撤回を表明したが、「ES細胞自体は存在する」と主張し続けていた。ソウル大は最終報告を受け近く懲戒委員会を開き、黄教授や論文の共同執筆者の同大教授らの処分を決定する方針だ(朝日新聞)

*東京都、上野千鶴子氏の講演拒否

東京都国分寺市が、都の委託で計画していた人権学習の講座で、上野千鶴子・東大大学院教授(社会学)を講師に招こうとしたところ、都教育庁が「ジェンダー・フリーに対する都の見解に合わない」と委託を拒否していたことが分かった。都は一昨年8月、「ジェンダー・フリー」の用語や概念を使わない方針を打ち出したが、上野教授は「私はむしろジェンダー・フリーの用語を使うことは避けている。都の委託拒否は見識不足だ」と批判している。講座は文部科学省が昨年度から始めた「人権教育推進のための調査研究事業」の一環。同省の委託を受けた都道府県教委が、区市町村教委に再委託している。国分寺市は昨年3月、都に概要の内諾を得たうえで、市民を交えた準備会をつくり、高齢者福祉や子育てなどを題材に計12回の連続講座を企画した。上野教授には、人権意識をテーマに初回の基調講演を依頼しようと同7月、市が都に講師料の相談をした。しかし都が難色を示し、事実上、講師の変更を迫られたという。
このため同市は同8月、委託の申請を取り下げ、講座そのものも中止となった。都教育庁生涯学習スポーツ部は「上野さんは女性学の権威。講演で『ジェンダー・フリー』の言葉や概念に触れる可能性があり、都の委託事業に認められない」と説明する。また、一昨年8月、都教委は「(ジェンダー・フリーは)男らしさや女らしさをすべて否定する意味で用いられていることがある」として、「男女平等教育を推進する上で使用しないこと」との見解をまとめていた。一方、女性学とは社会や学問のあり方を女性の視点でとらえ直す研究分野だ。上野教授は「学問的な見地から、私は『ジェンダー・フリー』という言葉の使用は避けている。また『女性学の権威だから』という理由だとすれば、女性学を『偏った学問』と判定したことになり許せない」と憤る。同市や開催準備に加わってきた市民らは「講演のテーマはジェンダー・フリーではなく、人権問題だった。人権を学ぶ機会なのに都の意に沿う内容しか認められないのはおかしい」と反発している(毎日新聞)

*神秘に満ちた女性の性器

「オナニーのし過ぎ?」と深刻な表情でこう訴えるのは女子大4年生(22歳)。「アソコがしわくちゃで色が黒くて。だから彼から求められても裸になるのをためらってしまう」。無知ゆえに尽きることのない女性の悩み。今回は女性器に潜む神秘の世界を紹介しましょう。まずは、質問に対する答えから。「ひとりエッチ」をしたからといって女性の性器の色が変わるわけではありません。皮ふと一緒で、メラニン色素の沈着の度合いによるものであって、性交経験や出産回数などとは関係ないのです。ピンクもあれば褐色(かっしょく)もある、顔に違いがあるように、性器にも個性があるのです。自分の性器の仕組みをきちんと理解できていないあなたがセックスに向かわなくて、本当によかった。性器自己検診法というのをご存知ですか。自分の性器を自分自身で観察することです。性器なんて、恥ずかしくて見ることができないという女の子がいますが、僕からいわせてもらえれば、自分のカラダの探検ができない女の子なんて、恥ずかしくって話になりません。性器だって自分のカラダの一部なのに、今まで自分の目で見たことも触れたこともないというのでは、女性の自立など夢のまた夢です。自分自身が見たこともない場所に、初めて目を向け、触れるのが他人、それも異性である男性だなどということがあっては困るのです。そんな意識が低い女性では避妊やエイズ予防は不可能です。
それでは、鏡を使うなり、のぞき込むなり、自分の目に映る性器を観察してみましょう。まず目に飛び込んでくるのが小陰唇と呼ばれる器官です。過去にどれほどの女性が、時には男性でさえ、その形や色にショックを受けてきたことでしょうか。しわくちゃで、黒かったり……。もちろん左右非対称形ですし、分厚かったり、薄かったりします。母親が自分の小陰唇と比較して、娘の形が変だなどといって外来に連れて来られることがよくありますが、これは、自然な発育、発達を理解していない愚かな判断というべきです。思春期前は、小陰唇を囲むように位置している脂肪組織の固まりのような大陰唇の発達が遅れ、小陰唇が突出して見えるものです。実はこの大陰唇こそ、発生上は男性の陰嚢(いんのう、精巣を入れる袋)に匹敵します。陰毛が生えていないことも、小陰唇の突出をさらに目立たせてしまいます。やがて、大陰唇の発達によって小陰唇が隠れるようになります。時には、小児科医さえ「小陰唇肥大症と思われます。手術の是非についてご検討ください」などという紹介状を持たせてくることがあるのですから、驚きです。周囲の大人たちによって、混乱させられた女の子はたまったものではありません。陰毛の形や生えている範囲にも個人差があります。ある人は丸型、ある人は逆三角形という具合です。小陰唇を左右に広げて中をのぞき込むと、そこには腟(ちつ)や尿道が見えます。この腟というのが、赤ちゃん誕生の通り道になる場所です。ですから、この腟の奥深くには、子宮や卵管があります。受精や着床という妊娠のドラマは、実はこの見えない奥深い場所で起こっています。ということは、この腟というのは、男性の性器が挿入される場所でもあります。これを性交とかセックスといいます。性交という行為を通して、男性のカラダから作られた精液がペニスを道具として、女性の腟内に射出されます。そんな人間誕生の瞬間を、多くの女性が、祝福と喜びの中で迎えてほしいと願っています。そのためにも、自分のカラダは自分で守るという賢い姿勢を貫いていってほしいものです。自分で管理するためには、まず自分のカラダをよく知ることからはじめるというのが鉄則です(毎日新聞・Dr北村ただいま診察中より)

*HIV抑制物質を人工合成に成功 01.08 エイズウイルス(HIV)の増殖に関係する3種類の酵素のうち「インテグラーゼ」の働きを阻害する天然有機化合物として注目されていた「ラメラリン?20−サルフェート」について、長崎大工学部の岩尾正倫教授(有機合成化学)らの研究グループが5日までに、人工的に合成する方法を開発した。同教授によると、合成に成功したのは世界初といい、近く特許を申請する(時事通信)
*ヒトとチンパンジー塩基配列、Y染色体に大きな差 ヒトとチンパンジーのDNA塩基配列を比較したところ、男だけが持つY染色体は、ゲノム(全遺伝情報)全体の違いより4割以上も大きいことを、理化学研究所などが突き止めた。ヒトがチンパンジーから分かれた後、どのように進化したかを解明する一つの材料になるという。米科学誌「ネイチャー・ジェネティクス」(電子版)に発表した。研究チームは、京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)のチンパンジーのオス「ゴン」の血液を採取し、Y染色体のDNAを高精度で分析した。その結果、Y染色体で1.78%の違いを確認し、ゲノム全体の違いである1.23%を大きく上回っていることが分かった。ヒトのY染色体にある免疫系の遺伝子が、チンパンジーにはなかった。精子形成では細胞分裂の回数が他の細胞に比べて極めて多く、突然変異も起きやすいと考えられてきた。突然変異の積み重ねが新種の生物誕生につながるため、種による差は男だけが持つY染色体で、より大きく表れるという理論が一般的で、これを裏付ける結果となった。研究チームの藤山秋佐夫(あさお)・国立情報学研究所教授は「ヒトの進化の解明だけでなく、免疫系の差がヒトとチンパンジー、ヒトの男女の免疫力の違いに関連している可能性がある」と話している(毎日新聞)




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