Z(2006.06〜12)

性科学・生殖・セックス・性犯罪ニュース&トピックス






T U V W X Y Z [ \ 10 11 12


*メスのオオトカゲ交尾せずに産卵 12.30 英国の動物園に飼われている世界最大のトカゲ、コモドオオトカゲの2匹の雌が、雄と交尾することなく産卵する「単為(たんい)生殖」をしていたことがわかった。聖霊によってマリアがキリストを身ごもったという聖書の記述にちなむクリスマスの話題として、英科学誌ネイチャーの最新号が論文を掲載した。英中部チェスターの動物園では、雄と隔離された状態で飼われていた雌フローラが産んだ正常な卵11個のうち、壊れた3個の遺伝子をリバプール大のフィリップ・ワッツさんらが調べたところ、単為生殖によるものとわかった。残った8個が順調に育っており、07年1月に孵化(ふか)する見通しだ。ロンドンの動物園でも、2年半の間、雄と接触がなかった雌(死亡)が産卵し、4匹の雄の子が育っている。雌の体内に雄の精子が残っていた可能性もあったが、遺伝子を調べると、やはり単為生殖だったという。多くの生物では、受精によって卵子の細胞分裂(卵割)が始まり、卵子が育っていく(有性生殖)。ところが、受精以外の原因で卵割が始まる場合があり、単為生殖と呼ばれる。昆虫などでみられるが、脊椎(せきつい)動物では珍しく、ヘビなど約70種で報告されているだけ。哺乳(ほにゅう)類では自然には起きないと考えられている。コモドオオトカゲも、通常は交尾によって子をつくるが、フローラなどは、パートナーが見つからないため、やむを得ず単為生殖を行ったと考えられている。
単為生殖の子には母方の遺伝子しか伝わらない。種全体として見ると、遺伝子の多様性が増えず、環境変化に対応して生き残る余裕がなくなることを意味する。今回の発見は、絶滅が心配されているコモドオオトカゲで単為生殖がそれほど珍しくはないことを示しており、ワッツさんらは「雄と雌をつがいで飼う態勢にすべきだ」としている(朝日新聞)
*ふたつの子宮の女性、同時に妊娠 2つの子宮を持つ英南西部デボン州の女性(23)が、片方から一卵性双生児、もう片方から1人の「三つ子」の女児を月に出産、このほど3人とも元気に退院したことが21日明らかになった。英紙タイムズなどが伝えた。 同紙によると、2つの子宮に1人ずつ子どもができた例はあるが、3人を出産した記録はなく、世界で初めてとみられるという。2つの子宮を持つケースは、英国では女性1000人に1人の割合で発生。それぞれの子宮の大きさは通常の半分以下のため、出産には困難が伴う。今回の出産は帝王切開で、3人の子どもの体重が約900―約1200グラムの段階で行われた(ZAKZAK)
*未婚がん患者の卵子保存 がんの治療を受ける未婚女性の卵子を凍結保存し、将来の体外受精に備える試みを民間の9不妊治療施設が計画していることが分かった。実施申請を受け、日本産科婦人科学会(日産婦)も検討を始めた。若い女性のがん患者増加を背景に、患者の妊娠機能を温存する研究に関心が高まっており、対象を未婚者にも広げようという動きだ。多施設による本格的取り組みは、世界でも珍しい。臨床研究として計画を申請したのは国内約130の不妊治療施設でつくる「A―PART日本支部」(支部長=宇津宮隆史セント・ルカ産婦人科院長)。このうち、北海道や関東、九州などの9施設が参加する。計画では、白血病や悪性リンパ腫など、血液のがんと診断された15歳以上の未婚女性の卵子を凍結保存する。治療後の将来、パートナーが現れた時点で卵子を解凍、体外受精での妊娠率などを調べる。患者が未成年の場合は親の同意も求める。日産婦は現行の指針(会告)で、夫婦には卵子凍結を認めており、既婚の女性がん患者には従来も卵子保存の道があった。半面、未婚女性の妊娠機能温存に関しては考慮されていなかった。日産婦は21日の専門小委員会で計画を検討、さらに年明けには倫理委員会でも議論する予定だ。抗がん剤や放射線によるがん治療は正常な細胞や組織も傷つけやすく、がん治療を受けた女性の約6割が排卵が不規則になったりなくなったりする卵巣機能不全になったとの報告がある。治療前に卵子を保存しておけば、将来の妊娠率を高められる可能性がある。ただ、採卵のために一時、がん治療を止める必要があり、採卵の負担ががん治療に悪影響を及ぼす恐れも指摘されている。治療後に凍結卵子を使って出産した例は世界的にも知られていない。日産婦倫理委員長の吉村泰典・慶応大教授は「今がんにかかっている患者さんにとっては一刻を争う重要なこと。問題点をきちんと説明する仕組みさえ整えば、できるだけ早く承認すべきだと考えている」と言う(朝日新聞)
*首都圏でも「お産」ピンチ

東京都心の都立病院などが、お産を扱うのを休止したり、縮小したりしている。それも、生命が危険な出産前の母と胎児の治療から、出生直後の新生児の治療までを一貫して担う「周産期母子医療センター」で目立つ。大学病院の医師引きあげなど地方で深刻化していた問題が、ついに都心にまで波及してきた形だ。病院も医師も多く、埼玉や千葉などからも患者が集まる東京。中核病院のお産縮小の影響は、首都圏に及びそうだ。都立豊島病院(板橋区)は9月から、お産を全面休止している。同病院は、新生児集中治療室(NICU)6床を備えた地域の周産期センターで、年約900件のお産を扱ってきた。しかし現在は、他の病院から搬送されてくる低出生体重児などをNICUで受け入れているだけだ。定員6人の常勤医師が今夏、2人に減少。「非常勤を含めても当直などが満足にできない状態になった」(都病院経営本部)という。都立墨東病院(墨田区)の産科は11月から、新たな患者や、予約がない外来診療を受けず、年間1000件以上あったお産を縮小している。12床のNICUがある同病院の総合周産期センターは、いわばお産の救命救急センター。だが、常勤医は定員9人に対して5人。「周産期センターとしての役割にマンパワーをあてた」(同本部)結果、外来を縮小せざるをえなくなった。大田区の荏原病院(都から東京都保健医療公社に移管)も、1月から産婦人科の常勤医を減らし、お産を縮小するという。東京逓信病院(千代田区)も28日、産科の診療とお産を休止した。影響は周辺の病院に及んでいる。豊島病院から約1キロの距離にある日大板橋病院。豊島病院がお産を休止した翌10月には、それまで月70件ほどだったお産が100件近くに急増した。日大病院も総合周産期センターに認定され、ハイリスク出産も多い。救急搬送されてくる妊婦を年に80〜100人受け入れているが、その倍以上を断っているという。「このまま出産数が増えるとハイリスク出産は受けられなくなり、周産期センターとしての責任が果たせない。通常のお産は、受け入れを制限する必要が出てくるかもしれない」という。東京は、埼玉や千葉、神奈川の妊婦の「受け皿」でもある。特に出産費用が約30万円と安い都立病院は人気で、埼玉と都心を結ぶ東武東上線沿線の豊島病院には、埼玉から来る人も多かった。埼玉県の医師1人あたりの「出産扱い件数」(出生届数を産婦人科医数で割った数)は昨年、全国最多。総合周産期センターは県内に1カ所だ。そのセンターを運営する埼玉医大総合医療センターの関博之教授によると、救急患者の受け入れは、依頼の4〜5割ほどという。「東京の病院で引き受けてくれる数が減ってきて、限界のところでやっている」と話す(朝日新聞)

*怪我で性欲増進、損害賠償勝訴 「職場の事故が原因で性欲が異常に昂進し、売春とポルノに走ったために、結婚生活が破綻してしまった」と主張する敬虔なキリスト教徒の男性が19日、310万ポンド(約7億円)の損害賠償を勝ち取った。英国のサフォークに住むスティーブン・テームさん(29)は、転落事故で頭部にひどい傷を負った結果、貞節な夫から浮気者に変身、2人の女性と関係を持った。テームさんは2002年1月に結婚した直後に、職場の自動車倉庫で転落、2カ月間、意識不明になった。医師たちによると奇跡の回復だったという。ロンドン高等裁判所のマイケル・ハリス裁判長は「彼と若い妻の生活は破綻してしまいました」と語った。一方、賠償を支払うことになったエセックスのプロフェッショナル・サイクル・マーケティング社は弁護士を通じて、テームさんのけがは裁判で主張したほどひどいものではなかったと示唆した(エキサイト・ロイター)
*農業研修、海外女性に性の研修60回

東日本の企業で技能実習をしていた外国人女性(35)が、実習先の会社の役員から性暴力を受けたとして、25日、この役員と企業、監督機関の国際研修協力機構(JITCO)、受け入れ機関である協同組合を相手取り、総額約3800万円の損害賠償を請求する訴訟を東京地裁に起こした。外国人の研修・実習生が、監督機関を相手取って起こした訴訟は初めて。訴状によると女性は、04年、農業研修のため来日したが、役員の息子が経営する会社や自宅で単純労働や家事をさせられた。05年から1年3カ月間、会社が提供する住居で役員から60回以上性暴力を受け、今年7月、耐えかねて逃げ出した。研修・実習生制度は、公益法人のJITCOによる助言・監督のもと、地域の企業でつくる協同組合などが集団で受け入れ、さらに個別企業が引き受ける。原告側は、JITCOと協同組合が企業への監督責任を果たさず、企業は働き手への安全配慮義務を怠ったとしている。実習・研修生は格安の労働力として期待されることが多く、「研修」を理由に、労災保険や最低賃金などの労働者保護が適用されない例も問題化。8月には、千葉の養豚場で働く中国人研修生が、賃金をめぐって雇い主ら3人を殺傷する事件が起き、制度の見直しも検討されている。JITCOは「訴状を入手していないので、何とも言えない」と話している(朝日新聞)

*残酷写真掲載教師、実は児童ポルノフェチ 東京都羽村市の小学校に勤務する渡辺敏郎教諭(33)が交通事故死した子どもの写真などを自分のホームページ(HP)に掲載した問題で、警視庁少年育成課が、あきる野市の渡辺教諭の自宅や勤務先の小学校など数カ所を児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で家宅捜索していたことが分かった。HPに掲載された子どもの裸の写真について児童ポルノにあたる疑いがあるとの見方を強めており、同課はパソコンなどを押収してデータを分析している。羽村市教委や遺族らによると、渡辺教諭は03年ごろから交通事故の犠牲となった子どもたちを扱うHPを開設。遺族に無断で写真を転載し、遺族感情を逆なでするようなコメントを添えていた。今月初めに遺族らが「命を軽視している」として警視庁に告発し、問題が表面化。警視庁は、渡辺教諭のHPについてどのような容疑が適用できるか検討。子どもの裸の写真について重点的に捜査を進める方針を固めていた。渡辺教諭については今年9月、愛知県警が著作権法違反容疑で書類送検。問題のHPはすでに閉鎖されている。渡辺教諭は今月1日から自宅待機処分となり出勤していない。一方、羽村市教委は「(捜索は)報道で知ったが、事実確認はできていない。コメントできない」と話している(毎日新聞)
*包茎とHIV感染の関係 12.21 米厚生省傘下の研究機関、米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)によると、男性への包茎手術が、エイズウイルス(HIV)への感染率を半減させる効果があることが分かった。この研究は、13日にNIAIDが発表したもので、アフリカのケニアとウガンダで、HIVに感染していない成人男性計7780人を対象に実施。被験者の中から一部を無作為に選んで包茎手術を施し、手術を受けなかったグループとの間で、2005年9月以降のHIV感染率を比較した。その結果、手術を受けたケニアのグループの感染者数は、手術を受けなかったグループの47%にとどまり、ウガンダでも同52%と、エイズ感染率は半分だった。研究者らによると、包茎の男性器は粘膜質の部分が多いため、HIVへの感染率が高いとみられるという。エイズ対策を進める世界保健機関(WHO)は、研究成果に高い関心を示し、エイズ被害が深刻な開発途上国などに対し、手術の普及や技術支援の拡大を検討する方針を示している(読売新聞)
*オス誕生の遺伝子発見「OTOKOGI」 生物進化の過程でオスが誕生する鍵となった遺伝子を、日本の研究グループが世界で初めて発見した。新遺伝子は、OTOKOGI=侠気(おとこぎ)=と命名され、19日付の米科学誌カレント・バイオロジーで報告した。男女間で生殖する有性生殖は、性が異なる二つの細胞がくっついて遺伝子を交換する「同型配偶」から出発、その性が後に、精子を作るオスと卵子を作るメスへと進化したと考えられている。東大の野崎久義助教授(生物科学)らは、神奈川県内の湖で見つけた緑藻「ボルボックス」の新種の雄株から、オス特有の遺伝子OTOKOGIを発見。この遺伝子が、同型配偶するクラミドモナスという緑藻の性を分ける遺伝子から進化し、精子の核にあるたんぱく質を作ることを突き止めた。ボルボックスと遺伝的に近いクラミドモナスはプラスとマイナスの性があり、特定の遺伝子を持つとマイナスの性になるが、どちらがオスとメスに進化したかは不明だった。今回の研究で、性を分ける遺伝子を持たない生物がメスで、この遺伝子を後から持つようになったオスが生まれた可能性が高いことがわかった。野崎助教授は「日本人が見つけた男性に最も重要な遺伝子という意味で、侠気と名づけた」と話している(読売新聞)
*学会、精子保存は夫の生存中に限定

生殖補助医療に使われる精子の凍結について、日本産科婦人科学会は16日、都内で理事会を開き、保存期間を「本人が生きている間」に限り、死亡した場合は廃棄とする会告(指針)案をまとめた。凍結精子を使い、夫の死後に生まれた子どもの認知を、最高裁が認めないとする判決もあり、学会として、「親の希望よりも子の福祉」を優先させるという姿勢を明確にした。指針案は今後、学会員の意見を聞いた上で、来年4月に行われる総会で正式決定される。精子の凍結は、人工授精や体外受精などの不妊治療の際に行われる。抗がん剤や放射線などのがん治療による影響を考え、将来、子どもが欲しい場合、事前に凍結しておくこともある。今回まとめた指針案では、今後、凍結精子を使用する場合、その時点で本人が生存していることを確認する。本人が廃棄の意思を示すか死亡した時は、廃棄される。精子の売買も認めない。最高裁は今年9月、夫の精子を死後に利用して生まれた子どもと、父親の親子関係を認めるように訴えた妻の請求を、「死後生殖について民法は想定していない」として、認めない判決を出している。これを受け、学会としての指針を示す必要があると判断した。日本生殖医学会も、精子の凍結保存期間は本人が生存中に限るとするガイドラインをつくっている

*子を持つ男性の性別変更、却下 心と体の性が一致しない性同一性障害(GID)と診断され、婚姻時に1児をもうけた兵庫県尼崎市の男性会社員で通称、大迫真実さん(52)が、戸籍の性別を女性に変更するよう求めた家事審判で、神戸家裁尼崎支部は大迫さんの申し立てを却下した。大迫さん側は審判を不服として大阪高裁に即時抗告する。同支部は、性別変更の要件を「子がいないこと」と定めた性同一性障害特例法に基づき、大迫さんのケースは「要件を満たさず、性別の取り扱いを変更することは認められない」とした(産経新聞)
*産婦人科医希望、2割減少

全国的に産婦人科医不足が問題となる中、2年間の臨床研修を終え、今年度、日本産科婦人科学会に入った医師は、これまでより、2割以上減ったことが16日わかった。学会のまとめでは、例年350人前後の医師が入会して産婦人科で働いていたが、今年度は285人になっていた。特に男性医師の落ち込みが激しいという。臨床研修が04年度から必修化され、研修医は2年間、各科を回った後、専門科を選ぶ制度になった。学会が02〜04年度に国家試験に合格した医師の学会入会者数を調べたところ、02年度346人、03年度366人だったのに対し、研修1期生の04年度(今年度入会)は285人に減少した。うち男性医師は、02、03年度は130人台だったが、04年度は82人しかいなかった。こうした状況が続くと、お産を担う医師が、さらに不足するため、学会は、医師勧誘のDVDをつくるほか、他の診療科に比べて高い訴訟リスクを低くするために診療ガイドラインを整備する。学会理事の吉川裕之・筑波大教授は「出産に、男子医学生の立ち会いを拒否するケースも増えており、希望者が減っているのだろう。女性医師を活用した働き方を検討しなければならない」と話している(朝日新聞)

*わいせつ逮捕検査技師に無罪判決

女性患者の下腹部に機械を押し当てるなど検査中にわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪に問われた京都第二赤十字病院(京都市上京区)の元臨床検査技師、三上正嗣被告(55)=滋賀県草津市=の判決公判が18日、京都地裁であり、東尾龍一裁判長は「わいせつ行為と認定するには合理的な疑いが残る」として、無罪を言い渡した。検察側は懲役3年を求刑していた。判決で東尾裁判長は、超音波の機械を下半身の不必要な部分まで押し当てられたとする患者の供述について、「被告への悪感情などから表現が誇張され、記憶が変わった疑いが濃い」と指摘。直腸などの病変の有無を確認する必要があり、適正な範囲内で機械を当てたと認定した。起訴状によると、三上被告は昨年7月、同病院の検査室で40代の主婦の腹部を超音波検査する際、治療行為と称してわいせつな行為をしたとされ、今年1月に京都府警に逮捕されたが、一貫して容疑を否認していた。京都地検の新倉明次席検事は「予想外の判決だ。内容を検討し、上級庁と協議して適切に対応したい」と話した(朝日新聞)

*ホルモン補充療法、乳がんリスク逆に減少 12.11

女性の更年期障害の治療に「ホルモン補充療法(HRT)」を実施しても乳がんになるリスクは上がらず、逆に6割ほど下がることが、厚生労働省研究班(主任研究者=佐伯俊昭・埼玉医科大教授)の調査でわかった。HRTは、米国の臨床試験で「乳がんのリスクを高める」とされて以来、国内でも敬遠されがちだったが、研究班は「更年期障害に悩む日本人にとっては、利益の方が大きい」としている。調査は04〜05年秋に実施された。大阪府立成人病センターなど全国7施設で、過去10年以内に乳がんの手術を受けた45〜69歳の女性(3434人)と、がん検診を受けに来た人で、乳がんでなかった同年代の女性(2427人)の2グループに対し、HRTの経験など21項目をアンケートした。その結果、乳がん患者グループではHRT経験者が5%で、もう一方のグループは11%。統計上、HRT経験者の方が、乳がんになるリスクは57%低かった。女性ホルモンのエストロゲンを単独で使った場合と、エストロゲンと黄体ホルモンを併用した場合ではリスク差はなく、HRT経験者の半数近くは、期間は1年未満だった。経口薬などで女性ホルモンを摂取するHRTは、欧米では一般的な治療法。だが、米国国立衛生研究所が91年から15年計画で始めた大規模臨床試験で、乳がんや脳卒中などのリスクが高まることが指摘され、02年に試験も中止された。日本国内では更年期障害の治療は普及しておらず、HRTに関する大規模な調査もなかった。米国での試験中止以降は副作用を恐れる人も多く、現在、HRTを受けている人は数%とされる。日本人の乳がんリスクが低かった原因について佐伯教授は、米国人と異なり乳がん発症のピークが閉経前の45〜49歳にあること、HRTを何年も続ける米国人に比べて、使用期間が短いことなどを挙げている。「欧米のように閉経後の乳がんが増えれば、状況は変わるかもしれない。HRTを受けたから乳がんにならないというわけではなく、同時に検診を受けることが必要だ」と話している(朝日新聞)

*スプレー式コンドーム発売か? ドイツで新たなコンドームの販売が検討されている。それはどんなサイズにもぴったりフィットする「スプレー式コンドーム」と呼ばれるものだという。このコンドームの開発を行っているのは「コンドーム・コンサルタンシー」という研究所。同研究所のジャン・クラウス氏は木曜日、「より快適に安全な性生活を楽しんでもらうことを目的とした商品です」とロイターに語った。「私たちはあらゆるサイズのペニスにパーフェクトにフィットするコンドームを開発しているのです。真剣ですよ……」とクラウス氏。クラウス氏らのチームが開発しているのは、スプレー缶タイプの容器を利用するコンドーム。まず男性はこの缶にペニスを差し込む。その後、ボタンを押すとペニスにスプレーが噴射され、ピッタリサイズのコンドームが装着されることになるという。「あらゆる角度からラテックスが噴射されるのです。我々はこれを360度処理と呼んでいます。あっという間にペニス全体が覆われることになります。自動洗車機にちょっと似た方法ですね」最終的には約5秒で「装着完了」となるよう開発を進めているという。完成すれば、これまでのものよりピッタリとサイズがあい、さらにずれにくい、より快適なコンドームとなるだろう、とクラウス氏は語る。しかし店頭に並ぶまでには、まだ少し時間がかかりそうだ。というのも、ラテックスをペニスに均等な薄さでスプレーする方法をさらに研究する必要があるからだという。クラウス氏は2008年までには商品化したいと話している。値段は一回使い切りタイプのもので約20ユーロ(約3000円)。また、別売りで約20回使用することが可能な詰め替え用のラテックスカートリッジも販売される予定となっており、こちらは1つ10ユーロとなっている。クラウス氏によると、なんとかコンドームの装着を簡単にできないかと考えていたとき、スプレー式の医療薬品を見て思いついたという(エキサイト・ロイター)
*射精抑制、男性避妊薬開発か?

男性の射精を抑える避妊薬が英国で開発されていると、英BBCニュースが報じた。ロンドン大学キングズ・カレッジの研究グループによると、血圧および統合失調症に利用される薬剤に射精を抑える作用がみられたものの、めまいや眠気などの副作用があったため、避妊薬として用いることができなかったという。研究を重ねた結果、陰茎へ精液を送る輸精管の縦走筋が収縮するのを妨ぐ化学物質が特定された。BBCニュースによると、研究チームはこの避妊薬について動物およびヒトを対象とした試験を実施することを計画しており、成功すれば5年以内には実用化の見込みだという。このほかにも、パッチ剤、注射、埋め込み剤などの男性用避妊薬がいくつか開発段階にあるが、ほとんどは脳に作用してホルモンの産生を止めるようにデザインされたものであるとのこと(HealthDay)

*地球生物の誕生は隕石の有機物から?

カナダ北西部の氷原に落ちた隕石(いんせき)の中から、約46億年前の太陽系誕生当時に形成されたと考えられる有機物が見つかった。米航空宇宙局(NASA)ジョンソン宇宙センターの中村圭子研究員らのチームが、1日発行の米科学誌サイエンスに論文を発表する。地球上の現在の有機物とは組成に大きな違いがあり、太陽や惑星が生まれつつあった原始太陽系の一番外側の区域で形成され、当時のままの形で保存されていた可能性が極めて高いという。地球で最初の生命が誕生した際に材料になった有機物は、隕石などが地球外からもたらしたという説がある。原始太陽系に存在していた有機物の組成などが詳しくわかれば、生命誕生の謎を解く重要な手がかりになると期待されている。この隕石は00年1月18日にカナダ北西部のタギッシュ湖畔に落下した。隕石中の有機物が地球の環境に汚染されていない状態で取り出せると考えられていた。中村さんらのチームは隕石を透過電子顕微鏡で詳しく観察。球形で中が空洞の有機物を26個見つけ出した。その有機物には、ふつうの窒素より中性子が1個多い窒素15が地球の有機物の1.2〜2倍、ふつうの水素より中性子が1個多い重水素は同2.5〜9倍も多く含まれていた。この特徴は零下260度前後の極寒の環境でこれらの有機物ができたことを示しており、研究チームは、原始太陽系の最外側の区域で形成されたと結論づけた(朝日新聞)

*精子凍結保存期間は夫の生存期間まで 生殖補助医療に使う精子を、凍結して保存する期間について、日本産科婦人科学会(理事長・武谷雄二東大教授)は、「精子を提供した夫の生存期間に限る」とする会告(ガイドライン)案をまとめた。亡夫の精子を使って生まれた子について、最高裁が父子関係を認めなかった例があり、学会としても死後受精に公式な見解を示した。16日の理事会に提案され、来年4月の総会で正式に決定する。最高裁は今年9月、夫の死後に誕生した子の認知について今の民法は夫の死後の妊娠・出産を想定しておらず、死亡した父との法律上の親子関係は認められないとして、原告側の請求を棄却した。これを受けて、学会倫理委員会(委員長=吉村泰典慶応大教授)が会告案を検討。倫理委では、父子関係が認められない現状では、死後受精で生まれた子の福祉が十分に担保できないと判断した。会告案では、凍結保存した精子は、提供者の夫が死亡した場合には廃棄するとともに、医療機関に保存してある凍結精子の他人への売買も禁止。夫が生存中、妻にしか利用できないようにする。未婚男性も同様に「生存中」に限定する。凍結技術の進歩で、精子や卵子、受精卵の長期保存が可能になってきた。精子保存は、男性がん患者が放射線照射や抗がん剤治療の前に行うケースが多い。学会は、凍結受精卵の保存期間については、会告で結婚が継続している間に限定、凍結卵子はその女性の生殖年齢の期間内としていた。精子の凍結保存については、不妊治療を行う医療機関で広く使われている技術だとして、会告を定めず医療機関に任せていた(読売新聞)



*まだ伸びる平均寿命 11.30 2030年時点での平均寿命予測で、日本人女性が88・5歳と世界最長命を維持することを、世界保健機関(WHO)の研究者が医学系ニュースのホームページで発表した。厚生労働省によると、日本人女性の平均寿命は05年に85・49歳にまで延びたが、この延びはまだしばらく続きそうだ。WHOの2人の研究者は、100か国以上のエイズ感染率、たばこ喫煙率、国民1人当たりの所得などのデータを使って、平均寿命の予測を行った。その結果、高収入の国では男性の平均寿命が30年には79・7歳になり、女性は85歳にまで達する見通しになった。また、世界のエイズによる死者は、02年の280万人から30年には650万人まで増加すると予想。02年には死因の4位だったが、30年には心筋梗塞(こうそく)、脳卒中に次ぐ3位に浮上する。ただし、エイズ対策が進んだ場合には、370万人まで減らすことができるとみている(読売新聞)
*エイズ、’30年には死因3位に予測 2030年には世界の死因の3位にエイズが浮上するとの予測を、世界保健機関(WHO)の研究グループが発表した。心筋こうそく、脳こうそくなどの脳血管疾患と続く上位2位は変わらないが、エイズが人類の生存にとって脅威になっていることを改めて示している。分析は28日、米科学誌電子版に掲載された。研究チームは、感染症による死者は全体に減少し、30年の世界の死者数を7320万人と試算した。このうち、心筋こうそくが13.4%、脳血管疾患が10.6%と続いた。エイズの死者数は02年の280万人から30年には650万人に倍増して8.9%を占める。その結果、肺炎などの呼吸器感染症に変わって死因の3位になる。喫煙が原因で、肺がんなどで亡くなる人も05年の540万人から30年には830万人に増加。15年時点ではエイズの死者の1.5倍で、世界全体の10%になるという。このほか、糖尿病が02年の11位から30年には7位に、交通事故死は10位から8位へと深刻さを増し、胃がんが15位から10位へ上昇する。反対に、結核は8位から23位、マラリアは12位から22位になる。また、5歳未満の幼児の死者は半減する(毎日新聞)
*ヒトゲノム、遺伝子重複の個人差 父母から一つずつ受け継いで通常は各細胞に二つずつある遺伝子が三つ以上あったり、一つしかなかったりする領域が、ヒトゲノム(遺伝情報全体)の中にざっと1500カ所あることが世界で初めてわかった。遺伝子の重複数の違いは病気のなりやすさなど個人差を生む一因として注目されており、将来、個人に合わせた医療に結びつくという。
東京大先端科学技術研究センターの油谷(あぶらたに)浩幸教授、石川俊平助手ら日米英などの研究グループが、23日付の英科学誌ネイチャーに発表する。日本、中国、米国、アフリカの計270人のゲノムを比較、計1447カ所の領域で遺伝子の重複数に個人差がみられた。この領域の長さを合計すると、ヒトゲノムの12%にもなる。ふつうは各細胞に二つずつ含まれる遺伝子が、少なかったり、多すぎたりすると、遺伝子から作られるたんぱく質の量が変わり、病気のなりやすさや薬の効き目に影響すると考えられる。最近、アルツハイマー病や腎炎のなりやすさや、エイズウイルス(HIV)の感染しやすさが遺伝子の重複数で左右されることが判明している。今回見つかった重複領域には、病気に関連すると指摘された遺伝子が285個あり、今後の研究でがんや免疫疾患などとの関係も明らかになるとみられている。遺伝的な個人差と病気の関連では、染色体の数の違いや、DNAを構成する1個の部品の違い(一塩基多型)の研究が進んできた。遺伝子重複数の違いがわかってきたことで病気の解明がさらに進むと考えられる(朝日新聞)
*精液アレルギー

性交後に性器のかゆみ、灼熱(しゃくねつ)感などを生じる女性は、精液アレルギーの可能性があるという。症状は、単なる刺激感からアナフィラキシー(過敏性)ショックまで幅広い。死亡例は報告されていないものの、ハチ毒やピーナッツへの曝露による死亡例と同じように、呼吸停止に至る場合もある。米ニューヨークPresbyterian病院のDavid Resnick博士らによる精液アレルギーについての知見が、フィラデルフィアで開催された米国アレルギー喘息免疫学会(ACAAI)年次集会で発表された。これまでに文献で報告された精液アレルギーの症例は約80例だが、Resnick氏自身は年に約2例を診ており、全体的な症例数はわかっていない。一部の症例は、パートナーの男性が事前に摂取した飲食物や薬剤の粒子が精液に入り込んだことによるものとみられているが、精液そのものに含まれる蛋白(たんぱく)に対してアレルギー反応が生じる可能性の方が高いという。局所的な熱感、かゆみ、痛みなどの症状にとどまることもあるが、全身の蕁麻疹(じんましん)、嘔吐、下痢、喘鳴、呼吸困難などの全身的な症状がみられることもある。ほとんどは膣性交により生じるが、オーラルセックスやアナルセックスでも起きる可能性があるという。対処法としては、少量の抗原を注射する減感作療法があるが、単にアレルギー症状が消えるのを待つこともある。抗アレルギー薬を避妊用ゲル剤に混入したものを膣内に注入する方法も報告されている。男性がコンドームを使用する方法もあるが、女性がラテックスアレルギーの場合、ラテックス製コンドームは使用できない。Resnick氏は、患者の膣を少量の精液に曝露し、徐々にその量を増やしていく減感作療法についても言及している。ただしこの場合、女性は週2〜3回の定期的な性交が必要で、その点の実行が難しいという意見もある(HealtjDay)

*ピル、月経前症候群適応 今年(2006年)3月に米国で発売されたばかりの経口避妊薬Yaz (Berlex社)の、月経前不快気分障害(PMDD)の治療に対する追加適応が、米国食品医薬品局(FDA)により承認された。 月経前症候群(PMS)は比較的良く知られているが、PMDDはそれよりも重症で人間関係、社会活動、仕事などの日常生活に支障を来すものをいう。PMDDの症状は、乳房の張りと痛み、頭痛、下腹部痛、むくみなどの身体症状のほか、激しい気分の変化、悲壮感、緊張感、不安感、怒りやすい、集中力低下、特定の食べ物の切望、不眠などで、月経の1〜2週間前に出現し月経開始後1〜2日で軽快する。製薬会社の調べでは、全米で450万人近い女性がこの症状に該当するが、その約90%は診断されていないという。今回効能が追加された経口避妊薬は、新しい黄体ホルモンのドロスピレノン(drospirenone)と卵胞ホルモンのエストラジオールを低用量含有している。18〜40歳のPMDD女性約450人を対象に、同薬と偽薬を比較した試験では、症状が改善した率は偽薬の36%に対し、薬剤では48%であった。閉経前の女性で、周期的に月経前に身体的および精神的症状が顕著に現れる場合は、自分で鎮痛薬を飲んで我慢するだけでなく、婦人科の医師に相談し積極的に治療を受けることによって、生活の質(QOL)の改善が得られるかもしれない(HealtjDay)
*緊急避妊薬(モーニングアフターピル)治験へ 11.23

コンドームの破損などで避妊に失敗したとき、その72時間以内に服用すれば妊娠の可能性を低くできる「緊急避妊薬」の臨床試験(治験)が年内にも始まることがわかった。性行為後に行う緊急避妊について、厚生労働省は「コンドームの不使用につながり、性感染症が増える」などの理由で公的に認めていない。しかしこの数年、同様の効果が望める婦人病治療薬が本来の目的外で処方される形で普及している現実があり、議論になりそうだ。治験の準備が進んでいるのは仏で開発され、「ノルレボ」という名で欧州、韓国など約60カ国で販売されている薬。日本での販売権がある「そーせい」(本社・東京)が年内に始める意向を厚労省に伝えている。世界保健機関(WHO)は、無防備なセックスから5日以内で望まない妊娠を避けるための方法として、限定的に緊急避妊法を勧めている。ノルレボも含む有効成分の薬の場合、妊娠可能性を60〜90%低くすることができるといい、吐き気などの副作用がある。厚労省は「『性感染症も防げるコンドームの普及を阻むおそれがある』『安易な性行為が増える』などの懸念が根強くある」として、緊急避妊を推進していない。同様の懸念は低用量ピル(経口避妊薬)でももたれ、国内での承認までに9年かかった。一方で、内閣府がまとめた犯罪被害者等基本計画に基づく警察庁の施策では、今年4月から強姦(ごうかん)事件の被害者は緊急避妊薬を公費で得られるようになっており、政府が医師に目的外処方を求める「閣内不一致」な状態になっている。公的には存在しない緊急避妊薬だが、既存の婦人病治療薬を本来より多く服用することで近い効果が期待できるため、「避妊に失敗した」と駆け込んできた女性に目的外で処方している病院は少なくない。海外の承認薬を個人輸入して処方する医師もいる。厚労省も「違法性はない」と黙認している。
日本家族計画協会クリニックの北村邦夫所長が昨年8月までに緊急避妊を求めて来院した663人に理由を尋ねたところ、「コンドームの破損」(42%)をトップに「避妊せず」(20%)、「コンドームの脱落」(17%)が続いた。北村医師は「望まない妊娠・中絶を避ける手段として緊急避妊を公的に認めるべきだ」と話す。治験は、薬の有効性や安全性を、実際、女性に服用してもらうなどして確かめる。その上で厚労省に承認を申請し、ゴーサインが出るには数年はかかるとみられている。同省の人口動態調査や衛生行政報告例によると、すべての妊娠の約2割が中絶に至っており、同省は中絶を減らす手だてを検討中だ。
〈緊急避妊〉 コンドームや低用量ピルと異なり、性行為後にするのが特徴。欧州を中心に、70年代からホルモン剤を性行為後2回、間隔を置いて服用するヤツペ法が広がり、海外では00年ごろから緊急避妊だけを目的とする薬が普及した。日本では数年前から、ヤツペ法に基づき既存の婦人病治療薬を緊急避妊目的で処方されることがあり、「モーニング・アフター・ピル」などの名で知られている(朝日新聞)

*更年期症状に効果の乳酸菌発見

食べ物による更年期症状改善の主役は、大豆イソフラボンから腸内細菌がつくる「エクオール」と見られるようになってきたが、大塚製薬はエクオールをつくる乳酸菌を発見、体内から取り出すことに成功したと発表した。日本人の半数はこうした菌を腸内に持たないといわれ、大豆を食べても効果がなかった人には朗報だ。食品にも応用可能なエクオール産生菌を取り出したのは世界初。エクオールは、女性ホルモンと似た構造を持った物質。大豆イソフラボンの一種であるダイゼインが腸内で分解されてでき、更年期症状の改善や乳がんの予防などに役立つ可能性がある。ただ、日本人の約5割、欧米人の約7割は産生菌を持たず、大豆イソフラボンを食べてもエクオールにまで分解できない。共同研究をした渡邊昌・国立健康・栄養研究所理事長は、「食品に応用できれば、分解ができない人だけでなく、アレルギーで大豆が食べられない人もエクオールを摂取できるようになるかもしれない」と話す(朝日新聞)

*無精子症、酵素処理で出生率アップ

受精するのに十分な精子を作れない無精子症の男性から取り出した精子細胞(精子になる手前の細胞)の組織を、酵素でバラバラにほぐした状態で凍結し、顕微授精させると、従来数%とされていた出産率が約25%に上がることが、北九州市のセントマザー産婦人科医院(田中温院長)の治療成績で分かった。10日に大阪市で開かれた日本生殖医学会で発表した。日本の成人男性のほぼ100人に1人が無精子症とされている。中でも精子が少なく深刻な「非閉塞(へいそく)性無精子症」の男性が子どもを望む場合、精巣の組織を手術で採取し精子や精子細胞を見つけている。だが、この方法で見つかった精子などによる出産率は低く、数%程度とされてきた。組織を塊のまま観察していたため状態の良い精子などを選ぶことが難しかったほか、塊のまま凍結すると不均一な状態になり、解凍後に精子などが壊れやすいのが原因だった。同医院は、精子より精子細胞の方が形態異常などの比率が低いうえ、凍結・解凍後も壊れにくいため、妊娠・出産率が高くなる性質に注目。精巣の組織を酵素を混ぜた液体に浸し、細胞一つ一つをバラバラにする方法を編み出した。液体をそのまま凍結して解凍後、状態の良い精子細胞だけを選び出し、卵子と体外で顕微授精させた。その結果、00年1月から06年8月までの間に、623組の夫婦のうち158組が出産に成功した。田中院長は「バラバラにした状態で凍結することで妊娠・出産率が大幅に上がった。夫の精子での出産をあきらめて第三者の精子を使うしかなかった夫婦にとっては希望をつなぐ治療。出産をあきらめた人の3〜4割は、もう一度チャレンジできると思う」と話している(毎日新聞)

*大学・高校の性交渉体験、女子で伸び顕著

財団法人・日本性教育協会(東京都文京区)は11日、「第6回青少年の性行動調査」の結果を発表した。大学生の6割、高校生の3割が性交経験があり、前回調査(99年)と比べて高校・大学生ともに男子が横ばいだったが、女子の経験率が伸び、男女差がほぼなくなった。調査は、同協会が74年からほぼ6年おきに実施。第6回は05年に全国12地点の中学生〜大学生約1万1000人から回答を得て、無作為抽出した約5500人分を対象に分析した。
性交渉の経験率は、大学生は男子が63%(前回63%)、女子は62%(同51%)だった。男子は調査を始めた74年の23%から上昇し続けていたが、今回は99年と差がなかった。女子の上昇傾向は続き、99年から05年にかけても10ポイント以上伸びた。高校生は男子が27%(同27%)、女子が30%(同24%)で、女子が上回った。経験率が上昇したのは90年代以降で、男子は93年の14%から99年が27%に。女子は16%から24%に増え、今回、さらに高くなった。
中学生の経験率は男女とも4%前後だった。キス経験は大学生が7割強、高校生が5割前後、中学生は2割弱で、いずれも前回調査よりも伸びた(朝日新聞)

*離婚時年金分割、女性の問い合わせ8割

サラリーマンが加入する厚生年金を離婚時に夫婦で分割できる制度について、今年10月から相談を受け付け始めた社会保険庁は9日、1カ月間に寄せられた相談は6283件と発表した。そのうち社会保険事務所の窓口を訪れたのは3285人で、8割を女性が占めた。社保庁は「新制度で恩恵を受ける専業主婦の関心が高い」とみている。実際に自分の年金をどう分割できるのかがわかる情報提供も始まり、10月末までに1355人が請求し、9割近くが女性だった。すでに698人に情報が通知された。離婚による年金の分割は、来年4月以降に離婚した夫婦から可能になる。年金加入期間で結婚していた時期を最大で半分ずつ分けられ、割合は協議して決める(朝日新聞)

*カリスマなんぱ師サンジ逮捕 「おはぽん♪ 一緒にみそ汁でも飲みに行こう!!」などと気さくに声をかけ、女子中学生のわいせつ画像を撮ったとして、警視庁池袋署は13日までに、児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いで会社役員・石川恭一郎容疑者(29)ら3人を逮捕した。調べでは、石川容疑者らは今年8月23日、都内で声を掛けた女子中学生(14)を仲間の自宅に連れ込み、裸にするとデジカメで撮影。パソコンに保存した疑い。また、画像をDVDに記録してネット販売をたくらんでいたとみられる。石川容疑者は「サンジ」の名前でテレビ、雑誌に数多く登場するなど、かなり知られた存在。本人も「年間100人以上の女性と新規SEXするナンパのカリスマ」と自負していた。著作では「『ギラツク』=女性にモーションをかける。『即系』=すぐにセックスできそうな女性。『羽目鳥』=ハメ撮り」などと解説。また、ナンパを「NP」、中学生を「C」などと呼んでいたという。また、石川容疑者は「ナンパクラブ」を主催。HP上では日記も公開し、過労と睡眠不足で「玉金が腫れてます! 2倍の大きさに!」などとカリスマならではの悩みをつづっていた。さらに、通信販売でグッズも販売。「通信ナンパ講座」はCD、ビデオ1本ずつとテキスト2冊で2万5000円。また、同容疑者が実際にナンパして「即った」始終を録音した「ナンパ初日に女をGETする即CD」(8800円)などもあった。だが、カリスマのまさかの逮捕。同クラブでは10月31日、「急遽(きゅうきょ)ナンパクラブ代表サンジが体調を崩し入院した」として、通信販売や講演などの活動はしばらく行わない方針を発表している(スポーツ報知)
*ES細胞から人工肝臓 11.09

いろいろな組織や臓器に育つ可能性があるマウスの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)から作り出した肝細胞を袋状のものに組み込んで体内に埋め込む「人工肝臓」を、岡山大大学院医歯薬学総合研究科の小林直哉助手(45)らのグループが開発した。肝臓の9割を切除したマウスに埋め込んだ実験でも救命効果が認められた。ヒトのES細胞の利用には倫理的な課題があるが、将来の人工肝臓の臨床応用に近づく成果と注目される。成果は5日付米科学誌ネイチャー・バイオテクノロジー(電子版)に発表された。人工肝臓は、ポリエチレンなどからできた1.5センチ四方、厚さ5ミリ足らずのバッグ状のもの。これを体内に埋め込み、この袋にES細胞から作った肝細胞を注入する。袋には毛細血管が伸びてきやすくなる物質が塗ってあり、血管からしみ出た体液中のアンモニア毒素などの老廃物が袋の中の肝細胞によって分解され、肝細胞が作った成分も吸収されるように計画。肝臓の9割を切除して急性の肝不全状態にしたマウスで実験した。その結果、その後何もしなかったマウスでは、実験に使った10匹すべてが4日以内に死亡したが、人工肝臓を埋め込んだマウスは、2週間の実験期間中で10匹中9匹が生存。アンモニア濃度なども1週間前後で正常値になっていた。グループでは、人間の肝不全治療に使う場合、25センチ四方程度の袋が必要になると試算。ヒトES細胞を使った治療は生命倫理上、認められておらず、実際に人間へ応用するには時間がかかる見通しだが、小林さんは「将来的には肝臓移植を待つ人や、慢性肝炎で肝機能が低下した人への急場をしのぐ治療法として実用化したい」と話している(朝日新聞)

*拒絶反応減少の万能細胞

病気や事故で傷ついた体を補う再生医療に使った時に拒絶反応が起きにくい「万能細胞」を、京都大再生医科学研究所の多田高(たかし)助教授らのグループが作った。マウスの胸腺細胞に、様々な組織に育つ可能性を持つ胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を融合して「万能性」を持たせ、融合した細胞から拒絶反応の原因となるES細胞側の染色体を丸ごと取り除いた。5日発行の米科学誌ネイチャー・メソッズに発表した。ES細胞は、神経や心筋など様々な組織に育つ可能性があるが、受精卵を壊して作るため、倫理的な課題があった。多田さんらは、すでにあるES細胞と患者自身の細胞と融合させれば、新たに受精卵を壊さずに拒絶反応が少ない万能細胞が作れると考えた。しかし、融合した細胞中にES細胞の遺伝情報が残存するため、拒絶反応を起こす芽がまだ残っていた。そのため、染色体を除去するための特殊なDNAの断片(カセット)を開発。このカセットをES細胞に混ぜ、胸腺細胞と融合させた後、酵素で処理すると、ES細胞の遺伝子を染色体ごと除くことができた。まだ、実際に除去したのはマウスでは40本ある染色体の一部だが、多田さんは「すべての染色体を取り除ければ、拒絶反応がない万能細胞になる」と話す。今年8月に別のグループがES細胞に特徴的な遺伝子を皮膚細胞に組み込んで、万能細胞を作り出すことに成功しているが、今回の成果は、別の方法でも同じような能力を持った細胞が作れることを示したといえる。同研究所の中辻憲夫所長は「卵子や受精卵を使わず、患者自身の細胞を利用したオーダーメード治療の研究へ道を開くものだ」と話している(朝日新聞)

*徳山高専生殺害は殺害後に強姦 山口県周南市の徳山工業高等専門学校5年、中谷歩(なかたにあゆみ)さん(当時20歳)が校内の研究室で殺害された事件で、県警の捜査本部は31日、殺人容疑で指名手配中に自殺した同じ研究室の男子学生(同19歳)を、被疑者死亡のまま殺人と強姦(ごうかん)致死の容疑で山口地検に書類送検した。
調べでは、男子学生は8月28日午前、課題を教えてほしいと研究室に呼び出した中谷さんの首を手で絞め、さらにビニールひもを巻き付けて窒息死させ強姦した疑い。捜査本部は、男子学生が前日午後、携帯電話にメールを送り、研究室で会う約束をしていた▽自宅からビニールひもを2・7メートルほど切り取って持ち込んでいた――ことなどから「確定的な殺意があった」と断定。一方、動機については「被疑者の供述なしには究明できない」とした。中谷さんの父親の純一さんと母親の加代子さんは、書類送検の通知を受け「警察の捜査は終わりましたが『なぜ、歩は殺されなければならなかったのか』という私たちの問いかけは今後もずっと続いていきます。犯人を許すことができない気持ちは今も変わりません。今後、私たちに何ができるのか二人で考えて生きたいと思います」と報道機関に文書で心境を伝えた。両親は「強姦致死」の罪名について「事実をしっかり伝えてほしい」との意向を県警に示したという(毎日新聞)
*実娘強姦父親に懲役12年 4年近くにわたり、実の娘を繰り返し暴行したとして、強姦や準強姦などの罪に問われた北海道日高地方の無職男(49)に対する判決が7日、札幌地裁であった。井口実裁判長は「鬼畜の所業。厳罰をもってのぞむほかない」として、懲役12年(求刑・懲役13年)を言い渡した。判決などによると、男は、長女が9歳のころからわいせつな行為を始め、暴力を恐れて長女が抵抗できないことにつけ込み、今年3月までに、少なくとも4回乱暴した。長女が3月に家出し、父親を警察に告訴したことから発覚。検察側は、02年7月以降、男が2、3日おきに暴行を繰り返していたと指摘した。井口裁判長は、「1人で耐えるしかなかった苦痛と絶望は想像を絶する。(憎しみから)父の死刑を望む姿は哀れである」と述べた(読売新聞)


*学会、「孫」代理出産に結論出さず 10.31

日本産科婦人科学会(武谷雄二理事長)は27日、常務理事会を開き、諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町)の根津八紘(やひろ)院長が公表した50代女性による「孫」の代理出産への対応などを協議した。倫理委員長の吉村泰典・慶応大教授によると、代理出産の事実は、地方部会を通じて電話で根津院長に確認した。さらに「事前にどのような健康チェックをしたのか、出産後はどうか、など詳細な内容をフォローする必要がある。50代女性の妊娠出産に関するデータは世界的にも貴重だ」として、文書による報告を求めることにしたという。代理出産を禁じた同学会会告(指針)への違反に対する処分は「(法整備を検討する閣僚発言など)国の動きを見ながら、引き続き検討を続ける」として、結論は出さなかった(朝日新聞)

*品川区、向井夫妻出生届に抗告 タレントの向井亜紀さんと元プロレスラーの高田延彦さん夫妻が代理出産を依頼して出生した双子の男児をめぐり、東京都品川区に出生届の受理を命じた東京高裁決定について、同高裁は27日、決定を不服とした品川区による最高裁への抗告を許可した(朝日新聞)
*パッチ式避妊薬の危険 10.28 パッチ型避妊薬(Ortho Evraオーソ・エブラ:日本では未承認)は、週1回の貼付という簡易さから2002年の発売以来、約400万人以上が使用しているとされている。しかし、米食品医薬品局(FDA)は、先ごろ避妊パッチの添付文書に血栓症のリスクが経口避妊薬(ピル)よりも高いとの警告が追加されたことを明らかにした。 避妊パッチは皮膚に貼付し、経皮的にエストロゲン(卵胞ホルモン)が血中に吸収され避妊効果を発揮する。エストロゲンは血液を固まりやすくする作用があるため、経口、貼付にかかわらずホルモン剤による避妊法は血栓症の副作用が起こりうる。血栓症は、その頻度は稀ではあるが発症すれば重篤な合併症を来し、さらに心臓疾患(狭心症、心筋梗塞)、脳卒中などを引き起こす。2つの異なる調査機関がそれぞれに、避妊パッチと従来のピルの内服との間に血栓症の発生に差があるかを調べた。その結果、一方の調査では両者の間に差はなかったが、もう一方では避妊パッチの方がピルよりも血栓症が2倍多かった。この血栓症の増加は、避妊パッチがピルに比べてエストロゲンにさらされる総量が約60%高くなることによると考えられた。血栓症が起こりやすい患者は、喫煙者、35歳以上、肥満、活動性の低下(長期の寝たきりなど)、外科手術後、エストロゲン高用量摂取などがある。また、この血栓症の合併はエストロゲン投与開始後、約6カ月以内に起こりやすいとされている。FDAは「避妊パッチはピルに比べ、少なくとも同等か約2倍の血栓症の発症リスクがある。また、避妊パッチが全ての女性に最適な避妊法であるわけではない。避妊パッチが自分に最適な避妊法であるか、医師と相談する必要がある」としている(HealthDay)
*新たな男性避妊法

精管切断術に替わる、可逆的な男性避妊法の臨床試験の規模が拡大されるという。この避妊法が、予想以上に関心を集めていることを受けての決定である。英タイムズ紙(The Times)によると、IVD(Intra Vas Device)法と呼ばれるこの避妊法は、シリコンゲルの小さな栓で精巣から陰茎(ペニス)に通じる管(精管)をふさぐもの。IVDの挿入は、陰嚢に開けた小さな穴を通して行う。男性30人を対象とした予備研究では、IVDによる避妊効果が認められている。サルを用いた研究では、この方法が可逆的なものであることが示されているが、ヒトでも可逆性があるかどうかについては、さらに研究を重ねる必要があるという。開発元であるShepherd Medical Company社(カナダ、バンクーバー)は、近くIVDの臨床試験を開始する予定。当初は米セントポール(ミネソタ州)の男性ボランティアを対象に実施の予定だったが、高い関心が集まっていることから試験規模の拡大が決定されたとタイムズ紙は報じている。男性ボランティアは、このIVDを挿入後2年間試用する(HealthDay)

*50代実母が娘の子供「孫」を代理出産 10.18 50代後半の閉経後の女性が、娘夫婦の受精卵を子宮に入れて妊娠、昨春に出産していたことを、諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町)の根津八紘(やひろ)院長が15日、東京都内で記者会見を開いて明らかにした。国内で「孫」を代理出産した事例の公表は初めてだ。子どもは女性の子として届けた後、娘夫婦と養子縁組したという。こうした代理出産は、家族関係が極めて複雑になる。日本産科婦人科学会(日産婦)は会告(指針)で代理出産を禁じているが、法律の取り決めはない。是非や法整備をめぐる議論が活発化しそうだ。根津院長によると、娘は30代で、約4年前に子宮がんで子宮を摘出。2年前に「母が産むと言ってくれている」と院長にメールを送り、代理出産を相談した。その後、女性と夫、娘夫婦の計4人が、約2カ月間に3、4回、院長と話し合った。院長は、高齢出産が心臓や脳血管などに及ぼす危険性について蓄積されたデータがなく、命にかかわる危険もあり得ること、女性がすでに閉経し自然に妊娠できない状況なので、女性ホルモンを使う必要があることなどを説明。人間ドックの結果などから、女性に高血圧など特に心配な症状がないと判断し、娘夫婦の受精卵2〜3個を子宮に入れた。女性は昨春、約2400グラムの赤ちゃん1人を出産。赤ちゃんの性別は明らかにされていない。女性は出産後、自律神経失調症など更年期に特有な症状が強く出たが、女性ホルモンを一時補充することで解決したという。根津院長は会見で、米国人の代理母が産んだ、タレント向井亜紀さん夫妻の子どもの出生届を巡る裁判に触発され、今回の公表に踏み切ったと述べた。また、「親子愛のもとで行われる実母による代理出産は、子どもの引き渡し拒否や補償などもなく、(姉妹間や第三者による代理出産と比べて)一番問題が起こりにくい」と主張した。以前に公表した2例も含め、これまでに姉妹などによる計5例の代理出産を手がけたとしている。日産婦倫理委員長の吉村泰典慶応大教授は、学会の会告違反は明白で事実確認をするとしながらも、「代理出産について国の方針が定まっていない現状では、法による禁止を見込んで決めた会告違反だけを根拠に、除名などの処分を下すことはできない。学会レベルで議論するには大きすぎるテーマだ。国内外での代理出産ですでに生まれた子どもの権利をどう確保するかを含めて、もっと社会全体で話し合う必要がある」としている(朝日新聞抜粋)
*モーニングアフターピル売れても中絶数減らず 英国の医学雑誌によると、モーニング・アフター・ピル(緊急避妊薬=妊娠中絶薬とも呼ばれる)が以前より容易に手に入るようになっても、中絶や望まない妊娠の数は減っていないという。緊急避妊薬は、避妊をしていないか、避妊に失敗した状態での性交渉の後、望まない妊娠を避けるために使用されている。 米国では、2006年8月に米食品医薬品局(FDA)が、緊急避妊薬「プランB」(商品名)を、18歳以上の女性であれば医師の処方箋なしでも薬局の店頭販売(OTC)で購入できるよう認めたばかり。プランBは、黄体ホルモンを高量含有する薬で、性交後72時間以内の使用で、排卵を阻止することにより避妊効果を示す。英国では、中絶依頼をした女性のうち緊急避妊薬を試していたのは、1984年には1%に過ぎなかったが、1996年までには6%、2002年までには12%と増加傾向にある。しかしながら、15歳〜44歳までの中絶率は、1984年は1,000人中11人、2004年には17.8人と、避妊薬の使用増加にかかわらず増えている。同誌によると、避妊薬を持ちながらも、妊娠の危険性を感じず使わない女性が多いとみており、「緊急避妊薬は中絶を減らすための即効性のある解決策ではなく、女性はまず事前避妊をしっかりした上で、最後の手段として緊急避妊薬を使うべき」と述べている。一方、米国の専門家は「緊急避妊薬の影響で、危険な性交渉が増えたり通常の避妊薬の使用が減っている事実はない。ただ、せっかく薬を持っていても使われていないのは事実で、使う必要性を感じていないという個人の認識不足の問題だ」とし、望まない妊娠や中絶を減らすには子宮内避妊器具(IUD)やインプラント避妊薬(皮膚下埋め込み型)などの使用を勧めている(HealthDay)
*「孫」連れ去り夫婦、最高裁が実刑は酷

新しい交際相手と同居を始めた次女のもとから孫娘を連れ去ったとして未成年者誘拐の罪に問われた会社役員(57)と妻(56)の上告審判決が12日、あった。最高裁第一小法廷(才口千晴裁判長)は「実刑は甚だしく重すぎて、破棄しなければ著しく正義に反する」と述べ、一、二審の懲役10カ月の実刑判決を破棄。改めて懲役10カ月執行猶予3年を言い渡した。最高裁が量刑不当を理由に実刑判決を破棄して執行猶予をつけたのは16年ぶり。判決によると、栃木県に住む会社役員夫妻は01年、札幌市で交際相手と同居を始めた次女を訪問。実家に戻るよう説得したが聞き入れないため、次女が離婚した男性との間にもうけた当時3歳の孫娘を連れ去った。一、二審は、祖父母である夫妻が孫娘を引き渡さず、違法状態が解消していないとの理由で実刑とした。しかし第一小法廷は「親族間の紛争で、将来的な解決の道筋なども勘案しながら、刑事司法が介入すべき範囲・程度を慎重に検討する必要がある」と指摘。夫妻を服役させれば「孫娘の福祉や次女の利益に反する結果を生むおそれを否定できない」と述べた。夫妻の長女によると、孫娘は実家から小学校に通っている。次女は電話で娘と頻繁に話し、たまには実家に戻るという(朝日新聞)

*イスラエル大統領、強姦容疑で起訴勧告

イスラエル警察は15日、カツァブ大統領(60)が大統領公邸の女性職員1人を強姦(ごうかん)し、その他の女性職員たちにも性的嫌がらせ(セクハラ)をしたうえ、予算の私的流用や職員の電話の盗聴などをした疑いが強いとして、検事総長に起訴を勧告した。数カ月にわたる捜査で「明白な証拠がある」としており、検事総長は今月中にも起訴の是非を決断すると見られている。イスラエルの大統領は国家元首だが名誉職のため、仮に起訴されても政治への影響はほとんどない。カツァブ氏は疑惑を全面否定し、国会の女性議員から出ている辞任要求を拒否している。16日に始まる国会の冬会期に大統領が出席すれば、退席などの抗議行動が起きて混乱する可能性がある。イスラエルの各メディアによると、大統領には7年間の任期中の免責特権があり、起訴されても本人が辞めなければ、来年7月の任期満了まで裁判にかけられない。それまでに辞めさせるには、国会が弾劾決議を採択しなければならず、定数120のうち90人の賛成が必要だ。カツァブ氏はイランで生まれ、イスラエルに移住してジャーナリストをした後、約30年前に政界に進出。右派政党リクードに所属し、00年の国会議員による大統領選挙で、ノーベル平和賞受賞者のペレス元首相に勝った。既婚者で子供が5人、孫が6人いる(朝日新聞)

*男性不妊、ミトコンドリア変異 10.07 細胞内にある小器官「ミトコンドリア」の異常が男性不妊を引き起こすことを、筑波大大学院生命環境科学研究科の中田和人・助教授らが突き止めた。ミトコンドリアに異常を持つマウスの実験で、精子の数や運動能力が減り、不妊症状を示すことを確認した。人間でも同様の仕組みがあるとみられ、男性不妊の治療に道を開く研究として注目される。この成果は、米科学アカデミー紀要電子版で2日発表される。ミトコンドリアは細胞のなかでエネルギーを作り出す小器官で、細胞核とは別に遺伝情報を持っている。男性不妊でミトコンドリアの遺伝情報に変異がある例が報告されていたことから、研究チームは、この変異をマウスで再現してみた。その結果、変異マウスは重度の男性不妊になることがわかった(読売新聞)
*乳がんと乳房組織密度の関係 乳房の組織密度が高い人は、後に乳がんになるリスクが高いことを示す2件の新しい研究が、米国で発表された。 第1の研究では、乳がん女性1万1,638人を調査した結果、閉経前女性の乳癌リスクは、加齢、乳房組織密度、乳がんの家族歴、乳房の過去の処置歴であることが明らかになった。乳房組織密度が非常に高い女性のリスクは、そうでない女性の約4倍にもなっていた。また閉経後女性でのリスクは、上記のほかに人種、肥満指数(BMI)、ホルモン補充療法(HRT)、マンモグラフィ(乳房X線検査)での偽陽性が追加されている。これらの項目から推測される総合的乳がん危険度の正確さは、従来に比べ改善しているが、まだ完璧には程遠く、乳がんの主要因は判明していないと考えられる。第2の研究では、最新版のゲイルモデル(リスク予測モデルの1つ)を用いて、乳がんの絶対リスクを評価。この方法でも、体重、初産の年齢、以前の良性腫瘍の数、家族の乳がん患者数に加えて、乳房組織密度が危険因子として挙げられている。乳房組織密度が改善可能な危険因子かどうかについて研究者は、「ホルモン補充療法中は組織密度が高くなるため、改善する可能性はあるがまだ明らかではない」と述べている。また乳房組織密度は、放射線検査で判明するもので、自分で分かるものではない。「現在放射線医師から本人に対して組織密度値が報告されることはないが、将来は乳房X線検査施設が、腫瘍の有無や密度のほか、総合的に乳がんのリスクを評価するべきではないか」と研究者は述べている。また専門家は、「乳がんリスクの高い女性の鑑別、そしてそのリスクを軽減させる治療も可能になったが、医療現場でまだ実際には行われていない。今後乳がんを減らすためにもこのような予防を行っていくことが重要である」と述べている(HealthDay)
*働く女性の多い県ほど出生率高い?

働く女性の割合が高い県ほど出生率が高い――。政府の調査会の報告書でこんな傾向が裏付けられた。女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率はどの都道府県も低下傾向にあるが、比較的出生率が高く、下げ幅も小さい自治体では、仕事と子育てが両立しやすい環境が整っていた。内閣府は「両立を支援しないと仕事をする女性も減るし子どもも生まれないことを示している」としている。男女共同参画会議の「少子化と男女共同参画に関する専門調査会」(会長=佐藤博樹・東大教授)がまとめた。出生率、その減少率、働く女性の割合を示す有業率の三つの数値で47都道府県を7分類した。出生率が比較的高くて減少率も低いうえ女性有業率が高いグループには、山形県、福井県、熊本県など16県があてはまった。すべて逆のグループは東京都や大阪府、福岡県など大都市中心の16都道府県だった。双方を「地域の子育て環境」「雇用機会の均等度」など、両立しやすい環境が整っているかどうかの指標で比べると、明らかな差があることがわかった。中でも「適正な労働時間」、3世代同居などの「家族による世代間支援」、正規雇用の男女の偏りなどの「社会の多様性寛容度」の3項目で特に差が大きかった。もともと地方は大都市より家族や地域の支援を得やすく出生率も高い傾向はあるが、出生率と女性の有業率に正の相関関係があることは国際比較でも確認されている。報告書は(1)家族に代わる地域の支援体制(2)先進国の中でも際だつ長時間労働(3)非正規化で不安定になっている女性や若者の雇用――への対応が強く求められるとしている(朝日新聞)

*チリで14歳以上に緊急避妊薬無料配布!

望まない妊娠を防ぐため、14歳以上の女性に無料で緊急避妊薬を提供する――。チリ初の女性大統領となったバチェレ大統領(社会党)の打ち出した施策が波紋を広げている。保守陣営やカトリック教会だけでなく、中道左派の与党内からも「家族制度への打撃だ」「若年層に性行為を奨励する」などといった反発の声が上がっている。緊急避妊薬は「性交後ピル」とも呼ばれる。72時間以内に服用すれば、受精卵の着床を防ぐことができるというものだ。チリ統計院によると、女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は03年で1.9。フランスや米国とほぼ同じ。だが、約15%が10代の少女から生まれ、1.7%の日本と比べると約10倍。全出生児の半数以上が独身女性から生まれているのも特徴だ。チリでは中絶は認められていない。バリア保健相は「多くの少女が望まない妊娠をしている。学業や仕事を続けられない例も多い」と指摘する。バチェレ大統領は9月はじめ、14歳以上の女性を対象に、それまで暴行被害を受けた場合にだけ提供していた緊急避妊ピルの無料提供を始めた。両親の承諾は必要ない。反対派は差し止めを求めて提訴したが、裁判所は22日、提供を認めた。カトリック教会のサンティアゴ大司教は「結婚と家族への攻撃だ」と非難。与党の一角を担うキリスト教民主党の女性党首、アルベア氏も「安易な道を選んだ」と反対姿勢を示す。自らもシングルマザーとして子育てをしたバチェレ大統領は「早い時期から性交渉をするよう呼びかけているのではない」と理解を求めている(朝日新聞)

*元極楽とんぼの山本さん不起訴

北海道函館市のホテルで7月中旬、市内で知り合った少女(17)にみだらな行為をしたとして、強姦(ごうかん)の容疑で函館地検に書類送検されていたお笑いコンビ「極楽とんぼ」の元メンバー山本圭一さん(38)について、同地検は3日、不起訴処分にしたと発表した。同地検によると、9月中旬、山本さんと少女の間で示談が成立し、少女が同月22日、告訴を取り下げたため。山本さんは所属していた萩本欽一監督の野球チームの遠征試合で函館市に滞在していた7月16日夜から17日未明にかけて、少女にいかがわしい行為をしたとして告訴されていたが、山本さんは「合意があるものと思っていた」と主張していた(朝日新聞)


*向井夫妻代理出産、高裁届け受理命ず 09.30 タレントの向井亜紀さん(41)と元プロレスラーの高田延彦さん(44)夫妻が米国の女性に代理出産を依頼して生まれた双子の男児(2)の出生届を、東京都品川区が不受理としたことを巡る家事審判の即時抗告審で、東京高裁は不受理処分の取り消しを命じる決定をした。決定は29日付。南敏文裁判長は決定理由で、「(向井さん夫妻が)法律的な親として養育することが、子供の福祉に最もかなっている」と述べた。向井さん自身も29日、自らのブログで明らかにした。法務省は代理出産で生まれた子を実子とは認めない方針で、高裁の判断は生殖医療を巡る論議に影響を与えそうだ。南裁判長はまず、「民法は自然懐胎のみの時代に制定された。現在は人為的な操作による懐胎や出産が実現されるようになった」と述べ、「法制定時に想定されていなかったことで秩序の中に受け入れられない理由にはならない」とした。その上で、向井さん夫妻が双子を実子として養育することを望み、代理母側はそれを望んでいないと指摘。「子らは法律的に受け入れるところがない状態が続く。(向井さん夫妻を)法律的な親と認めることを優先すべきで、子の福祉にもかなう」と出生届の受理が妥当との考えを示した。代理母契約の是非についても言及。「明らかに禁止する規定は存在しないし、代理妊娠を否定する社会通念が確立されていると言えない」と述べた。契約の根拠となった米ネバダ州法が代理母の尊厳を傷つけるような過剰な対価を禁じ、精子と卵子が向井さん夫妻のものである点や子宮摘出というやむをえない事情があることも考慮した。向井さんは00年に子宮がんで子宮摘出手術を受けた。高田さんとの受精卵を米国人女性に移植して出産してもらう代理出産で、03年11月に双子の男児が誕生。品川区は法務省の意向も踏まえ双子の出生届を受理しなかった。夫妻は処分取り消しを東京家裁に申し立てたが昨年11月に却下され、即時抗告していた。代理出産の出生届をめぐっては、関西地方に住む50代の夫妻が不受理処分の取り消しを求めた審判で、最高裁が05年、夫妻の抗告を棄却した。夫妻は米国人女性から卵子の提供を受けて夫の精子と体外受精させ、別の米国人女性の体内に着床させて子をもうけた。最高裁は出生届を認めなかった高裁の判断を「是認できる」とした。ただ、「正当」という評価は避け、向井さんのように卵子は自分のものだった場合などで代理出産を認める余地を残したとされる。
〈品川区の話〉 決定文を入手していない。内容を確認できず、コメントは控えたい(朝日新聞)
*ED育毛に効果?血管内NO 血管を拡張させ、血流量増加や血圧低下をもたらすことで知られる一酸化窒素(NO)が血管内で生成、増加するメカニズムを、京都大の森泰生教授(生物化学)らの研究グループが解明し、米科学誌ネイチャー・ケミカル・バイオロジー電子版に24日発表した。育毛剤や男性機能不全(ED)治療薬などで、NOに注目した薬の開発に影響を与えそうだ(時事通信)
*独身調査、恋人いる女32%、男24%?? 09.23 「彼氏」のいる未婚女性は3割、「彼女」のいる未婚男性は4分の1――。国立社会保障・人口問題研究所が22日まとめた「結婚と出産に関する全国調査」で、異性との交際が低調な実態が明らかになった。「いずれ結婚するつもり」と答えている人が男女とも約9割にのぼり結婚願望は強いのに、実際に恋人がいる人は少なく、未婚化や出生率低下の一因となっているようだ。調査は05年6月、全国の18歳以上50歳未満で、結婚経験のない独身者約1万2000人を対象にし、8734人の回答を得た。サンプル数が確保できた18〜34歳について集計、分析した。「恋人として交際している異性がいる」としたのは、未婚女性のうち31.9%、未婚男性では24.3%だった。02年の前回調査に比べ、男性で恋人がいる割合は1.9ポイント増えたのに対し、女性は1.2ポイント低下。「交際している異性はいない」は女性44.7%、男性52.2%に上った。性経験がある人は男性58.2%、女性52.1%。前回調査まで女性の性経験割合は増えてきていたが、今回、頭打ち状態になった。30〜34歳では、男性の24.3%、女性の26.7%が「性経験なし」と回答した。「いずれは結婚したい」と考えている人は男性の87.0%、女性の90.0%だった。一方、男女とも半数程度が「1年以内に結婚するつもりはない」とし結婚の先延ばし傾向が強まっている。未婚でいる理由としては、男女とも「適当な相手にめぐり合わない」「自由や気楽さを失いたくない」などが多かった(朝日新聞)
*学会承認の受精卵診断、初の2例

慶応大学の吉村泰典教授らは、体外受精させた受精卵のうち遺伝子異常のないものだけを母親に戻す受精卵診断を4組の夫婦に実施して、うち2組が出産したと、21日、長野県軽井沢町で始まった日本受精着床学会で報告した。日本産科婦人科学会(日産婦)の手続きに従った受精卵診断では、初の出産例だ。吉村さんによると、受精卵診断を受けたのは、遺伝的にデュシェンヌ型筋ジストロフィー病の子どもが生まれる可能性の高い4組の夫婦。遺伝子に異常のない受精卵を計7回、母親の胎内に戻した結果、2組が今年3月と6月に出産した。デュシェンヌ型筋ジスは筋力が徐々に低下する病気で心臓や肺の機能にも障害が広がり、若くして命にかかわる。日産婦は04年7月に、国内で初めて慶応大の受精卵診断の申請を承認。以降、20例の申請があり、慶応大の計6例、名古屋市立大の1例を承認している。ほかに、日産婦の手続きを経ず、習慣流産を防ぐなどの目的で受精卵診断を行い、出産した例もある。日産婦倫理委員会の委員長も務める吉村さんは「今回、学内と学会の審議で合わせて約1年かかった。反対もある以上、丁寧に合意を得る努力が必要な一方、子どもを望む人にとって1年が長すぎる場合もある。半年ほどで審議が終わるシステム作りを目指したい」と言っている(朝日新聞)

*増え続ける帝王切開

秋篠宮妃紀子さまが6日、帝王切開で悠仁(ひさひと)さまを出産した。厚生労働省の抽出調査に基づく推計では、この20年あまりで国内の帝王切開件数は約1.6倍に増えた。全体のお産数は約2割減っており、帝王切開が占める割合は7%から15%に上がった。背景には、初産の高齢化でリスクの高いお産が増える一方、経膣(けいちつ)分娩(ぶんべん)(いわゆる自然分娩)での予期せぬ事態を避けたい医療者側の思惑があるようだ。千葉県の主婦細田恭子さん(41)は3人の女の子を帝王切開で産んだ。長女と次女のときはいずれも経膣分娩の予定だったが、陣痛が弱いなどの事情で急きょ切り替えられた。「事前に調べる時間もなく、準備も知識もなかった」という。帝王切開には、紀子さまのように母子の状態によって計画的に行う場合と、経膣分娩に時間がかかりすぎるなどして急きょ行われる場合がある。母親の意識を残す局所麻酔が多く、最近は術後の見た目を考えて、おなかを横に10センチほど切るケースが増えている。入院は10日から2週間程度。5日ほどで退院する経膣分娩よりは長くかかる。部分前置胎盤や骨盤位(逆子)、以前に帝王切開で出産している場合の判断は、医師によって異なる。聖路加国際病院(東京都中央区)では、入院が長くなる、出血が多ければ輸血が必要、次のお産も帝王切開になる率が高まるといったリスクを説明するが、それでも帝王切開を希望する母親が増えているという。厚労省のデータによると、02年は国内のお産の約15%が帝王切開だ。元愛育病院長で主婦会館クリニック(東京都千代田区)所長の堀口貞夫さんは「6〜7人に1人のお母さんはおなかに傷がある。ちょっと異常な事態」と心配する。高齢出産などリスクの高いお産が増えているのも事実だが、お産をめぐる医療訴訟の増加や、産科医やお産を扱う医療機関の減少で不確定要素が多い経膣分娩を避ける傾向が強くなっていることも原因だという。米国立保険統計センターの統計(03年)によると、訴訟社会米国での帝王切開率は27.5%に達している。麻酔など医療技術の進歩で帝王切開の安全性は確実に増した。帝王切開は「管理できるお産」という考えは、医師だけでなく、親の側でも増えている。「裁判で『帝王切開をしていれば事故は防げた』という判例が増えれば、経膣分娩を怖がる医師がいても一概に責められない」と堀口さん。日赤医療センター(東京都渋谷区)の杉本充弘産科部長は「逆子の経膣分娩などは医師に経験と技量が必要だ。お産が減り、熟達した医師が減って、お産の現場での医師教育も出来なくなっている」と指摘する。「増加は好ましくないが、必要なケースもある。その場合、お母さんの心に傷を残さないことが重要」と杉本さんはいう。同センターでは、母子に危険が無ければ、帝王切開で取り上げた赤ちゃんはすぐに母親に抱かせる。夫が手術に立ち会うこともできる。杉本さんが担当する帝王切開の8割は夫立ち会いという。「帝王切開は第二の産道。ただ安全なだけでなく、よりよい帝王切開をする責任が医療側にもある」冒頭の細田さんは、長女のお産後に「普通の女性ができること(経膣分娩)ができなかった」と涙がこぼれたという。知人に「産道を通っていない子は我慢強くないらしい」と言われたことをホームページ「くもといっしょに」に書き込むと、大きな反響があった。ホームページは、今ではお産の情報が飛び交う交流の場になっている。「帝王切開が増えて欲しいとは思わないけれど、帝王切開だからといって、お母さんが頑張り足りなかったなんて思わないでほしい」と細田さんはいう(朝日新聞)

*最高裁、死後生殖認めず 09.15

夫に先立たれた西日本在住の女性が凍結保存していた精子による体外受精で出産した男児(5)について、夫の子として認知できるかどうかが争われた訴訟の上告審判決が4日、最高裁であった。第二小法廷(中川了滋(りょう・じ)裁判長)は「死後生殖について民法は想定していない。親子関係を認めるかどうかは立法によって解決されるべき問題だ」と述べ、立法がない以上父子関係は認められないとする初めての判断を示し、認知を認めた二審・高松高裁判決を破棄。女性側を敗訴させる判決を言い渡した。夫の精子を死後に利用して生まれてきた子を法的にどう保護するかは、さまざまな検討が行われているものの法整備に至っていない。判決は、死後生殖によって生まれた子が認知されることによって、いまの民法の下でどのような法的メリットを得られるのかを検討。「父から扶養を受けることはあり得ず、父の相続人にもなり得ない」と指摘した。法律上の親子であれば存在するこうした「基本的な法律関係」がないことを踏まえ、「立法がない以上、死後生殖による父子には、法律上の親子関係の形成は認められない」と結論づけた。第二小法廷は、今回のような例で父子関係を認めるべきかどうかは「生命倫理、子の福祉、社会一般の考え方など多角的な観点から検討を行った上、立法によって解決されるべき問題だ」と法整備の必要性を指摘した。女性の夫は白血病で、放射線治療で無精子症になる恐れがあって精子を保存。99年に死亡した。
女性は「この子に父親がだれかを教えてやりたい」と訴えていた。4裁判官全員一致の判決。滝井繁男、今井功両裁判官は補足意見で、生殖補助医療により生まれる子に関する法整備を速やかに行うよう求めた(朝日新聞)

*半数がセックスレスを自認

年間平均のセックス回数は17回。半数近くの人が自分をセックスレスだと思っている−−。バイエル薬品(本社・大阪市)が行った「現代社会における2人の寝室と性生活に関する調査」でこんな結果が出た。セックスの少ない人ほど離婚を考える割合も高く、ストレスも強く感じていることもわかった。日本の寂しい寝室風景が浮かび上がってくる。【小川節子】
◆加齢とともに離れる、夫婦まくら◇30代55センチ、40代65センチ、50代71センチ、60代82センチ
◇30〜69歳の823人
調査は30歳から69歳の既婚男女823人を対象にインターネットで行われた。夫婦の枕の距離は30代で55センチで「腕枕」が可能な距離だが、年齢とともに離れ40代で65センチ、50代で71センチ、60代になると82センチと腕が届かなくなってくる。これと同時に一つの「ベッド」「ふとん」に眠る夫婦は30代で40%だったが、60代では21%と半減している。睡眠以外で寝室で過ごす時間は平日で41分、休日に57分あるが「会話」(72%)「テレビ」(45%」に時間を費やしており、「セックス」は29%だった。年間のセックス回数は平均17回だったが、「1年以上していない人」が34%もいるうえ、日本性科学会のセックスレスの定義「1カ月以上セックスをしていない人」は58%にも上っている。こうした自分たちの状態を「セックスレスだと思う」(23%)、「まあ思う」(26%)と半数近くの人が自覚している。ただ、6割の人がセックスは「配偶者との関係が円満になる」「愛情表現」として夫婦にとって大切なものだと考えている。このため、セックスレスは夫婦関係にも微妙に影響を及ぼしている。自分をセックスレスと思っている人とそうでない人を比べると、「日常生活の中で愛情を強く感じる」のはセックスレスの人が11%しかいないが、そうでない人は44%。「精神的なきずなを感じる」のもセックスレスの人の11%に対しそうでない人が36%と夫婦の結びつきの強さに大きな影響がある。離婚を考える率も、セックスレスの人が18%と多いが、そうでない人はわずか2%だった。ストレスとも密接に関係しており、セックスレスの39%の人が日常生活にストレスを感じており、そうでない人は10%と少ない。調査にあたったバイエル薬品広報部は「夫婦のコミュニケーションはセックスと深い関係がある。なぜ、セックスをしないのか、夫婦できちんと見つめなおし、改善するための方法をみつけてほしい」と、話している(毎日新聞)

*植草教授、今度は触る! 電車内で女子高生に痴漢行為をしたとして、東京都迷惑防止条例違反の現行犯で逮捕された名古屋商科大大学院客員教授の植草一秀容疑者(45)が警視庁蒲田署の調べに対し、「事件は警察のでっち上げだ」などと供述していることが15日、分かった。同署は同日、植草容疑者の身柄を送検。同容疑者が、それほど込んでいない車内で、乗車直後から女子高生に体を密着させたことが新たに判明したといい、詳しい状況をさらに追及する(時事通信)
*紀子さまが男児出産 秋篠宮妃紀子さま(39)は6日午前8時27分、東京都港区の愛育病院(中林正雄院長)で男の子(親王)を出産した。男子皇族の誕生は秋篠宮さま以来約41年ぶり、天皇陛下の孫の世代では初めての男子となる。皇位継承順位は、皇太子さま、秋篠宮さまに次いで第3位。胎盤の一部が子宮口をふさぐ「部分前置胎盤」のため、予定日より約20日早い帝王切開による出産だったが、母子ともに健康で、1週間から10日でそろって退院できる見通し。体重は2558グラムだった。皇族の帝王切開による出産は初めてで、現皇室での最高齢出産となった(朝日抜粋)
*内妻からの窃盗、刑免除されず

同居中の元妻の現金を盗んだとして、窃盗罪に問われた無職の男(65)に、最高裁第2小法廷(津野修裁判長)は30日付で、被告側の上告を棄却する決定を出した。刑法には「配偶者からの窃盗罪は刑を免除する」との規定があり、被告側は「内縁の妻なので刑は免除される」と主張したが、「刑の免除規定は内縁の配偶者には適用されない」との初判断を示した。懲役2年6月とした1、2審判決が確定する。1、2審判決によると、男は女性と78年に離婚。99年ごろ再び同居するようになり、04年、7回にわたってアパートの金庫内の女性の現金計725万円を盗んだ(毎日新聞)



*自分の治療用に子供の幹細胞保存 08.31 何人かの一流サッカー選手が、将来、選手生命を台無しにしてしまうケガにあった場合に備え、子どもが生まれたときに幹細胞を採取して冷凍保存しているそうだ。
『サンデー・タイムズ』紙の報道によると、選手たちは赤ちゃんが生まれたとき、臍帯(さいたい。へその緒)の血から細胞を採取して冷凍している。これは将来、軟骨や靭帯を損傷したときの治療に役立つというのだ。幹細胞はあらゆる細胞の最初期形態なので、破損した器官や組織を作りなおすのに利用できる。同紙は、イングランド北西部のとあるプレミアリーグのチームに所属する選手の言葉を匿名で紹介した。「僕たちは将来治療が必要になる可能性を考えて、新生児の幹細胞を保存することに決めました。子ども自身と僕と、両方のために」「サッカー選手としては、負傷してしまうともうおしまいです。ですから幹細胞を用意しておくのは理にかなっています。それはリペアキット(修理道具)とも言えますね」この選手は、リバプールを拠点とする商業幹細胞バンク「CryoGenesis」に子どもの幹細胞を冷凍してある5人の選手うちのひとり。『タイムズ』紙によれば、過去5年間で1万1000人以上の両親が、新生児の幹細胞を保存するために最大1500ポンド(およそ33万円)を支払っている。血液状態が悪化したり免疫に異状をきたした子どもを救う目的で行う臍帯血の幹細胞移植手術の成功例は、すでに何千件もある(エキサイト・ロイター)
*子宮内膜症と鉄分 子宮内膜症は、米国では月経のある女性の10〜15%に認められ、不妊症の原因にもなる。子宮内膜症の治療に、鉄分の排泄作用のあるキレート剤が有効であることが、ベルギーの研究で明らかになった。 子宮内膜症は、子宮にしかないはずの子宮内膜の組織が、骨盤や腹腔内に増殖する病気。この子宮外に増殖した組織が、本来の子宮の組織と同じように女性ホルモンに反応し、はく離・出血する。しかし、その血液や内膜を体外に排出することができずに体内に溜まるため、病状の進行によって激しい腹痛が生じる。鎮痛薬による対症療法やホルモン療法が用いられるが、重症度によっては外科的手術が必要となる場合がある。子宮内膜症の原因は不明だが、月経ではがれた子宮内膜の組織が卵管を通って骨盤内に逆流し、そこで増殖する「逆行性月経」説が有力である。また、子宮内膜症患者の骨盤内に、壊れた赤血球から放出された鉄分の過剰沈着がみられ、重症度と相関することが報告されている。研究では、マウスの骨盤内に子宮内膜の細胞を注入。それらを、赤血球を加えたグループ、鉄分の排泄作用のあるキレート剤を加えたグループ、何も加えない対照グループの3群に割り付けた。その結果、対照グループに比べて、赤血球を加えたグループは子宮内膜組織の増殖が強く、鉄キレート剤を加えたグループは増殖が軽度だった。研究者らは「赤血球からの過剰な鉄分が子宮内膜組織の増殖を促進して、子宮内膜症を悪化させている可能性が示された。今後、鉄キレート剤が子宮内膜症の治療に有効となるかもしれない」と述べている(HtealthDay)
*夫婦の3割がセックスレス! 08.27 日本人夫婦の約半数が「自分たち夫婦はセックスレス」と認識していることが、ドイツの製薬大手バイエル社の日本法人、バイエル薬品(大阪市)の調査で明らかになった。1年以上セックスをしていない夫婦が全体の3分の1を占めるなど、欧米に比べて、セックスに淡泊な日本人の性生活が改めて浮き彫りになった。調査は日本人夫婦の寝室と性生活についての実態を明らかにするのが狙い。6月9〜12日、全国の30〜69歳の既婚男女約800人を対象にインターネットを利用して行った。その結果、日本人夫婦の年間平均セックス回数は17回で、1年以上セックスをしていない夫婦は33・9%。夫婦間のセックスについて、60%が「大切だ」と回答しながらも、セックスレスと自認する夫婦は48・8%にのぼった。その原因は、「面倒くさい」が33・1%で最多。次いで、「子供ができたなど家族構成の変化」(26・9%)、「忙しくて時間がない」(19・2%)、「マンネリ化したから」(18・7%)などの順で、ED(男性性機能障害)も10・9%の人が理由としてあげた。さらに41・9%が、「配偶者とのセックスに満足していない」と回答しながらも、性生活について話し合っている夫婦は26・2%に過ぎなかった(読売新聞)
*二本の元気ペニス、一本切除 生まれつき陰茎をふたつ持っているインドのビジネスマンが、結婚して普通の性生活を送るために片方の切除手術を受けたいと病院に申し出た。『タイムズ・オブ・インディア』紙によれば、ニューデリーの病院で、インド北部ウッターパラデッシュ州出身の24歳男性が「ペニス・デュプリケーション」あるいは「二陰茎体」と呼ばれる非常に珍しい状態にあることが確認された。「完全に機能するペニスがふたつあるというのは、医学文献にも前例がありません。二陰茎体は通例、器官のひとつが未発達状態です」 との外科医の証言が紹介されている。
さらに彼は、性器がふたつともよく発達しており、残された片方が術後も元通り機能するよう血の供給を確かにしなければいけないことから、手術は難しいものになるだろうと述べた。患者と病院の実名はプライバシー保護のため公表されていない。こうした二陰茎体の例は世界中で100件ほど報告されており、男性550万人にひとりの確率で発生するとみられているそうだ。二陰茎体は胎児の中胚葉が適切に誘導されなかった場合に発生する。中胚葉は体の部位を形成するもとになる3つの細胞群のひとつ(Excite・ロイター)
*米FDA、モーニングアフターピル市販 米医薬品会社バール・ファーマスーティカルズは24日、同社が処方せんなしの店頭販売の承認を求めていた緊急避妊薬プランB(モーニングアフターピル)について、米食品医薬品局(FDA)の認可を得たと発表した。 ただ対象を18歳以上に限定、17歳以下については処方せんが必要としている。同社によれば、プランBは性交後72時間以内に服用すれば、妊娠の可能性を最大89%減らせる。米国では毎年約300万件の望まぬ妊娠があるという。同社は2003年に全年齢を対象に処方せんなしの販売を認めるよう申請したが却下されたため、申請を出し直していた。プランBをめぐっては保守派からの認可反対が根強く、ブッシュ大統領も未成年者への使用規制を支持していた(ZAKZAK)
*中年男が結婚しない理由 30〜40代の「結婚しない男」の未婚理由は「適当な相手がいなかった」が約3割。「経済的なゆとりがなかった」が約2割と自分の生活を守るといったきままなシングル事情ではない実情が、結婚情報サービス「オーエムエムジー」(大阪市)が全国の未婚男性1200人にしたネット調査でわかった。調査は、同社が6月に、30歳から49歳の未婚男性を対象とした。30代が750人、40代は450人。調査結果によると、これまで結婚しなかった理由を複数回答で尋ねたところ、「適当な相手にめぐり合えなかった」(29%)、「経済的にゆとりがなかった」(24%)が多かった。40代後半では「必要性を感じなかった」(23%)も高かった。また、結婚の意思について聞いたところ、「なるべく早く結婚したい」「いずれはしたい」は、全体では72%だが、30代前半で81%と高く、年齢層が上がるにつれて低くなり、40代後半では56%だった。結婚する意思のある人でも結婚後の生活不安(複数回答)では生活費が50%前後でトップだった。「交際をしている異性はいない」と答えたのは70.9%と高いが、「結婚のために努力をしている」という約3割の回答者に、努力の方法を複数回答で聞くと、「友人・親に紹介を依頼」が57%と半数を超え、「合コン」(35%)、「ネットの出会いサイト」(29%)と続いた(朝日新聞)
*凍結マウスの精子で子どもマウス誕生 08.18

15年間丸ごと冷凍されていたマウスから取り出した精子を使い、元気な子どものマウスを得ることに理化学研究所(埼玉県和光市)のチームが成功し、今週の米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。特殊な薬品や技術が必要な精子だけの凍結保存と比べると簡単で、永久凍土に眠るマンモスの復活などにも応用できる可能性があるという。同研究所バイオリソースセンターの小倉淳郎室長らは、精子を作る精巣や、貯蔵する「精巣上体」と呼ばれる臓器をそのまま冷凍庫(零下20〜80度)で保存。数週間、数カ月後に取り出した精子から子どもを得ることに成功した。さらに、慈恵医大で15年間、零下20度で保管されていたマウスの精巣の精子から27匹の子どもが生まれ、その子も、成長後に子どもを持つ能力があることを確かめた。小倉さんは「この研究を広げれば、永久凍土のマンモスなど絶滅種の精子と近縁種の卵子から子どもが生まれることもあり得ないことではない」と話す。生物学的にはマンモスよりも人間の方が成功率は高いというが、まずは絶滅が心配される野生動物への応用を探りたいという。現在、研究用に開発した遺伝子組み換えマウスを次世代に残す方法として、精子の凍結保存が行われている。しかし、精子を洗ってから保護剤と一緒に液体窒素で凍らせるなど、かなり手間がかかってい(朝日新聞)

*長寿解明の手がかり、ミトコンドリアDNA 08.13 パーキンソン病やアルツハイマー病などを引き起こす神経細胞死に関係するDNAの型の違い(個人差)を、理化学研究所の研究グループが特定した。日本人に多い型は、長寿にもかかわっているとされ、病気のなりにくさ、長寿のメカニズムの解明につながりそうだ。研究成果は11日、米のオンライン版遺伝学専門誌に発表される。研究グループは、細胞内小器官で、エネルギー生産などに関与するミトコンドリアのDNAの型と、ミトコンドリア内のカルシウムイオン濃度変化の関係を分析。約1万6000の塩基から構成されるミトコンドリアDNAの1万398番目の塩基がG型(グアニン)だとA型(アデニン)に比べ、カルシウムイオン濃度が低いことを突き止めた。カルシウムイオン濃度は、神経細胞の生死にかかわるとされ、実際、これまでの疫学研究で、A型はアルツハイマー病、パーキンソン病などの危険を高める因子と判断されていた。日本人はG型が7割と多く、欧米人では3割しかない。特に日本人の100歳以上の高齢者の8割はG型だった。研究を行った同研究所の加藤忠史・チームリーダーは「ミトコンドリアのカルシウム濃度と、病気のかかりやすさや長寿との関係を解明する手がかりになる」と話している(読売新聞)
*出産間近のSEX 出産間近に性交をしても、陣痛を引き起こしたり、出産を早める可能性のないことが米国の調査で明らかになった。 それどころか、妊娠期の最終3週の間に性交のあった妊婦は、出産まで平均で39.9週、性交のなかった妊婦は39.3週と、性交のある方の出産がわずかに遅れていたことがわかった。一般的に、性交をすると出産が早まると言われているが、最近の調査結果では、この通説を妊婦の73.6%が知っており、46.1%が信じていたという。また、ある専門家は、通説の根拠となる生物学的な裏付けとして「精液には、プロスタグランジンという、陣痛促進剤にも使われているホルモンが含まれており、性交で同様の効果があると考えられているのではないか」と述べている。今回は、単児妊娠37週以降の健康な妊婦93人を対象に、2004年6月〜2005年6月にかけて調査を行った。毎週の出産前検診のたびに、前週の性交回数をたずねると同時に、子宮頸部の検診も行った。その結果、50.5%が妊娠期最終週に性交をしていたが、性交の回数と子宮頸部の変化には関連性のないことがわかった。また、性交のあったグループは、なかったグループと比較して、出産日が平均して4日遅れたものの、大きな違いはみられなかった。また、出産間近の性交の有無と新生児の健康状態に関連性はなかった。「今回の調査で、健康に特に問題のない妊婦が、出産間近に性交をすることは安全で、日常的に行われていることがわかった」と専門家は述べている(HealthDay)
*離婚後の妻年金額、秘密で教えます 離婚した夫婦の年金分割が来年度から実施されるのに合わせ、社会保険庁は10月1日から、妻も夫も50歳以上の夫婦が離婚する場合、本人の求めがあれば、分割で受け取れる年金の見込み額を事前に通知するサービスを始める。現在は離婚した場合、年金はいったんは夫が取得し、それを妻に分けるケースが多い。しかし、夫が送金しないケースも多かった。07年4月1日から始まる年金分割制度では、分割の割合は夫婦の話し合い、または裁判によって決められる。社保庁が、それぞれに直接送金する。制度が複数あり、改正も重ねているため、年金額の計算は、一般の人には難しい。特に、妻が夫に離婚の意思を隠しているような場合、内証で夫の年金について調べるのは困難だ。通知サービスでは、夫婦の合意がないまま妻か夫のどちらかが請求した場合、相手に知られないように見込み額を知ることができる。各地の社会保険事務所に自分の年金手帳と戸籍抄本または謄本を提出すれば、試算してもらえる。ただ、通知されるのは本人の見込み額だけで、相手の額まで知ることはできない。試算は、夫婦で半分に分割した場合を基準に行われるが、本人が分割の割合を指定した場合は、それに応じて試算する。夫婦とも年金額が確定している場合は、実際に受け取っている年金額をもとに試算、それ以外のケースは将来受け取る見込み額に基づく試算となる。50歳未満の場合は将来の年金見込み額自体を試算することが困難なため、結婚期間中の双方の納付記録や支払った保険料総額、認められる分割割合などの情報提供にとどめられる(朝日新聞)
*乳がん患者への診察ガイドライン 08.10

日本乳癌(にゅうがん)学会(理事長=坂元吾偉・癌研究所乳腺病理部長)は、初めての患者版「乳がん診療ガイドライン」をつくった。作成委員に患者2人を入れ、最新の医学的根拠に基づく標準的な治療を質問形式でまとめた。治療方針の決定や、不安解消に役立ててもらう狙いだ。解説書は、「薬物」「外科」「放射線」「検診・診断」「疫学・予防」の分野に分かれている医師向けの専門ガイドラインを、患者の疑問や不安に沿う形で1冊にまとめた。患者委員が挙げた約200項目の「患者が知りたいこと」のうち、特に重要な46項目を取り上げた。標準的な手術方法、術後の放射線治療、抗がん剤の副作用に対する考え方などのほか、「イソフラボンの摂取は乳がん予防になるか」といった日常生活に即した疑問にも触れ「予防の可能性を示す疫学調査や動物実験のデータはあるが、まだ確証はない」といった現状を紹介している。同学会診療ガイドライン委員長の高塚雄一・関西労災病院副院長は「患者の立場や知識量は様々。今回は情報をどう整理していいか戸惑っている人を想定した」と話す。今後、患者アンケートを実施するなどして改訂をしていく考えだ。「乳がん診療ガイドラインの解説」(金原出版、1995円)として出版もされ、年内には学会ホームページで閲覧できるようにする(朝日新聞)

*遺伝子ビジネスの倫理問題研究

体質診断や親子鑑定など、次第に増えてきた遺伝子関連ビジネスの現状を国内外で調べ、遺伝差別など倫理的、社会的な問題を洗い出す研究が始まる。高田史男・北里大助教授(臨床遺伝医学)を中心に、業界動向に詳しいバイオインダストリー協会の専門家や生命倫理の研究者らが参加する。2年で報告書をまとめ、政策も提言する。国内ですでに行われている遺伝子関連ビジネスには、DNA親子鑑定のほか、災害死亡時などの本人識別に備えたDNA保存、さらに生活習慣病に関連した研究成果を採り入れたDNA体質診断などがある。最近注目されている体質診断は、口の内側の細胞をぬぐって、太りやすさに関連した遺伝子などを調べることを売り物にしている。経済産業省の個人遺伝情報保護ガイドラインが昨年施行され、厳格な情報の取り扱いが求められているが、業界の実態はよく分かっていない。遺伝子診断が普及すると、就職や結婚、保険加入などで差別が起きないかという懸念もある。研究では、欧米や日本での遺伝子関連ビジネスの現状や、トラブル事例などを調べる計画だ。研究費には、文部科学省の科学技術振興調整費から年3000万円が充てられる。文科省はこれまで生命倫理全般に関する研究費を出してきたが、今回、遺伝情報の扱いや遺伝差別などの問題は、政策的に重要性が高いと判断し遺伝子関連ビジネスに絞った研究を採択した。高田さんは「体質診断ビジネスなどが出てきて、医療との境界線が不鮮明になってきている。現実には、遺伝の知識が普及しておらず、偏見や誤解を生む可能性もある。ビジネスの適正な発展を探りたい」と言っている(朝日新聞)

*「妊婦バッジ」の効きめ 東京の鉄道会社各社が、妊娠中の女性にバッジを配っている。混み合った東京の電車で、ほかの乗客が妊婦に席を譲りやすくなるようにとの配慮だ。妊婦にとって、通勤通学その他の列車の旅が少しでも楽なものになるようにとの狙いだ。「おなかに赤ちゃんがいます」と書かれているピンクと青のバッジは、駅で手に入れることができる。妊娠している証拠は要求されない。「妊娠の初期段階では特に、見た目から妊娠しているのかどうかはわかりにくいものです」と、これを考案した厚生労働省の職員は言う。「しかし、その初期段階はむしろ不安定な時期で、気をつけなければならないのです」日本政府が女性にもっと多くの子どもを産むよう説得にかかっているのに伴って、こうした試みが実施されている。出生率の低下により、日本は人口の減少と、世界最高の高齢者人口率に直面している。「妊娠している女性にとって快適な環境を作りたいのです」と、政府機関の職員は言う。妊婦バッジは多くの人々に歓迎されている。「私が妊娠3カ月で列車に乗ったとき、私が妊娠していることに誰も気がつかず、席を譲ってくださいと頼むこともできませんでした」と自営業のカトウヨシコさん(38)は言う。「ですから、このバッジが、誰かが妊娠していることに気がつく助けになればいいと思います」(EXcite・ロイター)
*エイズワクチン論文、訂正の上に訂正? 08.05

厚生労働省直轄の国立感染症研究所が10億円以上の国費をかけて開発している国産エイズワクチンで、同研究所チームがサルで有効性を証明したと昨年発表した論文に誤りがあり、訂正されることが分かった。感染研は「結論に影響はない」とタイでの臨床試験を目指す構えだが、チームは03年に発表した関連論文では、誤りの指摘で論文を撤回もしている。撤回と訂正が続き、日本のエイズワクチン研究は、信用が揺らぎかねない情勢だ。訂正されるのは、感染研エイズ研究センターの本多三男・第一研究グループ長らのチームが、米国微生物学会の専門誌の昨年10月号に発表した論文。結核予防のBCGと、天然痘ワクチンで遺伝子の一部をそれぞれエイズ用に組み換えた2種類のワクチンをサルに連続して使う実験で、ウイルス感染を抑える効果があったという内容だ。ところが今年3月、所内の研究者が「本多氏から事前に示された実験結果と、掲載された論文に食い違いがある」と感染研幹部に告発。エイズ研究センターが「論文不正疑惑」に関する内部審議委員会を設けて調べたところ、(1)ワクチン接種スケジュール表の数値に誤りがあり、(2)サルの免疫反応の値のばらつきを実際の5分の1に表示していた、ことが分かった。委員会報告書では誤りの原因を、「実験データの管理の不備」などとした。データの訂正後も掲載論文の結論に相反するものではなく、「悪意のあるデータ改ざんやデータ捏造(ねつぞう)には当たらない」と結論づけ、論文の訂正を求めた。また、これを教訓にして、独自の研究記録ノートの整備や、実験記録の原則5年間保管などの対策を示した。本多氏らは求めに応じて図表などの訂正を雑誌編集部に伝え、近く掲載される見込みという。一方、チームが同じ雑誌の03年12月号に発表した関連論文では、今回内部告発した研究者が「26日観察した後に処分したサルが、12週間観察されたことになっている」と疑問を指摘。本多氏らは昨年3月、この論文を撤回していた。本多氏は「撤回した論文は、2カ所で行っていた似た実験の混同があった。多くの人が関与して膨大な実験をしており管理にも問題があった。みなさんにご迷惑をかけて申し訳ない。今まで間違いにはきちんと対応してきた」と釈明している。感染研の宮村達男所長は「研究データの処理には不十分さがあったが、捏造や改ざんといった悪意に基づくものではないと受け止めている。研究所としては論文の結論は正しいと考えており、ワクチンの実現に向け、さらに努力したい。研究データの管理をきちんとし、こうした問題が二度と起きないようにする」と話している(朝日新聞)

*日本人口の初減少確定

総務省は4日、住民基本台帳に基づく全国の人口(3月31日現在)を発表した。総人口は1億2705万5025人で前年より3505人減り、1968年の調査開始以来、初めて減少し、人口減少社会の到来が裏付けられた。05年度の出生者数は前年度比3万8529人減の106万5533人で過去最低になる一方、死亡者数は前年度比2万1199人増の107万2281人で過去最高を更新した。死亡者数が出生者数を上回り初の自然減となった。年齢別にみると、総人口に占める15歳未満の年少人口の割合は前年比0.11ポイント減って13.8%だったのに対し、65歳以上の老年人口は0.58ポイント増えて20.3%で初めて2割を超えた。調査開始以来、年少人口は毎年減少する一方、老年人口は毎年増えており、少子高齢化が一段と進んでいる。都道府県別では、人口が最も多いのは東京都の1227万3376人で、前年比8万9867人増。増加数、増加率とも東京都がトップで、神奈川県、大阪府、愛知県など9都府県で人口が増えた。昨年10月の国勢調査(5年ごとに実施)の速報値でも日本の人口が減少していることが分かっている。国勢調査は各世帯に調査票を配布して調べるもので、日本に3カ月以上住む外国人も対象になっているのに対し、住民基本台帳による調査は日本国籍を持つ国内居住者が対象(毎日新聞)

*純潔偽装に走るイスラム女性 因習的な社会では,女性だけに純潔が求められ,それが花嫁の清らかさや家族の名誉を示している。CBS NEWSによると,イスラム社会でも純潔が重視され,このために処女膜再生手術,偽の純潔証明書あるいは純潔偽装がありふれている。そして特にヨーロッパで生活するイスラム女性は,自由な生活と伝統的な規範との板挟みになっているようだ。 フランスには約500万人のイスラム教徒が居住しており,学校でのスカーフ着用や水泳プールでの男女分けなど,さまざまな文化的・宗教的問題を生じている。病院における文化摩擦をまとめた2005年の政府報告は,簡略ではあるが偽の純潔証明書を発行しないように医師に求めている。 処女膜再生手術は違法ではないが,女性にとっては極秘のことであり,それを語る医師はほとんどいない。同手術を手がけている医師によると,パリ郊外にあるクリニックでは1ヵ月に7,8件の手術をしている。費用は500ドルで,若い女性には大きな負担だ。またインターネット上で1250ドルの費用で手術を宣伝しているドイツの医者もいる。 イスラム教徒が多く住むパリ北部の家族計画クリニックの医師は,この30年ほど,毎年5,6人にニセの純潔証明書を発行している。その医師は女性の人権擁護活動にも熱心で,再生手術よりも初夜のベッドに赤いシミをつける方法を推奨している(SexualScience)
*米国・オーラルSEX急増 ボルチモア市のSTDクリニックが12〜25歳を対象とした94年と04年の調査によると,オーラルセックス経験者は男子で16%から32%,女子で14%から38%に増加した。これはクリニックを受診した患者に,過去9カ月のオーラルセックスの経験を尋ねたもの。5月初めに開催された米国STD学会で報告された。こうした傾向について,専門家は,望まない妊娠とHIV感染を防ぐためと分析する。エイズ時代のセイファーセックスと見る専門家は,「オーラルセックスはHIV感染の恐れを非常に減少させるが,ただし危険性はゼロではない」という。その一方で,オーラルセックスによって梅毒,淋病,クラミジア,ヘルペスなどのSTD感染に感染しうることを知らないか,あるいは無視している若者が多いと指摘する専門家もいる(SexualScience)


*改良型埋め込み避妊薬に注目 07.31

長期埋め込み型避妊薬Implanon(Organon オルガノンUSA社)が、このほど米食品医薬品局(FDA)により承認された。低用量のプロゲスチン(黄体ホルモンであるプロゲステロンに類似の合成薬)が3年持続して放出されるもので、1998年よりすでに30カ国で250万人の女性が使用している。FDA生殖・泌尿器部門のScott Monroe氏は、この製品を「高い効果が認められるほか、患者の服薬遵守(コンプライアンス)に左右されない点も重要」と評価している。過去に同様な埋め込み型避妊薬Norplant(Wyethワイス社)があったが、これは一部ロットで避妊に十分な量のプロゲスチンが含まれていないという問題が生じ、2002年に自主的に回収された。Implanonについては、このような心配はないという。Monroe氏によると、Implanonは医用高分子で作られたマッチ棒大の製剤で、上腕内側の皮膚内に埋め込み使用する。挿入、除去ともに局所麻酔により短時間で完了し、除去後はすぐに受精能力(妊よう性)が回復するという。ただしHIV(ヒト免疫不全ウイルス)などの性感染症の予防効果はなく、不正出血や無月経がみられることもある。米国で実施された臨床試験では、妊娠例はわずか6例(1%未満)。いずれも除去後2週間以内の妊娠で、慎重を期すため除去前の妊娠とみなしたもの。Monroe氏によると「市販後のデータでは、正しく挿入していても妊娠した例があり、他の避妊法と同様、100%確実とはいえないが、効果が高いことは確か」だという。臨床試験に参加したのは体重が標準の130%以内の女性のみであったため、肥満女性への効果に対する疑問もあるが、各国の市販後データでは肥満女性にのみ妊娠例がみられるということはないという。Organon USA社は今後、医療機関向けの研修プログラムを開始し、研修を終えた機関からのみ注文を受ける予定。価格は未定だが、ほかの多くの避妊法を3年間使用するより低コストになるという。2007年には広く利用可能になるとのこと。(HealthDay)

*子宮頸がん予防にコンドーム コンドームの使用によって、子宮頸がんの原因ともなるヒトパピロマウイルス(HPV)の感染リスクが減ることが、米国の研究で明らかになった。 子宮頸がんは世界にも女性がんの第2位を占める。毎年、世界で約29万人が子宮頸がんで死亡しており、米国でも毎年約1万人が新たに診断され、約3,700人が死亡している。子宮頸がんのほとんどHPV感染が認められ、その持続感染が発がんの原因と考えられている。HPV感染は性行為感染症の一つで、大部分は無症状で自然にウイルスは消失する。一部が性器、肛門、尿道口などにいぼを形成したり、持続感染するが、発がんには他にも多くの要因が絡んでおり、すべての場合で発がんするわけではない。性交渉の開始に伴ってHPVの感染率が増加し、米国では若年女性で性交渉開始後5年以内に約80%が感染するとされる。HPVは感染範囲が広く接触感染のため、ペニスだけをカバーするコンドームでは予防できないという考えも根強い。今回、研究開始時に性行為経験のない女子大生82人を対象に、3年間の追跡調査を行った。それぞれ性行為とコンドームの使用の有無を記録し、子宮頸部と膣・外陰部のHPV検査は4カ月ごとに行われた。その結果、コンドームを100%使用した場合は、使用率が5%以下の場合に比べて70%もHPVの感染率が低かった。またコンドームの使用頻度が50%でも感染率は50%低かった。研究者らは「コンドームのHPVの感染予防に対する有効性が示されたが、その効果は100%ではない。また先ごろHPVに対するワクチンが承認されたが、予防できないウイルス型も約30%あることから、コンドームの使用、ワクチン接種、子宮がん検診を合わせて行うことが重要である」としている(HealthDay)
*男の助平心は5分で完成 男女間のコミュニケーションギャップを表す、興味深い結果が、米国の研究で明らかになった。男性は、5分間話しただけの初対面の女性を、性的な視点で評価し、相手も自分に性的魅力を感じていると勘違いすることがあるという。 研究は、男女の意思疎通のずれから起こる、セクシャルハラスメントやデートレイプ(知り合いからの性的暴行)をなくす目的で行われ、18歳〜22歳の大学生の男女43人ずつを対象とした。対象者は、「会話のしやすさ」についての研究だと伝えられ、初対面同士でペアになり、大学生活等について5分間、話をした。その後、別々の部屋で、自分や相手について、外向性や愛想の良さ、性的魅力、性的特徴などを評価し、相手が軽薄そうか、魅惑的かなどの質問に答えた。その結果、男性は女性よりも、相手に対して必要以上に、性的な視点で評価をし、男性の考える性的魅力は、女性の社交性や愛想の良さとは関連がないことがわかった。ある専門家は、男性は社会性を身に付ける中で、女性を性的対象として見るような風潮にあるのではないかと指摘する。また、別の専門家は、女性に分泌量の多い、オキシトシンというホルモンに注目した。このホルモンは、乳児と母親の絆を深めたり、排卵や妊娠中、授乳時に多く分泌されるが、一般的に人との心の結びつきを促進する役目も果たしており、女性が男性の性的魅力を、外見だけではなく、性格も含めて評価する理由ではないかとみている。この研究結果から、男女が職場の会議など短時間で出会う場合には「男性、特に自分がセクシーだと思っている男性は、すべての女性が自分に対して、性的な視点で接していると思わないこと。また、女性は、自分が思っている以上に、男性から性的視点で見られていることを理解しておくべき」と専門家はアドバイスしている(HealthDay)
*韓国カルト教祖は強姦魔

首都圏や関西で、大学生ら20代の若者が、韓国人男性=海外逃亡中=の教祖に絶対服従を誓う新興宗教集団(カルト)に引き込まれ、マンションの一室で共同生活を送ったり、信者同士の合同結婚式に参加させられたりしていることがわかった。集団には、約2000人が登録されているとみられ、少しずつ勢力を拡大している。教祖の女性信者に対する性的暴行も常態化しており、これまでに100人を超す学生らが被害に遭ったとされる。脱会支援を進める日本基督教団や弁護士らには、「子どもを取り返したい」という親らの相談が200件以上、寄せられている。この集団は、キリスト教の聖書を独自に解釈する教義を掲げ、韓国で80年ごろ設立された。当初は「モーニングスター(MS)」、現在は「摂理」と呼ばれている。教祖の鄭明析(チョン・ミョンソク)氏(61)は、女性信者への性的暴行が韓国で社会問題化した99年、国外に脱出。ソウル地検などから強姦(ごうかん)容疑で指名手配され、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配されたが、逃亡を続けている。集団の内部資料などによると、日本側の信者は、全国の国立大学や有名私立大学の学生や卒業生がほとんど。女性が約6割を占める。東京、大阪、名古屋、福岡、札幌など40カ所前後に「教会」と呼ぶ拠点がある。集合住宅の一室の場合が多く、一部の信者はここで数人単位の共同生活を送っている。集団内では、男女交際が禁止され、信者同士による合同結婚式が年1回のペースで開かれている。毎月、一定額の献金が課せられ、一部が教祖の逃亡資金として使われている疑いがある。
脱会者らの証言によると、鄭教祖は、国際手配を受ける前の02年までは頻繁に来日していた。大阪や千葉の側近信者の自宅に滞在。数人から10人前後の女子学生らを連日のように招き、「健康チェックをする」などと称し、わいせつ行為や乱暴を繰り返したとされる。海外逃亡を始めてからは、イタリアや中国、台湾などを転々とし、側近にひそかに指示を出してきた。女性信者らは「教祖が会いたがっている」と言われ、潜伏先に相次いで呼び出されたという。側近からは「誰かに言えば地獄におちる」などと、強く口止めされていた。
鄭教祖の暴行を受けた後、教義に疑問を感じ、脱会する女性が相次いだ。そのうちの一人は「乱暴されているときは何が起きたのか、理解できず、頭の中が混乱し、教祖にされるがままだった」と打ち明けた。「摂理」は日本では、15年以上の活動歴があり、別の脱会女性は「被害に遭った日本人女性はゆうに100人を超える」と話している。集団の勧誘活動はサッカー、演劇などのサークル活動を装って学生に食い込み、人間関係を築いた後で徐々に「教義」を説いてマインドコントロール状態に導く手法。信者の親らの脱会相談にのっている日本基督教団は「組織的手口で思想を変え、人格を破壊するカルトの典型」と指摘する。
「摂理」の実態に詳しい渡辺博弁護士(第二東京弁護士会)は「被害女性のほとんどは泣き寝入りを強いられてきたが、これ以上の被害を出さないためにも、教祖やその側近たちを刑事告訴することも考えている。追い詰められた教祖の命令しだいでは、信者たちがいつ暴走を始めるかわからない危険性もあり、今のうちに対策を講じなければ手遅れになる」と話している。鄭教祖は、「摂理」を設立する以前の70年代に、世界基督教統一神霊協会(統一教会)でも活動していた。統一教会広報部は「鄭氏が2年間ほど、韓国の統一教会に在籍した事実はあるが、当教会と摂理と呼ばれる集団とは一切関係ない」と話している。朝日新聞は、集団の日本側責任者とみられる女性に取材を申し込んだが、27日までに回答はない。
〈摂理〉 台湾、マレーシアなどにも活動拠点がある。各教会のリーダーは信者の中から教祖の直接指名で選ばれる。信者歴に応じて社会人担当、キャンパス担当などの役職を任される。水曜と日曜に定期礼拝が開かれている(朝日新聞)

*ES細胞研究助成に大統領初の拒否権か 07.23

米上院は18日、ヒトの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究への連邦助成を拡大する規制緩和法案を賛成63、反対37の賛成多数で可決した。ブッシュ大統領が署名すれば発効するが、大統領は01年1月の就任以来初めて拒否権を発動する方針だ。妊娠中絶などに反対する支持基盤の宗教右派への配慮と見られる。難病治療への可能性を秘めるES細胞研究に世界がしのぎを削るなか、米国が大きく後れをとりかねないとの懸念が出ている。ES細胞は、血管や神経などあらゆる組織をつくる細胞に分化する可能性があり、「再生医療」という新分野につながると見られている。ブッシュ政権は01年8月の時点ですでにつくられていたヒトES細胞株を使用する研究だけに助成し、その後つくられたES細胞使用の研究には助成しない方針。だが、研究者や患者からは研究の推進を求める声が強く、同法案への期待が集まっていた。法案は昨年5月に下院を通過したが、大統領は「生命(受精卵)を破壊する研究に国民の税金を使ってはならない」と主張。今回もスノー大統領報道官が「多くの人が殺人と考える研究への助成が不適切だと大統領は信じている」と述べ、拒否権発動の方針を示した。大統領の拒否権発動はクリントン政権の00年以来。11月の中間選挙を前に、動員力を誇る宗教右派への配慮との見方が強い。だが、各種の世論調査では約7割が研究を容認。今回も、共和党はフリスト上院院内総務ら19人の賛成者が出て、分裂した。拒否権を発動された法案は議会に戻され、覆すには上下両院で3分の2以上の賛成が必要。実現は困難で、法案が宙に浮くことになる(朝日新聞)

*無症状性器ヘルペス 性器ヘルペスは、性感染するウイルスが原因の疾患で、多くの場合、性器や肛門またはその周辺に水疱(すいほう)が生じる。この水疱が破れると、痛みを伴うびらんとなり治癒には数週間を要する。時間がたつにつれ水疱の発生が軽度になり、期間も短くなる。 自分が性器ヘルペスに感染していることに気付かない人も多い。米疾病管理予防センター(CDC)によると、母親がヘルペスウイルスに感染していると、新生児に重大な感染症をもたらすこともある。性器ヘルペスは治療法がなく、無症状の感染者から性交渉の相手へ伝播(でんぱ)していく。しかし、薬剤を用いてヘルペスの発症を抑えることもできる。コンドームを使用すれば感染リスクが減少するが、コンドームで保護されていない部位にびらんがあれば、やはり感染する可能性がある。最もよい予防法は、感染している可能性のある相手との性行為を控えることだとCDCは述べている(HealthDay)
*高校生性意識調査、SEX容認派減少

道内の高校生自身が許されると思う異性との交際は「セックスまで」が大きく減って「キスまで」が増えている――こんな調査結果を教員グループが生徒への調査結果としてまとめた。調査は75年から行われているが、「セックスまで」が極端に減ったのは初めて。原因分析はこれからだが、調査した教員グループは「一部の高校生で秩序を求める傾向が強まり、二極化が進んだのでは」と推定している。
社会科教員の有志グループ「北海道高校倫理・現代社会研究会石狩支部」が昨年9月に札幌市など道内30数校の2年生男女約千人に調査し、まとめた。75年から約5年おきに実施している定期調査で、生活上のさまざまな意識を尋ねている。
「高校生が許される異性との交際の範囲は」との質問には「会話を楽しむ」「キスまで」「セックスまで」など五つの選択肢がある。
「セックスまで」は01年に最高を記録した55%から今回41%に減った。75年の13%から前回まで多少の上下を繰り返しながら増え続けていた。
一方、「キスまで」は前回の18%が26%となった。「会話を楽しむ」(19%)、「手を握ったり腕を組んだり」(9%)は前回と大きな変化がなかった。
セックス容認派の減少について、調査結果を分析した道立北広島西高校の初谷宏教諭らは「バブルの時代に思春期前の幼少年期を過ごした高校生は欲望を肯定する傾向が強い。いまの高校生はバブル後に幼少年期を過ごし、一部に秩序を求める傾向が強まった可能性がある」と分析している(朝日新聞)

*ES細胞精子から子供誕生・マウス 07.12

万能細胞とも呼ばれる胚(はい)性幹細胞(ES細胞)からつくった精子を卵子と受精させ、マウスの子を誕生させることにドイツ・ゲッティンゲン大などのチームが成功し、米科学誌ディベロップメンタル・セルに10日発表した。ES細胞から精子や卵子ができたとの報告はこれまでにもあったが、子どもに育つ能力を証明したのは初めて。理論的には人間でも実現可能なことを示したと言える。だが、生まれたマウスには早死になどの異常がみられ、チームは「当面は正常な精子ができない男性不妊の原因究明など基礎的な研究に役立てるべきだ」としている。チームは、マウスのES細胞の中から特定のたんぱく質を頼りに精子のもとになる細胞をより分け、試験管内で精子へと成熟させた。それを微細なガラス棒で210個の卵子に注入した結果、65個が受精。雌マウスへの移植で計7匹のマウスが生まれ、うち6匹はおとなに成長した。しかし、6匹とも体が大き過ぎたり小さ過ぎたりしたほか、通常は数年とされる寿命より短い5カ月以内に死んだことから、チームは「技術的には未完成」としている(朝日新聞)

*乳がん温存療法の放射線照射、杜撰

早期の乳がんを対象とした温存療法で放射線治療をする際、日本乳癌(がん)学会が定めた照射方法の指針を満たしていない例が全体の4割にのぼることが、厚生労働省研究班の調査で分かった。がんが残っているかもしれない場所に十分あてていなかった例が目立ち、再発につながる恐れもある。乳房温存療法はがんを手術で取り除いたあと、乳房に放射線をあてるのが原則。がん細胞をたたき、再発を防ぐのが目的だ。あてる範囲が広すぎると、肺や心臓などに問題が起こる危険があるため、同学会は照射すべき範囲などを定めた医師向けの指針をつくり、98年に発表した。研究班は、全国72施設をメンバーが訪問して調べた。99〜01年に温存療法を受けた531例の治療記録を分析した結果、学会指針を満たさない例が226例(42.6%)あった。呼吸の影響で胸が動くことを十分考慮しないなどして、照射する範囲が不足している例が多かったという。調査をまとめた京都大放射線治療科の山内智香子助手は「体形には個人差があるので、指針を満たさないからといって直ちに不適切とは言えない。ただ、指針が医師の間に十分に伝わっていないことを痛感した」としている。結果は、7日から金沢市で始まる同学会の総会で発表する(朝日新聞)

*愛のホルモン、オキシトシン 07.07 「love hormone(愛のホルモン)」と呼ばれるオキシトシンに、夫婦げんかを鎮める効果があるという。オキシトシンは、人間関係や他人との心理的境界を健全に保つ能力に関係があると考えられているが、緊迫した状況でのストレスを軽減させるはたらきもあることが示され、ピッツバーグで開催された国際神経内分泌学会で報告された。 米エモリー大学(ジョージア州)精神学行動科学のBeate Ditzen氏らは、50組のカップルのうち半数にはオキシトシンの含まれる鼻腔スプレー薬を投与し、残りにプラセボ(偽薬)を投与した後、それぞれの抱える未解決の問題について模擬的に口論をさせた。唾液中のコルチゾル(ストレスの多い条件下で増大するホルモン)の濃度が測定され、カップルは自分たちの関係を評価するアンケートに回答した。この結果、オキシトシン群では、プラセボ群に比べコルチゾル濃度に有意な減少がみられたという。さらにオキシトシン群の夫婦は、マイナスの感情もプラスの感情も素直に表現することができた。「心理学的見地からいえば、これはまさに争いを解決しようとする行動」だとDitzen氏は述べている。オキシトシンは脳で産生され下垂体から分泌されるホルモンで、人を信じる能力や互いをいたわる能力に関わりがあるとされている。昨年(2005年)秋に実施された日本と米国による共同研究では、オキシトシンを与えずに育てた雌マウスが仔マウスの世話をしないことがわかっている。このホルモンが、自閉症など一部の精神障害の治療にも有用である可能性を指摘する専門家もいる。今回の会議で発表された別の研究では、テストステロンやコルチゾルなどのホルモンがスポーツの「本拠地効果」の一端を担う可能性も示された。カナダのアイスホッケーチームを対象に試合前後のホルモン濃度を測定した結果、本拠地の試合では遠征試合に比べテストステロンおよびコルチゾルの濃度がいずれも高く、領地を守ろうとする意識とストレスがともに大きいことがわかったという(HealthDay)
*広島女児殺人事件、ヤギ被告に無期 広島市で昨年11月、下校途中の市立矢野西小1年の木下あいりちゃん(当時7歳)が殺害された事件で、殺人▽強制わいせつ致死▽死体遺棄▽出入国管理及び難民認定法違反の罪に問われたペルー国籍のホセ・マヌエル・トレス・ヤギ被告(34)に対し、広島地裁の岩倉広修裁判長は4日、無期懲役(求刑・死刑)を言い渡した。子どもが犠牲になる事件が全国で相次ぐ中、同種の裁判にも影響しそうだ。起訴状などによると、トレス・ヤギ被告は05年11月22日午後0時50分ごろ、広島市安芸区矢野西4の自宅アパート前で、下校途中のあいりちゃんに携帯電話を見せるなどして自室内に連れ込み、下半身に性的暴行を加えるなどし、手で首を絞めて殺害。室内にあった段ボール箱に遺体を入れて近くの空き地に捨てた。
◇死刑求刑退ける
検察側は論告で、「社会防衛の見地からも国民感情に沿った厳罰をもって臨むべきだ」と指摘。「たとえ被害者が1人であっても、罪責が極めて重大な場合には死刑の適用が考慮されるべきだ」などと主張した。一方、弁護側は「悪魔の声が聞こえた」とする被告の主張に基づき、あいりちゃん殺害時は、心神喪失か心神耗弱の状態だったとして、殺人と強制わいせつ致死について無罪を主張している。裁判を巡っては、あいりちゃんの父建一さん(39)が「なぜ、検察側が死刑を求刑せざるを得なかったか。被害の実態を伝えてほしい」と、7歳の愛娘に加えられた性的暴行や殺害行為の詳細をできる限り報道してほしいと異例の要望をし、極刑を求める心情を理解してもらいたいと訴えた。この裁判は、公判前整理手続きを採用したため、初公判から判決まで2カ月足らずだった(毎日新聞)



*出生率低下、夫婦はもっとSEXを 06.30 出生率低下を食い止めるために、ある専門家がこんな提言をしている。家族計画協会(JFPA)の北村邦夫常務理事は日本の英字紙『ジャパン・タイムズ』に「要するに日本人はセックスをしていないんです」と語った。JFPAが16歳から49歳の男女936人を対象に行った調査によると、31%が「特定の理由はないが、1カ月以上セックスをしていない」を回答した。「セックスレス」として知られる現象だ。北村氏は「補助金と福祉プログラムも重要ですが、セックスレスもこの問題で極めて重要なポイントです」と語った。女性が一生の間に出産する子どもの平均人数である出生率は、日本の場合、昨年、史上最低の1.25に低下した。人口統計学者によると、人口が減らないためには2.1の出生率が必要だという。コンドームメーカー「デュレックス」が昨年、行った調査によると、日本人のセックスの回数は平均年45回。世界の平均は103回で、調査対象国41カ国の中で最低だ。
北村氏によると、日本人男性の多くがワーカホリックで、仕事でストレスを抱えすぎているため、セックスをするエネルギーが残っていないという。また一方で、なんの理由もなく定期的にセックスをしないカップルが多い。JFPAの調査によると、あまりセックスをしないと回答した人々の44%が、異性と関係を持つことは「非常に退屈」、もしくは「退屈」と回答している。北村氏のアドバイスは、カップルはお互いにもっと話し合うべきだということ。「私たちの中にある動物的本能、つまり生殖をもたらすのは、異性との相互関係なのです」(エキサイト・ロイター)
*高齢化・少子化、ついに世界一 日本の人口に占める65歳以上の高齢者の割合は21.0%と世界最高になる一方、15歳未満は13.6%で世界最低となり、高齢化・少子化ともに世界で最も進行した国になったことが、総務省が30日付で発表した05年国勢調査速報でわかった。前回の00年調査では、いずれもイタリアに次いで2番目の割合だったが、逆転した。少子高齢化が急速に進んでいることがあらためて浮き彫りになった。昨年の人口は1億2776万人で、00年より83万人増えた。年齢別では、15歳未満が1740万人、15〜64歳は8337万人と、ともに前回より減ったが、65歳以上は481.5万人増の2682万人だった。日本の高齢者の割合を各国と比べると、80年に9.1%と先進7カ国で最低だったが、平均寿命の伸びと出生率の低下で急伸。00年は17.3%で、人口10万人以上の192カ国・地域中最高だったイタリア(18.2%)に迫り、今回イタリアの20.0%を抜いた。一方、15歳未満は、前回最低だったイタリアが14.0%で下から4番目になり、日本が最低になった。出生率が改善傾向にあるフランスは18.2%、出生率が2を上回る米国は20.8%となっている。国立社会保障・人口問題研究所が02年にまとめた将来人口の中位推計では、05年の65歳以上人口は19.9%、15歳未満は13.9%と予測されていたが、これを上回るペースで少子高齢化が進んだことになる。また、少子化の大きな要因とされる未婚率の上昇も続いており、30〜34歳の未婚率は男性47.7%、女性32.6%。それぞれ5年前よりも4.8ポイント、6ポイント増えた(朝日新聞)
*メス牛ダッチワイフで精液採取 ニュージーランドで開催されている農業展示会で、雄牛がニセモノの雌牛にマウンティングする生の「セックスショー」が人気を博している。小型のゴーカートの屋根に本物の雌牛の皮を張ったニセの「雌牛」はアンブリード・ニュージーランド社が開発したもの。雄牛からより安全にかつ効果的に精液を採取するためのもので、それによって雌牛の人工授精を向上させる。欧州ではすでに同種の機械が広く実用化されているが、ニュージーランドには、乳製品が最大の輸出品であるにもかかわらずまだ導入されていなかった。ゴーカートは人間のオペレーターによって操縦され、雄牛に近づき、高さを調整する。操縦の体験はかなり恐ろしいもののようだ。アンブリードのアンドリュー・メドリー製品部長は「重量1トンの雄牛がものすごく興奮して屋根の上にのしかかってくるんです。かなり恐いですよ」と語った。雄牛の精液は通常、2人の専門家によって取り付けられるゴム製の「人工膣」で採取される(エキサイト・ロイター)
*長女に性的虐待の父「無罪」を破棄

長女(16)に性的な虐待を繰り返したとして、児童福祉法違反の罪で起訴され、一審で無罪となった愛知県津島市の男性会社員(36)に対し、名古屋高裁の門野博裁判長は28日、「長女が実の父親を陥れるうそをつくとは考えられず、供述は信用できる」として、一審判決を破棄し、懲役5年(求刑懲役6年)を言い渡した。門野裁判長は、長女の母親が設置したボイスレコーダーに虐待をうかがわせる音声が記録されていたと指摘。「長女は信頼すべき父から性的虐待を受け、将来の成長に深刻な影響を与えかねない」と述べた。男性は03年3〜9月、同市内の自宅で3回にわたり、当時13〜14歳だった長女にわいせつな行為をしたとして、03年12月に起訴された。名古屋家裁は昨年9月、「長女の証言の信用性は低い」として男性を無罪とした(朝日新聞)

*40歳以上男性、6割が尿の悩み 06.14

40歳以上の男性の約6割が残尿感や頻尿など尿についての悩みを持っていることが、約1500人を対象にしたインターネット調査で分かった。悩みを持つ人の8割近くが「年齢のせいとあきらめている」「大したことではなく我慢できる」などの理由で放置していることも明らかになった。医療機器メーカーのボストン・サイエンティフィックジャパンが調査した。「悩んでいる」と答えた949人から400人を抽出して詳しく聞いたところ、多かった症状は、「回数が多い」(54・5%)、「残尿感」(53・6%)、「尿の勢いが弱い」(51・6%)−−など。4人に1人は「尿もれ、失禁」の経験があった。また、「悩んでいる」人の半数近くは「病気ではないか」という不安を抱いているにもかかわらず、医師などに相談したり治療を受けた人は21・3%にとどまっていた。同社は「多くの中年男性が悩んでいながら、あまり深刻にとらえていない現状が明らかになった。放置すると腎機能に影響を及ぼす場合もあり、初期症状の段階で受診した方がいい」と注意を促している(毎日新聞)

*骨粗しょう症薬・エビスタが乳がん予防効果

日本でも発売されている骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の治療薬「塩酸ラロキシフェン」(商品名エビスタ)に、乳がんの発症予防効果が認められた。米国立がん研究所の大規模臨床研究で分かり、米臨床腫瘍(しゅよう)学会で発表された。女性ホルモンを調整することで予防効果を発揮しているらしい。家族の病歴、閉経や初産の年齢などから、5年以内に乳がんを発症する危険性が高いと予想された女性約2万人を2グループに分け、一方にはラロキシフェンを、他方には既存の乳がん治療・予防薬「クエン酸タモキシフェン」(商品名ノルバデックス)を、約5年間服用してもらい、効果を比べた。その結果、ラロキシフェンを飲んだ人で悪性の浸潤性乳がんを発症した割合は、服薬なしの一般的な発症割合に比べ半減し、タモキシフェンと同等の予防効果が確認された。副作用で増えるとされる子宮がんの発症割合はラロキシフェンの方がタモキシフェンより36%低く、静脈血栓塞栓(そくせん)症の発症割合も3割ほど低かった。ただ、症状が比較的軽い非浸潤性乳がんの予防効果では、タモキシフェンを下回った。二つの薬はともに選択的エストロゲン調整剤と呼ばれ、体内の部位によって女性ホルモンと同じ働きをしたり、逆に働きを抑えたりする。乳房では女性ホルモンの働きを抑える。米国では、乳がんの発症リスクが高い女性に対し、薬で発症を予防する取り組みが進んでいる。研究チームは「薬の選択肢が増え、浸潤性乳がんの予防にとって大きな前進になる」と強調する。
東京女子医大の太田博明教授(産婦人科)は「ラロキシフェンの乳がん予防効果が、初めて直接的に確認された。従来薬より副作用が少なく、骨粗鬆症にも効くので、今後、女性の健康に幅広く寄与すると期待される」と言っている(朝日新聞)

*人クローンES細胞指針 06.07

クローン胚(はい)からさまざまな組織になり得る胚性幹細胞(ES細胞)をつくる研究について、文部科学省の作業部会は6日、大もとになる卵子の提供条件などを盛り込んだ指針案を固めた。韓国ソウル大チームの論文捏造(ねつ・ぞう)による教訓を反映した内容で、報告書として、今秋にも政府の総合科学技術会議(議長=小泉首相)に諮問する。クローン胚は卵子(未受精卵)から核を抜き、皮膚など体細胞の核を移植するもの。指針案では、病気のために摘出した卵巣や、不妊治療で必要がなくなった卵子の無償での提供を認めた。ボランティアによる提供は当面認めないが、実施条件の検討を続けることにした。卵子の提供を受ける機関に提供者の相談に応じるコーディネーター(調整役)の配置を義務づけた。提供を強いる不正な圧力がかからないよう、女性研究者やその親族、将来治療の対象となり得る難病患者からの卵子提供は禁じた。また、韓国ソウル大チームによるクローンES細胞研究の捏造が発覚して、人クローンES細胞が実現可能かはっきりしなくなったため、研究機関にサルなど霊長類での十分な研究実績を積むことも求めた。今回の指針案は、クローン人間の作製を禁じたクローン技術規制法の特定胚指針を改定して、反映される予定だ(朝日新聞)

*ヒトES細胞から神経細胞

いろいろな組織や臓器に育つ可能性があるヒトの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)から、高い効率で神経細胞を作る方法を、理化学研究所と京都府立医科大の研究グループが開発した。神経細胞はいったん損傷すると自然には回復しにくく、「神経細胞移植」によるパーキンソン病など神経系の難病への治療法開発が期待されるという。米科学アカデミー紀要の今週の電子版に発表する。ES細胞を、ヒトの羊膜(胎児を包む膜)の上に乗せて培養した。ネズミの骨髄由来の細胞などが必要だったこれまでの培養方法より感染症になる心配が少なく、神経細胞を治療に使う時の安全性が高まるという。理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の上野盛夫・客員研究員らが、京大再生医科学研究所で作られた国産ヒトES細胞を使って研究。羊膜と一緒に1カ月以上培養すると、パーキンソン病の治療用に期待されるドーパミン神経細胞や、運動神経細胞、網膜色素上皮細胞、水晶体組織などに高い率で変わることを確かめた。羊膜細胞の外側にあるたんぱく質や多糖類などに含まれる成分が、ES細胞に働きかけて、神経細胞を作り出すとみられている(朝日新聞)

*「女性器切除」にWHO再警告

アフリカや中東の一部で伝統的に続いている女性器切除(FGM)は出産時の大量出血や死産といった母子の命の危険につながっている、との調査報告を世界保健機関(WHO)が2日まとめた。「文化や伝統に深く浸透した慣習とはいえ、すぐにやめるべきだ」と警告している。性器切除の慣習が広く残るブルキナファソ、ガーナ、ケニア、ナイジェリア、セネガル、スーダンの28カ所の産院で01〜03年、約2万8千人の女性を調査。その結果、性器切除を受けていない女性に比べ帝王切開による出産が3割多く、分娩(ぶんべん)後のひどい出血は7割多かった。生まれてきた赤ちゃんでは、仮死状態で蘇生させなければならないケースが66%多く、死産率が55%多かった。報告書は、性器切除によって外性器の伸縮性がなくなり、会陰切開や帝王切開をしなければならない難産が増えると分析。分娩の時間が長くなり、赤ちゃんにも大きな負担がかかって危険が高まるとみている。性器切除を受けた女性は世界に約1億人以上いると推定される。性感を減じて婚前の性交渉をさせない意図や、女性器をけがれたものとする偏見が背景にある、といわれる(朝日新聞)

*都内のHIV感染、最多417人

1日1.14人。東京都内でエイズがじわじわと増えている。昨年1年間にエイズウイルス(HIV)に感染した人と、エイズを発症した患者の合計数は、過去最多の417人。15年前に比べて8倍に増えた。一方、感染の有無を調べる検査の受診者数は、伸び悩みぎみ。危機感を抱く都は、今年から始まった「検査普及週間」(1〜7日)に合わせ、啓発に力を入れる。「感染者は、実際には報告数の4〜5倍はいる。エイズ患者が増え続けているのは先進国では日本だけ。爆発的な流行につながるおそれがある」新宿駅南口にある都南新宿検査・相談室で、10年近く検査に携わる医師の山口剛氏(73)は指摘する。都内で検査を受け、感染や発症が明らかになった人は年々増え続け、90年の51人から昨年は417人になった。すでに感染が分かっている人も加えると計3938人で、全国の感染者の累計約1万1000人の4割になる。一方、検査そのものの受診者数は、社会問題化した92年に3万1千人以上だったのが、昨年は2万2千人。休日に検査をしたり、即日で結果が分かる検査も実施したりするなど様々な工夫が奏功し、ここ数年、増加傾向にはある。ただ、「手は尽くし、頭打ちになりつつある」と都の担当者は懸念する。HIVの増殖を抑える薬物治療の進歩で、エイズは致死的な病気ではなくなった。それだけに早期発見が重要だが、山口氏は「安心してしまっているのか、関心は薄れている」と嘆く。昨年、新たに感染が分かった人の9割は日本人男性。6割が外国人だった92年から状況は大きく変わった。感染源は同性間の性的接触が目立つ。年齢別では20代、30代が72%を占め、HIV感染の危険性が高まるクラミジアなどの性感染症の若者が増えていることも懸念材料だ。一方、全国では昨年1年間にHIV感染832人、エイズ患者367人が新たに報告された。合わせて過去最高の1199人となり、2年連続で千人の大台を超えた(朝日新聞)

*「ジェンダーフリー」用語の使用問題

「ジェンダーフリー」という言葉の使用をめぐって各地の自治体などで混乱が生じている問題で、福島社民党党首や女性団体の有志らが5日、「言論や思想の統制につながることのないようジェンダー概念の正しい理解を周知徹底されたい」とする要望書を猪口男女共同参画相に提出した。ジェンダーフリーをめぐっては内閣府が1月、「使用しないことが適切」と都道府県に通知。その後、ジェンダー関連書籍一時撤去などの動きがあり、女性団体などが通知との関連を指摘している(朝日新聞)